キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

カテゴリ: 公務員の生き様

どこの自治体も、そろそろ異動希望の調査がある頃合いでは?
僕は今年の4月に異動したばかりですが、「とにかく出先機関に異動したい」と回答するつもりです。

今の部署に不満があるわけではありません。
1年スパン異動を繰り返しているので、久々に同じ部署に腰を落ち着けたい気持ちもあります。
 
しかし今後の自分のキャリアのため、そして組織のために、僕は早急に出先機関に転出するべきだと思っています。

40代以降はずっと出先機関

同期入庁職員の出世ヒエラルキーが概ね決まり、僕が本庁で出世する可能性はほぼゼロに固まりました。
係長以上のポジション、つまり部下を持つ役割を本庁で拝命することはあり得ないと思われます。

僕の勤務先の場合、本庁勤務のヒラ職員は、せいぜい30代までです。
僕もこの流れに従い、40代以降はずっと出先勤務になると思われます。
出先機関であれば、部下を持つ機会もあるでしょう。

しかし僕は、これまで出先機関で勤務したことが一切ありません。ずっと本庁にいました。
そのため、出先機関の仕事に関しては、中身も進め方も職場の雰囲気も一切わかりません。

自分が出世コースから漏れたと自覚した際、「出世コースであれば不可避であるストレスフルな調整業務から逃げられた!」と歓喜したものの、同時に「出先機関にいきなり放り込まれて右往左往するかもしれないのか……」という不安に駆られました。

ヒラ職員である今のうちであれば、「あの人いい歳してこんな簡単なことも知らないんだ」と嘲笑されるだけで済みます。
失敗しても損害は大きくありません。所詮下っ端です。

しかし、もし40歳手前で初めて出先機関に配属されて、しかも部下を持つポジションだったら、僕の失敗の影響は僕一人に止まりません。
部下をはじめ方々に迷惑をかけることになりますし、組織の名前にも傷をつけます。

つまるところ、職員人生の後半はずっと出先機関で過ごすことになる(しかも責任ある立場を務めるかもしれない)んだから、今のうちから経験を積ませてほしいのです。
このままだと大惨事を引き起こしかねません。ものすごく不安です。


本庁感覚を伝えたい

僕が出先機関に行けば、出先勤務の若手職員の成長にも貢献できると思っています。

出先機関(特に大きなところ)では、自分より若い職員も大勢います。
彼ら彼女らの多くは、本庁での勤務経験がありません。
そのため、本庁職員が置かれている状況を理解できず、本庁からの指示や依頼をとにかく疎む傾向が強いです。

マスコミ対応がその典型です。
取材対応に必要なデータを至急送るよう出先機関職員にお願いすると、たいていかなり渋られます。
「どうしてマスコミを優遇しなければいけないのか、自分たちの平時の仕事を軽んじるのか」と言わんばかりの剣幕です。

本庁勤務経験があれば、マスコミには即時対応しないと揉めることを知っています。
対応が遅れると「対応が遅い、きっと裏に何か隠している」と騒ぎ立てられますし、そもそもマスコミから取材がある時点で、そのトピックに関して誰か黒幕が存在しています。
すぐに現状を調べ上げて幹部に報告して臨戦体制を整えておかないと、その黒幕が本格的に動き出した際に手遅れになってしまいます。

僕のような本庁勤務経験が長めの職員であれば、「マスコミ」と聞いた瞬間に上述のような連想がひらめいて、ヒラ職員の慌てふためく様子と、眉間に皺を寄せて嫌な汗を滲ませる管理職の姿が浮かんできます。
この感覚を出先勤務の若手職員に教えてあげることが、彼ら彼女らの成長に繋がり、ひいては組織のためにもなると思うのです。
 
特に僕の場合、本庁のいろんな部局を経験させてもらったおかげで、いろんな事態を目にしてきました。
本庁の感覚を出先の若手職員に伝える役割なら、我ながらなかなかの適任だと思っています。

出先機関経験を経て本庁に来た職員は、口を揃えて「出先にいた頃は本庁の意図がわからなくてイライラしたし、本庁職員に対して暴言を吐いてしまったこともある」と悔いています。
こういう職員間のすれ違いや、結果として生じかねないトラブル・後悔を未然防止すべく、自分の感覚や経験を若手職員に伝えることが、結果として組織への貢献になると思います。



