キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2018年10月

名刺事情の記事が、先月から急に伸び始めました。
参考:地方公務員はなぜ名刺を渡したがらないのか?本当に自腹で作っているのか?

新規採用職員がそろそろ同じような疑問を持ち始めたのでしょうか?
それとも、どこかで「地方公務員が名刺をくれないのはおかしいのでは?」という動きが始まったのでしょうか?
いずれにせよ、今後の推移を見守っていこうと思います。

今回は名刺に関係して、名刺入れについて紹介します。

どういう名刺入れを使っているのか?

地方公務員が使う名刺入れは、とにかく地味です。
黒地革製のものが主流で、時々銀色のメタルケースを使っている人がいるくらいです。

腕時計と同じく、パッと見てブランドものだとわかるようなものは使いません。
(参考;地方公務員の腕時計事情とは?高級時計・Gショックは避けるべきなのか?

伝統工芸の織物や漆器がある地域の公務員だと、宣伝目的で伝統工芸の名刺入れを使うこともあるようです。
その場合はやたらと派手です。
ある意味「ツッコミ待ち」なので、どうして派手なのか(または男性なのに女物を使っているのか)聞いてみると喜ぶでしょう。



大半の地方公務員にとって、名刺入れの使用頻度は低いです。
普段から持ち歩く必要もなく、デスクの引き出しに突っ込んだままの人が多いでしょう。

僕は職場用と鞄用に、2つ持っています。
引き出しと鞄を行き来させるのが面倒で、よく忘れてしまうからです。

名刺入れの選び方

たとえ自分の名刺を持たなくても、名刺入れは必須です。
自分の名刺を持たなくても、名刺をもらう機会は多々あります。
その際、もらった名刺を汚さず収納するために、名刺入れは欠かせません。

とはいえ、使用頻度は少ないので、良いものを使う必要も無いと思います。
大手メーカーの定番品の中から、好みに合わせて選べばいいでしょう。

ただし、他地域の伝統的工芸品は避けたほうが無難です。
地方公務員という立場上、「どうして他地域の応援をするのか?」と厳しく見てくる人が必ずいます。

この意味でも、大手メーカー(海外ブランドだと尚良し)の製品をお勧めします。




ETTINGER製品が似合うダンディーなおっさんになりたい……

当ブログの一番人気記事は相変わらず学歴ネタなのですが、ついで人気なのが資格関連の記事です。

勉強結果が形に残るという意味で、資格勉強はやりがいに満ちています。
しかし、地方公務員の実務には、なかなか役立ちません。

一方の実務知識は、どれだけ蓄えても異動のたびにリセットされてしまうため、自発的に勉強するほどのモチベーションが湧かないものです。

「地方公務員として働く中でライフワーク化できるくらい、どの部署でも役に立つ知識はないものか」と常々考えてきたのですが、ついに1つ思い当たりました。郷土史です。

攻める業務での郷土史

観光系・産業系の部署では、既に確立した地域の強みや魅力をさらに磨き上げるだけでなく、新たな素材の発掘も行っています。

郷土史は素材の宝庫です。
「当時は日本一」「日本初」といった文言がたくさん見つかります。
これらは全て、何も手を加えなくとも、最初からオンリーワン。
素材として非常に有望です。うまく調理できるかは別問題ですが……

地域住民とコミュニケーションをとる際にも、郷土史知識は役立ちます。
ボランティア団体の方々など、一緒に仕事をしていく住民からは、相手方の郷土史的事情を知っているだけで、ある程度は信頼を得られます。
友好的な関係を築くための第一歩です。


守る業務での郷土史

受け身・後ろ向きな業務でも、郷土史は役立ちます。
自治体が現在抱えている問題の発端は、地域特有の歴史事情にあることも多いです。
一般的な日本史(政治史)の知識だけしか備えていないと、本質を見落とすおそれがあります。

例えば、国有地の不法占拠。
河川敷の中に勝手に畑が作られている場面を考えます。
 
この場合、趣味の園芸で畑を作っているのか、明治維新や戦争中のどさくさの中で行政側が勝手に土地境界を定めたのかで、対応方針が変わってきます。
前者であればすぐに行政指導ですし、後者であれば登記を調べ尽くしてから低姿勢で事情説明です。
 
