キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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カテゴリ: 公務員の仕事術

今回の台風19号の被害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます。
元防災担当部署の公務員として心が痛い日々を送っています。

連日報道される凄惨な被害状況もそうですが、ツイッター上で防災論を語る公務員アカウントが、前提条件を誤っているために的外れな指摘をしているところを見ると、別の意味で心が痛みます。

公務員なら知っておいた方が無難な河川防災に関する基礎事項をまとめました。
ツイートする前にさらっと読んでいただけば、きっと役立ちます。

浸水想定区域図は国or都道府県、洪水ハザードマップは市町村

よくニュースで取り上げられる「浸水想定区域図」と「(洪水)ハザードマップ」は、別物です。

ざっくりいうと、
  • 浸水想定区域図は国または都道府県が作成するもので、洪水が発生した場合どこが浸水するのかをシミュレーションして、川(水系)ごとに作成します。
     
  • 洪水ハザードマップは市町村が作成するもので、浸水想定区域図をベースに、避難場所や防災倉庫のような避難関係情報を追加し、地域ごとに作成します。




そのため、
ハザードマップ上では浸水しないはずの地域が浸水していた!
という批判を市町村にぶつけるのはお門違いです。(ベースとなる浸水想定区域図が間違っているため)

また、
浸水想定区域内に避難所があるのはおかしい!
という批判を都道府県にぶつけるのもお門違いです。(避難所を決めるのは市町村のため)


河川工事の基本は「下流から」

河川工事の目的は「流下能力の改善」、つまり一度に流せる水の量を増やすことです。

川の水は最終的に海に流れます。
海まで全部送り届けないと、途中で陸地に溢れてしまいます。
つまり洪水が発生します。
そのため、流下能力は、河口部で最大にならなければ意味がありません。

ウォータースライダーを想像してください。

もし入口だけ太くしてアベックが手を繋いで同時に滑走できるようになっても、ゴール地点が細いままだったら、途中で詰まってしまいます。
人間という固体だと詰まってしまうわけですが、これが水だとしたら溢れ落ちます。

川の場合も同様です。ゴール地点(河口部)が太くないと、途中で溢れてしまいます。


見るからに川幅が狭くて危なそうなのにどうして工事しないのか?という批判をよく見かけますが、工事したくても下流部が終わっていないからできないというケースも多々あります。

河川工事の原則は「川幅を広げる」

流下能力の改善とは、具体的には「断面積の拡大」です。
断面積を広げる方法は主に3つあります。
参考:長崎県ホームページ
  1. 川幅を広くする
  2. 川底を深くする
  3. 堤防を高くする

川底を深くすると、下流部との標高差が縮まってしまい、勾配が緩くなるため、流下速度(水の流れ下るスピード)が落ちます。
流下速度が急に落ちる箇所は、洪水のリスクが高まります。

堤防を高くすると、川の水の位置エネルギーが高まり、決壊した場合の破壊力が増します。

そのため、なるべく川幅を広げる方法で対処するのが原則です。
(河川工学的には諸説あるらしいのですが、少なくとも役所的には)

しかし、この方法には、川の両側の用地買収が必要で、費用と時間がかかります。
既に川沿いに街が出来上がっている地域だと、そもそも用地買収できず、実現できません。

時々見かける川の両側に高い壁を作れ!という主張は、非常に危険です。
壁自体にものすごい水圧が加わって簡単に壊れてしまいますし、壊れた瞬間に濁流が上から滝のごとく降り注ぎます。

水位計と水位標

河川に設置される水位計というと、定期的に水位情報を自動計測してデータを送信するものを指します。
計測機だけではなく、計算用のコンピュータや無線機もあり、コンクリート製の小屋のような設備です。
設置にも維持管理にも費用がかかるので、たくさんは設置できません。

川のたくさん設置してある目盛りみたいなものは、水位標(量水盤)と言います。
目視で水位を確認するためのもので、近隣住民の避難判断や、水位計が狂っていないかのチェックなど、河川管理に欠かせないものです。

両者は名前は似ていますが、全くの別物です。


河川防災についてもっと知りたい方は、この本をどうぞ。
今回の記事のネタ元でもあります。

河川工学の基礎と防災 (気象ブックス) [ 中尾忠彦 ]
河川工学の基礎と防災 (気象ブックス) [ 中尾忠彦 ]


防災部局経験者ならお馴染みかと思いますが、大雨の可能性を測る指標として「相当温位」というものがあります。
厳密な定義は検索してください。

今回の台風では、中部地方から東側全域が360k超えという超危険なラインに達していて、どこで豪雨が降ってもおかしくない状況でした。

気象災害が頻発し、公務員稼業における防災業務のウェイトが大きくなりつつある今日この頃。
部局を問わず広く防災関係知識を広めるべき時期に来ているのかもしれません。

開設以来、順調に PV数を伸ばしてきた本ブログですが、ここ3ヶ月間、月間PV19000で頭打ちを迎えています。

せっかくなのでPV20,000の壁を超えたいなと思い、新規記事の投稿だけでなく過去記事もちょくちょく点検しています。

同時並行で勉強もしています。
諸先輩方のブログ運営術を拝見したり、本を読んだり……

最近読んだ中では、『沈黙のWebライティング - Webマーケッター ボーンの激闘』が特にわかりやすく面白く実用性に富んでいました。

沈黙のWebライティング Webマーケッター ボーンの激闘 [ 松尾茂起 ]
沈黙のWebライティング Webマーケッター ボーンの激闘 [ 松尾茂起 ]


