キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

こんなブログ見ている暇があるなら「微熱空間」を読んでくれ(心の叫び)

しがない地方公務員が、日々思ったことや考えたことをつらつらと書いています。

主な読者層は「公務員になろうか検討している若者」と「現役公務員」を想定しています。

前者に対しては、自分近辺の一事例を紹介することで地方公務員のリアルな姿を知ってもらい、就職後のミスマッチを少しでも減らせたらいいなと思っています。
ポジティブ・ネガティブどちらにも偏らないように気をつけていますが、僕は現状の待遇にそこそこ満足しているので、ややポジティブ寄りになっているかもしれません。

あわよくば、首都圏の大手企業に就職するような優秀な若者が「県庁って面白そう!」と感じて、Uターン就職のきっかけになってほしいですね。
優秀な若手が増えれば増えるほど、僕の負担が軽くなっていくので。

後者に対しては、議会待機中のような空虚な時間にぼんやり眺めていられる、暇つぶしページになれたらいいなと思っています。

読者層別まとめ記事

このブログも500記事近く(2022年末時点)を擁する大所帯になってきて、過去記事を遡るのが面倒になってきました。
過去記事の中でも、今でも古びておらず有用な記事(自画自賛)を、読者層別にまとめました。

公務員になろうか検討中の方

「公務員はオワコン」「公務員志向の高まり」が同時に叫ばれて久しい昨今。
公務員就職の是非は、僕は価値観次第だと思っています。
パブリックセクターで働くことの実情を理解したうえで、自分の適性を考えてみるしかありません。

公務員になるためには試験を突破する必要があり、試験対策には1年弱の期間を要します。
もし入庁後に「向いてない」と感じて早期離職してしまえば、ほかのことに使えたはずの1年間が無駄になってしまいます。

こういうミスマッチを防止すべく、試験勉強に着手する前に「自分の公務員適性」を厳密に吟味して欲しいと強く思います。
その一助になりそうな記事をまとめました。




内定後〜働き始めるまでの間向け

公務員試験の勉強中って、脳内麻薬か何かが分泌されていて正常な思考能力が奪われているのか、公務員
生活がまるで楽園であるかのように錯覚しがちです。
その反動のせいなのでしょう、内定後に一気に不安が押し寄せてきます。

この不安を解消するヒントになりそうな記事をまとめています。




新人地方公務員向け

座学研修でもOJTでもなかなか教えられない、公務員人生で役立ちそうな本音情報をまとめました。





筆者について

とある田舎にて県庁職員(事務系)をしている独身30代男性です。


プロフィール【2022.12時点】
◆田舎の某県庁勤務
◆高校卒業後に上京して中堅私立大学に進学
◆そのまま東京で就職するつもりだったが就活で惨敗して出身地にUターン
◆これまでの配属部署 防災、総務、観光、民間団体出向
◆隠れオタク歴20年弱 妹と一緒にCCさくらをリアタイ視聴したのが全ての始まり
 

ブログを書く地方公務員といえば、卓越した志と能力を備えたスーパー公務員か、反骨精神に満ち満ちたリタイア志望者のどちらかが定番ですが、僕は無能・無気力側の人間です。
  • 人と喋るのがとにかく苦手で、なるべく電話ではなくメールで連絡します。
  • 上司に説明するときも、トークで納得させるのではなく、資料を工夫して「読んで理解」してもらうようにしています。
  • 黙々と資料を作ったり文章を書いたりするのは全然苦になりませんが、俗にいう「調整業務」がとにかくストレスです。
  • 住民からの苦情をうまく処理できず、長時間ひたすら聞き続けてしまうタイプです。
……現役地方公務員の方であれば、似たような職員が身近に一人はいるのでは?

これまで基本的に、目立たない部署で淡々とルーチンワークを回すタイプの業務を担当してきています。
やたらと異動頻度が高く、同じ部署に3年在籍したことがありません。
いわゆる閑職コースに突入していると思われます。

また、HNのとおりオタクです。
毎クール5本は欠かさず深夜アニメを視聴しつつ、複数のソシャゲを並走しています。
オタクコンテンツを消費するのみならず、二次創作(SS)にも手を出しています。
(かつてはゆっくりSSを書いていました)

詳しいプロフィールはこちら。
参考:キモオタク地方公務員さんのプロフィールは?調べてみました!

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広告について

現役の公務員という立場上、広告収入を得るのは限りなく黒に近いグレーなので、僕自身は一切広告を貼っていません。めっちゃ欲しいけど我慢しています。
何らかの広告が表示されていたら、ライブドアブログの仕様によるものです。僕には全く関与していません。


地方公務員として働き始めて驚いたことの一つが、本県内のローカルニュースに対してわざわざブチギレてくる「県外の方」がとても多いことです。

新しい開通したバイパス道路に対して「無駄だ!」と数十分間怒声を上げ続けてきたり、過疎化が進んで開催が見送られることになった地域のお祭りに対し「どうして支援しないんだ!」と金切り声を上げられたり……これまで所属してきたどの部局でも、うちの県のローカルなニュースに対し声を荒げて抗議してくる電話クレームを何度も受けてきました。

