キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

こんなブログ見ている暇があるなら「微熱空間」を読んでくれ(心の叫び)

弊ブログは読者を意識した記事個人的感想が混在しています。
主に前者の記事からピックアップして、弊ブログ訪問者の属性ごとに「まとめ記事」をいくつか作っています。
まずはこのあたりの記事から閲覧いただければいいかなと思います。

地方公務員への就職を検討している/試験勉強中の方向け

「公務員はオワコン」「公務員志向の高まり」が同時に叫ばれて久しい昨今。
公務員就職の是非は、僕は価値観次第だと思っています。
パブリックセクターで働くことの実情を理解したうえで、自分の適性を考えてみるしかありません。

公務員になるためには試験を突破する必要があり、試験対策には1年弱の期間を要します。
もし入庁後に「向いてない」と感じて早期離職してしまえば、ほかのことに使えたはずの1年間が無駄になってしまいます。

こういうミスマッチを防止すべく、試験勉強に着手する前に「自分の公務員適性」を厳密に吟味して欲しいと強く思います。
その一助になりそうな記事をまとめました。




試験突破(内定後)〜実際に勤務し始めるまでの間

公務員試験の勉強中って、脳内麻薬か何かが分泌されていて正常な思考能力が奪われているのか、公務員生活がまるで楽園であるかのように錯覚しがちです。
その反動のせいなのでしょう、内定後に一気に不安が押し寄せてきます。

この不安を解消するヒントになりそうな記事をまとめています。




新人地方公務員(勤務1年目)向け

研修ではきっと触れられないけど、業務に役立ちそうな内容をまとめました。





定年延長関係の研究会報告書が、いつの間にやら総務省ホームページにアップされていました。


 

この研究会は定員管理が主な議題であり、新規採用者数についても言及されています。
僕はずっと「採用数は間違いなく減る」と考えてきましたが、果たして研究会の先生方はどう結論づけたのでしょうか?見ていきます。

<定年延長関係の過去記事>






職員増が許容される!?

以下、報告書の「概要版」ベースで、主な内容を見ていきます。
まずは「基本的な考え方」です。
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定年引上げ期間中においても、一定の新規採用者を継続的に確保することが必要

自治体の採用は、基本的に退職者補充です。
採用者数=退職者数をベースに、業務量の増減に応じて加減していきます。
また、退職者の約6割が定年退職者です。

退職者補充ベースで採用者数を検討する場合、定年引上げ期間中は定年退職者が2年に一度しか生じないことから、1年ごとに退職者数が大幅に増減し……これに連動して採用者数も増減することになります。
例えば直近だと、令和5年度は定年退職者が発生しないので、退職者数が激減します。
その結果、令和5年度の採用者数(R6年4月1日から働き始める人)も、連動して激減することになります。

研究会報告書では、このような1年ごとの採用者数大幅増減は「望ましくない」と評価しています。
職員の経験年数や年齢構成に偏りができて組織運営に支障をきたすうえ、職員人材確保の観点から問題があるからです。

そこで研究会報告書では、「一定の新規採用者を継続的に確保」「採用者数を一定程度平準化」という表現で、定年引上げ期間中の採用者数が乱高下しないよう留意を求めています。

新規採用者の検討をはじめ、中朝的な観点から定員管理を行うことが必要

目先の単年度の採用者数を検討するのみならず、定年引上げが完成する10年後を見据えて定員管理をする必要があり、職種ごとの年齢構成や採用環境を踏まえしっかり分析する必要がある、とのことです。
そのとおりですね。改めての念押しという位置づけなのでしょう。

業務量に応じた適正な定員管理である説明が必要

定年引上げというイレギュラー要因があろうとも、職員数の増減理由をしっかり住民へ説明する必要がある、とのことです。
こちらもそのとおりです。改めて言われずとも切実に考えているでしょう。

採用者数は「2か年平準化」がスタンダード!?

