キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

タグ:働き方

中央省庁や都庁志望の優秀な若者を田舎役所に引きずり込みたいという邪念を抱きながら日々更新している本ブログ。
このブログがきっかけで地方公務員に興味を持ってくれたらこの上ない喜びです。

ただし、万人に対して地方公務員就職を勧めたいとは思っていません。
役所という組織も公務員の仕事も合わない人にはとことん合いませんし、何より辞めた後の選択肢が限定されます。
特に民間企業への転職は難しく、公務員並みの待遇と求めるとなると相当困難でしょう。

そのため、一旦地方公務員に就いたなら、なるべく辞めてほしくありません。
入庁前に情報収拾して、自分の適性を考え抜いてほしいです。

役所組織や実務への適性は、インターネット上にたくさんの情報が既にありますし、このブログでも何度か取り上げています。











 
今回は役所から離れて、地方都市生活への適性について考えてみます。

大都会(特に東京)からUターン・Jターン就職してきた方の中には、政令市レベルの都市でも満足できずに結局東京に戻ってしまう方が一定数います。
政令市のどういうところに満足ができなかったのか、何が不足しているのか。
僕がこれまで見聞きしたケースを紹介します。

文化資源が全然足りない

美術館や博物館巡りの魅力に目覚めてしまった方は、地方都市に満足できなくなってしまいがちです。
これら文化施設のコンテンツ力は、東京の一人勝ちです。

常設展示もさることながら、企画展や特別展示の回数・質は、地方都市とは比べものになりません。東京の圧勝です。
海外の美術館からの借り物をはじめ、東京でしか開催されない企画展も多数あります。

地方の施設にも魅力的なコンテンツはありますが、数が少なく、入れ替わりもほとんどありません。
そのため一度行けば十分で、新鮮味がありません。
東京の刺激を一度知ってしまったら到底満足できません。

休みをとって上京して巡回するという方法もありますが、なかなか難しいようです。
こういった文化施設はたいてい行列ができ、入場までに時間がかかります。
そのため地方から上京していては時間が全然足りないのです。

地方都市には存在しない業種・職種に就きたい

とりあえず就職してみたものの、本当にやりたい仕事とのミスマッチに耐えかねて、東京に戻って行くパターンもよく聞きます。
仕事の幅では、東京には到底敵いません。
特に学識を活かすタイプの仕事は、政令市には無い職種がたくさんあります。

わかりやすいのは理系の研究職・開発職です。
地元大手企業に就職するも、大学時代と比べて研究・開発水準があまりに低くつまらなさすぎたというパターンを頻繁に聞きます。
僕の友人の中には「高校物理のほうがレベルが高い」と言い残して東京に戻っていった連中もいます。

加えて地方企業だと、研究や開発に専念させてもらえないことも多いようです。
研究職で採用されたのに、人手不足を理由に経理も兼務しているとか。


文系は一層深刻です。
地方都市の文系職は、たいてい何でも屋です。
役所並みにジェネラリスト志向のところが多く、たとえ大学で高度な学識を身につけていようとも考慮されません。
つまり、文系学問の知見を活かせる仕事が地方都市にはそもそも存在しないのです。

東京本社の大都市と比べて組織が小さいために、文系専門職を雇うだけのキャパシティが無いのでしょう。
都庁と県庁を比較しても、この傾向がはっきり見て取れます。
専門家を採用・育成しようとする都庁と、ひたすらジェネラリスト(笑)志向の地方県庁。
組織のスケール的にどうしようもないのだろうと思われます。

東京で築いた人間関係がものすごく大切

UIJターン就職すると、東京で築いた人間関係からは疎遠になります。
いくら遠隔通信手段が発達した時代とはいえ、東京在住時代と同程度の緊密さをキープするのは至極困難です。
僕自身、大学時代の友人とどんどん疎遠になって行くのを感じています。
結婚式なんかで久々に再会すると特に実感します。

会話は続かないし、愛想笑いの頻度の多いこと。
共通の話題といえば大学生当時の思い出話ばかりなのですが、これすら評価が割れます。
僕にとっては「楽しいエピソード」なのに、周囲にとっては「どうでもいいこと」だったり。逆も然り。