Yahoo!ニュースのコメント欄やSNSでは、日々のローカルニュースに対して誰かしらが持論を展開して批判を展開しています。中にはバズって拡散されるものもあり、自ら批判文を綴るほどではなくても、居住地域外のローカルニュースに対して感情的に反応する人がかなり多いことが窺われます。

県外の方からこのような苦情電話・メールを受けたり、本県のローカルニュースがネット上で炎上するたびに、心底不思議思いました。
この方々は、自分には何の利害も無い県外のローカルニュースに対して、どうしてそこまで本気で怒れるのか。
この疑問が長年解けずにいました。

去年の秋頃、僕の勤務先県庁でもちょっと世間を賑わせた話題があり、この類のクレームを傾聴する機会が例年以上に多かったのですが……何人も連続して罵詈雑言を拝聴するうちに、ふと気づいたのです。

彼らが怒るのは、悪意からではなく、「情報が足りていない」からなのではないかと。
具体的には、事実の経緯や背景、そして言語化しづらい非言語情報の欠如が、誤解や感情的反応を増幅させているのではないかと考えています

ローカルニュース報道は不完全

我々が、ある出来事に対してどう評価するかを決めるとき、その「事実」そのものよりも、それに至る経緯や背景に強く影響を受けます。

たとえば、とある過疎地域に新しいバイパス道路が完成したとします。
「過疎地域に新しいバイパス道路が完成」という事実だけ見れば、大抵の人は「無駄だ」と思うでしょう。

しかし、
  • 災害で壊れた周辺道路を廃道にすることが決まっており、今後この新しいバイパス道路が唯一のアクセス手段になる
  • 過疎地域を経由して都市部と都市部をつなぐ機能があり、人流・物流の効率化につながる
  • この地域に新しく産廃処理施設が建設される見込みで、交通量はかなり多い見込み
このような事情や経緯があると知れば、見方はがらりと変わるはずです。

ローカルな話題はとりわけ、その土地固有の事情が色濃く表れるものです。
結果として生じている事実のみならず、その背景や経緯といった周辺情報を含めて把握しないと、正確な理解はできないと思います。

しかし、ニュースとして配信される際には、文字数や構成の制約もあり、「事実」が優先的に取り上げられ、周辺情報はそぎ落とされてしまいます。

周辺情報を知らないから筋が通っていないように見える

このようなローカルニュース報道の宿命——「事実だけが報道され、周辺情報は報道されない」という報道のあり方が、遠方のローカルニュースに対してキレる方が多い原因でないかと思っています。

その事実の評価にあたり重要である「周辺情報」を保有していないがために、一種の誤解が生じて、筋が通っていないように感じられるので、怒りを覚えるのです。

さらに言えば、周辺情報=「その地域特有の事情」の代わりに、「自分の生活圏で培った価値観や常識」を当てはめて評価しようとするので、評価を誤るのだと思います。

つまり、ローカルニュースの炎上とは、ある地域特有の文脈で生じた出来事が、その文脈を失った状態で全国に拡散され、異なる文脈を持つ人々によって再評価されるという、「文脈の衝突」から生じる現象なのだと思います。

実際、県外の方からの義憤クレーム対応では、背景や経緯といった周辺情報をきちんと伝えると、大抵納得してくれます。
とはいえ、素直に引き下がる人はごく少数で、「そういう事情があるなら最初から説明しろ!お前らの情報発信のあり方が悪い!」というふうに、自治体広報のあり方へと怒りの矛先がシフトして、もうワンセットお叱りを受けるのが定番ですが……

周辺情報をきちんと調べたうえで批判してくる方は、ごくごく少数です。多くの方は報道内容だけで物事を判断しており、わざわざ自分から追加リサーチする方は本当に少ないのでしょう。
大多数の「誤解して怒っている方々」とは異なり、こういう方の批判は聞くに値します。

炎上前提の世界へ

つまるところ、ローカルニュースをネタにする報道機関が、ちゃんと周辺情報もうまくまとめて併せて発信してくれれば、県外在住の方からの苦情はだいぶ減るのではないかと思うのですが……「尺が足りない」という根本的な制約はどうしようもなく、期待するだけ無駄なのだろうと思います。
ゆえに、自衛が必要だと思います。

まず、自分自身が情報の受け手としての心構えを見直すことが肝要です。
違和感を覚えるニュースに遭遇した際は、即座に感情的反応を示すのではなく、その背景や経緯を丹念に調査する姿勢が必要でしょう。
周辺情報を十分に把握した上で改めてニュースを検討すれば、当初感じた違和感が氷解するケースが少なくないというのは、苦情対応実務を通して、身を持って理解しています。
同じ轍を踏まないよう、自分自身がちゃんと周辺情報を調べるよう注意したいところです。

一方、情報の発信者としては、どんな話題であれ「誤解されて炎上する」ケースを想定すべきなのだと思います。

今の世の中、炎上を未然防止するのはもはや無理です。
ゆえに僕は、ある程度の炎上は避けがたいものとして受け入れたうえで、事後の説明や対話の準備を怠らないという発想が重要だと思っています。
つまり、「炎上しないように行動する」ではなく「炎上しても弁明できるよう備えておく」という姿勢です。

