キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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タグ:時事ネタ

先月発表された月次の労働力調査で、雇用環境が悪化していることが定量的に示されてしまいました。



今回の経済の冷え込み具合を、2008年のリーマンショック時と比較する動きも出てきています。
実際発生している影響は、これから続々と明らかになっていくでしょう。

個人的な勉強用に、リーマンショック直前(2007年)と、コロナショック直前(2019年)のマクロな環境を比較してみました。
参考に掲載しておきます。

雇用状況の比較 →非正規雇用者が増えてる分、失職人も増える?

非正規雇用
リーマンショック前と比べて非正規雇用者が増えています。実数も割合も増えています。
元データには男女別のデータもあり、そちらによると男女ともに増えています。
増加率で見れば、男性のほうが増えています。
最初は女性のパートタイマーが増えたのかと思いましたが、そうではなく、非正規雇用者自体が増えているのです。

正規雇用者よりも非正規雇用者のほうが解雇しやすいので、リーマンショック時よりも解雇しやすい人が多いことになります。
つまり、今回の場合、リーマンショック時よりも失職者が増える可能性が大いにあり得ます。

直感的にもそう思われるところですが、定量的に見ても妥当な推論と言えるでしょう。

世帯数の比較 →一人世帯が大幅増、寄る辺のない人が増える?

世帯数

国勢調査データ(5年に一度)のため、2007年と2019年のデータが無かったので、近い年次のデータを参照します。

時々報道されているとおり、一人世帯が増えています。
このことから、自分が失職しても、支えてくれる人が身近にいない可能性が高い方が増えていると推測されます。

頼れる人がいないとなると、役所に駆け込むという選択肢が現実味を帯びてきます。
役所側としては、リーマンショック時よりも役所に駆け込んでくる方が増えてくる可能性、つまり窓口・電話が混み合う可能性が想定する必要があるでしょう。

貯蓄額の比較 →あまり変わらないが……

金融資産
こちらも度々報道されているとおり、生活防衛資金を確保できていない世帯が多数存在しています。
3割弱の方が自転車操業で生活していることは重要な事実です。

家賃の比較 →地域によってまちまち

賃料ー2

生活する上での固定費として大きなウェイトを占める家賃は、地域によって様々なようです。
全国的に上昇しているだろうと予想していたので、意外な結果でした。
西日本が上昇しているらしいですが、実感が湧きません。

北陸三県の賃料が軒並み落ちているのにも違和感があります。
去年マンション管理士の勉強をしていたとき、富山金沢に高級マンションが増えているとか、賃料が上昇傾向という話題を見た記憶があるので……

僕の統計の見方がおかしいかもしれません。

税制の比較 →負担が増えている&感情的面での悪影響

定量的なデータではありませんが、制度面にも触れておきます。
  • 復興特別税の導入
  • 自動車税の見直し(大体のケースで負担が増える)
  • 消費税率の引き上げ
パッと思いつくだけでも、リーマンショック前と比べてこれだけ税負担が増えています。

住民対応の観点では、金額的な負担よりも「ここ数年で税負担が増えた」という事実の方が重要だと思います。

住民の感覚では、税負担が増えたのは役所のせいであり、公務員のせいです。
つまり、税負担が増えたという事実は、役所・公務員への憎悪の原因になり得ます。
何らかのきっかけで役所への憎悪を爆発させる際にはガソリンのように機能するのです。

特に消費税の増税は、日々の生活にも直結することもあり、悪感情への影響も大きいと思われます。
日頃から役所も公務員も不愉快に思われているという認識を改めて持つ必要を感じます。

日々白熱している地方公務員の副業界隈に、新たな燃料が登場しました。
動画広告収入を得ていた町役場職員が厳重注意を受けたようです。


 




個人的な注目点は以下3つです。

「自ら収入を得ている場合は地方公務員法に抵触」という前例ができた

どうやら町役場は、職員自らが動画広告収入を得ることを副業とみなし、地方公務員法に抵触すると判断したようです。 

地方公務員の副業を推奨するブログには、「広告収入は副業に該当しないから大丈夫」という説明をしているところがあります。
その根拠としては、これまで処分されたケースが無いことが挙げられています。

しかし今回、広告収入は副業であると判断した自治体が存在することが明らかになりました。
しかもニュースになって前例として知れ渡ってしまいました。


今後、別の自治体で同様の事例が発生した場合、今回の判断が引用されるケースも出てくるでしょう。
地方公務員が堂々と広告収入を得るのは、これまで以上に難しくなるのかもしれません。

