キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

タグ:組織

フィクションの登場人物から公務員適性を考えてみる記事、第二弾です。
BanG Dream!(バンドリ!)より、羽沢つぐみさんの登場です。

第一弾はこちら。 



キモオタク特有の長文になってしまったので、先に結論だけ乗せておきます。

羽沢つぐみさんのような優しくて真面目な人は、役所内で大変に好かれますし、評価もされます。
しかしその性格ゆえに、本人のメンタルが持ちません。

役所はルールに縛られています。すぐ目の前に困っている人がいたとしても、ルール通りの対応しかできません。場合によってはルールに従い見捨てもします。
彼女はこの「目の前で困っている人よりも、ルール優先」という役所のあり方に耐えられません。
自責の念を払拭できず、早々にリタイアしてしまうでしょう。
決して公務員になってはいけないタイプです。
ここからはゲームのスクリーンショットを掲載しています。
閲覧するときは周りの目に気をつけてください。

羽沢つぐみさん

バンドリ!とは、ざっくり言うと、都内でバンドをやっている25人の高校生+αが織りなす物語です。
キャラクター同士の会話や関係性の作り方がとても上手く、新しいエピソードが公開されるたびにオタク達の予想を易々と飛び越えていきます。

このブログでも過去何度か触れたことがあります。(どちらも公務員関係なし)

2019年は静かに燃え上がっていました。
メディアで大々的に取り上げられたわけではなく、世間一般の知名度は低いままですが、オタクの間では大いに盛り上がりました。
僕はこのあり方が一番だと思います。水たばこみたいですね。

そんな作品の主要登場人物の一人が羽沢つぐみさんです。

IMG_0376

公式のプロフィールはこんな感じ。 以下補足です。
  • 実家は商店街の喫茶店で、アルバイトとしてお店を手伝っている
  • 高校一年生の頃から生徒会に所属している
  • 幼馴染5人でバンドを組んでいる

役所的には貴重な人材

役所サイドから見ると、羽沢つぐみさんは是非とも採用したい逸材です。

人柄がとてもいい 

羽沢つぐみさんは優しくて思いやりに満ち溢れています。
どのエピソードを切り取っても人柄が滲み出てくるのですが、一番好きなものを引用します。

彼女の実家である喫茶店で、お菓子作り教室を開催することになりました。
そこにはちょっとだけ顔見知りの先輩(氷川紗夜さん)の姿が。
その先輩は不器用で堅物で、一見すると近寄りがたい存在です。

先輩には「自分は近寄りがたい存在だ」いう自覚があり、自分の面倒を集中的に見てくれる羽沢さんに迷惑をかけているに違いないと最初は思います。
しかし、お菓子作り教室を通して、彼女の真心からの優しさに触れることで、その誤解は徐々に溶けていきます。

IMG_0393


IMG_0343

IMG_0352

IMG_0374


職場にこんな人が一人いれば、劇的に雰囲気が良くなります。


行動力がある

優しい人は時に消極的になりがちです。
しかし彼女は行動力も兼ね備えています。
相手のために何ができるかを考え、実際に行動に移し実現していくのです。
IMG_0377

今更言うまでもなく、地方自治体は大量の課題を抱えています。
職員のちょっとした気配りや小さな行動が課題解決に結びつくことも少なくありません。
彼女の備える行動力、それも独りよがりではなく相手の思いに寄り添った行動力は、役所において即戦力になります。

真面目で頑張り屋

そして何より、羽沢さんは何事にも一生懸命で真面目です。
IMG_0394


学校が忙しい時期にバンドの練習も頑張りすぎたせいで、体調を崩してしまうこともあるくらい。
IMG_0333


彼女は高校一年生の頃から生徒会にも所属しています。
その働きぶりは先輩たちからも感嘆されるほど。 
IMG_0389



高校二年生になると、さらに一段階成長した姿を見せてくれます。

新しい生徒会長に就任したのは、天才すぎて常人には理解が及ばないカリスマ的存在(氷川日菜さん)。
副会長の羽沢さんは生徒会長の無茶振りを直接被弾する立場です。
IMG_0303