かつての友人とどんどん疎遠になっていくことを、僕は仕方ないものと思っています。
人間は日々変化していくものです。
そしてこの変化には、周囲の環境が大きく影響します。
地方都市と東京という異なる環境下で暮らしていれば、それぞれ異なる方向へ変化していって当然です。

僕は人間関係全般に対して関心が薄いので、こういうふうに割り切っていますが、そうでない方のほうが多数派だと思います。

そのため、東京で築いた人間関係を重視する方は、自然と東京に戻っていきます。
大学時代がものすごく楽しかったリア充にありがちなパターンです。

よく言われるように、一度生活のレベルを上げてしまうと、元のレベルに落とすのが非常に苦痛に感じられます。
人間関係も同様で、一度ハイレベルな環境を経験してしまうと、通常の環境では満足できなくなるのです。

「楽しくない」「つまらない」という不満感だけでなく、劣等感を覚える人もいるでしょう。
地方都市にいる自分が相対的に停滞しているように感じられるのです。

結局はメリデメの比較

東京生活にはデメリットもたくさんあります。
通勤のストレスだったり、物価の高さだったり、人口密度だったり、自然の少なさだったり……
 
こういったデメリットを打ち負かすほどの強烈なメリットとして人を動かしたのが、今回紹介した3事例になります。

今回挙げた3事例は、いずれも2013年〜2019年という限られた期間に観測されたケースです。
これからどうなるかはわかりません。
ただ個人的には、変わらないどころか、もっと顕著になると思います。

結局のところ、自分が本当に地方都市で満足できるのかどうかは、自分にしかわかりません。
今まさに東京にいるのであれば、まずは考えうるデメリットを全て経験してみてください。
貴重なヒントになるはずです。

【2020.6.24追記】
噂の事前面談会ですが、やはりルール無用の長時間拘束・深夜営業らしく「ああやっぱり」という感じです。
本省はこれが平常運転です。県庁でさえ、本省から「解散指示あるまで待機」と連絡があって夜明けまで帰れない事態がよく発生しています。

今年の受験生はある意味ラッキーかもしれません。
普通なら入省するまでわからない(東京大学みたいなOBがたくさんいるところは別として)、本省のリアルな職場の雰囲気が垣間見れたのです……

【追記ここまで】


前回の記事で紹介したとおり、今年の公務員試験では国家総合職と地方上級の併願が難しいです。
参考:【懸念】2020年は国家公務員(総合職)と地方上級の併願は事実上困難な気がする

しかも今年は新型コロナウイルス感染症のせいで説明会がありません。
そのため、どっちの選択肢もよく理解しないうちに決断を迫られることになりかねません。

過去にも記事にしていますが、僕は国家公務員の激務っぷりが怖くて地方に逃げた人間です。
この判断は大正解でした。自信を持って断言できます。 

そんなクソ雑魚メンタルの僕からの提案です。

弊ブログをご覧ということは、国家公務員だけでなく地方公務員も興味があるのでは?
それなら国家総合職という選択肢をちょっと見つめなおしてみませんか?

短時間睡眠での激務に耐えられますか?

そもそもこんな記事を書いているのは、安易に国家総合職を選んでしまうと、あまりの激務っぷりに心身をやられてしまう危険があるからです。

どこの省庁でも国家総合職の方は激務を強いられています。
僕自身は本省勤務経験はありませんが、現役官僚の友人知人や、本省出向経験のある同僚など、本省の実態を知る人に囲まれています。
皆さん口を揃えて、それはもう激務としか言いようがないエピソードを語ってくれます。

僕のような木っ端地方公務員でも、本省職員の勤務時間がめちゃくちゃなのは、はっきり見てとれます。
本省の方から、365日24時間、どんなときにもメールや電話が飛んでくるからです。

金曜日の夕方に提出した調査ものに対し、日曜日の明け方に「追加調査やります、月曜9時までに回答求む」という返信が届いて月曜日に絶句するなんてパターンは日常茶飯事。
自分は未経験ですが、「どうして土日に電話に出なかったのか」と週明けに叱られるケースも多数聞きます。