というわけで、出先機関への異動、特に農林事務所か整備事務所(土木)を希望しています。
いずれも大所帯で、本庁経験のない若手職員もたくさんいますし、何より埋没できるので精神的に楽です。

来年度すぐに異動できなくとも構いません。同じ希望を来年度も提出するだけです。
信念を貫く、ブレないことが大事だと思っています。

地方公務員として生きるためには、住民からのバッシングと折り合いをつける必要があります。
 
食らうたびにストレス発散する、スルーする、貴重なご意見として受け入れる……

どんなやり方であれ自己流の対処方法を見つけておかないと、いずれやられてしまうでしょう。

僕はこれまでスルー派だったのですが、最近はバッシングの質も量もどんどんひどくなってきてスルーしきれなくなり、今年の5〜7月頃はけっこうダメージを蓄積してしまいました。
これをきっかけに、そもそもどうしてバッシングされるとダメージを受けストレスを感じるのか、細かく考えてみました。

以下、施策に対する真っ当なクレームから「税金で飯を食いやがって」みたいな難癖まで幅広く「行政バッシング」という言葉で括ります。

真に安心できる時間も場所もない

行政バッシングは遍在します。
いつどこで遭遇するか、全く予見できません。
つまり公務員は、24時間365日、どこにいようとも、自分たちの悪口を聞かされる可能性があります。
人間から隔絶された状況にでも隠れない限り、安心できる時間・場が持てないのです。
 
行政バッシングは、普遍的な話題として、すっかり定着しています。
行政に関心のある方は持論を以て真剣に叩きますし、無関心な方もマスコミ発言をそのまま繰り返すようにして気楽に叩きます。
もはや天気の話題に次いで無難な話題なんじゃないかと思うくらい。

いつどこかで見かけたのかは失念してしまったのですが、「もはや公務員は『パブリック・サーバント』ではなく『パブリック・エネミー(敵)』と化した」という記述がありました。
まさにこのとおりだと思います。


「私だけでなく住民が誰もがそう思っている」という苦情の常套句があります。
自説に箔をつけるための簡便な方法であり、普段はスルーを決め込むところなのですが、今回の新型コロナウイルス感染症騒動はそう単純に処理できませんでした。
苦情の件数も多いし、苦情主の属性も段違いに幅広いのです。

老若男女あらゆる層から毎日毎日、何回も「私だけでなく住民誰もが公務員に対して怒っている」と聞かされたら、本当に住民全員が怒っているように思えてきて、次第にこの台詞が苦痛になりました。
 
 

批判的言説に対しては、「嫌なら見るな・聞くな・近づくな」が基本です。
しかし行政バッシングは、世間の至るところに溢れかえっているために、近づかないようにしても回避しきれません。

一般的ないじめだと、いじめが発生している場所(職場など)から離れることで、一旦は避難できます。
しかし行政バッシングの場合は、海外逃亡しない限り、安住の地はありません。
日本国内にいる限り、どこでも降りかかってきます。 
 
一発あたりの被害はいじめの比ではなく微弱なものですが、いつどこで遭遇するかわからないという行政バッシングの性質上、本当に安心できるシェルター的な避難場所が存在し得ないのです。

つまるところ、役所バッシングは、公務員の人生から「安心感」を根こそぎ奪うのです。
聞こえてくるバッシングの多くは、自分に向けられたものではありません。
発話者としては、近くに公務員がいるとは思いもしていないでしょうし、「公務員に聞かせてやりたい」とも思っていないでしょう。

しかしそれでも、聞こえてしまった以上、いい気分にはならないものです。
「自分とは関係無い」と割り切れるだけの冷静さを身につけるしかないのでしょう。

人格否定までしちゃいます?

行政バッシングには、「公務員の人格批判」がつきものです。
公務員というステータスを理由に、相手の人間性を否定する形の罵倒です。
  • 公務員は無能だ
  • そもそも公務員しか職を選べなかった負け組だ
  • なのに自分を有能だと勘違いしている、傲慢だ
  • 人間性がおかしい、感情が無い
  • 自分可愛さに溺れている自己中だ

などなど。パッと思いついた典型的なフレーズだけでもこのくらいあります。
人格だけならまだしも、外見や過去、家族までひっくるめてバカにされるケースも多いです。
 
ちなみに僕は顔面偏差値42くらいのブサメンなのですが、住民の方からこれまで何度も「公務員顔」と評されています。
こんなふうに、「公務員」という単語を侮蔑のニュアンスで使う方も大勢います。