「収入を得るのが本人でなければ大丈夫」とは断言できない

本人曰く「動画編集や収入管理は母親名義に切り替えた問題ない」とのこと。
ただし町役場は、これで大丈夫とは判断していないようで、今後も調査を続けるようです。

地方公務員の副業推奨ブログでは、名義が公務員本人でなければ問題ないと説明されることも多いです。
しかし本件は、この対応でもダメかもしれないという可能性が残されてしまいました。
続報が気になるところです。

外部からの指摘で発覚した

そもそも本件が明るみに出たきっかけは、外部からの指摘です。

ニュース記事だけでは、どういう経緯で公務員バレしてしまったのかは不明です。
ただ、8年間も続けてこられていたということは、動画内で堂々と公務員を名乗っていたとは思えません。

リアル知人に密告されたか、ネット有志によって身辺調査されたか……
いずれにせよ、地方公務員の副業を快く思わない人がいる、ということなのでしょう。

香川県がオンラインゲーム規制条例を真剣に検討しているとのことで、インターネットが盛り上がっています。
ちょっと調べてみたところ予想以上に深い話だったので、まとめておきます。


 

長い長い歴史を経ての条例化

香川県議会の議事録を見たところ、ゲーム依存に関する質問が最初に出たのが平成18年9月議会(大山一郎議員)で、これ以降自民党所属の議員さんを中心に繰り返しゲーム依存関係の質問が出ています。
近年はほぼ毎回問われています。

平成31年2月議会に至っては、代表質問(大山一郎議員)の1問目、つまり政党として最重視しているトピックを問う場面で、ピンポイントにゲーム依存対策が出てきます。

県職員ならお分かりだと思いますが、こんなに長期間、議会のたびに質問される話題なんてそうそうありません。しかも代表質問のトップバッターをも務めています。

香川県社会全体がどう捉えているかは別にして、少なくとも香川県議会の中では、ゲーム依存が超重大問題として長年認識されていると考えて間違いないでしょう。

平成31年2月議会の知事答弁には「急務である」「社会全体で取り組み必要性」との発言もあり、執行部(首長)も冷めた目で見ているわけではなく、かなり本気で対策を考えているようです。

今回の条例化は、いきなり湧いてきたわけではなく、平成18年から始まる13年超の経緯を踏まえての結果なのです。
今更炎上するなんて思いもしなかったろうと推測します。

質問と答弁はこちらから検索できます。

 
 

ゲーム自体を否定しているわけではない?

今回の条例はあくまでもゲーム依存対策が目的で、ゲーム全般に異を唱えているわけではないようです。
ちょっと長いですが、平成31年2月議会の代表質問を引用します。

◯大山一郎君 
 私は、ただいまから自由民主党香川県政会を代表して、当面する県政の諸課題について、知事、教育長並びに警察本部長に質問をいたします。
 (中略)
 世界保健機関WHOは、昨年六月、スマートフォンなどのゲームのやり過ぎで日常生活に支障を来すゲーム依存症を「ゲーム障害」という疾患として認めました。世界で多くの若者を中心にゲーム依存が原因で死亡したり、ひきこもりや問題行動を起こすことなどが報告されており、このような憂慮すべき事態を踏まえた対応で、ことし五月のWHO総会で正式に病気として決定される運びとなっております。
 (中略)
 県内でも事態は深刻化しています。小学四年生から高校生を対象に行った県教委の二〇一七年度調査では、児童の二割弱、中学生の三割弱、高校生の四割弱が、平日三時間以上、スマートフォンやゲーム機などを使用していました。この調査では、中学生の三・四%、高校生の二・九%でインターネット依存のおそれがあるとされています。また、長時間ゲームやインターネットを使用すればするほど、成績が低下する相関関係も顕著になっております。子供たちも若干の自覚はあるようで、スマホやゲームの利用に関し、小学生の二四・五%、中学生の三七・四%、高校生の四七・九%が「悩み事や心配事がある」と回答。理由の一位は、全校種とも「勉強に集中できない」で、小学生は八・七%、中学生は一七・七%、高校生は四人に一人の二五・七%。二位は「寝不足」で、生活リズムの乱れや健康面での悩みが目立っております。
 (中略) 
 そこで、知事及び教育長に質問です。
 まず、WHOの方針や県教委の調査結果を踏まえ、県内の小・中高生のスマホゲームやインターネットの利用状況をどう受けとめているのか、お伺いをいたします。
 世界では、ネットへのシャットダウンや依存度アンケート調査に基づく相談体制などの先進的な取り組みが進む中、日本は取り組みがおくれています。香川県は全国でも有数の教育県だと思っており、ゲーム・インターネット依存対策を全国に先駆けて取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 (以下略)