省庁内で完結するならまだしも、本来なら指揮命令権限の無いはずの地方自治体職員にまで365日24時間稼働を求めざるを得ないのです。
切迫したスケジュール、組織内プレッシャーの凄まじさがにじみ出ています。

社畜の徹夜は一味違う

国家総合職にとって、深夜残業は必須スキルです。
「徹夜慣れしているから大丈夫」という自信がある方もいるでしょう。
ただし、仕事での夜更かしは、学生時代までに経験した夜更かしとは別物です。


●人に囲まれている、コミュニケーションを伴う夜更かし
省庁での深夜労働は、一人で黙々と作業するだけではありません。
上司や同僚と一緒に、日中と同じようにコミュニケーションを取りながらの仕事が続きます。
気心の知れた家族や友人とではなく、職場の同僚とずっと一緒という環境。これが予想以上に堪えます。

●いつ始まるか、いつ終わるか全くわからない
省庁に限らず、役所の徹夜仕事は、いつも突然に始まります。
だいたい外部から持ち込まれるものです。
つまり、いつ突然深夜労働を強いられるかわからないし、いつ終わるかもわからないのです。

こういう「見通しの不透明さ」をストレスに感じる人は結構います。
徹夜そのものは平気でも、毎日常に「今日は徹夜かもしれない」という可能性をちらつかせられるのがストレスになるのです。


このような労働環境を知って、僕は国家公務員を諦めました。
ただし、ちゃんと適応できている人も少なからずいます。
ハードだからこそ得られるものがあることも事実です。
そういう方々に支えられているのが今の中央省庁なのでしょう。本当に感謝しかありません。

「国家公務員」ではなく単に「公務員」になりたいだけなら国家総合職は再考したほうがいい

とにかく公務員になりたくて、手当たり次第に試験を受けている方もいるでしょう。
こういう方は一度冷静に考え直してみたほうがいいと思います。
 
特に、難関大学に通っていて、周りがみんな国家総合職を受験しているという理由だけで、強く志望しているわけではないけどとりあえず受験を考えている方。
採用された後、本当にきついと思います。

公務員を志望する理由を、改めて考えてみてください。
その志望理由が国家総合職でしか叶わないのであれば、堂々と国家総合職試験に臨んでください。応援します。

加えて消去法でも考えてみてください。
消去法でも国家総合職しか残らないのであれば本物です。
ただし、国家総合職以外の選択肢も消せないのであれば、ハードな労働環境に挑戦できるのかどうかを再考してみてください。
  • 住民対応やりたくない
  • 自治体職員はレベルが低いから一緒に働きたくない
  • 30代後半まで部下持てないなんてあり得ない
  • 役所に骨を埋めるつもりはない、地方公務員だと転職できなくなる
まずはこのあたりの条件からチェックしてみては?

「地方自治体は今後破綻するリスクが高く身分保証されるとは限らない」という理由で、国家公務員を志している方もいるでしょう。
確かに自治体が破綻して、解雇されたり待遇が大幅悪化されるリスクはあります。

しかし、過労が原因で自分が潰れてまともに働けなくなるリスクは、国家公務員の方が圧倒的に高いです。

失職リスクを考慮するなら、都庁はじめ財政的に豊かな都会自治体の方が、トータルで見て安全です。
勤務先がどれだけ盤石であろうとも、自分が潰れてしまえば、働けないのです。

この記事を読んでどう思いました?

この記事への直感的な感想も、重要なチェックポイントだと思います。

「はぁ……やっぱ地方公務員はだらしないし頼りないんだよな。こんな奴に行政運営は任せておけない。やはり国がしっかりしないと駄目だわ。」と思った方。
貴殿こそ国家公務員たるべき器の持ち主です。


「地方公務員だと平凡な人生で終わりそうだけど、国家公務員になれば何か新しい人生が始まりそう!この期待を捨てきれないんだ!」という方。
健康を賭け金として差し出せるか、考えてみてください。
国家総合職として働くほうが成長できるでしょうし、大きなことを成し遂げられるでしょう。
ただし、激務のあまり心身を壊すリスクを忘れないでください。

