キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2020年02月

腕時計や名刺入れには地方公務員独特の制約があることを過去に取り上げているところですが、仕事用カバンは基本的に自由です。
普通のビジネスバッグ、3way、トートバッグ、リュック、ショルダーバッグ、ウエストポーチなどなど、荷物量や通勤手段に合わせて各自選んでいます。手ぶら派もいます。

本革の超かっこいいものを使っている人も結構います。こういうやつですね。

 

ただ、配属先や業務によっては自由が制限されることもあります。
せっかく良いものを買ったのに異動したら使えなくなった……という話もよく聞きます。
 
汎用性が高くどんな職場でも使えるのは、「大容量で丈夫な2wayタイプ(手提げ&肩掛け)」のビジネスバッグです。
そこそこの金額を出して良いものを買うのであれば、まずはこのタイプをおすすめします。
決して無駄にはならないでしょう。

ロッカーが無い場合

配属先によっては、職員用ロッカーが無かったり、ものすごく狭いところがあります。同じ役所内でも部署によってかなり差があります。

僕の場合、初任の部署では1人1本ロッカーが割り当てられましたが、今の部署では同じサイズのものを4人で共有しています。この時期はコートだけでパンパンです。

ロッカーが使えない場合、歯磨きセットや膝掛けブランケットのような職員の私物は、毎日持ち帰らざるを得ません。
こうなると大容量のカバンでないと対応できません。

出張時の紙運び

出張が多い部署だと、大容量だけでなく丈夫であることも求められます。
役所は紙文化です。外出時は大量の紙資料を持ち歩きます。
特に若いうちは荷物持ち要員として上司の分まで持たされます。

旅行用カバンの記事でも触れましたが、紙は体積のわりに重いです。
大量の紙を持ち歩くとなると、チャチなバッグだと壊れてしまいかねません。

紙がぎっしり詰まった鞄はものすごく重いです。
ずっと手提げで持っていたら指が壊死します。
体への負担軽減のため、肩掛けにもできる2wayまたは3wayタイプのものを薦めます。
個人的には2way推しです。3wayだと分厚くなりすぎると感じます。


ちなみに僕はtumiのカバンを愛用しています。

こういうやつですね。
ビジネスバッグが本業のメーカーだけあってか、中身が重くても指や肩にかかる負担が軽いです。

関連過去記事





僕ももうアラサーにもなってしまったせいか、新入職員とのジェネレーションギャップを感じるようになりました。
同じ採用区分である大卒事務職員でも、自分たちの世代とは明らかな違いを感じます。

カルチャーショックを受けることも多々ありますが、総じて良い傾向だと思っています。

定時退庁へのこだわり

まず、退庁時刻が早いです。
もちろん仕事を残して帰るわけではなく、与えられた仕事をこなして帰っています。
定時退庁への執念は他のどの世代よりも強いです。

従来の新人にありがちな「周りが帰らないという理由だけでだらだら残っている様子」は全然見かけません。

欲を言えば、自分自身の業務効率化だけでなく、周りの職員への配慮も忘れないでいてほしいところです。周囲からもフォローしていかねばと思います。

将来への危機感

「このまま公務員を続けていたら自分が駄目になる」という意識が強いです。
「成長したい」という発言もよく聞きます。
民間企業や中央省庁に就職した連中と自分を比較して、県庁の教育環境があまりに残念なため、将来を案じているようです。

噂によると宅建と簿記が流行っているとのこと。
個人的には簿記よりもFPを優先してほしいところです。

家庭志向が低い

過去にも記事にしていますが、地方公務員(特に男性)は結婚が早いです。
僕の同期だと、だいたい3分の1くらいは入庁時点で結婚を予定していました。
具体的な予定は無い職員でも、早く家庭を持ちたい派が多数で、自分のやりたいことを優先する人は少数派でした。

最近に新入職員は反対に、「家庭を持つ」ことへの関心が低く、「自らを高めていきたい」という自己実現欲求を優先しているように思われます。


まとめると、役所稼業は最小限に抑えて、普遍的に通用する人材に成長したいという思いが強いのだろうと思われます。
 
向上心があるのはとても良いことです。
その向上心がたとえ役所の方を向いていなくとも、組織構成員の一人一人が強くなれば、組織そのものも底上げされると思います。
 
役所がカバーする領域はとても広いので、どの分野で成長したとしても、いずれ役所稼業にも役立つでしょう。

ネット上で連日見かける「地方公務員は市場価値が低い」「役所にいても成長できない」という不安煽りのおかげで、向上心が刺激されているのかもしれません。
基本的に僕は不安商法が嫌いなのですが、もしそうなら感謝です。

