5月に入ってから、自転車で日本一周している旅人をよく見かけます。
5月〜6月上旬に本州を縦断(北上)して、6月中旬までに北海道に上陸しておかないと、梅雨に巻き込まれて危険らしいですね。
一旦北海道に入ってしまったら本州に戻りたくなくなるくらいに気候も道も快適らしいのですが、9月に入ると途端に風が冷たくなって、本州に戻らざるを得なくなるようです。
日本海側ルート・太平洋側ルートともに、青森に入るまでにかなりの難所があるとも聞きます。5月半ばでまだ中国地方にいるようだと、ペース的にちょっと心配です。

職場の同僚にも何人か自転車日本一周経験者がいて、以上の話は全部彼らからの聞きかじりです。
経験者いわく、日本一周経験はものすごく地方公務員業務に役立っているとのこと。
今回は経験者から聞いた話をベースに、僕の私見を紹介します。

一見何も無い地域で、面白いものを見出す

普通の旅行とは異なり、日本一周の場合は、自分が行きたい場所だけに行くわけではありません。
日本一周という目的が先にあり、大半の場所はただの通過点にすぎないか、「宿泊場所」「食事場所」といった機能面しか気にならず、「散策してみよう」なんて気は全く起きません。
移動途中の風景も、視野にすら入りません。

しかし、漫然とたくさんの地域を通過して行く中で、少しずつ「一見何も無い地域で、面白そうなものを見出す能力」が養われていくそうです。
突然、道端の看板やオブジェが気になり始め、自転車を停めて地域住民と会話したり、商業施設を利用したりと、寄り道が増える。
寄り道が増えるに伴い、思い出も増えていきます。

自治体への愛着

この「一見何も無い地域で、面白そうなものを見出す能力」は、地方公務員として楽しくやりがいを持って働くために、欠かせない能力だと思います。
仕事の成果に直結するわけではありません。あくまでも働く当人の満足度に影響するものです。

地方公務員として働く以上、自分の働く自治体(=地域)に何らかの「独特の価値」があると感じているほうが、絶対に幸せです。
「一見何も無い地域で、面白そうなものを見出す」に長けた人には、他の人には見えない「独特の価値」、自治体の魅力が見えます。
そのぶん地域、つまり自治体への愛着が強まります。
好きなもののために仕事をする方が、どうでもいいもののために仕事をするより、絶対満足度が高いです。

自治体の観光施策に携わっているという立場を一旦棚上げして、正直に申し上げますと、僕自身は名所名跡よりも生活空間を見る方がずっと好きです。
昼はテーマパークよりも地場スーパー。夜はライトアップよりも場末の飲み屋街。
よく「日本一周を楽しめるタイプ」と言われます。リタイアしたらやってみたいですね。