加えて、地方公務員であっても全国スケールで活躍している方もいます。ごくわずかですが。
大半の地方公務員は平凡な人生を歩むでしょうが、偉業を成し遂げることが不可能とは限りません。
むしろ余暇時間が確保できるので、独力で挑戦するような事柄なら、地方公務員のほうがやりやすいかもしれません。 

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
いつまで続けられるかわからない本ブログですが、今年もよろしくお願いします。

今回の年末年始休み、大体の自治体は9連休になりました。
ただ実際のところ、まるまる9日間休めた人は少ないのでは?
残念ながら僕も7連休止まりでした。

12月の本庁は繁忙期

12月の役所、特に本庁は繁忙期です。

地方自治体は12月に議会があります。
議会の会期中は議会最優先です。そのため平常業務が停滞します。
平常業務は残業か休日出勤で片付けざるを得ません。

12月は予算業務も忙しいです。
県庁の場合だと、12月下旬〜1月上旬にかけて二次査定が行われます。
本庁各課の予算担当は勿論、事業担当も資料作成に追われます。
市町村だと一次査定の真っ最中でしょうか? 

議会対応のせいで溜まった平常業務と予算要求のために、多くの本庁勤務職員が年末年始も出勤を強いられます。
特に予算業務の方が大変です。
財政課が普通に出勤しているので、年末年始休み中にも新たな仕事が降ってきます。

大晦日にメールで、仕事始め日の午前中までに提出必須の資料をオーダーされていたり。
本当に重要な案件だと携帯電話に連絡があり、出勤を求められることもしばしばあります。

休めたとしても遠出できない

地方公務員の年末年始休みは、暦の上では毎年設定されてはいるものの、実際に取得できるとは限りません。
本庁勤務だと、フルで取得する方が難しいかもしれません。
特に予算案件を抱えていると、自分の意思とは関係なく出勤を指示される可能性もあります。

そのためか、帰省以外で遠出する職員はほとんどいません。
帰省する方は勿論いますが、長くて1泊程度です。
海外旅行は有り得ません。直前になって急に出勤を指示されるリスクがあるので、怖くて申込めません。

冬のコミックマーケットも参加困難です。特に出展側はほぼ不可能だと思います。

クリスマスも休めるとは限らない

クリスマスも同様です。
今年のように平日だと、イブも当日もかなり残業しています。

確実に出勤しなければいけないわけではなく、「直前に突然拘束される可能性が高い」ところがポイントです。
役所経験の浅い若手職員は、このリスクを知らずに、クリスマスの予定を入れてしまいます。
そしてドタキャンせざるを得なくなり職場で涙するのです。

11月の三連休が重要

リア充地方公務員達は、11月の3連休を活用して遠出しています。
年休をくっつけて4〜5連休にして、そこで遊びに行くのです。
12月の休みは不確定要素が強いので、そもそもあてにしていません。

年末年始は絶対に仕事したくない方、例えば
  • クリスマスを大事にしたい
  • 年越しは絶対海外
  • 箱根駅伝をガチで応援したい
  • コミケに絶対参加したい
という強い意志のある方は、地方公務員への就職は避けた方が無難でしょう。

ちなみに僕の場合、一度も出勤せずに済んだ年末年始は、過去7年間で1回しかありません。

都庁のように帰省者が多い自治体だと状況は異なるのかもしれません。
ただ去年くらいからは日帰り帰省すらできないようです。オリパラが迫ってきているせいでしょうか……? 

民間企業と比べて、役所の仕事は無駄が多く非効率だとよく言われています。

民間企業の場合、最大の目的は「利益の最大化」です。
無駄な仕事を減らすことで、人件費というコストを削減でき、利益を増やせます。
つまり、民間企業には無駄な仕事を減らすモチベーションがあるのです。

一方役所には、人件費を削減しようという意識が希薄です。
それどころか、人件費をコストとみなす感覚すら怪しいです。
そのため、無駄な仕事を減らすモチベーションが湧いてきません。

……という趣旨の記事を過去に書きました。
参考:なぜ地方公務員の管理職は「残業を減らそう」という意識が希薄なのか?  

