キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2019年12月

今年も冬賞与が無事支給されました。
手取り50万円にぎりぎり届かずというところで、個人的には十分満足しています。

しかしインターネット上では、現役公務員からの「安すぎる……」という嘆きが飛び交っています。
 
優秀な人間を地方公務員(特に田舎県庁)に引きずり込みたい身としては、非常に都合が悪い状況です。
低収入を理由に地方公務員を敬遠されてしまいかねないからです。

そのため、若手公務員の給与状況を改めて定量的に確認してみました。
以下、「大卒男性」をベースに見ていきます。

20代大卒県庁職員≒同年代の高卒平均並み

まずは厚生労働省が出している「賃金構造基本統計調査」を見てみます。
ちょうど年齢別の平均月額賃金(残業代など手当を除外した基本給に相当)が載っていたので、引用します。

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大卒・大学院卒男性だと、毎月の基本給は
  • 20〜24歳 227.0千円
  • 25〜29歳 263.9千円
とのこと。


続いて県庁職員の給料を見ていきます。
総務省実施「平成30年地方公務員給与の実態」

以下、「第3表の5 団体区分別,学歴別,一般行政職の職務上の地位別,年齢別職員数及び平均給料月額」から抜粋です。

大卒県庁職員の平均給料月額
  • 20〜23歳 187,461円
  • 24〜27歳 206,548円
  • 28〜31歳 233,416円

年齢幅が違うとはいえ、明らかに県庁職員の惨敗です。
表の一番右にある「高卒者」とほとんど同じくらいだと思われます。

大学の同級生と比べるとさらに安い

【2020/1/12追記】
元々はdodaが調査した「出身大学別・年代別平均年収データ」を引用して論を展開していたのですが、いつの間にか出典サイトが消えていました。
魚拓サイトを使ってもサイトが見つかりません。

根拠薄弱になってしまいますが、僕の考えは変わりません。そのまま残しておきます。


〜ここから記事〜

こんなデータも見つけました。

【出典サイト:消滅済】

地方公務員を多く輩出していそうな大学のデータを引用します。

20代平均年収
  • 北海道大学 393万円
  • 千葉大学 375万円
  • 首都大学東京 387万円
  • 金沢大学 368万円
  • 大阪府立大学 390万円
  • 岡山大学 362万円
  • 中央大学 389万円
  • 同志社大学 389万円
  • 立命館大学 378万円

去年の僕の年収(27歳、手当全部コミコミ)は、約360万円です。
「年収」の定義が明らかではないため、正確な比較にはなりませんが、上記大学の平均に届いていないと思われます。

このデータを見て、若手地方公務員が自らの懐具合を嘆きたくなる理由がわかりました。

大卒地方公務員のボリューム層は、上に例示したような地方国公立大学や中堅私大の卒業者。
データによると、このレベルの大学卒業者の平均年収は、地方公務員の年収を上回ります。

そのため、地方公務員が、身近な比較対象である「大学の同級生」と収入を比較すると、結構な割合で敗北するのです。
その結果「自分は低所得」と強く感じてしまうのでしょう。  

ここからは定量的な話ではなく、あくまでも僕の経験論です。参考までに。

地方における大口の大卒就職先といえば、どこの地域でもだいたい地銀です。
その地銀と比べても、地方公務員の年収は低いです。
営業成績が芳しくなく営業手当が全然ついていない行員×0.9くらいが、地方公務員年収の相場です。

給料が安くても……(冷や汗)

この記事の結論部分は、下書き時点ではこんな感じでした。

給料安い!と叫びたくなる気持ちは僕も良くわかります。
しかし世間一般的には、地方公務員は決して薄給ではありません。
そのため、インターネット上で暴露大会のように「地方公務員の年収は安い」と主張するのは、トラブルの元だと思います。

収入関係で愚痴るのであれば、
・残業代や出張手当が出ない
・業務経費を自腹で払わされた
あたりの具体的事項を挙げたほうが、トラブルの未然防止にもなるし、読み手としても役立つでしょう。

「大学の同級生と比べて安かった」という個人的経験を一般論まで敷衍してしまった、典型的な認知バイアスだと思っていたのですが……本当に安かった。

今回調べたのはあくまでも正規雇用者の統計なので、非正規雇用者と比較したら多分公務員のほうが優位なのでしょう。
それでも大卒県庁職員≒高卒平均という賃金構造基本統計の数字にはびっくりです。 

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この秋わけあってマンション管理士試験管理業務主任者試験を受けてきました。