IMG_0308

IMG_0309


次々と下される「ピピっと」「るんっとする」等の感覚的な指示を、彼女は的確に解釈してこなしていきます。
解釈にあたり、彼女は生徒のことを決して忘れません。
 
生徒会長の言葉を踏まえつつも、生徒のために尽くすという生徒会のそもそもの活動意義を見失うことなく、自ら考えて作業へと落とし込み、きちんとこなしていくのです。

彼女が持つ真面目さには、二つの意味が含まれます。
一つは目の前の仕事・作業への真面目さ。英語でいえばseriousです。
もう一つは相手に対する誠実さ。英語ではhonestです。

真面目さの根本が違う

羽沢つぐみさんのような方が役所に入ってくれたら、間違いなく多大な貢献をしてくれることでしょう。
しかし本人は非常な苦痛を感じるはずです。
そのため、僕はトータルで見て公務員に向いていないと思います。

その理由は、先に示した「相手に対する誠実さ」という意味での真面目さです。

羽沢つぐみさんの性質は、商店街の喫茶店という家庭環境が大きく影響したものと思われます。
チェーンではない個人経営店、商店街の一角。
人と人との繋がり、顔の見える関係性が重要な商売です。
きっと両親もこのことを意識して、お客さんやご近所さん一人一人を大事にしてきたことでしょう。

今の彼女があるのは、こんな環境の下で育ち、両親の在り方に共感しているためです。
つまり、彼女の性質の根本には、目の前の一人一人の個人を大切にしようという意識があります。

一方、役所は発想が全く異なります。
役所は何より法令、つまりルールに従って動きます。
法治国家である以上仕方ありません。

役所の存在意義は個人全体の幸福向上です。
この目的のため秩序の根本であるルールを守るために個人に我慢を求めるのも、役所の大事な仕事です。
秩序もまた個人の幸福の前提条件であり、個人に我慢を強いた分、世の中全体の幸福が増えるという発想です。
(あくまでも理想論なので、現実は異なります)

「個人よりもルール優先」という役所の論理を、果たして彼女は受容できるのでしょうか?
僕は無理だと思います。

彼女には「目の前の個人を大事にする」という生き方が染み付いています。役所の論理とは正反対です。 
もし彼女がルールを盾に困っている個人を退けるような場面に遭遇したら、「社会全体のため」と頭では理解しているつもりでも、きっと強い自責の念を覚えるはずです。
こういう仕事は役所のルーチンワークのひとつ。どこの部署でも発生します。

仕事をすればするほど、どんどん積もっていく自責の念。
これに耐えられるほど強靭だとは思えません。
潰れてしまうか辞めてしまうか、ネガティブな姿しか想像できないのです。

実際にありうるミスマッチ

実際にも、「個人よりもルール優先」という論理に耐えかねて公務員をやめる方がけっこういます。
現に僕と近しい先輩も、この理由で退職しています。

役所は確かに地域住民のために貢献する組織で間違いありません。
しかし、手段はあくまでもルールに縛られます。
時には個人を切り捨てます。
 
この現実を受容できるかどうか、これが公務員適性の一つではないかと思います。
  • ルールに縛られている方が責任感を感じなくて楽
  • 結果的に社会全体が幸福になるから問題ない
こんな風に考えられるのなら、きっと大丈夫です。


(以下、オタク向け)
僕がさよつぐに可能性を感じている理由がここにあります。
氷川紗夜さんは風紀委員、いわばルール遵守側の存在です。
一方の羽沢つぐみさんは個人重視側。
本質的に譲れない部分を抱えた二人ですが、「ひたすら頑張る」という物事へのアプローチ方法は一緒です。
物語が生まれる素地が整っています。公式がどう調理するのか楽しみです。

今年8月に発行された本書を遅ればせながら読みました。



 
痛快で面白いです。元気が出ます。
目先の成果だけでなく10年以上の長期スパンを見据えて活動された方が多く、その熱意と慧眼に感服するばかりです。

本書の中身は、実際に読んで確かめてください。
僕からはひねくれた感想を置いておきます。

プライベート搾取の裏付けになる?