前提知識や経緯、非言語情報を共有していない不特定多数の方々に対する広報活動は、極めて困難を伴います。炎上を恐れるあまり表現を抑制し続ければ、最終的には官報のような無味乾燥な事実の羅列に終始するほかなくなってしまいます。

幸いにして現在は、組織のトップを含め、炎上がもたらす悪影響への認識が随分浸透してきて、役所内にも「炎上回避」のノウハウが蓄積されてきていると思います。
これからはさらに一歩進んで、炎上後の「消火」技能を高めていくことが求められるのではないでしょうか。
すなわち、一定程度の炎上はやむを得ないものとして覚悟しつつ、炎上後に適切な説明や振る舞いを即座に取って、「延焼を最小限に抑え」「さっさと忘れてもらう」技術です。

若い頃こそ自己投資に惜しまず資金を投じるべし——このような金言は、ビジネス書や各種セミナーで繰り返し説かれ、一種の真理として社会に浸透しています。
とりわけ地方公務員にとって、この言葉は一層重みを持つかもしれません。

「民間企業と違ってスキルアップの機会が限られている」
「人事異動のたびにキャリアがリセットされる」 
このような悩みを抱える地方公務員の方々が、自腹を切ってオンラインセミナーに参加したり、資格取得のために貴重な休日を犠牲にしたりする姿は珍しくありません。

僕自身、就職後にいくつか資格試験に挑戦しており、つい先日もITサービスマネージャ試験に挑んできました。
こつこつ試験勉強して少しずつ問題が解けるようになっていくのが快感なのと、試験本番のヒリヒリ感が癖になっているんですよね。

しかし、これまで十数年役所勤務してきた経験から率直に申し上げると、これまで取得してきた資格は、地方公務員稼業にはあまり役立っていません。
宅建だけは胸を張って「役立つ!」と断言できますが、そのほかは正直微妙なところです。少なくとも、私財とプライベートを投じるほどの価値があるとは思えません。

資格のみならず、自分自身のスキルアップに投資したとしても、地方公務員稼業にはそれほど寄与しないと思っています。
自分のキャリアを切り拓くために自己投資したとしても、「期待したほど報われない」可能性が高いのです。
 

一般的な自己啓発・自己投資のリターンは小さい

今更言うまでもなく、多くの自治体では定期的な人事異動が行われます。
だいたい2〜3年周期で部署が変わるため、ある分野の専門知識を習得したとしても、それを活かせる期間は限られています。

しかも、地方自治体の業務は多岐にわたっており、どんな部署でも幅広く活きるような汎用的専門知識があまりありません。
「地方公務員なら○○を勉強しておけばずっと役立つ」みたいな鉄板分野があればシンプルなのですが、今のところ僕には思いつきません。強いて言えば都市計画法くらいでしょうか……

さらに組織として、職員にはさほどの専門知識を求めていないとも思います。
多くの自治体は、特定分野の専門知識よりも、組織の中で円滑に業務を進められる調整力や人間関係構築能力を持つ人を高く評価します。出世コースを歩む職員を見ていると、この傾向は明らかです。

結果として、たとえ高度な専門知識やビジネススキルを獲得しても、それを活かす機会はごくごく限られますし、かつ職場での評価につながらないのです。
 

真に投資すべきは「地域探求」

キャリアアップを目指す地方公務員が、まず真っ先に時間とお金を投資すべきは、「勤務先自治体のことを知る」ための活動だと思います。
 
自治体職員として最も汎用性が高く、どの部署に異動しても活かせる知識とは、自らが勤務する地域についての深い理解です。
普通に働いていれば、勤務先の役所が実施している施策に関しては自然とわかるようになってきますが、さらなる高みを目指すのであれば、それだけでは不十分です。
地域の歴史や文化、産業構造、民間サービスの実態、住民の生活様式など、自分が関わっている地域を多角的な目線で地域を理解することが求められます。
 
この「地域を知る」という学びの旅には、明確なテキストもなければ、導いてくれるメンターも存在しません。何を学ぶべきか、どのように学ぶかを自ら設計し、行動に移す必要があります。
だからこそ習得が難しく、真似されにくい、自分だけの強みとなり得ると思います。
 

労働市場での価値が全てではない

もちろん、セミナーや資格取得を通じて知識を増やすことは、個人の人生を豊かにするでしょう。しかし、それらを地方公務員の業務に活かそうとするのは、現実的ではないと考えています。

地方公務員としての真のスキルアップを目指すならば、その地域にどっぷりと浸かることが近道です。
休日の旅行を減らし、代わりにローカルイベントに参加する。通販で全国各地の物産を楽しむより、地元の店舗を巡る。
そうした日常の小さな選択の積み重ねが、地域への理解を深め、結果として職務パフォーマンスの向上につながるのです。

つまるところ、日常生活のあらゆる場面が、 地方公務員として成長する「学びの場」なのだと思います。この認識こそが、地方公務員として真に価値あるスキルアップへの第一歩となるでしょう。

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