去年の夏頃から
  • 地方公務員が自分の境遇を嘆きがちなのは自己効力感が低いせい
  • 役所は構造的に職員の自己効力感を損なっていく
という直感を抱いています。

このことを記事にまとめるべく調べ物を続けているところなのですが、その過程で読んだ本に、役所の日常業務にすぐ活かせそうな記述がありました。
 




自己効力感を高めない公衆衛生施策は無駄

本文を引用します。

いくつかの制限はあるが、一般に人は、健康につながる行動を促進するようなキャンペーンを行う自由と能力を持っている。公衆衛生のキャンペーンは、この個々人能力を支援することができる。しかし、それが特定の状況下にある人々に配慮して適切に作成されたものでなければ、そのようなキャンペーンは多くの資源を浪費してしまうことになるだろう。

心理学者は、健康を増進するような習慣を身につけたり受け入れたりすることを促進するような影響を持つさまざまな要素を特定している。例えば、目標設定やその他の意思決定の過程は、変化を促す役目を果たす。しかし、健康によいというだけでは、人々が危険な行動を繰り返すことをやめ健康な行動を受け入れるために十分とは言えない。有益な行動を身につけ保持するようになるためのさまざまな状況では、自発的な思考が必要になる。

アルバート・バンデューラ編『激動社会の中の自己効力』P.232  金子書房、1997年

もし人々が、問題を解決するための最も良い手段が存在すると信じていれば、彼らは、適切な行動を取るために自分のもつ能力について丹念に考え、自分にその能力があると感じたときだけその手段を実行するだろう。

同 p.251

具体的に言い換えると、人は「こうすれば健康にいいぞ」と目標や手段を示されたところで、自分がそれを実現できると思えないと、まともに検討もしないし、実行にも移さないということです。

「1日1万歩」という健康目標を例に考えてみます。
「1万歩歩けば腰痛対策になるし内臓も強くなる」みたいに目標の有効性をアピールするだけでは、歩く人は増えません。
「2駅分歩けば1万歩に届く」のように目標達成の具体的手段を知らせても不十分です。

目標に向かう人を増やすには、「この目標なら自分でもきっと達成できる」と思わせることが必要です。
具体的な達成方法を多数教示するとか、目標をスモールステップに分割するとか、手法は多数考えられます。

この「自分がそれを実現できると思う」「自分にその能力があると感じる」ことが、自己効力感です。
健康に限った話ではなく、あらゆる分野に適用できる概念です。

導入困難だけど不可欠な視点

健康福祉に限らず、役所の施策は目標を示すだけに止めたがります。
「『この目標なら自分でもきっと達成できる』と思わせる」という、受け手の自己効力感を高めていくという視点は、最初から検討すらされていないでしょう。
理由はいろいろありますが、深入り・具体化すればするほど批判を受けることが最大の理由だと思います。

しかし、自己効力感の観点から見れば、このような施策は資源の無駄と一蹴されるものです。

自己効力感の側面から施策を評価すべきとは思いません。
ただ、このような視点が世の中に存在することは認識しておいて損は無いでしょう。

何より直感的に正しい観点だと思います。 
何すればいいのか全くわからない空気なキャッチフレーズや、非現実的な手段を突きつけてくる施策を見かけるたびに頭を捻ってきましたが、これらが無意味だと断じてくれているわけです。

インターネット上では「自家用車は情報弱者の象徴」という説が根付いています。
従来からお馴染みの「自家用車保有にかかるコスト」だけでなく、「車を運転している時間が無駄、運転を外注して時間をより生産的に使うべし」という時間管理面からの否定も最近よく見かけます。

ガチ田舎在住者としては、車無しの生活は考えられません。
今後はさらに厳しくなるでしょう。公共交通機関はどんどん衰退しますし、商業施設も潰れていって歯抜け状態になり、日常的な買い周りにも遠出が必要になるでしょう。

