キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

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西日本では緊急事態宣言が解除されて、外出自粛ムードも和らいできています。
ゴールデンウィーク以降は毎日出勤しているおかげで、通勤ルートの交通量を自然と定点観測できていますが、先週は明らかに車が増えました。
これまでは道が空いていたので出勤もさほど苦にならなかったのに……
 
一方、僕は今後も外出自粛を続けるつもりです。
仕事と必要最低限の買い物を除き、基本的にはどこにも行きません。
特に、人が集まって談笑しているような空間には断じて近寄りません。

感染症拡大防止のためではありません。
あくまでも自分のメンタル保全、公務員に対する世間のネガティブ感情から自分を守るためという、非常にエゴイスティックな理由です。

少しでも住民対応をしている地方公務員ならよくご存知でしょうが、行政に対する不満と不信感は凄まじいです。
自由に外出できるようになった程度では収まる気がしませんし、たとえ感染症が収まっても、この感情面のしこりは残り続けるんじゃないかと思うくらいです。

インターネットはどこも地獄

首長や地元役所(●●県庁、●●市役所など)の名前でTwitter内を検索すると、多分僕と同じ気持ちになると思います。
よほどメンタルに自信のある方を除いて閲覧禁止です。

最近はFacebookも盛り上がってきています。
例えば、「●●(首長名)の不正と怠慢を糾弾します!署名してください!」みたいな投稿がどんどんシェアされてきたり。

シェアしてきたのは僕の旧知の知り合いで、人となりを知っている相手です。
「いつも穏やかなあの人ですら首長を糾弾したくなるくらいに怒ってるのか」と思うと、世間の大多数が役所への悪感情を持っているんだと、実感をもって思い知らされます。

内容もさることながら、「役人を見つけたら直接言ってやる」「●●にいた役人に言ってきた」みたいな、実際に行動するという意思表示や、行動したという結果報告も目立ちます。
現に僕の周囲でも、近所や親族から文句を言われたという話をよく聞きます。床屋に行ったら他のお客さんから嫌味言われたとか。

ネット民だけではない

インターネット上の言論は過激になりがちで、かつ投稿者は世間全体からすれば一部の層に限られます。
そのため、ネットの論調=世間の論調、と結論づけることはできません。

ただ今回は、インターネットユーザーとは明らかに層が違う媒体でも、役所へのネガティブ感情が容易に見つけられます。

まずは地方紙の投書欄
ご高齢の方と中学生以下のお子さんからの率直な不信感が連日掲載されています。

これまではたまにしか読んでいませんでしたが、新型コロナウイルス騒動が始まってからは毎日欠かさず読んでいます。
役所にかかってくる苦情電話と内容が似通っていて、予想質問として有用だからです。

あとは電話です。
僕が所属する部署はだいぶ減りましたが、その分、別の部署が大変なことになっていると聞きます。
最近は損害賠償を求める声がどんどん増えているようです。


まずは7月末まで

宣言期間が終わって活動が再開されたとしても、平穏な日常が戻ってくるわけではありません。
特に人間の感情面は当分落ち着かないだろうと思います。
行政に対するネガティブ感情もそうですし、僕にこんな記事を書くよう駆り立てた住民感情への恐怖も。

今のところ、まずは7月下旬まで外出自粛しようと思っています。
その頃には特別定額給付金も一通り行き渡っていて、地方自治体への注目も薄らいでいるはず。
そう信じないと心が持ちません。 

ゴールデンウィーク明けの役所、もうやばいとしか言いようがありません。

やばい

プリコネアニメは貴重な癒し。

特に苦情対応が質・量ともにベリーハードな状態です。
本当に困っている人だけでなく、ゆすりたかりみたいな人(以下「ゆすり手」)も明らかにいます。
ひたすら難癖をつけて怒鳴って威圧してきたり、『影響力の武器』に出てくる各種テクニックをあからさま使ってきたり……
ゴネ得しようとする魂胆が見え見えです。

役所という立場上、誰であれ誠実に対応すべきではありますが、誠実一辺倒だと食い物にされかねません。
特に県庁職員の場合だと、不用意な発言は市町村役場を困らせます。
「県庁はOKと言った(実際には言っていない)のに、なんでできないんだ!」というゴネ方の指南を与えかねないのです。