本書で取り上げられている方々の成功の秘訣は並外れた専門スキルや人脈(以下まとめて「人的資源」とします)だと、僕は理解しました。

さらに、これらの人的資源は、地方自治体入庁前であったり、入庁後であっても業務時間外に得たものです。
研修のおかげでもなければ、役所業務の中で体得したわけでもありません。職員が自らの余暇と私財を投じて獲得したものです。

職員個人が自腹を切って得た人的資源のおかげで、役所は目覚ましい恩恵を得られたわけです。
つまるところ、役所の体制側(人事・財政など総務部局、ひいては首長)は、職員が余暇と私財を犠牲にして得た人的資源にフリーライドしているのです。

役所の場合、職員に対する成果給はありません。(ボーナスが若干上積みされるくらい)
自腹を切って成果を出した職員に対し、何も報いない。本物のフリーライドです。

本書を読み終えて、嫌な予感がしました。

本書のエピソードを取り上げて、「役所が変わるには職員個人の自発的な自己研鑽が重要」だと、業務時間外の自発的な勉強・活動を強いてくる上司が出てくるのではないか。
 
日々の業務でも、「これも勉強だから」という名目で、業務時間外に自腹でなんでもやらされるようになるのでは。

議会や住民にとっても、これまで以上に公務員に業務外奉仕を求める絶好の口実になるでしょう。

「みみっちいな、だからモテないんだよ」と思われそうですが、日頃から自腹で出張したり参考資料を買ったりしている身としては大変切実です。

異世界からの救世主が来ないと変われない組織?

地方公務員として漫然と働いているだけでは全く成長が得られないということも改めて痛感しました。
 
本書で取り上げられた方々は、役所勤務を通して得た経験や知見のおかげで問題を解決できたわけではなく、解決に必要な人的資源は役所外部から持ち込みました。
別の言い方をすれば、役所内で得た経験・知見だけでは、問題解決できなかったのです。


本書を読んでドラゴンクエスト7を思い出しました。

 
同作では、主人公たちが魔物に支配された異世界にワープして、その世界を支配する魔物を倒す……という繰り返しでストーリーが進むのですが、これと似たものを感じました。
(わかりやすさ重視&ネタバレ回避のため、あえて不正確な表現にしています)

異世界で暮らす人々は、魔物の支配に怯えながらも、反抗を諦めています。
抗戦している人もいますが、力が足りず敗北を喫しています。
そこに主人公たちーー数多の異世界を旅して経験値を蓄えた別次元の存在ーーが現れて魔物を倒し、世界を救います。

役所は「魔物に支配された異世界」なのかもしれません。
世界の住民、つまり地方公務員は、自らの力では世界を変えられません。
世界を変えるには、外から来た勇者が必要なのです。悲しいけれども。

小さい自治体と大きな自治体、どちらがホワイトな労働環境なのかという議題は、永遠の課題です。

好みに依る部分も大きいと思います。
小さな自治体であれば皆顔見知りで人間扱いされますが、大きな自治体であれば無個性な歯車にならざるを得ません。
前者を好む人もいれば、後者を選ぶ人もいるでしょう。

本稿では「職員数が少ない自治体」という意味で「小さい自治体」という言葉を使います。
小さい自治体は人口流出と少子高齢化が進んでいるとか、税収が先細りだとか、そういう社会情勢は抜きにして、勤務先としての評価を考えていきます。


小さい自治体の方が「一人当たりの業務の幅」が広い

自治体の仕事には自治事務と法定受託事務があります。
前者の仕事は、予算とマンパワーの制約を考えながら自治体の裁量で決める業務であり、身の丈にあった業務量に落ち着きます。

