キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

タグ:未来予想

先日ふと思いました。
地方公務員向けの座学オンラインセミナーサービスがあればヒットするのではないでしょうか?
地方公務員に特化したUdemyみたいなイメージです。
科目は色々、実務に役立つ法務や税務はもちろん、MBA科目やリベラルアーツも人気が出そう。

※あくまで僕の空想であり、特定のサービスに対する言及ではありません。

ニーズはきっとある

地方公務員という人種の特徴を改めて考えてみると、こういうサービスが受けそうな気がしてきます。

そもそも勉強好き

地方公務員は全員、公務員試験を突破した人間です。
今となっては鈍ってしまっているかもしれませんが、本質的には向上心があり勉強好きな人間が多いはず。
このブログでも資格関係の記事が常時人気です。勉強嫌いならこんな誰も記事読まないのでは?
参考:公務員の実務に役立つ資格は?
参考:自己啓発欲(資格欲)が湧いてきた地方公務員はとりあえず宅建(宅地建物取引士)を受けてみては? 

不安を抱えている

特に若手の地方公務員は、「民間勤めとは違って、ここで働いていても何のスキルも身につかない、成長できない」という不安を共通して抱えています。
この不安を軽減できるものがあれば、飛びつくでしょう。

数年ごとに新分野の知識が必要

部局横断的に異動させるという地方公務員の人事慣習。
異動のたびに新分野の知識を身につけなければいけないのが地方公務員の宿命です。
しかも、入門レベルの知識くらいは異動後すぐに要求されます。悠長に勉強している暇はありません。
手軽に学べるパッケージがあったら便利だと思いませんか?

埋もれたくない

地方公務員の多くは、「地方公務員」として一括りに見られるのを嫌がります。
事あるごとに「俺は普通の地方公務員とは一味違う」と思いたがるのです。

地方公務員というレッテルは、「向上心が無い」「現状に甘んじている」「末細り」等のマイナスイメージを伴います。
自意識過剰かもしれませんが、地方公務員の多くがこのように認識しています。

一方、地方公務員には「難関試験を突破した」という自尊心があります。
世間におけるマイナスイメージと自己認識との間に齟齬があるのです。
この齟齬を社会心理学の用語で「認知的不協和」と言います。

認知的不協和が生じると、人間はそれを解消したくなります。
今回のケースだと、解決策は以下のどちらかでしょう。
  • 地方公務員にまつわるマイナスイメージを払拭する
  • 自分とマイナスイメージを切り離す
前者を実現するのは困難なので、後者を選ぶしかありません。
つまり、自分は普通の地方公務員とは一味違うという自意識を持とうとするのです。

「自分は一味違う」と思うためには、実際に一味違うこと、普通の地方公務員はやらないようなことを実践しなければいけません。


要するに、地方公務員という人種の中には「何かやらなきゃ……」と焦燥に駆られている勉強好きな人間が結構な数で存在しているので、彼ら向けにお勉強サービスを展開すれば、そこそこヒットするのではないか?と考えています。

社会的にも追い風が吹いている

色々な社会不安が増大していく中、地方公務員(行政)が対処しなければいけない領域が広がっています。今後さらに拡大していくでしょう。
このため、地方公務員に求められる知識やスキルの幅もどんどん拡大しています。
 
この状況は、セミナー提供側としては絶好のチャンスです。
地方公務員×●●という形で、どれだけでも科目を作れます。


また、一昨年頃から、地方公務員の社会的地位が急に低下しています。
「成長できない」論、「近い将来AIに仕事を奪われる」との警鐘、相次ぐ不祥事へのバッシング等々……
試験倍率も下がり内定辞退者も増えていて、就職先としての人気低下は定量的にも証明されています。

こうなると、前項で触れた認知的不協和が増大し、「何かやらなきゃ」という焦燥感が一層ひどくなります。

ウケそうなネタが充実してきている上、ニーズが膨らんでいるのです。
絶好のチャンスでは?

地方公務員はカモりやすい?