感情に絆されずダメなものはダメと断じるためには、常に冷静である必要があります。
そのためには、失礼を感じさせない程度に防御姿勢を取ることもやむなしでしょう。

僕が普段から意識していて、誰でもすぐにできる防御策として、呼吸姿勢があります。

ゆっくり深く呼吸する

緊張したら深呼吸。誰もが知っているテクニックです。
スポーツでも呼吸法は基本中の基本です。
苦情対応でも同様で、深くゆっくりと呼吸することで、精神が落ち着きます。
 
呼吸のペースは、無意識のうちに心身に影響してきます。

僕の友人(とある武道の全国レベルの選手)が言うには、「電車内で急な便意に襲われても、深くゆっくり呼吸すれば1駅分くらいは抑えられる」とのこと。
これは極端な事例ですが、呼吸を意図的に操作することで、心身ともにある程度はコントロールできるのです。
僕もやってみたら1分くらいは我慢できました。本当に焦りが引いて落ち着くんですよ。

プロのゆすり手は、相手の呼吸を支配します。
基本的には呼吸を浅くして冷静さを崩そうとしてきます。
例えば、「おい聞いてんのか!返事は!」等と発破をかけて相手が頻繁に相槌を打つように威圧することで、聞き手が深く呼吸するのを妨げ、浅く短い呼吸を繰り返すように仕向けたり。

堂々と深呼吸したらさすがに失礼にあたります。
相手に気づかれない程度に、数分に一度は意識的にゆっくり深く呼吸すると良いでしょう。

背筋を伸ばし姿勢を正す

正しい姿勢を取ることも重要です。
姿勢が悪いと脳に血が行き渡らず、冷静さを欠く原因になり得ます。

プロのゆすり手は、相手の姿勢も支配してきます。
相手に負い目を感じさせたり威圧したりして、背中を丸め縮こまるように仕向けてきます。
こうやって脳の働きを弱め、思考・判断を歪めようと試みるのです。


ゆすり手に屈して便宜供与してしまうと、他の善良な人々が不利益を被ることになります。
こういう輩の対応は時間の無駄だという職員も多いですが、個人の悪意から社会秩序を守る立派かつ価値ある仕事だと僕は思います。

ここ数年、私生活で紙を使う機会が激減しました。
ペーパーレス生活を意識しているわけではありません。自然と使わなくなりました。

一方、役所の中は今も紙だらけです。
2020年に入って既に500枚はコピーや印刷で使っています。
こっちは盛んにペーパーレスに移行するよう叫ばれているのに、全然変わる気配がありません。

もともと僕はガジェット好きで、職場から指示されずとも勝手にペーパーレスしていきたい派です。
しかし今のところ全然うまく進んでいません。僕の努力ではどうしようもない課題が横たわっています。

紙の代わり(デジタルデータ)が超不便

ペーパーレス化を進めるためには、紙の代わりとなる別の情報記録媒体を使わなければいけません。
役所の場合はデジタルデータが最有力の代替手段です。

しかし役所は、パソコンをはじめ、デジタルデータを扱うための端末機器のスペックがものすごく低く、デジタルデータだけでは仕事が成り立ちません。

例えば僕のパソコン(メモリ2GBのVISTA世代端末に無理矢理win10をインストールした)だと、どんなに軽いPDFファイルでも開くのに数十秒かかります。
パワーポイントとエクセルを同時に起動すると50%でフリーズします。

こんな職場環境なので、デジタルデータに頼るのはリスクが高すぎます。
データはいつ消えるかわからない、使いたいときに自由自在に使えるわけではない水物という認識です。

一方、紙は一旦印刷しておけば突然消滅しません。
紛失にさえ気を付けていれば、いつでも好きな時に使えます。
これだけで圧倒的に紙に優位性があります。

ペーパーレスだと利用者が困る

もう一つのボトルネックは、行政サービス利用者のデジタルリテラシーです。
 
インターネット上ではペーパーレス・デジタル推進派の方が目立ちますが、現実はそうとは思えません。
紙が無いとついていけないという方が、年代や社会階層を問わずたくさんいます。
そのため、役所が提供するサービスは、どうしても紙中心にせざるを得ません。
 
