キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2021年03月

公務員への内定を獲得された皆様、おめでとうございます。
長く不毛な試験勉強に耐えきり、今は自由を満喫していることと思います。
しっかりエンジョイしてください(羨望)

ただ、全く準備をせずに役人生活スタートを迎えてしまうと、落とし穴に嵌ってしまうかもしれません。
暇すぎて狂いそうなときなんかに今回まとめた記事を読んでみて、心の準備だけでもやったほうが無難かと思います。

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お金の勉強だけは本気でおすすめします。
1月試験でFP3級受験して、参考書はメルカリで売りましょう。


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半年ほど前に「出先機関に異動したい」という趣旨の記事を書いていたのですが、このたびの人事異動で本庁を離れることになりました。
出先機関を通り越して、外部団体に出向します。

普段はほとんど自治体とは関わりのない組織で、業務内容も役所とは全然関係ありません。
まさにゼロからのリスタートです。
どういう評価を下されて出向に至ったのか気になるところですが……心機一転頑張ります。

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ただ、前任者から聞くかぎりでは、めちゃくちゃ忙しいとのこと。
とにかく業務量が多いらしいです。

しかも今回、勤務地が自宅から遠く離れてしまったため、引越しも伴います。
大学生時代以来の一人暮らしです。
けっこう真面目にテレワークしなければいけないらしく、家財道具だけでなく仕事用の設備も早々に揃えなければいけません。

平日はバリバリ仕事、休日も新生活でわたわた……という状況であり、のんびりブログを書いている暇がとれそうにありません。

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加えて、役所との関係が断たれてしまうので、ネタ切れも懸念しています。

「民間組織に出向してわかった役所の悪いところ」みたいな記事なら引き続き書けるのかもしれません。

しかし、これまでのアクセス状況を見るに、弊ブログに求められている要素はこういう真面目な内容ではなく、これとかこれみたいな役所組織をネタにした流言飛語だと思われます。
こういう記事は役所観察・公務員ウォッチの賜物であって、外部団体にいては到底書けません。

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忙しい&ネタ不足のため、当面の間、弊ブログの更新は毎週水曜日更新に縮小します。
これまでストックしていたネタを小出しにして時間を稼ぎつつ、今後の運営形態を考えていきます。
引き続き生暖かく見守ってもらえれば幸いです。

新型コロナウイルス感染症が収束したら、自治体の観光PR合戦が始まると思っています。
自治体が自発的に施策を打ち出すだけでなく、旅行会社や広告代理店からも自治体にガンガン営業を仕掛けて合戦を煽っていくでしょう。
もしかしたら既に水面下で動いているところもあるかもしれません。

PRの手法は色々ある中、個人的には「アニメとのタイアップ」が増えるのではないかと思っています。
去年の「鬼滅の刃」の大ヒットを受けて、田舎の重鎮たちもさすがにアニメ作品の影響力を理解したことでしょう。
そういう方々が「アニメ作品=若年層に対する有効なアプローチ」だと思い込んで、「アニメ作品を媒介に地域の魅力を発信しよう!」という安直な判断を下しそうな気がしているのです。
少なくとも広告代理店はこういう宣伝文句を使って企画を売り込んできそう。


あくまでもいちオタクの感覚ですが、アニメ作品を絡めたご当地PRは、かなり難易度が高いと思っています。
特に役所のようなステークホルダーをたくさん抱えている存在が関与すると、どれだけ題材が良くて予算・時間が潤沢だとしても失敗しかねません。

以下、現実に存在する地域を舞台にしたアニメ作品を「ご当地アニメ」と呼びます。

アニメにおいてご当地要素は

まず前提として、映像作品としてのアニメの特徴をざっくり整理します。

アニメの特徴はすべての要素をコントロールできることです。
絵も音も動きも全て製作者の思いのまま、現実には不可能なシーンもアニメなら表現できます。

一方、現実に存在するものをそっくりそのまま再現するのは苦手です。
実写のほうがずっと簡単かつ高クオリティに仕上がります。

ほとんどの場合、ご当地要素は「現実に存在するもの」か「過去に存在したもの」です。
いずれにしても現実世界に存在したことのあるもので、単に正確に描写するだけであれば、アニメには向いていない題材です。