「公務員はクズ」だと思うこと、そう発言すること自体は自由です。
ただ、罵倒されて喜べるほど僕は大人じゃありません。バカにされたら普通に腹が立ちます。
 

「堂々と他人をディスることが許容される」ことがハイクラスの常識らしい

それに何より、「『公務員を公共の場で堂々と罵倒すること』が平然とまかり通っている」という環境、「公務員=公共の場で堂々と罵倒してよい存在」という認識が世の中に浸透していることが、恐ろしくて仕方ありません。

こう思う根底には、「公共の場で堂々と罵倒してもよい存在がこの世の中には存在する」という意識、つまり特定のセクターへの差別や私刑が正当化されるという意識が存在するのでしょう。

「公務員はサンドバック」という例えがありますが、僕は秀逸な表現だと思っています。
サンドバックは殴られるために生まれた存在ではありますが、いくら殴ってもそう簡単には壊れません。
実際この例えのとおり、公務員は、人格や外見を多少否定されたところで、生活が即座に崩壊するわけではありません。少なくとも今のところはそれなりに待遇が保証されているからです。

しかし、もし今の公務員叩きのエネルギーが、別のセクターに向けられたら、いったいどうなるでしょうか?
特に、公務員よりも弱い存在に向けられたら。
結果は明らかです。悲劇しか起こり得ません。

叩く理由なんて、後付けでいくらでも整理できます。
「叩きたい」という感情がまず先行し、ついで「堂々と叩くことが許される」環境、「罵倒を正当化する理由・根拠」が成立するという順序です。

公務員を罵倒して悦に浸っている方々の多くは、今は公務員をターゲットにするもっともらしい理由があるから公務員を叩いているだけなのでは?
心の底から公務員が嫌いな方も結構いるでしょうが、とにかく誰かを攻撃したい、嗜虐欲を発散したいから、世間公認サンドバックである公務員を叩くという方も、相当数いるのでは?

公務員の人格否定をしている方々は、自分は公務員より優秀だと認識しているはずです。
その優秀な方々が、「公共の場で特定のセクター所属者の人格を否定すること」の危険性を理解していない、あるいは理解したうえで嗜虐性を満足させるために人格否定を繰り返している。
公務員罵倒ネタで盛り上がっている集団に出くわすたびに、このディストピア的な現実を思い知らされ恐怖を感じます。
 

役所現場がウィズコロナを考えるには時期尚早な気もしますが、備忘録も兼ねて、現時点で想定される展開を書き残しておきます。

長期化する不信感・感情的反発

今年4月〜5月にかけての、全国的流行から経済活動停止までの流れでは、都道府県知事の責任を訴える声が非常に強かったです。


  • 感染者が出るたびに知事が会見していたということは、知事が責任者だ
  • 経済活動の自粛要請の呼びかけ役だった
  • 結果的に抑え込めずに感染拡大を許し、経済活動が停滞した

僕が直接対応した苦情電話では、このあたりの主張がよく登場しました。

いずれにせよ、「感染拡大・経済停滞は行政による人災だ」「行政のミスを住民が自粛という形で尻拭いさせられている」という確固たる認識の下、知事を叩いていました。

この時期は本当にしんどかった。
庁内どこも外部からの電話に忙殺されていて、電話回線が常時パンク状態で、役所機能が停止しかけていました。
物理的にF5アタックを食らっていた気分です。

電話の内容のほとんどは、具体的な救済を求めるものではなく、感情的な反感でした。
論理もへったくれもありません。要約すれば「お前らムカつく」に収束する内容です。
具体例は伏せさせてください。思い出すだけで気分が沈んでしまいます。

平日は批判電話への対応で仕事が進まないので、休日出勤を余儀無くされていました。
休日であれば、設定上「営業していない=職員は誰もいない」ため、電話に出る必要が無いからです。
鳴り響く電話を無視して、事務作業に勤しんでいました。

知事叩きも役所への電話攻撃も、今では随分落ち着きました。
しかし、世間の不満感情そのものが解消されたわけではありません。
インターネットを少し散策してみると、当時となんら変わりのない憎悪を燃やしている方が大勢います。

この憎悪の根本には、「感染拡大・経済停滞は行政による人災だ」「行政のミスを住民が自粛という形で尻拭いさせられた」という認識があります。
この認識は、もはや変えようがありません。「今年4月〜5月の一連の出来事」という歴史的事実が、この認識の根拠だからです。