基本的に全て紙媒体で準備して、希望する方のみオプションでデータも利用化という形です。
こうしないと「差別だ」と激しく非難されます。


世間のペーパーレス化・デジタル化の流れは今更止められないでしょう。
そのため役所も、遅々としてではありますが、変わっていくだろうと思います。
今はその過渡期、とても長くてゆっくりした過渡期のスタート地点なのでしょう。

地方公務員に就職した直後、入庁前のイメージとのギャップがいくつもありました。
前例踏襲もその一つです。

前例踏襲は、役所や地方公務員の基本的性質としてしっかり定着しています。
そして非常に評判が悪いです。罵倒・非難の常套文句でもあります。
「役所といえば思考停止で前例踏襲」だとか、「前例踏襲しかできないのが地方公務員」だとか、現役職員なら月1くらいで耳にしているのでは?

僕も入庁当初は、前例踏襲に対してネガティブに捉えていました。
しかし今は違います。役所は必要に迫られて前例踏襲しています。

前例踏襲しないとトラブルになる

前例踏襲には、前例は正しいという前提があります。
前例は正しい、だから踏襲するのです。
正しい前提ならば踏襲する、とも言い換えられます。

対偶をとると「踏襲しないならば、その前例は間違っている」になります。

これは一見正しそうに見えますが、実際は間違っています。
 役所の施策や意思決定には、一つの絶対的な正解はありません。
そのため、単純な論理式に落とし込めません。

しかし実際には、このことを理解してくれない、又はあえて理解しようとしない人がたくさんいます。
「前例と違うということは、前例は間違いだったのだな!」と攻撃してくるのです。

一定の条件を満たす法人に給付している補助金があると想定します。
 
補助金申請の説明会を、例年は県内3箇所でやっているところ、今年度は4箇所に増やすことにしました。
このとき、「今年は4会場で説明会を開催します。より便利になりました」みたいな説明をすると非常に危険です。
 
「これまで3箇所しか開催してこなかったのが間違いだと認めたな!謝罪しろ!」と鼻息荒く攻撃されかねないのです。

前例が間違っている場合も実際あります。そのときは真摯に謝ります。
前例よりもグレードダウンする場合は批判されて当然です。
しかし大半は、眼前の案件も過去の類似案件も、どちらの意思決定も正しいケースです。

一見して似ている案件でも、全く同じケースは存在しません。
少なくとも発生した時期が違います。
色んな分野で激変が続く昨今の世の中、時期が少し異なるだけでも、意思決定に影響する要素の一つや二つ、簡単に変わってしまいます。
したがって、過去の意思決定をそのまま引きずる方が不健全です。

しかし、役所の過ちを指摘することが生きがいだったり、役所がミスしたことにしたくてたまらない人にとっては、そんなことお構い無しです。
前例をあえて踏襲しない案件は、こういう方々の格好の餌になりかねないのです。

役所は日々、「役所は前例踏襲ばかり!」という怒りの声だけでなく、「前例踏襲しないということは、前例は間違いなんだな!」という愉悦混じりの罵声も浴びています。
そして後者のほうが厄介で、これを抑えるために前例踏襲をベースとしているのです。

前例は隠すもの

こうしたトラブル回避のため、役所は極力「前例と違うことをした」とは言いません。
前例と違うことをする場合には、前例の存在を隠して、全く新しい意思決定に見せかけます。

前例の存在を明るみに出すのは、前例と異なることをする完璧な理屈がある場合と、前例踏襲する場合に限ります。
前者は滅多にありません。
そのため、前例踏襲するケースの方が圧倒的に多く見えるのです。

役所の実務では前例踏襲はほとんどありません。
費用対効果を考えるとむしろ無駄なのではと思えるくらいにエネルギーと時間を注いで、前例からの改善を追求します。
しかし対外的には決して「前例をベースに改善した」とは言いません。あくまでも完全な新規施策として扱います。