以前の記事で、自治体ホームページの欠点について触れました。

『沈黙のWebライティング - Webマーケッター ボーンの激闘』を読んで、どうして自治体関係のホームページが検索上位に表示されないのか、新しい理由がわかりました。
感情表現の欠落です。

感情を揺さぶらないのが役所的名文

文章を読んでもらうために必要な3つの視点
 
  • 感情表現を入れ、自分事化による“共感”を誘発する
  • 伝えたいことがきちんと伝わるよう、“見やすさ”“わかりやすさ”にこだわる
  • ファーストビュー(冒頭文)で、伝えたいことをまとめる
 
『沈黙のWebライティング ーWebマーケッター ボーンの激闘ー p.236』

読みたくなる文章作りの視点として、同書では3点を挙げています。
人間が読みたくなる文章であれば、SEOにおいても高評価を得られ、高PVに繋がります。 

役所の作る文章では、第一に挙げられている「感情表現」「共感の誘発」は厳禁です。
感情表現は徹底的に排除します。
読み手が一切感情的に揺れず、単に情報伝達だけが実現する、そういう文章が役所的な名文です。

ホームページに掲載する文章でも同様です。
不特定多数が目にするので、一層気を遣って感情表現を排除し、事実の羅列に徹します。

反感ゼロ>>>超えられない壁>>>共感されてバズる

この事情は、役所のトップ、つまり首長が選挙で選ばれた立場だという性質が影響しています。

感情を揺さぶる表現は、それに共感する人もいれば、反感を抱く人もいます。
役所は反感を恐れます。反感がそのまま首長のマイナスイメージになり、次の選挙への悪影響が懸念されるからです。
このあたりの危機管理が上手い職員はガンガン出世します。

書けるのにもったいない

共感狙いの文章を発射したいときには、ペイドパブリシティを使います。
役所発の文章ではなく、取材したライターの個人的感想という体裁であれば、たとえ反感を持たれても首長へのダメージは軽く済みます。

観光部局で仕事していた頃、僕もよくペイドパブリシティを利用しました。
自治体が提供した資料をベースにプロのライターが文章を作ってくれるのですが、正直物足りなかったです。

内容に具体性が無く、固有名詞を入れ替えれば他の自治体でも使い回せるものばかり。
担当職員の雑談の方がずっと面白い。

ライターが悪いのではなく、自治体の担当職員の方が詳しすぎるのだと思います。
担当職員は、誰よりも長い時間、題材と接しています。
常人には見えない魅力まで見えて当然です。

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共感を誘発する文章を書くためのネタはたくさん持っているのに、封印せざるをえないという現状。勿体無いなといつも思います。

そろそろ上司から「食品衛生責任者の講習に行ってこい」と指示される職員もいるのでは?
ほぼ一日潰れて、しかも自腹で8,000円払わされるのは無駄だと思う方も多いでしょう。
僕としては、いい勉強になるので自腹でも行っておいたほうがいいと思っています。

食べ物を取り扱うために絶対必要な資格

食品や料理を提供するには、食品衛生法に基づく営業許可が必要です。
営業許可を得るための条件の一つに、この「食品衛生責任者」資格保有者を確保することがあります。
つまり、食品や料理を提供するために、絶対必要な資格です。
詳細はこちら。

講習を1日受講すればだれでも取得できます。試験はありません。
ただ、講習会は定員を設けていることが多く、満席で受講できないケースがよくあります。
特に年度初めは要注意です。就職や異動で資格が必要になった人が押し寄せます。
 
野外フェスの出店のような一時的な販売でも必要で、小売・飲食業に携わる方なら免許証レベルに必須の資格です。
(調理しているお兄さんお姉さんの誰かが本資格を保有しているはず。)

特に東京が厳しい

最近、東京都の食品関係衛生指導がものすごく厳しくなっています。
これまではグレーゾーンだった部分が細かくルール化されてチェックが厳しくなっただけでなく、ルールとして明文化されていなくとも、指導担当職員の裁量で色々な制限を課されるようになりました。
補足資料提出くらいなら面倒なだけで済みますが、自主検査のような費用の嵩むオーダーもあるとのこと。

自治体職員でも、首都圏の屋外イベントに出店したことのある方なら、痛い目を見た経験があるかもしれません。
例年通りの準備をして臨んだら、あれこれと注文をつけられ、既決予算では賄いきれず参加中止……とか。
昨年度よく聞いた話です。