多分ですが、地方公務員は民間勤めのサラリーマンよりも儲けやすい相手です。

地方公務員の多くは、公務員試験突破のために予備校を利用しています。
自腹で勉強するという行為をすでに経験しているのです。
そのため、ためらいなくセミナーにお金を払うでしょう。
 

加えて地方公務員には、「民間サラリーマンへのコンプレックス」という弱点があります。
最初に書いたとおり、セミナー需要の要因の一つは、「民間勤めとは違って、ここで働いていても何のスキルも身につかない、成長できない」という不安。つまり民間サラリーマンへの劣等感です。

加えて、これも先に書いたとおり、地方公務員には「難関試験を突破した」という自尊心があります。

劣等感と自尊心が混ざり合い、「今は民間サラリーマンよりも劣っているけど、勉強すれば上回れるはずだ、何てったって難関試験を突破できた実績があるから」というコンプレックスが完成します。
こいつを刺激してやれば、簡単に受講を促せるでしょう。

さらなるビジネスチャンスも

セミナーで得た名簿を使えば別のビジネスも展開できそうです。
セミナーを受講した地方公務員は、「自分は一味違う」と思いたい欲求が強く、時間・お金に余裕があります。
彼らの中から有志を募り、無償で何かビジネスをやらせるのです。
もちろん「地域貢献活動」みたいな公共的事業の皮を被せて。利益は全部主催者が懐に収めます。

地方公務員は無償で労働を提供することに慣れ切っています。
交通費の実費支給くらいあれば、喜んで参加するでしょう。

加えて、受講者達がリアルに会って話す交流会も儲かりそうです。 
一度顔を合わせれば、一気にコミュニティとしての結束が強まり、さらに次の事業にもつながるでしょう。


僕はこういう不安商法があまり好きではありません。
就活で散々やられたので。 
この記事を読んだ地方公務員各位には、自分が教育ビジネスのカモであるという自覚を持って欲しいなと、僭越ながら思います。

昭和の時代に流行っていた「百科事典の訪問販売」も、公務員が狙い撃ちにされてたらしいですし、地合いを超えて教育ビジネスという名の不安商法のターゲットなんでしょうね……

とか言いつつ、
地方公務員流の小説の書き方講座 〜自治体施策にもストーリーが重要!〜
みたいな講座があったら、申し込んでしまうかも…… 

地方公務員の研修は、OJTがメインです。
こう言うとかっこいいですが、実際は「揉まれて覚えろ」ということです。

この研修体制自体、かなり不親切だとずっと思っていますが、最近はこの体制すら維持できなくなりつつあります。
早急に手当てしない限り、地方公務員の平均的な能力はどんどん落ちていくでしょう。

職員の年齢分布がいびつなせいで、新人へのOJTが激減

「効率化」「スリム化」の名の下に、どこの自治体もここ数十年で人員を削減してきました。
自治体の場合、雇用整理するわけにはいかないので、人員削減の手法は採用抑制しかありません。
今の30台中盤〜40台前半が、ちょうど採用抑制真っ盛りの時期にあたり、極端に職員数が少ない年代になります。役職としては係長くらいですね。

一方、ここ数年は採用数がものすごく多いです。僕が受験した年の倍くらいいます。
つまり、指導される側の新人がたくさんいるのに、指導側の中堅職員が少ないのです。

指導者が少なければ、自然と1人あたりに割かれるOJTの時間も減ります。
OJTの不足を補うために、座学研修を増やすなどの対策をとる動きは、今のところ全然見えません。
OJTの不足が、新人の教育不足に直結しています。

OJT不足の結果、仕事の中身がスカスカに

霞ヶ関用語に「ロジ」「サブ」という言葉があります。
「ロジ」はlogistics、段取り仕事全般のことです。
「サブ」はsubstance、事業や政策の具体的な中身を指します。 