つまり、ありのままのご当地要素を発信したいのであれば、アニメよりも実写のほうがずっと適しています。
ご当地要素を「主」にした映像コンテンツを作りたいのであれば、実写ドラマのほうが作りやすくてディテールまで正確に表現できます。
わざわざアニメにするのであれば、ご当地要素はあくまでも「従」に位置づけ、「主」となる要素を引き立てるために使ったほうが効果的です。

以上はあくまでも僕の感覚です。
これに基づいて、「良いご当地アニメ」の条件を考えていきます。

多くの人が面白いと感じる

面白くないフィクション作品には誰も見向きもしません。
ご当地描写をどれだけ豊富に盛り込もうとも、視聴されなければ意味がありません。
ご当地描写は置いといて、作品として面白いことがまず必須の条件です。

PR効果を期待するのであれば、少数の熱狂的なファンから高評価を得るのではなく、多くの人に視聴してもらえる作品に仕上げなければいけません。

つまるところ、ごく限られた層にだけ刺さるニッチなアニメではなく、多くの人が面白いと感じる作品であることこそ、「良いご当地アニメ」の前提条件だといえます。

「大勢に受ける面白さ」はマジで難しい

創作行為の魅力かつ厄介なポイントは、誰にでもできるところです。

ドラマを見ながら「自分が監督ならこうするのに……」と思ったことが誰しも一度ならずあるのでは?
これも一種の創作です。
ゼロから物語を組み立てるのはハードルが高いかもしれませんが、「こうすれば面白いのでは?」という単発のアイデアを捻り出すくらいであれば簡単です。

ただし、「たくさんの人が面白いと感じるもの」を創作するのは、非常に難しいです。
才能と経験が必要であり、素人が口を挟む余地はどこにもありません。

このため、行政はアニメ制作には極力関与しないほうがいいと思っています。
ご当地要素に関しては行政は間違いなくプロですが、創作に関してはド素人集団であり、行政の意見をどれだけ取り入れようとも決して面白くはなり得ないし、むしろノイズになりかねません。
 

議員や地域住民も同様に、制作とは距離を置くべきだと思っています。
地域のことにどれだけ詳しくとも創作に関してはド素人であり、彼ら彼女らの意見を作品に反映させる必要はありません。

しかし、行政が下手に関わると、創作の現場に民主主義のルールが持ち込まれてしまい、こういったド素人の意見を作品に盛り込まなければいけない状況に追いやられかねません。

たとえばアニメ制作過程から補助金を出してしまえば、議会や住民から「行政には監督責任がある」とか「税金が投じられているのなら住民の思いを反映させるべきだ」という意見が噴出した場合、行政は逆らえません。

放送前から行政がガンガン宣伝しているような作品は、もしや制作過程にまで行政が絡んでいるのでは?という懸念を抱かせます。具体的な名称は挙げませんが……

ご当地要素を詰め込みすぎない

先述したとおり、すべての要素をコントロールできるのがアニメ作品の特徴です。
作中で描かれているものは、すべて作品において必要なものであり、何らかの意味が付与されています。

ご当地要素も同様です。作品にとって必要だから描かれるのです。
逆にいえば、特に意味もなくご当地要素をつっこむと、ものすごく浮きます。

たとえば島根県松江市が舞台のアニメがあるとします。
松江市は日本三大和菓子処に数えられる都市です。
せっかくなのでその特徴を活かすべく、主人公の自宅の居間のテーブルの上に毎回異なる銘菓を置くことになりました。