一般的な日本史政治史の知識しか無ければ、「どさくさ」という可能性にたどり着きません。
後者のようなソフトな対応は、思いつきもしないでしょう。

この例は非常に単純ですが、具体的に書くのが憚られるくらい生々しい郷土史由来の問題が現場には転がっています。
一般的な常識だけで判断すると、手痛いカウンターを食らってしまいます。

戦いでの郷土史

最も郷土史知識が必要となるのは、アンチ行政な方々との折衝業務です。
彼らはたいてい郷土史に精通しており、郷土史の中から行政批判のネタを拾ってきます

明治期に様々な規制法令が施行された結果、藩政期までは住民の自由に委ねられていた日常的行為の多くが、行政の規制下に置かれることになりました。
 
もちろん、完全に規制できるわけがなく、施行直後に揉めたまま現代まで法適用できていないケースが存在します。

郷土史を紐解くと、 こういった例外的なケースに第三者が気づいてしまいます。
例外を許している行政に対し、「怠慢では?」「特権的な取り扱いをしている」と攻撃するのです。

他にも、このあたりはありそうです。
  • 史跡の復元工事をしている自治体に対し、「行政の史料解釈は間違っている、このままだと間違った形に仕上がる」と工事差し止め
  • 災害発生時に、「『経験したことがない災害』と説明しているが、過去の災異史には同様の事例が載っている」と損害賠償請求

彼らの主張を理解し、対策を考えるには、郷土史の知識が欠かせません。
郷土史を知らないままに対応すると、相手のペースに飲まれます。
気づかぬうち不利な言質を取られてしまうでしょう。

郷土史を勉強するには?

どうやって勉強すればいいんでしょう?僕も知りたいです。

とりあえず、山川出版社から出ている『〇〇県の歴史』『〇〇県の歴史散歩』シリーズは、必読かと思います。

まずはこれらシリーズの、お住まいの地域の巻を読んで、通史を把握してはどうでしょうか?


埼玉県の歴史 (県史)
田代 脩
山川出版社
2010-11-01





埼玉県の歴史散歩
山川出版社
2005-03-01



「理系なのに行政職になったら、採用後ついていけないかも……」という不安を時々見かけますが、 
地方公務員レベルであれば、理系学部出身であっても、実務に困ることは全くありません。

大学で学ぶ知識はそもそも必要なのか

「理系学部出身者は文系知識が無くても大丈夫な部署に配属される」という意味ではありません。
 
そもそも、文系学部で学ぶ知識が大半の部署で必要とされません。
そのため、どんな学部を卒業していようと、地方公務員として働く上では関係無いのです。

大学レベルの知識が必要な地方公務員業務は、制度設計くらいだと思います。
現状、学識要素は外部有識者に任せっきりで、大抵の役所職員は役所的要素(お偉いさんをうまく納得させられるかの調整)しかこなせていないのでは?

大学で学んだ学識要素を実務に反映させられているかどうか。
ここが国家公務員(本省勤務)と地方公務員の大きな能力差だと思います。 
自分も猛反省です。

試験さえ突破すれば

理系学部の方だと、採用試験は苦労するかもしれません。
試験範囲が文系科目ばかりなので、初見に近い用語がたくさんあって圧倒されるでしょう。
ただ、公務員試験自体は単語暗記要素が強い試験なので、しっかり勉強すれば大丈夫だと思います。

個人的には、理系の方にもどんどん地方公務員事務職を志してもらいたいなと思っています。
役所くらい大きな組織であれば、人材は多様な方が強いです。

「地方公務員 向いている」で検索すると、

  • 責任感がある
  • 真面目
  • 奉仕的
  • 素直

あたりの特徴がよく紹介されています。

こういう抽象的な性質を並べられても、果たして本当に役に立つのか?個人的には疑問です。
抽象的な概念は、人によって意味内容が異なります。客観的な基準がありません。
そのため、書き手が意図している程度まで自分がその性質を備えているのか、結局のところわからないのです。

適性を紹介する場合には、もっと客観的事実をベースに具体的に示したほうがいいのだろうと考えいたところ、ひとつ典型例を思いつきました。

中学校や高校の文化祭の出し物の準備にて、黙々と準備作業をしていたタイプの人間は、地方公務員(中でも県庁職員)に向いています。

文化祭準備作業と地方公務員の仕事は似ている

どこの部署に配属されようとも、上司から指示された資料作りが若手地方公務員の仕事の大きなウェイトを占めます。
これが苦痛だと、地方公務員として働くのは難しいでしょう。