あくまでも論点は依存症です。
省略した部分を含め、ゲーム自体を否定する発言は見当たりませんでした。

香川県といえば、ポケモンGOとタイアップした「ヤドン県」キャンペーンを過去にやっています。
議会答弁には、これを称賛する声もありました。

このため、「香川県はゲームを否定している」みたいなネットの燃え方は若干ずれていると思います。

条例化のメリット

ネット上の議論を見ていると、「条例制定したところで意味がない」という論調が目立ちます。
条例単体で見ると、罰則が無いため、制定したところですぐにネット依存が解消に向かうとは思えませんし、改善すらされないでしょう。

僕の個人的感覚ですが、条例制定の直接の目的は「ネット・ゲーム依存の解消」ではないと考えています。
最終的な目的はもちろんこれなのですが、直接的な目的は別にあります。

イメージアップ・セルフブランディング

ネット・ゲーム依存は、深刻な社会問題のひとつであることに間違いはありません。
これに対して先進的な取組を打ち出すことで、「香川県は健康に気を遣っている」「教育・子育てに真剣に向き合っている」という方向でのイメージアップが期待できます。

このようなイメージを確立することで、別の施策(子育て世代の移住促進など)にプラスの働くことも期待しているのでしょう。

今後の具体的施策の布石

新たに確立したイメージを具体化していくための新たな事業を始める段階でも、条例は強大な後ろ盾になります。

条例は議会、つまり民意を経て制定されます。
条例に沿った施策は、民意に沿った施策と同義です。
そのため、議会や住民から批判されても跳ね返しやすいです。
国に対しても強気に迫れるでしょう。

今回の場合、規制条例が成立すれば、ネット・ゲーム依存対策関係の事業は民意に沿ったものと認められ、これらの事業に予算を注ぎ込みやすくなります。

条例のデメリット

ただ短期的には、この条例はデメリットの方が大きいと思います。

イメージの低下・時代遅れとみなされる

既にかなりダメージを食らっているところですが、最近はeスポーツやクールジャパンなど、ゲームをもてはやす流れの方も相当強いです。
その流れに真っ向から反対しているように見られてしまいます。

企業から敬遠される

インターネットやゲームが規制されて、儲かる企業は多分ほとんどありません。
今回の規制は、企業としては、事業リスクと捉えると思います。
どんどん規制の範囲が広がっていく懸念も抱くでしょう。

市場が拡大しているわけでもないのに、わざわざリスクのある地域に積極的に進出しようとは普通思いません。
特に情報通信産業は近寄らなくなるでしょう。悪とみなされる(既にみなされている)リスクがあります。

目新しい教育施策の遅れ

デジタル教材の導入やプログラミング教育のような、デジタルツールを使った新しい教育関係の施策が相当やりづらくなるのではないかと思います。

今回の条例の目的はあくまでも「依存対策」ですが、その手段はデジタルと子供を遠ざけることです。
しかし、全県民が目的と手段をきちんと区別できるとは思えません。
「デジタルと子供は近づけてはならない」と理解する方も一定数いるでしょう。
そうなってしまうと、教育行政が停滞しかねません。

教員の認識への悪影響が特に心配です。


オタク的な感覚

ここからはオタクの独り言です。条例とは関係ありません。

娯楽の限界効用

みんな大好き「限界効用逓減の法則」ですが、これは娯楽にも当てはまると思います。
ゲームばっかりやってると、楽しさがどんどん下がっていくのです。

ゲームやって、漫画読んで、アニメ見て、外出して……と、いろんな娯楽をバランス良く楽しむことで、余暇の楽しみは最大化されると思います。

重要なのは、いろいろな娯楽のバランスの最適化、つまり娯楽のパレート最適を実現しようとする自己規律です。 

それぞれに費やす時間やエネルギーの割合は人それぞれで、他人が口出しするものではありません。
しかし、この自己規律が出来上がるまでは、ある程度外から規制を加えるのもやむなしかと思います。

頭ごなしに「ゲームはダメ」と縛ってはいけません。
「ゲームのほかにも楽しいことがたくさんある」「楽しいことをいっぱい知っている方が人生楽しいに決まっている」と、飴アンド飴で誘導するのが理想だと思います。

他の依存症との違い:自己効力感と密接

ゲームは、他の依存対象(薬物など)とは異なり、
  • お金や健康だけでなく時間を吸い上げる
  • 居場所として機能し、自己効力感の源となりうる
という性質があります。

