この記事を開いたということは、予備校に通わず独学で公務員試験にチャレンジしたいと少なからず考えていることでしょう。独学のほうが圧倒的にローコストですし、時間の融通も効きます。

他のブログでも語られているとおり、「新スーパー過去問ゼミ」(以下「スー過去」)の中身をマスターできれば、独学でも地方上級の筆記試験なら合格できると思います。
(時事問題と論文対策は別途対策が必要ですが)
僕自身、この方法で独学合格しました。

とはいえこの方法は簡単ではありません。
ある程度の「独学適性」が必要であり、誰もが達成できるものでもないと思います。


独学で「スー過去マスター」の域に到達できる人の条件を考えてみました。
独学での公務員試験チャレンジを考えているなら、自分が以下の条件を満たしているのかを冷静に考えてみるといいと思います。

「スー過去」要点解説パートの文章をすらすら理解できる

独学での試験勉強の王道戦略は、
  • 入門書(概説書)を読んで大枠をつかむ
  • 過去問を解きつつ基本書を読み、知識をつける
  • 模擬試験を受けて自分の相対的順位を把握する
  • 「過去問を暗記」「基本書をほぼ理解」という状態に仕上げる

という方法です。
マークシート形式の試験なら、この方法でなんとかなると思います。
地方上級試験も基本的にはマークシートであり、他のサイトでも似たような勉強法が推奨されています。

ただし公務員試験対策でこの方法を採ろうとすると、
  • 試験範囲がものすごく広い(科目数が多い)ため、全科目でこの方法を採っている時間がない
  • 科目によっては公務員試験向けの「入門書」「基本書」が無く、そもそもこの方法が使えない

という公務員試験特有のネックがあるために、うまくいきません。

このネックを「スー過去」がうまく補ってくれます。
「スー過去」は単なる問題集ではなく、しっかりした要点解説パートがあります。
このおかげで、入門書の役割も果たしてくれるのです。

しかし、「スー過去」の要点解説パートは、決して読みやすい文章ではありません。
限られた紙面に重要事項を詰め込んでいるために、文章は固く、ビジュアル的な解説も少なめです。
万人が初見で理解できるとは思えません。

独学での地方公務員試験対策は、まずは「スー過去」の要点解説パート読み込みから始まります。
ここの文章が頭に入ってこないと、先に進めません。
要点解説パートの文章が理解できないなら、独学は諦めたほうが無難です。

予備校に通えば、要点解説パートと同等かそれ以上の内容を、丁寧に講義してもらえます。
講義を受けても理解できなったとしても、個別に質問して教えてもらえます。
一人で「スー過去」を読み込むよりは、確実に知識が身につきます。

独学に興味があるなら、本格的に勉強を始める前に、「スー過去」の要点解説パートを独力で理解できるかどうか実際に試してみることを勧めます。
初学だとわかりづらい「民法」「ミクロ経済学」あたりの科目で試すのがおすすめです。
理解できなかったら予備校に通ったほうが無難です。 

僕は高校生の頃から授業を聞かず参考書で自習(内職)ばかりしている嫌な生徒で、もともとテキストベースの学習に慣れていました。
そのため「スー過去」にもすぐ馴染めました。


数的処理がそれなりにできる

捨て科目を作るのが常道である地方公務員試験ではありますが、数的処理を捨てて合格するのは至難の技です。配点が大きすぎます。
逆にいえば、数的処理を味方にできれば合格に近づけます。

独学推奨ブログではたいてい「解法さえ暗記すれば数的処理は余裕」という解説がなされていますが、これは典型的な生存バイアスだと思っています。誰もが実行できる芸当ではありません。

試験本番で得点を稼ぐには、解法を暗記するだけでなく、問題に対してどの解法を適用すべきかを判断する「直感」のようなものが必要です。
これを独学で習得できる人は限られるでしょう。

そもそも解法を暗記すること自体、人によっては困難です。
解法の理解すらままならない方、解答の解説を読んでも意味がわからない方も少なからずいると思います。

つまるところ、独力では数的処理を学習できない方も相当数いるのです。

独力で数的処理をマスターできるかどうか、いわば数的処理適性を測るには、実際に「スー過去」で過去問を解いてみればいいでしょう。
正答できなくても大丈夫です。解説を読んで納得できれば、独学でも伸び代があります。
解説を読んでも意味がわからなければ、予備校に通って講義を受けたほうがいいと思います。

僕の場合、中学受験を経験しており、そこで数的処理みたいな問題を散々叩き込まれていました。
小4〜小6の3年間にわたって数的処理の勉強をしていたようなものです。
(そのせいで友人と遊ぶ時間が全く無く、遊戯王・ミニ四駆・ビーダマン・ハイパーヨーヨー・ベイブレードあたりの男子小学生カルチャーを全く経験していません)
 
このおかげで、公務員試験の数的処理は初見でだいたい解けました。
試験勉強もほとんどしていません。直前期に肩慣らし感覚で過去問を解いた程度です。 
正直、数的処理が得意というバフ要素が無ければ、独学合格は無理だったと思います。

あくまでもボーダーライン

どんな試験であれ、独学で突破するには、テキストベースの学習が必要です。
そして、テキストベースでの学習で成果を上げるには、読んで理解する能力が不可欠です。

地方上級試験の場合は、本稿で紹介した
  • 「スー過去」要点解説パートを読んで理解できること
  • 数的処理の解答解説を読んで理解できること
この2つが絶対必須だと思います。

超高偏差値大学に合格できるレベルの方であれば、このくらいは余裕でしょう。
しかし、地方上級試験のボリューム層である地方国公立大学・中上位私立大学の方だと、全員がこの能力を持っているとは限りません。

インターネット上では「地方上級試験に独学で合格には1,000〜1,500時間の勉強が必要」という定量的な基準がよく用いられていますが、誰もがこれだけの時間勉強すれば合格できるとは思えません。

本稿で挙げた2つの条件を満たしている方でないと、1,500時間どころでは足りないでしょう。
 
地方公務員試験の受験者は、勉強開始前のスタート時点の知識量では大差ないと思っています。
自分に合う方法で知識を身につけていけば、誰にでも勝ち目があります。
独学にこだわるあまり、せっかくの勝ち目を逃すのはあまりに勿体無いです。
不安を感じるなら予備校に通うことを勧めます。