失望は広範にみられる

感情的な反発までは至らなくとも、役所に失望した方は非常に多いと思います。

今回の騒動では、首長の言動だけでなく、役所組織や木っ端公務員の仕事っぷりも激しく叩かれました。
「いまだにアナログ」とか、「意思決定が遅い」とか、「言い訳ばかり」とか、「住民感情に寄り添っていない」とか……

中でも「いまだにFAXが現役」「結局人海戦術」「オンライン申請の相次ぐ不備」あたりは、強く印象に残ったのではないかと思います。

さらに今回は、特別定額給付金事業を通して、国民のほぼ全員が役所と関わりを持ちました。
連日流れる「給付が遅い」「ルールがおかしい」という批判報道を、自分ごととして受け止め、強い関心をもって眺めていたと思います。
つまり、「いつ10万円が手に入るのか」という個人的利害のために役所の存在が普段より身近に感じられていたところに、どんどん公務員&役所批判報道が流れてきたのです。

この結果、「公務員&役所は無能」という認識が、相当数の方に深く刷り込まれたと思います。
特にこれまで役所に対して中立・無関心だった層を、一気に潜在的アンチへと転化させたといえるでしょう。

実務への影響

燃えたぎる憎悪が拡散してしまったために、官民協働・住民参加型のような施策は、今後難しくなるんじゃないかと危惧しています。

さらには住民訴訟も避けられないと思います。
「新型コロナウイルスの拡大も経済活動の停滞も都道府県による人災である」という認識に立てば、役所がミスしたために自分に損害があったわけで、諸悪の根源たる役所に賠償を要求するのが必然の流れです。

どういう形をとるかはわかりません。今まさに作戦を練っているところかもしれません。
とりあえず現時点では、公文書公開請求されたものは訴状に使われると思っておいて間違いないと思っています。

私刑執行に巻き込まれる

正当な権限を持たないにもかかわらず、他人の心身に危害を加えたり、権利を制限・侵害する方(以下「私刑執行人」)が、世の中には大勢います。
今年流行った「自粛警察」も、こういうタイプの方の一種です。

役所には以前からこういう方がよく訪れます。
公務員に対して自ら私刑を執行しにくるだけでなく、別の誰か(役所とは全く関係のない個人や団体)に対して刑を執行するよう働きかけてくるケースも多いです。

このたび「自粛警察」が大々的に報道され、世間から否定的に捉えられたために、自ら私刑を執行するのは難しくなっています。
とはいえ燃えたぎる正義感(または悪意)を抑えることはできません。何らかの形で他人を罰しないと気が済まないのです。

そのため、従来のように自ら個人で私刑を執行するのではなく、
  • 第三者を動かして、間接的に私刑を執行する
  • インターネットなどを使って賛意を集め、個人ではなく集団として刑を執行する
という動きが強まるのではと考えています。
 

役所への影響:加害者かつ救済者かつ被害者

役所にも、それらしい理屈を作って私刑を執行するよう訴えにくる案件がますます増えると思います。
同時に、「私刑は悪いこと」という認識が浸透したために、従来は泣き寝入りしていた私刑の被害者からの救済申立も増えるでしょう。

私刑の中には、純粋に民民の問題であり、行政が絡むべきではない案件も多数あります。
「執行しろ」という圧力であれ「助けてくれ」という要請であれ、関係ないものははっきり断る姿勢が重要でしょう。

前述の憎悪のために、役所や公務員に対する私刑執行も増えると思います。
これまで以上に身の振り方に注意が必要です。

大手マスコミに弄ばれる

新型コロナウイルス関係の報道では、自治体の首長の発言が頻繁に取り上げられています。
発言そのものをスキャンダル扱いするだけでなく、国の方針と対立させたり、別の自治体と対比させたり……便利に使われています。

経緯も文脈も無視して発言の一部を意図的に切り取られているケースも多々あります。
大手マスコミにとって、地方自治体の首長なんて恐るに足らない相手なのでしょう。

地方自治体の首長ネタは、そこそこウケているようです。
最近炎上した首長の名前をgoogleトレンドで検索すると、失言したタイミングで検索数が急上昇しており、視聴者に影響を与えられていることが見えてきます。

反応が上々ということで、今後も首長は雑に扱ってもいい便利ネタとして使われていくのでしょう。
 
そのため、大手マスコミの地方支社には細心の注意を払う必要があると思います。
現状既に、ネタ集め目的なのか、記者会見で誘導尋問みたいな質問をしたり、各課の担当職員に詰め寄ったり……などなど、これまでにない攻勢を敷いているように思われます。


何気に出世関係の記事が常時人気の弊ブログ。
地方公務員ブログを読むような現役職員って、「人生のコスパが悪いから出世したくない」とか「出世よりも『やりたい仕事』を優先したい」という考えの方のほうが多い印象ですが……なんだかんだで出世にも関心があるのでしょうか?