例:地元出身声優のトークイベントを開催する場合
会場の手配、予約受付から本番までのスケジューリング、スタッフの確保、当日の会場セッティング、声優さんが飲む水の準備など、トークイベント開催に必要な準備全般が「ロジ」に当たります。
一方、告知フライヤーのデザイン、当日のプログラム作成など、具体的な中身を作る仕事が「サブ」です。

地方自治体のOJTでは、「ロジ」優先で教えます。
「ロジ」抜きでは仕事が進まないからです。
「サブ」を教えるのは、ある程度ロジが身についた後になります。
僕が新人の時は、こんな感じでした。

しかし、現在は、「サブ」を教えている暇がありません。
新人に対して中堅が少なすぎて、「ロジ」を教えるだけで精一杯です。
「サブ」は、業務時間外に自発的に学ぶものになりつつあります。

結果、休日に自発的に勉強するような熱心な新人を除き、どんどん「サブ」のレベルが落ちていきます。
つまり、仕事は滞りなく進められても、肝心の仕事のクオリティが低い職員が量産されつつあるのです。

ロジ教育偏重の先に待つ事態

自治体を取り巻く環境は、悪くなっていく一方です。
少子高齢化や過疎化、財政赤字などなど……一筋縄ではどうしようもない課題が山積しています。
こういった課題への対応策を考えるには、「サブ」の能力が不可欠です。
いくら「ロジ」が上手くても、根本的な解決には至りません。

これからずっと、「サブ」がわかる職員、つまり自発的に勉強するような熱心な職員に業務負担が集中する傾向が、ますますひどくなっていくんだろうなと思っています。

こうなると、その人は「替えのきく存在」ではなくなります。
職位にかかわらず発言力も増していくでしょうし、内外から感謝されると思います。
もちろん、待遇はあんまり変わりません。せいぜい残業手当が堂々と貰える程度です。 

これを「やりがい」とみるか、「不公平」とみるか。
前者だと断言できる人は、公務員に向いていると思います。
「頑張っているのに報われないのは間違っている!」と目くじらを立ててしまう方は、こんな先細りの世界には近寄らないほうがいいでしょう。


そもそもの話、地方自治体にしっかりと「サブ」を考えられる人材は、現時点でもあんまりいません。
これまでの記事で書いてきた通り、首長をはじめとした有力者の意図を汲んでばかりで、一職員がゼロから「サブ」を組み立てることがほとんどないためです。
有力者の意図を、必要なステップを踏んで実現させる仕事は、まさに「ロジ」です。

「サブ」ができる公務員は、もしかしたら官僚しかいないのかもしれません。

観光系の部署にいると、日々いろんなゆるキャラを見ることになります。
自分の自治体のキャラクターの付き人業務のほか、ゆるキャラがたくさん集まる大型イベントの控え室対応のような、楽屋用務を担当することもあります。

そのため、ガチファンには遠く及ばないものの、一般的な日本人と比較すれば(ダークサイドも含めて)ゆるキャラ事情をわきまえているほうだと自負しています。


ゆるキャラといえば、来週ついに選考結果が発表される、東京オリンピックのマスコットキャラクター。
小学生の投票によって決まるという建前になっていますが、デザイン候補を見た瞬間に、直感で「大人の事情で既にア案に決まってそう」と感じてしまいました。
「イ案」「ウ案」が噛ませ役に見え、これらが採用される様子がどうしても思い浮かびません。


「イ案」は着ぐるみ化しやすそうで、中の人も楽そうなのですが、無難すぎて過去キャラクターの中に埋没してしまいそうです。加えて、北京五輪のマスコットと若干似ています。他と似ている、つまり独自性が欠けていると、偉い人から敬遠されがちです。

「ウ案」は僕の一推しなんですが、国を代表するキャラクターとしては可愛らし過ぎるように思います偉い人たちがこのような冒険したデザインを選択するとは思えません。

というわけで、消去法で「ア案」では無いかと思いました

出来レースでは?と疑問を呈するわけでは無いですが、投票終了から結果発表までの期間が短すぎるのも、気になるんですよね。得票数の内訳は公開されるのでしょうか……

とにかく、28日の発表が楽しみです。

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