しかし後者は、自治体の規模にかかわらず同じ業務が規定されています。
「職員数500人以下なら免除」のような甘い規定はありません。

つまり、小さい自治体は、少ない職員数で、大きな自治体と同じだけの業務幅に対応する必要があります。
そのため、必然的に職員一人当たりの担当業務の幅も広くなります。

有事の際の業務量がえげつなくなる

業務の幅が広い=忙しい、というわけではありません。

業務の幅と業務量は比例しません。
法定受託事務として規定されていても、普段は全然発生しない業務もたくさんあるからです。

自治体の業務には、こういう「埋没した業務」がたくさん隠れています。

小さい自治体の職員は、職員数が少ないために、「埋没した仕事」をたくさん抱えざるを得ません。
そのため、いきなり猛烈に忙しくなるというリスクを常に抱えています。

埋没した仕事に対しては、役所内にノウハウが蓄積されておらず、担当者がゼロから始めなければいけません。
まずは制度概要を勉強して、決裁文書を作り……ハンコ一個もらうたびに質問責めに合い、調べて資料にまとめて……という途方も無い作業を強いられるでしょう。

「埋没した仕事」は自治事務にも眠っています。
大昔に制定された規制条例を漁るとたくさん出てきます。

リスクがあるならリターンもある

大きい自治体も小さい自治体も、職員数が増えるという方向性は無いと思います。
一方、役所に求められる役割はどんどん増えています。
これにつれて業務の幅も量も増えていくでしょう。

あくまでも僕の想像ですが、小さな自治体はこれから職員の個人プレーが増えていくと思います。
増え続ける業務をさばききれなくなり、管理職によるマネジメントが機能しなくなった結果、職員個人の熱意に組織が押し負けてしまうのです。

公務員という肩書きと自治体の予算を使い、職員個人のやりたいことができる。
首長のカラーにもよるとは思いますが、こういう自治体が増えるのではと予想します。

一方、定時帰りやルーティンな業務を希望するなら大きな自治体を選ぶ方が無難でしょう。

民間企業と比べて、役所の仕事は無駄が多く非効率だとよく言われています。

民間企業の場合、最大の目的は「利益の最大化」です。
無駄な仕事を減らすことで、人件費というコストを削減でき、利益を増やせます。
つまり、民間企業には無駄な仕事を減らすモチベーションがあるのです。

一方役所には、人件費を削減しようという意識が希薄です。
それどころか、人件費をコストとみなす感覚すら怪しいです。
そのため、無駄な仕事を減らすモチベーションが湧いてきません。

……という趣旨の記事を過去に書きました。
参考:なぜ地方公務員の管理職は「残業を減らそう」という意識が希薄なのか?  

この考えは今も変わっていませんが、今回はちょっと追記をしたいと思います。

過去をひたすら調べる

どんな仕事でも、役所では過去の経緯を重視します。
過去の意思決定との整合性を確保するためです。

新たな意思決定を行ったせいで、過去の意思決定が誤りだったと間接的に証明してしまうのを、役所は嫌がります。
現在と過去、両方の意思決定を正しいものとするためには、過去を紐解くしかありません。

例えば、公共施設の移転を決定したとしましょう。
 
移転には多額の費用が必要であり、しっかりとした理由が必要です。
 
この理由作りが難しいのです。
単に「移転後の場所の方がアクセスしやすい」「繁華街にあり集客が見込める」など移転後のメリットを挙げるだけだと、反射的に「移転前の立地はアクセスが悪く集客が見込めない」と認めることになりかねません。
というか、マスコミや市民団体が「移転前の当初立地は間違っていた!失策だ!」と騒ぎ立てます。

こうなるのを防ぐべく、過去=移転前の場所に立地した理由を入念に調べ、
  • 移転前の場所も当時は適地だった理由
  • 移転前の場所が今ひとつになってしまった理由(もちろん役所のせいではない外的理由)
これくらいは整理しておかなければいけません。

担当職員はとにかく徹底的に調べさせられます。 
倉庫の中はしらみつぶしに探しますし、他の行政機関にも出向いて家宅捜索させてもらいます。
民間企業に乗り込むのは流石にやったことありませんが、僕が知らないだけできっとやっているのでしょう。