入庁からそれなりに月日が経過して、同期入庁職員からは財政課も人事課も輩出されてしまいました。
とりあえず、僕たちの出世レースはひと段落したところだと思われます。

「鉄は熱いうちに打て」ということで、ここで一旦、筆者が見た20代の出世レースを振り返ってみようと思います。

出世レースの実態は自治体ごとにバラバラだと思いますが、後で紹介する公務員人事の研究本の内容ともけっこう被っていたので、わりと汎用性のある内容になっているかもしれません。

ただし、そもそも半分妄想で組み立てる記事なので、アラサー職員がドヤ顔で後輩に語っている与太話くらいの感覚で読んでください。

出世イメージ

一次選抜:採用時~5年目頃まで

まずは5年間くらいかけて、見込みのある職員をピックアップしていきます。
ここでピックアップされるかどうかで、今後のキャリアが大きく変わります。

地方公務員の場合、採用時には「総合職」「一般職」の区別はありませんが、事実上この期間で、時間をかけてゆっくりと「総合職」を選抜しているようなものです。

予算担当のような中枢業務を任されたり、1回目の人事異動で花形部署に異動したりすれば、ピックアップされたものと思って良いでしょう。

二次選抜:6~8年目頃まで

引き続き、一次選抜でピックアップされた職員の中から、財政課や人事課という役所組織の中枢を担う人材、ひいては将来の部局長候補を選抜していきます。

この期間は、直接の人事評価者(課長など)だけでなく、より上位の部局長からもウォッチされていると思われます。
部局長候補にふさわしいかどうかは、経験者でないと判別がつかないからです。

財政課や人事課職員を選出した時点で、二次選抜は終了です。
選抜された職員は圧倒的出世コースを邁進します。
将来の部局長候補として、役所組織全体をバランスよく回すための帝王学を身につけるため、財政課や人事課を中心に経験を積んでいくことになるでしょう。

選抜されたなった場合の行き先

ここで選抜されなかった職員はそこそこ出世コースに入り、忙しいポストや難しい仕事を任されるポジションになります。
俗にいう「忙しい部署ばかり回される職員」は、この層とほぼ一致すると思われます。

この層に期待される将来的な役割は、本庁の課長です。
事業の遂行能力だけでなく、部下のマネジメント力も求められます。
そのため、見込まれた職員は早々に部下あり係長に任ぜられ、職員個人としてだけではなく、チームとして成果を出せるかも測られます。

もちろん、全員が本庁課長まで上り詰めるわけではありません。
いかに早く部下を持つか、そして管理職に昇進するか、 熾烈な競争が続きます。

しかも今後は、この競争が激化すると思われます。
採用数が抑制されていた今の30代後半〜40代と比べて、今の若手職員は人数が多いです。 
とはいえ、職員の人数増に応じて管理職ポストを増やすという選択肢は考えられません。
管理職が増えるほど人件費が増えるからです。

そのため、現在と同数の管理職ポストを、より多くの候補者の間で奪い合うことになるでしょう。

そもそもピックアップされなかった場合

一次選抜でピックアップされなかった職員には、二次選抜以降は関係ありません。
毎年同じようなことを繰り返しているような平和な仕事を転々とすることになるでしょう。
 
ただし、一次選抜期間中に産休・育休で休んでいた職員は、途中から「そこそこ出世コース」に上がることもあり得ると思います。
特に最近は女性の管理職登用が盛んに叫ばれているところでもあり、候補者がいれば積極的に登用したいところでしょう。

一方、産休のような特殊事情が無く、単に一次選抜のピックアップに漏れた職員は、出世とは縁遠い職員人生を歩み続けることになると思われます。 
前述のとおり、これからは管理職ポスト争いが熾烈化します。
候補者の割にポストが少ないのです。
そのため、これ以上候補者を増やすようなことは起こらない、つまりコースの垣根を超えた登用は起こりづらいと考えるのが自然でしょう。

真相は如何に……?