今の世の中、役所の無謬性を信じている人は誰もいないと思います。
しかし、間違うことも許しません。
PDCAを回すなんて言語道断です。最初から100点満点の対応を求めます。
とにかく前例は100点満点で改善の余地なしということにしておかなければ、世間が許さないのです。

公務員でありながら地域活動にも取り組んでいる人を、本当に尊敬します。

こういう活動って、楽しくて自発的に取り組んでいる人もいれば、役所がやらないから渋々やっている人もかなりの数いると思っています。
ある意味、アンチ公務員の集まりです。

そういうところに飛び込んでいく度胸。とても真似できません。

ただ、地域活動に熱心な公務員、中でも若い職員は、とあるミスをやらかしがちです。

意図せぬ情報漏洩

そのミスとは、他部局の機密情報をうっかり喋ってしまうこと。

全く関係のない部局の情報であっても、同じ役所内にいると結構見聞きする機会があります。
熱意ある公務員なら尚更、アンテナを張り巡らして、役所施策全般の情報を把握しようと務めているでしょう。

しかし、情報自体は入手しても、その情報の管理レベル(既に公表されているのか/これから公表予定なのか/役所内限りの機密情報なのか)には無頓着なケースが多いです。

そもそも、情報の管理レベルは、情報そのものよりも知りにくい要素です。
自分の所属する部局の業務であればまだしも、他部局の情報の管理レベルは、それぞれの担当者に聞かない限りわかりません。
職員向けの共有システム上のような、職員なら誰でも閲覧できる情報の中ですら、公表情報と非公表情報とが混在しています。

そのため、未公表の情報をうっかり喋ってしまうという事件が後を絶たないのです。

ありそうな例(フィクションです)
 
公務員A氏がボランティアとして参加している農業法人が、野菜の即売会を開くことになりました。
開催候補日としていくつかの案が挙げられると、その中の一つが、ちょうど近所のホテルで、とある学会の発表会が開かれる日と重なっていました。
コンベンション誘致担当の同期職員が苦心の末に獲得した案件で、先日の飲み会で自慢気に語っていたので、A氏の記憶にも残っていたのです。

その日に開催すれば、県内だけでなく全国からのお客さんに野菜を見てもらえます。成果を考えると、この日一択です。
A氏は農業法人に学会の旨を伝え、この日に即売会を開催するよう提案しました。

数日後、学会から役所にお叱りの電話が届きます。
「発表会の開催日は、事実上決まっているようなものとはいえ、まだ学会内の総会で決議されていない。あくまでも事務局案だ。なのにどうして公表したのだ?」
 
担当者は訳が分からず、学会から事情を聞き取ります。
その結果、地元の農業法人から学会に対し、「発表会の同日に近所で新鮮野菜即売会をやる、レセプションでうちの野菜を使ってほしいので、ぜひ挨拶に行きたい」との連絡があったとのこと。

農業法人からの聞き取りにより、A氏が漏洩元だと判明。
良かれと思った発言が原因で、始末書を書く羽目に陥りました。
一旦世間に流出してしまった情報は、その後どうなるのか全くわかりません。

他部局情報を喋りたくなってしまう本能

公務員はいつでも誰でも「縦割り行政」というバッシングを浴びせられています。
人間誰しも、批判されるのは嫌です。
そのため、本能的に、批判を払拭しようとします。

他部局の情報を喋りたくなってしまうのも、この本能の発露です。
自分の所属とは関係のない部局の情報を披露することで、「自分は」縦割りの旧弊とは無関係であることを証明しようとしてしまうのです。


住民のためという姿勢も大事ですが、それ以前に組織の機密情報を明かしてしまうのは、社会人としてNGです。

公務員のような敵の多い立場の場合はさらに危険です。
世の中、公務員の失言をネタにお金を稼いでいる人もいます。

他部局の情報を役所外部の人間に提供したくなったら、事前にインターネットで検索して、ヒットする情報しか喋らないようにしたほうが無難でしょう。
それか、面倒でも担当者に確認して、公表してもいいか確認します。

窮屈だと思うなら、残念ながら公務員には向いていません。
地域おこしに携わる方法は、公務員以外にもたくさんあります。
他の選択肢を探すべきでしょう。

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