過去の担当職員にも入念に聞き取りします。
担当職員から得られる情報は貴重です。資料には残せない、当時の雰囲気がわかります。
当時から絶望していたとか、反対に誰もが楽観していたとか。

大昔の出来事だと、退職したOB職員に聞き取りするべく、自宅に伺うこともよくあります。
十中八九すごく嬉しそうに語ってくれますが、あいにく大昔の話なので有益な情報はほとんど得られません。

なんでもいいので情報量が求められます。正確性は二の次です。
あやふやな情報をどれだけ集めても使えないのでは?という疑問を抱きながらも、ひたすら集めなければいけません。

悪魔の証明

過去調査より頻度は低いものの、役所は悪魔の証明にも果敢に挑戦します。
悪魔の証明とは、ざっくりいうと、「存在しない」ことの証明です。

例えば、とある施策で「都道府県初」のサービスを提供するとします。
本当に他の都道府県でやっていないのか、少なくともインターネットを使って全都道府県の関連施策を調べます。
 
時間の許す限り、電話でも聞き取りします。
「まだホームページに載っていないだけで、実は近日中にリリースしたりしませんよね?」と確認するのです。

都道府県職員であれば最大47調べればいいだけですが、市町村の職員はどうしているのでしょう?
もしかしたら都道府県庁特有の慣習なのかもしれません。

非効率だけど必要不可欠

こういった仕事は何も生みません。非効率です。
しかし無駄ではありません。必要な仕事です。
 
公共施設移転の事例で触れたとおり、こういった事前準備をしておかないと、外部から攻撃されて余計に面倒事が増えるのです。
(ちなみに「役所が悪魔の証明しなければいけない空気を作る」のは、手練れ市民団体の王道戦略です)

同じ不毛な仕事でも、攻撃される前に準備しておくのと、攻撃された後に焦って取り繕うのでは、前者の方がずっとマシです。

役所の仕事に無駄が多く非効率なのは、組織文化も原因です。
ただ、それと同じくらい外部要因もあるのだと思っています。

公務員試験と一口で言っても、いろいろ種類があります。
そして、種類ごとに試験科目が異なります。
そのため、効果的な勉強のために、どの公務員試験が本命なのか志望順位を出願前から考えておいたほうが良いと思います。

志望順位を決める物差しは、ざっくり以下の2軸があります。
  • 公務員の種類(国家公務員or地方公務員orその他)
  • 勤務地 (東京or地方、転勤ありorなし)
今回は地方勤務のメジャーな公務員について、比較してみました。
県庁勤務の僕視点での感覚なので、隣の芝生は青い効果が出ているかもしれません。

国家一般職(地方採用)

メリット

  • キャリア官僚の近くで仕事でき、公務員として成長できる
  • 同一分野に携わり続けられ、専門性が身に付く
  • 調整業務が少なく、人のために働いている実感が持ちやすい
  • ワークライフバランスが比較的保たれている(本省異動を命じられない限り)
仕事を通して公務員として成長したいのであれば、国家一般職が最善手だと思います。

まず、身近にキャリア官僚という圧倒的に優秀な存在がいるのが大きい。
県庁や市役所であれば、上司含め周りは同レベルの存在ばかりで、お手本が少なすぎます。
一方、国であれば、よほど小さな出張所でない限り、身近にキャリア官僚がいます。

さらに、同一分野の仕事にずっと携わっていられ、知識や経験がリセットされません。
異動のたびにゼロからのやり直しを迫られる地方公務員とは、30代になる頃には大きな差が開きます。

デメリット

  • 地道な仕事・ルーチンワークが多い
  • ルールや指示に縛られ、裁量を発揮する場が少ない
  • 出世できない

国家一般職(地方採用)の職員は、国という巨大な機関の末端実行部隊です。
中央が決めたルールを的確にこなすことが至上命題で、個人の技能や裁量は滅多に求められません。