ただ、田舎生活に車が必要という話と、マイカーが必須かという議論は別問題です。
家族と共有するとか、マイカーを買わずとも日常的に車を使う方法は他にもあります。

マイカーを買うべきか否かは、居住地にかかわらず、個々人の生活パターン次第だと思います。
実際にマイカー無しの生活を送ってみて、不便を感じるなら購入を検討すればよいでしょう。
就職前にマイカーを準備しておく必要までは無いと思います。

以下、マイカーを買うか否かで迷っている方向けに、マイカーの必要性を考えていきます。

コスト面の整理

初期費用:ピンキリ

初期費用の大部分は自動車本体の購入費です。
このほか、オプションパーツ(カーナビや冬用タイヤ等)購入費などがあります。

自動車の値段は、新車も中古車もピンキリです。
同じ車種でも、コンディション次第で値段が全然違います。

最初に買うとしたら中古の軽自動車で十分です。
1台目の車はどうせこすって傷物になりますし、結婚したら高確率で買い替えられる運命です。高いお金を払う必要は薄いと思います。


豪雪地域は別です。軽自動車だと対応しきれないかもしれません。

自分の場合は中古のコンパクトカー(普通車)を買いました。
オプションパーツ等々込みで60万円です。かなり安い価格帯ではありますが、今まで全く問題なく動いてくれています。

ランニングコスト:駐車場代の有無がでかい

購入後の維持経費は、大きく固定費と変動費に分けられます。
変動費は、車の利用量(走行距離)によって変動する経費です。

主な固定費
  1. 車検費(自賠責保険料含む)
  2. 自動車保険(任意保険)
  3. 自動車税
  4. 部品等のメンテナンス費用
  5. 駐車場代
1〜4までは絶対に発生しますが、工夫次第で削減は可能です。
5の駐車場代がポイントです。
これが発生するかどうかでランニングコストが大きく変わります。

住居に車が置ける等、無料で使える駐車スペースがあるなら問題ありませんが、そうでない場合は自分で確保しなければいけません。

通勤にマイカーを使う場合は、必ず駐車場代が発生するものと想定しておいたほうが無難です。
多くの役所は職員向けの駐車場を持っていません。あったとしても年長者優先で若手は使えません。
そのため大半の職員は自分で駐車場を借りなければいけません。
しかも通勤手当の対象外なので自腹です。


主な変動費
  1. ガソリン代
  2. 洗車代
1は当然として、使い方次第では2も意外とかかります。
僕みたいな万年恋人無しぼっちドライバーなら話は別ですが、頻繁に他人を車に乗せる人にとっては、定期的な洗車は義務らしいです。

ちなみに自分の場合、変動費トータルで年間33万円(2.75万円/月)くらいかかっています。
  • 車検費(自賠責保険料含む) 6万円(2年ごとに12万円)
  • 自動車保険(任意保険) 4万円
  • 自動車税 4万円
  • 部品等のメンテナンス費用 5万円
  • 駐車場代(職場近辺) 8万円 ※自宅敷地内に駐車スペースあり
  • ガソリン代 6万円
  • 洗車代 0円

自家用車を持つメリット

田舎は公共交通機関が貧弱です。
とにかく本数が少ないし、網羅性に欠けます。目的地のそばに駅や停留所があるとは限らず、公共交通機関から下車した後に徒歩で延々と移動する場合が多いです。
 
公共交通機関に頼って生活するなら、行動範囲を相当狭めたうえ、移動時間(特に待ち時間と徒歩移動時間)に人生を捧げる覚悟が必要です。
一方、車があれば、行動範囲を拡大でき時間が有効に使えます。

誰もが享受できるメリットはこのくらいでしょう。
大人数で出かけやすいとか、サーフィンやスキー、釣りのような大荷物を運ぶ趣味がやりやすいとか、生活スタイル次第では他にも色々メリットがあります。
 
ただし、自分のようなインドア独身者にとってのメリットは、行動範囲と圧倒的時短のみです。

マイカー保有の検討

マイカーを持つかどうかは、費用とメリットを天秤にかけて判断することになります。
僕の場合だと、時短面だけを見ても十分費用対効果が得られると判断しています。

現状の僕の生活では、自家用車を持つことで毎月48時間を節約できています。
(通勤2時間×出勤22日、図書館への往復2時間×月2回)
節約される48時間の大半は、自宅から最寄り駅までの徒歩移動時間です。
読書等、他の活動を並行することはできません。ただ歩くだけの時間で、僕としては価値の低い時間です。

