2019年5月26日(日)、ファイナンシャルプランナー2級技能士試験(以下「FP2級」)を受けてきました。
本当は1月に受けるつもりだったのに、休日出勤が入ってしまい後ろ倒しすることに……
参考:ファイナンシャルプランナー2級試験に挑戦します

結果は無事合格。
学科は56/60、実技は89/100と、余裕をもって合格できました。

試験の仕組み

試験は学科試験と実技試験の二部構成です。
学科はマークシート、実技は記述式(論述ではなく短答)です。

学科試験

学科試験は6科目に分かれており、それぞれ10題ずつ、全60題です。
合格ボーダーは6割、36点です。


ライフプランニングと資金計画
年金と社会保険がメインです。
福祉系部署の公務員なら余裕でしょう。

試験対策の観点では、一番厄介な科目です。
複雑で理解しにくいうえ、細かい数字が大量に出てきます。
テキストに書かれていないことも度々出題されますし、得点源にはしにくいと思います。
 
リスク管理
生命保険や損害保険など、民間保険がメインです。
公務員実務とは無縁の科目で、しっかり勉強が必要です。
実生活で一番役立つ科目でしょう。

金融資産運用
債権や株式の運用がメインです。
こちらも公務員実務とは無縁の内容ですが、株を触っている人間であれば余裕でしょう。

タックスプランニング
所得税の計算方法がメインです。
税関係部署の公務員なら余裕でしょう。
細かい数字がたくさん出てきますが、覚えてしまえば得点源にできる科目です。 

不動産
不動産の権利関係、税制、関係規制法令が問われます。
権利関係は、公務員試験の民法を簡単にしたような内容です。
宅建士試験を浅くしたような内容です。
出題範囲の幅が狭く、問題演習を繰り返せば得点源にできます。 

相続・事業承継
贈与と相続について問われます。
公務員試験の民法に、実務的な数値問題が加わったような内容です。
科目名に「事業承継」と入っているものの、贈与の方がよく出題されます。

実技試験

全部で5種類ある中から、出願時に1種類選びます。
僕は「資産設計」を選びました。合格率が一番高かったので。
こちらも合格ラインは6割です。

資産設計
学科試験の知識を使い、資料読解や正誤判断、計算問題に答えます。
問題形式は毎回だいたい一緒なので、解き方のパターンを覚えればなんとかなります。


使用教材

きんざいが発行しているテキストと問題集を使いました。
ただ、日本語の表現がわかりづらい箇所があり、何度読んでも頭に入らないことがありました(老齢厚生年金のあたりとか)。 

試験会場にいた他の受験生を見ると、「みんなが欲しかった!」シリーズが圧倒的多数でした。
 


勉強方法

まずは、テキストを一読してから学科問題集を解きました。
一周したら、間違えた問題に再度チャレンジ。
たくさん間違えた分野は「苦手分野」に認定し、テキストを見ながらまとめノートを作成して頭に叩き込みます。
並行して、細かい数字を暗記していきます。

まとめノート作成が一巡したら、学科問題集を頭から解き直します。

出題範囲がとても広いので、まとめノート作成のような丁寧な勉強方法は、苦手分野だけに絞った方がいいと思います。
絶対に時間が足りません。

1ヶ月前くらいから実技問題集にも取り掛かります。
問題の解き方に慣れるのが目的です。
同時に、FP協会のホームページに載っている過去問にも挑戦します。
無料で使えるので、使わない手はありません。

総勉強時間は約70時間でした。
僕の場合、日頃から株を触っているおかげで「金融資産運用」は勉強無しで余裕、「不動産」は宅建のおかげで軽く勉強するだけで十分だったので、他の受験生よりも2科目分有利でした。
予備知識なしで勉強スタートする場合は、もっと時間がかかるかもしれません。

試験本番・結果

初めて見る単語や統計がちらほら出てきて焦りました。
一方で既視感のある定番問題も多く、こちらさえしっかり得点できれば、初見問題は直感で答えても大丈夫だったと思います。

問題文中に「利回り30%の株式」が登場して吹き出しそうになりました。

試験雑感

満点取るのはものすごく難しいけど、合格自体はさほど大変ではないと感じました。

出題範囲自体は広くて深いものの、合格点が6割と低い試験です。
引っ掛け選択肢は少なく、ストレートに知識を問うてきます。
試験慣れしている方なら、あっさり合格できると思います。

公務員なら、社会保障や税、不動産関係(民法)あたりの知識が元から身についているので、普通の受験生よりも有利でしょう。
保険や資産運用はしっかり勉強しなければいけませんが、人生を考えるうえで絶対に役立つ知識なので、勉強しておいて損はありません。

ぜひとも受験をおすすめしたい資格なのですが、唯一のネックは受験制限があること。
公務員の場合、先にFP3級に合格しないと、2級には挑戦できません。
(通信講座でも受験資格を取得できるようですが、コスパが悪い) 

3級は単語を覚えればなんとかなるレベルでお手軽簡単なのですが、あまり実用性を感じませんでした。
お金に興味のある公務員は、ぜひ2級取得まで見据えてほしいなと思います

後日談

FP2級加工

地銀勤務の友人に「FP2級受かったぜ」と報告したところ、嘲笑されました

「民間感覚だと『肺呼吸できるようになりました!』と同レベルの報告」と。

「FP2級合格で喜んでるあたり、公務員の民間感覚の無さ、金融リテラシーの無さを体現している」と。

保険のおばちゃんお姉さんは、全員がFP2級の上位資格にあたるAFPくらいは当たり前。
地銀銀行員なら20代でさらに上位の1級取得も普通とのこと(できる人は中小企業診断士まで取るらしい) 

「FP2級」を公言すると前掲の画像みたいな扱いを受けてしまうらしいので、リアルでは黙っておきます……