この場合、「テーブルの上に毎回異なる銘菓が置いてある」ことに意味を持たせなければいけません。
  • 銘菓を常に用意しておかなければいけないくらい来客が頻繁な家庭であることを暗示する
  • 主人公が後々虫歯になる展開の伏線
  • 主人公の母親が茶道教室を開いていて、稽古に使うお菓子が毎回余っている(内気なヒロインがその茶道教室に通っていて、「稽古のお菓子」という共通の話題がある主人公とだけは会話できる設定の背景として機能する)

なんでもいいです。とにかく意味付けが無ければ、視聴者は冷めてしまいます。
「制作サイドが大人の事情で入れたんだな」と感じて、いやがおうにもフィクションの世界から意識が逸れてしまいます。

反対に、うまく意味付けができれば、視聴者は「松江市といえば和菓子」という印象を好感をもって記憶するでしょう。
ご当地要素は、単に作中に盛り込むだけでなく、ストーリーの中でうまく調理・消化してこそ輝くのです。

どんな作品でも、根幹となるテーマと尺が決まっています。
そのため、ひとつの作品で消化できるご当地要素には限界があります。
テーマとかけ離れたご当地要素は扱えませんし、いくらテーマに沿うものであっても扱える数には限りがあります。

質的・量的な限界を無視してご当地要素を詰め込んでしまうと、作品が崩壊します。
ご当地要素を消化しきれず、かえってノイズになって視聴者を辟易させてしまいます。

ご当地要素のオーラを活かしている

どんなご当地要素も、固有の歴史と文脈、そしてオーラを備えています。
ありきたりのスポットや、大量生産のノーブランド製品とは異なります。
つまるところ、味が濃くて存在感があるのです。

新海誠監督の「言の葉の庭」という作品は、新宿御苑が舞台になっています。
この作品を見たことがある方ならよくわかると思いますが、本作は新宿御苑でないと成立しません。
明治神宮でも駄目、日比谷公園でも駄目、上野公園でも駄目です。

新宿御苑が持つ固有のオーラが作品の本筋を際立たせているのだと思います。

作品の本筋と、ご当地要素の持つオーラが合致しないと、ちぐはぐな感じになってしまいます。
この意味でも、ご当地要素の盛り込みすぎは危険です。作品の出来を損ないます。
作品を彩るために必要な分に限って使うものです。


「公務員の常識」は「創作の非常識」

地方公務員的な感覚だと、どんな事業であっても「地域住民の声を積極的に取り入れ」たり「地域の魅力を幅広くふんだんに盛り込ん」だりしたくなります。
議会や住民、マスコミなどに説明する際に、受けが良いからです。
 
しかし、ご当地アニメを媒介にする場合では、これらの要素は地雷です。

ご当地要素を何でもかんでも詰め込むと作品が破綻します。
ご当地アニメにおいて、ご当地要素はあくまでも「従」であり脇役です。
「主」を描くための補助的要素にすぎません。

しかし、「主」をうまく描いて面白い作品として成立すれば、「従」のほうも魅力的に映るものです。
このあたりの塩梅は創作のプロに任せるしかありません。

ご当地要素の扱い方がものすごく巧かった作品が「ゾンビランドサガ」です。
なんと来月から第二シリーズが始まります。
オタク的にも楽しみですし、地方公務員的にも楽しみです。

先日コメントを頂戴して初めて気づいたのですが、これまで労働組合関係の記事をひとつも投稿していませんでした。
ネタ集めの最中だったり、うまくまとまらずにボツにしたわけではありません。
「組合関係の記事」という着想がそもそもありませんでした。

僕にとって労働組合は「朝からビラ配りしてて大変だなあ」程度の認識しかありません。
一応加入はしているものの、行事にはほぼ参加していません。

そのため、組合の内実はよくわかりません。
こんなライトユーザー視点での組合評です。

組合加入のメリット

まずはメリットとデメリットを整理していきます。

そこそこコスパの良い共済(≒保険)を利用できる

組合員になると、組合が提供している各種共済サービスが利用できます。
共済は保険のようなもので、生命保険や医療保険、自動車保険など、地方公務員が利用しそうなメニューがひととおり用意されています。

