今回は贖罪記事です。

観光系の仕事をしていると、外部のデザイナーさんにチラシやパンフレットのデザインを発注することがよくあります。
素材(写真とテキスト)はこちらから提供して、僕がパワーポイントで作った骨格をもとにデザインをしてもらい、だいたい6回ほど校正を経て校了します。

6回という校正回数。いつも本当に申し訳なく思っています。
校正回数が多くなってしまうのは、地方自治体の決裁システムに原因があります。


ラフスケッチでは上司に見せられない


民間企業からの転職組の同期職員がかつて話していました。

「行政は最初から案を煮詰めすぎだ。上司の一声で無駄になりかねないものに、どうして最初から労力を割かないといけないのか?」

彼いわく、上司に伺いを立てる際に、無駄に案を作りこまないといけないとのこと。
了解が貰えるかどうかわからない、下手をすると一蹴されるかもしれないラフ案に、時間もエネルギーも費やしすぎだというのです。
地方自治体にしか務めたことのない自分には、目から鱗の感覚です。

観光系や産業振興系の部署であれば、「上司に伺いを立てるための資料」を作るために、外部の方々にも労力をかけざるをえません。
見積もりを用意してもらったり、組織内で稟議してもらったり……心が痛みます。

話をデザインに戻します。
デザインの場合も、ラフ案の時点で上司に見せても、「こんなの見ても判断できない」と却下されてしまいます。そのため、初めて上司に見せる段階で、一応の完成形でなければいけません。
このため、上司未チェックの時点で、何度か校正を入れることになります。
この「担当者校正」の段階を終えてからから上司のチェックが入るので、どうしても校正回数が増えてしまいます。

「働き方改革」というワードが叫ばれていますが、単なる時短の取り組みだけでなく、稟議体制のような構造的な部分も変えていかないと、抜本的な改善にはなかなかつながっていかないように思いました。

「無駄な作業を強いて申し訳ない」という思いと、そんな自治体に付き合ってくれることへの感謝を、決して忘れないようにしたいと思います。