食品衛生責任者についてもオーダーが厳しくなっています。
最近は「食品衛生責任者の売場常駐」を求めるイベントが増えてきています。

これまではイベント開始前に食品衛生責任者が現地チェックすれば常駐までは不要なパターンがほとんどでした。
常駐を求められると、食品衛生責任者の拘束時間が長くなり、人件費が嵩みます。
長時間のイベントだと、休憩回しのためにもう一名追加で必要になります。
人件費は事後的に手当てできますが、食品衛生責任者の頭数を増やすのは、急には対応できません。


東京都の規制強化路線は、オリンピック・パラリンピックを見据えての判断なのでしょう。
ということは、オリンピック会場になりうる関東圏全域には、少なくとも広がっていくと思われます。

食品衛生の知識が身を助く?

自治体職員が食品衛生責任者資格を取得するメリットは、大きく2つあります。

一つは頭数の確保。
とにかく人数が必要とされる資格になってしまったので、とりあえず取っておくだけでも安心感があります。

もう一つは、食品衛生の知識が今重要だから。
東京と田舎とでは、食品衛生への意識が全く異なります。雲泥の差です。
例えばHACCP。都内では既に、取得していないと正規ルートの流通に乗れないようですが、田舎ではまだまだ全然対応できていません。

今後は東京基準(厳しい)がスタンダードになっていくでしょう。
早く東京基準に対応していかないと、首都圏の販路を失います。いち早く対応した業者に取引先を奪われます。
 
役所としても、生産者の食品衛生リテラシーの向上が喫緊の課題です。
既に取り組んでいる自治体もたくさんありますし、この記事を読んで「2年遅い」とせせら笑っている職員も多いでしょう。
ただ、対応できていない自治体も多いと聞きます。

まずは職員が食品衛生について勉強しなければいけません。
そのための端緒として、食品衛生責任者の講習会が役立ちます。

どこの自治体でも定期的に講習会を開催しているので、調べてみてはどうでしょうか?

役所の仕事は内部のローカルルールに縛られることが多く、入庁前の経験が実務に役立つ場面はなかなかありません。

それでも即戦力となるスキルを見つけました。茶道と華道です。 

手っ取り早く日本っぽい

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、どこの自治体もインバウンド対応に奔走しています。
インバウンド向けの旅行モデルコース策定とか、観光施設でのインバウンド向け体験メニュー整備とか……

茶道や華道は、外国人が抱く日本のイメージと合致し、ウケが良いです。
そのため、インバウンドに関係する事業では、なるべく取り入れたいと考えます。
着物や浴衣の着付けなんかも定番ですね。

茶道や華道に詳しい職員は少ないです。
少しでも知識を持っていると重宝されます。
全然関係ない部署に所属していても応援要請があるくらいです。

どこだったかは忘れましたが、知事自ら茶道に取り組んでいる自治体もあると聞きます。
それくらい注目されているのです。

面接では要注意

採用面接でも、茶道・華道経験は良いアピールネタになると思います。
ただし、極力平易な言葉で、わかりやすく話さなければいけません。

専門的な話をわかりやすく説明する能力は、公務員実務に必須です。
面接でも重視されているでしょう。
参考:地方公務員にコミュニケーション能力は必要なのか?

前提知識の無い相手に対して、茶道や華道を説明するのは難しいです。
  • 専門用語が多い
  • 精神論も多い
  • 日常生活とは関係のない
この辺りのハードルをいかに処理するか、面接官としたら気になるところ。
説明能力を測る絶好のチャンスです。

エントリーシートに茶道や華道の文字が入っていたら、面接官は多分食いつきます。
専門用語をなるべく使わず、日常生活に絡めて、わかりやすい説明を事前に用意しておいた方が無難でしょう。

地方公務員には武道経験者が結構多いです。
武道やると公務員になりたくなるというよりは、武道の道を志すタイプと、公務員を選ぶタイプが、性格的に被っているのだと思っています。

指導者ニーズ高し

教員多忙化の解消策として、部活動指導者として外部人材の登用が必要だと昨今叫ばれています。
地方公務員はこの外部人材にぴったりです。
遠くへは転勤しないので長く続けてもらえますし、土日はだいたい休みですし、何より学校側の事情を(少なくとも民間企業勤の人よりは)理解してくれます。

外部人材の中でも、武道は需要が高いです。
「道」の部分(精神論)や、専門的な技術の話など、体育教師では指導しきれない分野が多いからです。

公務員稼業そのものには、武道経験は活きません。
しかし、武道経験のある地方公務員はニーズが高いです。
�外部の部活動指導人材として適任なのです。

地方公務員として働くなら、武道経験があることを公表するかどうか、慎重に考えた方がいいでしょう。
学校部活動に関わりたくないのなら、隠し通した方が無難です。

部活動の指導に興味があるけど教員になるのはちょっと……という方は、地方公務員オススメです。
武道に限らず、地方公務員が外部指導者を務めているケースは結構見聞きします。

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