保険会社が提供する保険サービスと比べると、共済のコスパは悪くありません。
あくまでも僕の感覚ですが、基本料金が格段に安いというよりも、オプションが安いです。
そのため、それなりに保障内容を充実させるのであれば、保険会社の保険よりも共済のほうが安価になりそうです。

ただし、共済は組合員向けのサービスです。
組合費を払い、組合員の地位を得ている間でないと、利用できません。
共済そのものの費用だけでなく、組合費を含めたトータルコストで比較すれば、それほど安くないかもしれません。

  • 生命保険は死亡保障だけで十分、保険金も最低限でいい
  • 自動車保険は対人対物保障だけで十分、車両保険は不要、レッカーサービスとか示談代行も不要
のように、「保険は必要最低限の内容のみで十分、とにかく安くしたい」という方であれば、共済はかえって割高になるでしょう。もっと安価な保険を探したほうが良さそうです。

人間関係が広がる

組合では、宴会やスポーツ大会のような組合員向けの交友イベントをよく開催しています。
役所内での人間関係を広げたいのであれば、こういうイベントは絶好のチャンスです。
部署・年齢に関係なく職員が集まってくるため、普段の仕事では出会えないような人と巡り会うチャンスです。

実際、職員どうしで結婚した方々から、組合主催のイベントで出会ったという話をよく聞きます。

組合経由での出会いの強みは、似た者どうしが集まりやすいという点です。
交友イベントに参加するのは「人間関係を広げたい」というタイプであり、僕みたいな内向的陰キャはいません。
お互いの目的意識が一致するので、有意義なコミュニケーションが生まれるはずです。

さらに、組合の役職に就けば、他自治体の職員(組合役職者)とも交流できます。
役所内だけでなく全国へと人間関係を拡大できるのです。
詳しくはよくわかりませんが、組合費を使って県外出張もできるとか……


政治家の道に挑戦できる

地方公務員はいつも政治的圧力に晒されています。
中には圧力を受け続けるあまり、「圧を加える側」、つまり政治家に転身したくなる職員もいるでしょう。

地方公務員にとって、組合は最も身近かつフレンドリーな政治団体です。
専従職員になって、政治活動っぽいこともやらせてほしいと名乗り出れば、いくらでもやらせてもらえると思われます。
実際にやってみて肌に合わなければ、地方公務員に戻れます。
退路をキープしたまま政治へチャレンジできるのです。こんな好待遇はなかなか無いでしょう。


組合加入のデメリット

次にデメリットを整理していきます。
デメリットというよりはコストと言ったほうが正確かもしれません。

組合費がかかる

組合員でいるためには組合費を払わなければいけません。
僕の場合、だいたい基本給の1.5%強、月4,500円くらいです。

けっこう面倒な「部署の組合担当」

どんな部署にも最低一人は「組合担当」がいます。
組合本部と部署内組合員との連絡中継役であり、ビラを各組合員に配ったり、勉強会のような行事を周知したりします。
行事によっては動員人数のノルマが課されていて、参加を渋る人を説得したりもします。

この仕事がなかなか厄介です。
僕も1年だけ経験しましたが、普通の業務よりもストレスを感じました。
動員のお願いが本当に辛い。


総評:金銭的には損だけど……

短期的な金銭面で考えれば、組合に加入するのは損でしょう。
とはいえ組合が弱体化したり消滅したらもっと損をしそうなので、金銭的に困窮していないのであれば、お布施感覚で組合費を払っていてもいいのでは?と思っています。

公務員の味方になってくれる唯一の団体

公務員の労働環境改善を堂々と主張できるのは、現状、組合だけです。

このブログでも何度か触れていますが、世間は「公務員の労働環境改善」に断固反対します。
「公務員にしかメリットのない予算執行は許されない」「そんなことに予算と労力を割くのなら住民に還元しろ」というロジックです。