試験対策は万全、自信満々で挑んできたのですが……結果は非常に厳しいものでした。

自己採点によると、ボーダーラインに乗るかどうかの瀬戸際に立たされている様子。

正式な合否発表まで心がハラハラさせられます。


約半年かけて、テキストと問題集を4周回し、過去問に至っては10年分の回答を暗記するレベルでやり込みました。

ここまでがっつり勉強したのは公務員試験以来です。


今更ながらですが、勉強の仕方がまずかったと後悔しています。

独学での試験勉強は慣れているつもりだったのですが、この自意識がかえって驕りになってしまいました。


孤独な独学はだれる

公務員試験のときは、独学とはいえ仲間がいました。

同じく公務員を志す同級生たちです。

勉強自体は一人でやっていたとはいえ、定期的に進捗を報告し合ったり悩みを打ち明け合ったりと、刺激が絶えませんでした。


一方、今回の試験勉強は完全に孤独でした。

受験者総数がそもそも少ないマイナー試験なので、ネット上でも同胞を見つけられず、一人で黙々と勉強するしかありませんでした。

結果、勉強終盤は気が緩んで、甘えが発生していました。


まあしっかり勉強してきたしなんとかなるだろう、という根拠の無い楽観。

だれているという自覚すら阻害する甘え。

最大の敗因はこれです。


戦いは己を急成長させる

独学とはいえ、せめて模試は受けるべきでした。

数数の名作バトル漫画で描かれているとおり、死闘は人を圧倒的に成長させます。

試験勉強も同じです。一番成長できるのは試験本番だと思っています。


試験本番の緊迫した状況下で、細かい知識を思い出そうとしたり、過不足なく理路整然とした文章を編み出したり……という頭脳的死闘を繰り広げることで、受験生は急激に成長します。


僕はこのことを久しく忘れていました。


マンション管理士試験の翌日、管理業務主任者試験の詰めにとりかかかって、ようやく思い出しました。

前日までとは明らかに知識の定着具合が異なります。

マンション管理士試験本番の間に一皮剥けたのです。

模試を受けていれば本番前に脱皮できていたかもしれないと思うと、後悔しかありません。


独学のマンネリ対策にも、模試が効きます。

  • 「模試でいい点取ってやるぞ」という意気込み
  • 模試会場にいる他の受験生への感想
  • 模試中の焦りと緊張
  • 模試結果への後悔

こういった感情のゆらぎ全てが、独学のマンネリを打破し、気合を入れ直してくれます。


受験生の中の相対順位がわかるという副産物もあります。

独学だとどうしても、自分の成長にしか目が向きません。

日々進歩している自分に満足してしまい、他の受験生も同じく成長しつつあることを忘れがちです。

このような視野狭窄が驕りを招き、破滅に導きます。


ただ資格試験の場合、模試を受けない謎のマジョリティが大量に潜んでいるので、模試結果がそのまま相対順位になるかどうかは微妙なところです。


届け僕の後悔

独学派も模試を受けましょう。


模試は自分の相対順位を測るだけでなく、知識定着の方法としても有効です。


僕の後悔が誰かの役に立つことを祈ります。

今年8月に発行された本書を遅ればせながら読みました。



 
痛快で面白いです。元気が出ます。
目先の成果だけでなく10年以上の長期スパンを見据えて活動された方が多く、その熱意と慧眼に感服するばかりです。

本書の中身は、実際に読んで確かめてください。
僕からはひねくれた感想を置いておきます。

プライベート搾取の裏付けになる?

本書で取り上げられている方々の成功の秘訣は並外れた専門スキルや人脈(以下まとめて「人的資源」とします)だと、僕は理解しました。

さらに、これらの人的資源は、地方自治体入庁前であったり、入庁後であっても業務時間外に得たものです。
研修のおかげでもなければ、役所業務の中で体得したわけでもありません。職員が自らの余暇と私財を投じて獲得したものです。

職員個人が自腹を切って得た人的資源のおかげで、役所は目覚ましい恩恵を得られたわけです。
つまるところ、役所の体制側(人事・財政など総務部局、ひいては首長)は、職員が余暇と私財を犠牲にして得た人的資源にフリーライドしているのです。

役所の場合、職員に対する成果給はありません。(ボーナスが若干上積みされるくらい)
自腹を切って成果を出した職員に対し、何も報いない。本物のフリーライドです。

本書を読み終えて、嫌な予感がしました。

本書のエピソードを取り上げて、「役所が変わるには職員個人の自発的な自己研鑽が重要」だと、業務時間外の自発的な勉強・活動を強いてくる上司が出てくるのではないか。
 
日々の業務でも、「これも勉強だから」という名目で、業務時間外に自腹でなんでもやらされるようになるのでは。

議会や住民にとっても、これまで以上に公務員に業務外奉仕を求める絶好の口実になるでしょう。

「みみっちいな、だからモテないんだよ」と思われそうですが、日頃から自腹で出張したり参考資料を買ったりしている身としては大変切実です。

異世界からの救世主が来ないと変われない組織?

地方公務員として漫然と働いているだけでは全く成長が得られないということも改めて痛感しました。
 
本書で取り上げられた方々は、役所勤務を通して得た経験や知見のおかげで問題を解決できたわけではなく、解決に必要な人的資源は役所外部から持ち込みました。
別の言い方をすれば、役所内で得た経験・知見だけでは、問題解決できなかったのです。


本書を読んでドラゴンクエスト7を思い出しました。

 
同作では、主人公たちが魔物に支配された異世界にワープして、その世界を支配する魔物を倒す……という繰り返しでストーリーが進むのですが、これと似たものを感じました。
(わかりやすさ重視&ネタバレ回避のため、あえて不正確な表現にしています)

異世界で暮らす人々は、魔物の支配に怯えながらも、反抗を諦めています。
抗戦している人もいますが、力が足りず敗北を喫しています。
そこに主人公たちーー数多の異世界を旅して経験値を蓄えた別次元の存在ーーが現れて魔物を倒し、世界を救います。

役所は「魔物に支配された異世界」なのかもしれません。
世界の住民、つまり地方公務員は、自らの力では世界を変えられません。
世界を変えるには、外から来た勇者が必要なのです。悲しいけれども。

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