目の前の仕事を一つ一つ片付けていくことに達成感を覚えるタイプの人間であれば、国家一般職(地方採用)はうってつけの職場だと思います。
一方、スケールの大きな仕事に携わりたいとか、自分の判断で仕事を動かしていきたいという野望があるのなら、完全に不向きです。何もできません。

県庁

メリット

  • 幅広い分野・業務に携われる
  • 大きな仕事にも関われる
  • 学識を活かす機会がある
  • 職員層が幅広く多様性がある
県庁の業務はとにかくいろいろあります。
分野も幅広いですし、業種も多岐にわたります。

県庁職員は、異動のたびに、分野も業種も切り替わります。
僕の場合だと、これまでの7年間で3分野(防災、総務、観光)4業種(法務、窓口、イベント現業、経理)を経験しています。
これら多岐にわたる業務を満遍なく経験できる職場が、県庁のほかにあるでしょうか?

中にはスケールの大きな仕事もあります。
国の本省や大企業、大学など、地方公務員よりも格上の相手と一緒に仕事する機会があるのも刺激的です。

職員の層が幅広いのも、僕はメリットだと考えています。
色んな人が机を並べることで、組織としてもバランスの良い判断ができ、個人の成長にも繋がるでしょう。

デメリット

  • 漫然と働いているだけだと何も身に付かない
  • 一つの分野・業種を極めることができない
  • 組織が大きく利害関係者が多いせいで、意思決定が遅く尖ったことができない
  • 運要素・巡り合わせによって満足度が大きく異なる
いろいろな仕事を満遍なく経験させるという特徴が、そのままデメリットになります。
一つの分野・業種に関わっている時間が短くて、中途半端なレベルまでしか到達できないのです。
あまりに脈絡なく経験させられるため、相乗効果も働きにくいです。

専門性を身に付けたい、成長したいと思うなら、余暇と私財を投じて自発的に勉強しなければいけません。

仕事の幅が広いせいで、職員間の満足度格差も大きいと思います。
やりたい仕事に携われている職員は、ごくごくわずかでしょう。

待遇面での不平等感も大きいです。
超目玉プロジェクトの一員として毎日上司から激詰めを受けている職員も、閑職すぎて新聞各紙を毎日読み通している職員も、年齢が一緒なら基本給はほぼ一緒です。
得する職員と損する職員との差がはっきり表れます。

市町村

メリット

  • 尖ったことができる
  • 職員の個人技能が活かせる
  • 住民との協働作業ができる(県庁職員は敬遠されます)
  • 県庁ほどには担当業務がばらつかず専門性が身につきやすい
県庁よりも組織が小さく利害関係者が少ないおかげで、施策の自由度が高いです。
観光施策のような自由度の高い仕事だと、特にその恩恵が受けられます。
首長のカラーにも左右されますが、目新しいことにガンガン取り組んでいきたいなら、県庁よりも市町村です。

職員の個人プレーが許されやすいのも、市町村職員の特徴です。
もちろん保守的な自治体だとNGでしょうが、そうではないところも多いです。
公務員という立場でセルフブランディングを志すのであれば、市町村職員一択でしょう。
本を書いている地方公務員のほとんどが市町村職員であることからも明らかです。

デメリット

  • 窓口業務が多い分、クレーム対応が大変
  • イベント対応や選挙事務など、休日出勤が多い
  • 災害対応が大変
  • 首長次第で何もかも変わる
改めて説明する必要は無いでしょう。


総評

この記事、投稿までに3回ほど全面的に書き直しています。

国家総合職や都庁でも合格できる優秀な人間を田舎県庁に引きずり込むのが本ブログの隠れテーマなので、冷静に比較しているように見せながら県庁はいいぞと訴求したいところなのですが……考えれば考えるほど積極的に県庁を選ぶ理由が見当たりません。

「ルーチンワークだけだとつまらない」とか、「窓口対応はできるだけ避けたい」とか、消去法で考えていけば県庁の魅力が見えてくるのですが、どうしても決め手に欠けます。

県庁の受験倍率が一人負け状態な理由が、少しわかった気がします。 

このページのトップヘ