最近だと、もし予算案の中で「庁内執務スペースの新型コロナウイルス感染症対策」をはっきり明記したら、マスコミや議会からコテンパンに叩かれるでしょう。

「公務員の労働環境改善」を実現するには、世間の大多数と戦わなければいけません。
もちろん役所は世間に逆らえないので、役所以外の誰かに戦ってもらうしかありません。

世間の潮流に真っ向から反抗するこんな危険な主張ができるのは、現状、労働組合だけです。
実現できるかどうかは別にして、組合以外は主張すらできません。
もちろん組合だって「公務員の労働環境改善」を主張すれば叩かれますが、組合という政治団体だから耐えられますし、他の政治要素と絡めることで環境改善を実現できるかもしれません。

組合がどれだけ頑張ったところで、賃上げは期待できません。
人事院勧告にはどうあがいても逆らえないからです。

しかし、「労働環境改善」のために、役所に支出させることは可能です。
これだけでも労働組合の必要性は十分あると思います。


闘争から守ってくれる唯一の団体

過去の記事でも少し触れたのですが、自治体では今後もどんどん非正規職員(会計年度任用職員)が増えていくと思っています。


 
正規職員と非正規職員では待遇が大きく異なります。
言うまでもなく非正規職員のほうが不安定であり、組合のような組織が必要です、
そのため、非正規職員が増えていけば、いずれ非正規職員だけの組合が登場して、力を伸ばしていくと思います。

非正規職員にとってみれば、正規職員は労働者ではなく使用者であり、闘争の相手です。
つまり、正規職員個人に対して非正規職員の組合が争議をふっかけてくるケースも十分想定されます。
(事務職員個人vs技能労働職組合という構図であれば、これまでも実際に発生しているかもしれません)

このような事態が生じたら、個人vs集団ではあまりに部が悪すぎます。
正規職員側も個人ではなく集団、つまり組合として応じないと、押し負けます。

争議するためではなく、争議から身を守るためにも、組合の必要性があると思います。


この記事を書いて改めて考えてみると、僕にとって組合は、無くなったら困るけど関わるのは面倒という存在です。
住民から見た役所と同じようなポジションかもしれません。


本記事を読む前に、これまでの人生を振り返ってみてください。
仕事以外の用事、つまりプライベートの用事で都道府県庁に行ったことって、どれくらいありますか?

僕の場合、
  • マンション管理士試験の申込書を貰うために公営住宅担当課に行った
  • 県立の体育館を借りるために申込書を提出しに行った

この程度です。
多分ほとんどの方が、プライベートの用事では滅多に県庁に行かないのでは?

一方、市役所や町村役場のほうは、たびたび足を運んでいるでしょう。
僕の場合も、マイナンバーカードを作ったり、転入・転出届を出したり、戸籍謄本などの証明書類を取得したり……なんだかんだ用事があって毎年1回は行っています。

この違い、つまりプライベートの用事で訪れる頻度の違いが、市町村職員と県庁職員の業務の違いにも大きく影響していると思います。


市役所・町村役場はプライベートモードの人、つまり「オフの人」を主に相手にしています。

一方、県庁は仕事モードの人、つまり「オンの人」を主に相手にします。


「オン」相手の仕事、「オフ」相手の仕事

もちろん県庁にも「オフの人」を相手にする仕事があります。
自動車税や都道府県民税、公営住宅関係の仕事がその典型でしょう。
ただし、県庁の業務全体からみれば、こういった業務の割合は小さく、従事している職員の数も少ないです。

県庁での対外的な仕事といえば、法人相手の手続き対応がメインです。
職員が対面する相手は「一個人」ではなく「組織の一員」であり、典型的な「オンの人」であります。

何より県庁は、国や市町村とのやりとり、つまり公務員相手の仕事がものすごく多いです。
公務員もまさに「オンの人」です。



一方、市町村の仕事は、住民票関係や各種手当(児童手当など)、生活保護、介護保険、国民健康保険など、住民のプライベートに関わる仕事がたくさんあり、多くの職員がこういった仕事に関わっています。
これらの制度を利用する住民は「オフの人」です。
仕事のためではなく自分自身の私生活のために利用しているからです。