一方、前述のとおり、毎月の車の維持費は毎月2.75万円。
初期経費を10年で按分した分(0.5万円)を加算すれば3.25万円です。

以上より、毎月48時間の自由時間を生み出すために、3.25万円を費やしていることになります。
1時間あたりだと約680円です。
僕はこれをお得な買い物だと思ったため、自家用車を保有する決断を下しました。

この判断はあくまでも現時点での判断です。
今以上にガチで蓄財しようと思えば、真っ先に見直すべき費目でしょう。
車を手放す、つまり自由時間48時間を手放せば、毎月2.75万円が手元に残ることになります。

節約される48時間の価値が高まることもあり得ます。
歩くことと並行して実行可能な趣味を持つようになったら、48時間の価値が飛躍的に高まります。
極端な話、自由な48時間と徒歩移動48時間の価値が一緒であれば、後者を選ばない理由はありません。後者を選べば、2.75万円/月もついてくるのです。
 

焦らず冷静に考えるのがベスト

マイカーを持つことの費用(デメリット)もメリットも人それぞれです。
本稿で示した内容が全てではありません。たくさんの遺漏があるでしょう。
一人の知見では網羅的に整理しきれないくらい、マイカー保有を左右する決定因は多数存在します。

マイカーを急いで買う必要はありません。 
社畜生活に慣れてきて、生活パターンがある程度固まってきてから、冷静に考えればいいでしょう。

僕も今後、両親が定年退職して車の使用頻度が激減したら、自分の車を手放して、親と共用するようになるかもしれません。

自家用車の保有にこだわらずとも、使いたいときに自動車を使う方法は色々あります。
  • タクシーを使う
  • 家族と共用する
  • カーシェアサービスやレンタカーを使う
などなど、いろいろ比較検討してみればよいでしょう。

マイカーを買いたい方向けの参考記事です。

ここ数年、私生活で紙を使う機会が激減しました。
ペーパーレス生活を意識しているわけではありません。自然と使わなくなりました。

一方、役所の中は今も紙だらけです。
2020年に入って既に500枚はコピーや印刷で使っています。
こっちは盛んにペーパーレスに移行するよう叫ばれているのに、全然変わる気配がありません。

もともと僕はガジェット好きで、職場から指示されずとも勝手にペーパーレスしていきたい派です。
しかし今のところ全然うまく進んでいません。僕の努力ではどうしようもない課題が横たわっています。

紙の代わり(デジタルデータ)が超不便

ペーパーレス化を進めるためには、紙の代わりとなる別の情報記録媒体を使わなければいけません。
役所の場合はデジタルデータが最有力の代替手段です。

しかし役所は、パソコンをはじめ、デジタルデータを扱うための端末機器のスペックがものすごく低く、デジタルデータだけでは仕事が成り立ちません。

例えば僕のパソコン(メモリ2GBのVISTA世代端末に無理矢理win10をインストールした)だと、どんなに軽いPDFファイルでも開くのに数十秒かかります。
パワーポイントとエクセルを同時に起動すると50%でフリーズします。

こんな職場環境なので、デジタルデータに頼るのはリスクが高すぎます。
データはいつ消えるかわからない、使いたいときに自由自在に使えるわけではない水物という認識です。

一方、紙は一旦印刷しておけば突然消滅しません。
紛失にさえ気を付けていれば、いつでも好きな時に使えます。
これだけで圧倒的に紙に優位性があります。

ペーパーレスだと利用者が困る

もう一つのボトルネックは、行政サービス利用者のデジタルリテラシーです。
 
インターネット上ではペーパーレス・デジタル推進派の方が目立ちますが、現実はそうとは思えません。
紙が無いとついていけないという方が、年代や社会階層を問わずたくさんいます。
そのため、役所が提供するサービスは、どうしても紙中心にせざるを得ません。


 
基本的に全て紙媒体で準備して、希望する方のみオプションでデータも利用化という形です。
こうしないと「差別だ」と激しく非難されます。


世間のペーパーレス化・デジタル化の流れは今更止められないでしょう。
そのため役所も、遅々としてではありますが、変わっていくだろうと思います。
今はその過渡期、とても長くてゆっくりした過渡期のスタート地点なのでしょう。

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