この考えは今も変わっていませんが、今回はちょっと追記をしたいと思います。

過去をひたすら調べる

どんな仕事でも、役所では過去の経緯を重視します。
過去の意思決定との整合性を確保するためです。

新たな意思決定を行ったせいで、過去の意思決定が誤りだったと間接的に証明してしまうのを、役所は嫌がります。
現在と過去、両方の意思決定を正しいものとするためには、過去を紐解くしかありません。

例えば、公共施設の移転を決定したとしましょう。
 
移転には多額の費用が必要であり、しっかりとした理由が必要です。
 
この理由作りが難しいのです。
単に「移転後の場所の方がアクセスしやすい」「繁華街にあり集客が見込める」など移転後のメリットを挙げるだけだと、反射的に「移転前の立地はアクセスが悪く集客が見込めない」と認めることになりかねません。
というか、マスコミや市民団体が「移転前の当初立地は間違っていた!失策だ!」と騒ぎ立てます。

こうなるのを防ぐべく、過去=移転前の場所に立地した理由を入念に調べ、
  • 移転前の場所も当時は適地だった理由
  • 移転前の場所が今ひとつになってしまった理由(もちろん役所のせいではない外的理由)
これくらいは整理しておかなければいけません。

担当職員はとにかく徹底的に調べさせられます。 
倉庫の中はしらみつぶしに探しますし、他の行政機関にも出向いて家宅捜索させてもらいます。
民間企業に乗り込むのは流石にやったことありませんが、僕が知らないだけできっとやっているのでしょう。

過去の担当職員にも入念に聞き取りします。
担当職員から得られる情報は貴重です。資料には残せない、当時の雰囲気がわかります。
当時から絶望していたとか、反対に誰もが楽観していたとか。

大昔の出来事だと、退職したOB職員に聞き取りするべく、自宅に伺うこともよくあります。
十中八九すごく嬉しそうに語ってくれますが、あいにく大昔の話なので有益な情報はほとんど得られません。

なんでもいいので情報量が求められます。正確性は二の次です。
あやふやな情報をどれだけ集めても使えないのでは?という疑問を抱きながらも、ひたすら集めなければいけません。

悪魔の証明

過去調査より頻度は低いものの、役所は悪魔の証明にも果敢に挑戦します。
悪魔の証明とは、ざっくりいうと、「存在しない」ことの証明です。

例えば、とある施策で「都道府県初」のサービスを提供するとします。
本当に他の都道府県でやっていないのか、少なくともインターネットを使って全都道府県の関連施策を調べます。
 
時間の許す限り、電話でも聞き取りします。
「まだホームページに載っていないだけで、実は近日中にリリースしたりしませんよね?」と確認するのです。

都道府県職員であれば最大47調べればいいだけですが、市町村の職員はどうしているのでしょう?
もしかしたら都道府県庁特有の慣習なのかもしれません。

非効率だけど必要不可欠

こういった仕事は何も生みません。非効率です。
しかし無駄ではありません。必要な仕事です。
 
公共施設移転の事例で触れたとおり、こういった事前準備をしておかないと、外部から攻撃されて余計に面倒事が増えるのです。
(ちなみに「役所が悪魔の証明しなければいけない空気を作る」のは、手練れ市民団体の王道戦略です)

同じ不毛な仕事でも、攻撃される前に準備しておくのと、攻撃された後に焦って取り繕うのでは、前者の方がずっとマシです。

役所の仕事に無駄が多く非効率なのは、組織文化も原因です。
ただ、それと同じくらい外部要因もあるのだと思っています。

官民問わず、今週から本格的に仕事を再開している方が多いと思います。
今年も暑い夏でしたね。 
暑いおかげで引きこもりが正当化され、個人的には過ごしやすい夏でした。

名残を惜しみつつ、公務員の夏休み事情を振り返ります。

夏期だけ使える特別休暇がもらえる

公務員の場合、民間企業のような夏期休業期間は設けられていません。
夏の間だけ使える有給休暇が付与されて、職員が各自好きな時に取得するパターンが多いようです。
僕の勤務する自治体も同じスタイルで、特に月曜日や金曜日に取得して連休をつくる方が多いです。