特に後者が厄介です。
強権的に規制すると、その人の大事な心の拠り所を失わせる結果になりかねません。
ゲームは止められたとしても、別の問題の原因になります。

そのため、ゲーム依存を他の依存症と同じ方法で対処しようとすると、多分うまくいきません。
ゲーム依存ならではの対策を考えねばいけません。

僕は何より、この条例案を香川県民がどう考えているのかが気になります。
パブリックコメントの結果が楽しみです。

某大臣の「環境問題はセクシーに」発言。
流行語大賞の候補にも選ばれて再び話題になっています。

僕は最初にこの発言を聞いたとき、全く違和感を覚えませんでした。
施策に対する「セクシー」という表現は、霞ヶ関用語だと思っていたからです。

官僚が使っていた

僕はこれまでの県庁職員生活で、防衛省以外の全ての省庁と業務で関わってきました。
部局横断型の異動を繰り返してきた副産物ですね。

本省勤務の職員と関わる中で、複数の方から「セクシー」という表現を聞いてきました。

  1. 意思決定の根拠を整理するにあたり、ロジックの整合性だけでなく、公表後のセクシーさも含めて検討を重ねた
  2. 新しい補助金の補助対象を決めるにあたり、地域住民全体に対してセクシーであることを重視した
こんな感じで、新しい施策を表現する修飾語として使われていました。

セクシーな施策=受けのいい・魅力的に映る施策

正確な意味はわかりませんが、文脈から推測するに、どの官僚の方も「受けがいい」というニュアンスで使っていました。

先に挙げた例だと、以下のような意味合いです。

  1. の場合・・・意思決定の根拠を住民に説明する際、定量的な証拠のような揺るぎない事実だけでなく、住民の感情に訴える定性的な根拠も揃える
  2. の場合・・・直接補助金をもらう人だけでなく、補助金のおかげで地域住民全体が喜ぶように、補助対象を決める
このニュアンスで「環境問題はセクシーに」を解釈すると、「環境問題に対処するメリットを国民がしっかり理解しながら対処していくのが重要です」という意味になると思われます。
至極まっとうな考えです。

詳細は不明

本省勤務の友人達に聞いてみたところ、知っている人もいましたが、知らない人の方が多かったです。
「サブ」「ロジ」みたいな一級の霞ヶ関用語ではなく、一部の官僚のみが使っているのでしょうか……

某大臣を応援するわけではありませんが、職員から「セクシー」という表現でレクを受けて、その通り使ってしまった……のかもしれません。

【2019.11.19追記】
発言の意図が明らかにされました。


以下抜粋です。

小泉進次郎環境相は17日、東京都内で講演し、9月の訪米先で「気候変動問題にセクシーに取り組む」とした発言の真意を語った。「楽しく、前向きに取り組みを進めなければいけないとの思いだった」と理解を求めた。

僕の推測は外れだったようです。



舞台は「補正予算」の「総務部長査定」。
主な被害者は健康福祉部長とのことなので、健康福祉部長から総務部長に対して補正予算の要求内容を説明し、これに対し総務部長が意見するという場だったのだろうと推察します。

パワハラではない

webニュース版には書かれていませんが、雑誌紙面の記事によると、総務部長の詰め寄りに対し、健康福祉部長はにこやかに対応したとのこと。

健康福祉部長は50代後半とのことなので、高確率で県庁生え抜き職員でしょう。
県庁の本庁部長といえば、財政人事秘書あたりを長く勤めた庁内政治の覇者です。

特に石川県庁のように、知事の在任期間の長い役所だと、知事とは以心伝心の間柄でしょう。
そうだとすれば、職位的には総務部長のほうが上だとしても、実際は健康福祉部長のほうが強そうです。
形式的にはパワハラのように見えるものの、実際はパワー要素が欠けていたのではないかと思います。

記事では「恫喝」「叱責」という言葉が使われていますが、その場にいた人間は誰もそうは感じてなかったのではと思います。萎縮もしていないでしょう。

総務部長スキップを促す黒幕の存在

一番の黒幕は、知事に対して事前に予算案の説明をするよう健康福祉部に促した「知事サイド」の人物です。
つまるところ、この人物が総務部長をすっ飛ばすことを暗に認めているのです。

総務部長が真に怒るべき相手は、健康福祉部長ではなく、この「知事サイド」です。
一体どんな部局で、どれくらいの職位にいる人物なのでしょうか……?


威圧的言動を擁護するわけではありませんが、今回の件はパワハラどうこうではなく、組織の闇案件だと思います。
財務省キャリアを活かしてガンガン予算査定しようとしたら、いきなり梯子を外されてしまい、動揺したのでしょう。

正直、全国的に取り上げるほどのネタかと言われると……微妙です。作為を感じます。

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