僕はこれまでずっと本庁勤務で、頻繁に人事異動を繰り返しています。
そのため多数の部局を経験しており、「各年次のエース級職員は誰なのか」「部署ごとの出世ポストがどこなのか」を無駄に知っています。
出世競争にまつわる裏話(信憑性のほどは不明)も多数耳にしてきました。

こうやって得た経験をベースに、公務員人事の研究成果をまとめた以下の2冊を参考にしつつまとめあげたのが、本記事になります。

現代日本の公務員人事ーー政治・行政改革は人事システムをどう変えたか [ 大谷 基道 ]
現代日本の公務員人事ーー政治・行政改革は人事システムをどう変えたか [ 大谷 基道 ]

学歴・試験・平等 自治体人事行政の3モデル [ 林 嶺那 ]
学歴・試験・平等 自治体人事行政の3モデル [ 林 嶺那 ]





実際のところ人事の仕組みなんて全くわからないわけですが、本気で出世したいなら採用直後から全力を尽くしたほうがいいという経験則だけは確実と思われます。 

西日本では緊急事態宣言が解除されて、外出自粛ムードも和らいできています。
ゴールデンウィーク以降は毎日出勤しているおかげで、通勤ルートの交通量を自然と定点観測できていますが、先週は明らかに車が増えました。
これまでは道が空いていたので出勤もさほど苦にならなかったのに……
 
一方、僕は今後も外出自粛を続けるつもりです。
仕事と必要最低限の買い物を除き、基本的にはどこにも行きません。
特に、人が集まって談笑しているような空間には断じて近寄りません。

感染症拡大防止のためではありません。
あくまでも自分のメンタル保全、公務員に対する世間のネガティブ感情から自分を守るためという、非常にエゴイスティックな理由です。

少しでも住民対応をしている地方公務員ならよくご存知でしょうが、行政に対する不満と不信感は凄まじいです。
自由に外出できるようになった程度では収まる気がしませんし、たとえ感染症が収まっても、この感情面のしこりは残り続けるんじゃないかと思うくらいです。

インターネットはどこも地獄

首長や地元役所(●●県庁、●●市役所など)の名前でTwitter内を検索すると、多分僕と同じ気持ちになると思います。
よほどメンタルに自信のある方を除いて閲覧禁止です。

最近はFacebookも盛り上がってきています。
例えば、「●●(首長名)の不正と怠慢を糾弾します!署名してください!」みたいな投稿がどんどんシェアされてきたり。

シェアしてきたのは僕の旧知の知り合いで、人となりを知っている相手です。
「いつも穏やかなあの人ですら首長を糾弾したくなるくらいに怒ってるのか」と思うと、世間の大多数が役所への悪感情を持っているんだと、実感をもって思い知らされます。

内容もさることながら、「役人を見つけたら直接言ってやる」「●●にいた役人に言ってきた」みたいな、実際に行動するという意思表示や、行動したという結果報告も目立ちます。
現に僕の周囲でも、近所や親族から文句を言われたという話をよく聞きます。床屋に行ったら他のお客さんから嫌味言われたとか。

ネット民だけではない

インターネット上の言論は過激になりがちで、かつ投稿者は世間全体からすれば一部の層に限られます。
そのため、ネットの論調=世間の論調、と結論づけることはできません。

ただ今回は、インターネットユーザーとは明らかに層が違う媒体でも、役所へのネガティブ感情が容易に見つけられます。

まずは地方紙の投書欄
ご高齢の方と中学生以下のお子さんからの率直な不信感が連日掲載されています。

これまではたまにしか読んでいませんでしたが、新型コロナウイルス騒動が始まってからは毎日欠かさず読んでいます。
役所にかかってくる苦情電話と内容が似通っていて、予想質問として有用だからです。

あとは電話です。
僕が所属する部署はだいぶ減りましたが、その分、別の部署が大変なことになっていると聞きます。
最近は損害賠償を求める声がどんどん増えているようです。


まずは7月末まで

宣言期間が終わって活動が再開されたとしても、平穏な日常が戻ってくるわけではありません。
特に人間の感情面は当分落ち着かないだろうと思います。
行政に対するネガティブ感情もそうですし、僕にこんな記事を書くよう駆り立てた住民感情への恐怖も。

今のところ、まずは7月下旬まで外出自粛しようと思っています。
その頃には特別定額給付金も一通り行き渡っていて、地方自治体への注目も薄らいでいるはず。
そう信じないと心が持ちません。 

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