「オンの人」相手の仕事もあるのでしょうが、県庁よりはずっと少なく、役所の仕事全体に占める割合も小さいと思います。

「オン」の人、「オフ」の人

どんな人も「オン」と「オフ」とで異なる顔を持ちます。
 
オンオフの差は人それぞれですが、一般的に「オン」のときのほうが感情の起伏に乏しく打算的だと言えるでしょう。
よく言えば冷静で落ち着いている、悪く言えば無味乾燥でつまらない人間です。
 
人間関係においては、自分の本心を曝け出すわけではなく、表層的な段階を超えません。
まさに「仕事上の関係」です。

「オンの人」と「オフの人」、いずれを相手にするかによって、業務の雰囲気が大きく変わります。

「オンの人」相手の仕事=腹の探り合い

まず、「オンの人」は属性が限られます。
年齢は20代〜60代で、日本語が使えて、健康かつ認知機能のしっかりした方ばかりです。
社会的なステータスもそれなりに高く、常識をわきまえている方がほとんどです。

「オンの人」はたいてい親切です。好感を持たれるよう愛想よく振る舞います。
怒るときも、感情を爆発させるわけではなく、理路整然と詰めてくるほうが多いです。

ただし、親切なのはあくまでも自分の目的を達成するための手段です。
嫌われるよりも好かれていたほうが何事もスムーズに進むから親切なだけで、役所が好きなわけでもなければ、担当職員に個人的な好印象を持っているわけでもありません。
基本的なビジネスマナーを実践しているだけです。

そのため、ある程度までは容易に信頼関係を築けるものの、心の底から打ち解けるような状態までは滅多に至りません。
裏切ったほうが目的に適うと判断すれば、あっさり裏切られます。
なんともドライな関係です。

「オンの人」相手の実際の仕事では、相手の言動は打算であるという前提で動きます。
相手から感謝されても、怒られても、悲しまれても、あくまでも打算だと考え、これらのアクションの裏を読もうとします。
相手の言葉をそのまま鵜呑みになんて絶対しません。発言の経緯や真意を探ります。
相手と協調路線で物事を進めているような状況でも、裏切られた場合を常に想定しています。
ニコニコ笑顔を取り繕いつつも腹の探り合いをしているようなものです。

「オフの人」相手の仕事=生身の人間との対面

一方、役所が関わる「オフの人」は、たいてい苛立っています。
特に役所の窓口に来る方は、来たくて来ているわけではなく、来させらているという認識であり、「貴重なプライベートが潰された!」と言わんがばかりのイライラが表れています。
ただし、うまくスムーズに対応できれば、笑顔で帰ってくれることも多いです。
このときの笑顔は打算ではなく本心でしょう。


属性も幅広く、相手に合わせた対応が必要になります。
認知症のために話が通じなかったり、心身に深い傷を負っていたり、カタギでなかったり……
「読み書きができない」という方も結構いらっしゃいます。

「オフの人」相手の仕事では、文字通り「生身の人間」を相手にしているという感覚があります。
僕の思い違いかもしれませんが、打算ではない「本心」を感じます。
感謝されたら嬉しいですし、力になれなかったら凹みます。


比率の違い

県庁も市役所・町役場も、「オンの人」「オフの人」両方を相手にします。
ただし、その割合は大きく異なります。
県庁であれば「オンの人」、市役所・町役場では「オフの人」相手の仕事が多いでしょう。

どちらの仕事が向いているかは、完全に人それぞれです。
「どちらが楽か」「どちらがやりがいがあるか」とも一概には言えません。

インターネット上には「県庁の仕事は住民のためになっている実感が無く、やりがいが感じられない」という意見が多数ありますが、これは「オンの人」対応が多いという県庁の性質の帰結なのかもしれません。

僕は圧倒的に「オンの人」相手のドライな仕事のほうが性に合っていて、県庁を選んで正解だったと思っています。

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