利用期間や日数は自治体によって異なります。
たとえば徳島県だと、7月〜9月の間だけ使える5日間の特別休暇が付与されます。
 
僕の知る限りでは、徳島県のように
  • 利用期間 7月〜9月
  • 日数   5日間
という組合せが多いです。

旧盆以降は実質休めない

権利的には認められていても、実態は異なります。
特に本庁勤務の場合、8月下旬以降は、この特別休暇はほぼ使えません。

9月に入ると議会が始まります。
議会対応の準備はもっと早く、ちょうど旧盆が終わった頃からスタートします。

議会関係業務が始まると、休暇どころではなくなります。
いつ質問が湧いてくるかわからないので、とりあえず役所内に居なければいけません。
たとえ特別休暇が余っていたとしても、そもそも休暇が認められないため、使えないのです。

出先機関の場合は9月でも休めるようです。
議会業務に左右されないからなのでしょう。

反面、8月は休みにくいようです。
平日なかなか役所に来られない人が、お盆休みを使って窓口に押し寄せるのです。

全庁的に暇だけど、忙しい人も少なからずいる

特別休暇の事実上の利用期限である「7月〜8月旧盆」の期間、大体の部署は暇です。
議会業務のような役所全体を巻き込む仕事が無いので、役所お得意の「調整業務」が激減し、各部署固有の仕事しか残らないからです。

ただ、この時期こそ忙しい部署や担当業務も勿論あります。
こういった部署・担当業務の職員は、せっかくの特別休暇を捨てざるを得ません。

9月議会で目立っちゃう部署

全庁的な準備は8月下旬から始まるものの、条例案を提出したり、9月補正予算として追加で予算要求するなど、目立ったことをする場合には、7月中から内部調整が始まります。
 
この関係で、
  • 条例の文言担当(総務系部署の文書係、法規係ポジション)
  • 財政課の予算担当
  • 条例案や予算案を提出する各課の関係職員
には、休んでいる暇がありません。むしろ休日出勤するほどです。
 
冷房の効かない休日出勤は地獄そのものです。

参考:地方公務員の冷房事情とは?

つい先日まで「どうせ人事課と財政課は休日でも冷房入ってるんだろ?」と疑っていましたが、財政課に異動した同期職員から「つかないよ」「だからまだ涼しい夜に出勤して仕事してるよ」とやつれた顔で呟かれ、心底反省しています。

採用・インターン関係

県庁の場合、7月〜8月にかけて採用面接が続々行われます。
夏休み期間中に入ると、学生向けの職場見学会やインターンもあります。
これらの業務に追われるので、人事課は休めません。

夏だから忙しい部署

全庁的には暇とはいえ、夏特有の季節業務を抱える部署は忙しいです
たとえば渇水対策。万一の場合に備え、水道関係の部署は準備に奔走します。
防災部署も忙しいです。台風が発生するたびに説明資料を作り、庁内幹部に説明して回ります。
 
観光部局も結構忙しいです。最近流行りの「ナイト〇〇」の準備や現地対応で、昼間よりも定時後の方が忙しいかもしれません。
市町村だと地域のお祭り対応も大変そうです。

実際休めているのか?

僕の場合、防災部署にいたときは不運にも台風が続々上陸してきて忙殺されたせいで、2日くらいしか消化できませんでしたが、そのとき以外は安定して4日間は休めています。

観光部局にいたときも、僕は休めました。
ただ、観光施設のライトアップ担当だった同僚は全然休めていませんでした。こちらは運が良かった。

ただ、5日間完全消化は一度しかできていません。
旧盆までに5日取得する計画を立てても、直前に緊急業務が飛んできて休めなくなり、代わりの休日を見繕えないままに9月に突入してしまいます。

周囲を見ていても、5日間完全消化している職員は滅多にいません。3日休めたら及第点だと思います。
僕含め、若手職員は「使えたらラッキー」程度の認識でいます。

都会・田舎で差がありそう

今回紹介したのは、あくまでも田舎役所の事情です。
都会の役所だと相当事情が異なると推測します。

田舎の人間は、お盆に帰省する必要がありません。
帰省するとしても近場なので、長期の休みは不要です。

一方、都会人の場合、田舎の実家に帰省する都合で、長めに休みたい方も多いでしょう。
僕達のように「使えたらラッキー」程度のゆるい認識ではなく、もっとガツガツ取得しに行くのでは?と思っています。

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