これと類似の経験が、「文化祭の準備作業」です。
意味があるのか無いのかわからない、クラスの中心メンバーの自己満足とも取れないことはない作業を淡々と引き受けられるか否か。
これを引き受けられるのなら、上司からの指示にも拒否感なく応じられるでしょう。
地方公務員の適性アリです。

市役所の場合は窓口業務のウエイトも大きいので、一概に向いているとは言えませんが、ある程度はあてはまるでしょう。

文化祭から見る「地方公務員に向いていないタイプ」


「文化祭なんてかったるくてやってらんねーよ」というアウトサイダータイプは、地方公務員には向いていません。
仕事以前に、地方の役所という狭くて堅苦しい組織に適応できないでしょう。

文化祭出し物を引っ張っていくクラスの中心タイプも、地方公務員に向いていません。
地方公務員の若手には、裁量がありません。何事も上司の了承が必要です。
自分がいくらアイデアを出しても認められず、空回りを続けた挙句、気力を失っていくでしょう。

※仕事は仕事で割り切って最低限のことだけこなし、有り余る情熱を課外活動に投じるのであれば、話は別です。役所という職場はぴったりです。

ちなみに僕は、早く帰りたいために黙々と作業をするも、そのせいで追加の作業を押し付けられる役回りでした。今と変わらない……

最近、「地方公務員辞めます」系のブロガーさんやツイッタラーさんが急増してません?
向き不向きがくっきり分かれる(無理な人にはホント無理な)職業なんだなと改めて思わされています。

地方公務員ブロガーの端くれとしては、就業後のミスマッチを減らすべく「地方公務員に向いているのはどういう人間なのか?」を伝えていきたいところ。
ただ、適性について改めて考えていたところ、そもそも「職業への適性ってどうやって測定すればいいのか」わからなくなってしまいました。

今回は地方公務員への適性を論じる前段として、職業への適性について、僕の個人的見解を紹介します。

2軸評価


地方公務員に限らず、職業への適性は「パフォーマンス」と「自己満足度」2軸で把握するほうがいいと考えています。
前者は「良好な結果を残せるかどうか」、つまり外部(他人・組織)からの評価です。
後者は「楽しく仕事ができるか」、つまり自己評価です。

僕が就職活動をしていた頃は、職業適性といえば前者の観点しかありませんでした。
最近は後者にも注目が集まっているように思います。俗にいう「働きがい重視」というやつですね。


適正グラフ
 

4象限

この2軸を垂直に交わらせることで、適性は上記4種類に分けられます。
 
「向いている」「向いていない」はその通りです。
 
「危うい」は、そこそこ良い成果を残すものの、満足感は薄いタイプです。
ストレスを溜め込んでしまい、心身を壊してしまう危険があるという意味で、「危うい」と名付けました。
 
「困ったちゃん」は、成果は出さないものの、本人はそこそこ満足しているタイプです。
周囲や上司からしたら、扱いづらいタイプという意味で、「困ったちゃん」と名付けました。 
僕みたいな奴ですね。

地方公務員は高パフォーマンスよりも高自己満足?

地方公務員への適性を考える場合は特に、後者の軸を重視すべきだと考えています。
 
というより、地方公務員の仕事では、パフォーマンスはさほど重視されません。
そもそもパフォーマンスが測りにくい仕事が多いこともあり、成果によって待遇差をつけること自体困難です。
地方公務員の待遇差についてはこちらも参照ください。

バリバリ成果を残してやるぞ!と意気込んで入庁しても、自分の頑張りほどに周囲から評価(感謝)されず、虚しい思いをしかねません。

  • 周りからの高評価がなくても、「世の中の役に立った」という自己満足だけで十分なのか。
  • 地方公務員という仕事の日々の一場面ごとに満足感を見出せるのか。

こういった観点で適性を考えてみる必要があるでしょう。

満足できるどうかを知るためには、まず地方公務員という仕事(できれば希望自治体)の雰囲気を掴むことが重要です。

もちろん、配属される部署や周囲の人間によって雰囲気は大きく変わりますが、役所全体に漂う空気感のようなものは必ずあります。それを感じて欲しいです。

そのためには、インターンやOB訪問などで実際に職員と話してみるのが一番です。
インターネット上で活動している地方公務員を監視するのも有益でしょう。

このブログも少しでも参考になれば嬉しいです。

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