採用者数の平準化に関しては、さらに具体的に深掘りしています。
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注目すべきは「定年退職者が2年に一度しか生じないことを踏まえ、2年ごとの平準化を基本としつつ、各職種の状況を踏まえ、平準化を行う年数については柔軟な検討が必要」という部分です。
ざっくりいうと、定年退職者が発生する年度としない年度の採用者数の平均をとって、2年ともこの平均人数を採用する…という方法を基本としています。

例えば直近だと、シンプルな退職者補充の場合、
  • 令和5年度の採用者数(R6年4月1日から働き始める人)は、令和5年度に定年退職者数が発生しないので減少
  • 一方で令和6年度の採用者数(R7年4月1日から働き始める人)は、令和6年度は定年退職者が発生するので、前年度と比べて増加します。


研究会報告書でいう「平準化」とは、令和5年度と6年度の採用者数を均一にすることを指しており、その人数は(R5採用者+R6採用者)÷2です。
2年間の採用者数計は変わらないものの、R5採用者数は増加、R6採用者数は減少します。
R6の採用者枠の一部をR5に前倒ししたともいえるでしょう。

「平準化」する場合、R5退職者数<R5採用者数となり、R6年4月1日時点では総職員数が増加します。
その反面、R6退職者数>R6採用者数となるので、R7年4月1日時点では総職員数が減少(元通り)になります。
この「一時的な職員数の増員」を、研究会報告書では許容しています。

ここが個人的には一番の驚きでした。
過去の記事でも触れましたが、総職員数が増えないよう「採用減の前倒し」または「採用枠の後ろ倒し」するよう技術的助言してくるものかと想像していました。

採用数の減少はほぼ確実だが減少幅はそれほどでもない?

採用者数が「平準化」されて、定年退職が出る年度と出ない年度の増減幅が小さくなったとしても、定年引き上げ期間中の総退職者数が減少するのは確実であり、そのため採用者数が減るのは間違いありません。 
どのくらい減るのかという定量的情報は示されませんでしたが、報告書を読む限りでは、僕が以前試算した方法(最大▲25%)がわりといい線きているかもしれません。

あくまでも人事素人の感覚ですが、今回の研究会報告書や総務省通知は、自治体の裁量を広く認める内容なんだろうと思われます。
 
これまでの総務省の定員管理といえば、地方自治法第2条第14号「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」に基づき、「業務遂行に必要な最小の人員で賄うべき」という考え方が一般的でした。
そのため、「対外的に説明できること」を前提としつつも定年引上げが原因の職員数増加を認める…という今回の整理は、かなり斬新に映ります。

総務省からの縛りが無い分、業務量推移の見込みや、総人件費、住民や議会からの風当たり、組合との関係……等々、いろんな要素を考慮しながら、各自治体で対応を考えることになるのでしょう。
つまるところ、採用数が減るのはほぼ確実としても、採用者数の減少幅は自治体によってバラバラになりそうです。

来年度に地方公務員試験を受けようか考えている方は、採用情報に加えて定員管理情報にも注目したほうがよさそうです。

地方公務員の給与水準に対する官民の印象には、埋め難い隔たりが存在します。
当の地方公務員は「安い」と嘆き、公務員以外は「高すぎる」と憤る…という構造です。

新型コロナウイルス感染症が流行し始めてからは、再び「高すぎる」という批判が強まってきました。
特に、人事院勧告の調査対象が「従業員50人以上」の企業だけという点を捉えて、
  • 公務員給与は大企業水準で設定されており、国民の大半を占める中小企業従業員の水準が反映されていない
  • ゆえに日本国民全体で見たら給与水準は間違いなくガタ落ちしているはずなのに、公務員給与の減少幅が不当に小さい、人事院勧告のあり方がおかしいせいで公務員は不当に得をしている
という批判を展開する方が多いように思います。

地方公務員の給与水準が民間と比べて高いのか低いのか、このブログでも何度か取り上げています。
なるべく統計数字を使って分析をしてみたところ、
  • 男性の場合、給料月額(基本給)は同年代の民間平均よりも安く、大卒地方公務員≒同年代の高卒民間従業員くらい。ボーナス込みの年収だとだいぶマシになるが、それでも民間平均よりも低い。
  • 女性の場合、同年代の民間企業従業員よりも恵まれている
  • 官民の差は、地域によって状況が違いそう

というところまでは見えてきました。




今回はさらに一歩踏み込んで、地域別・企業規模別で分析してみます。

算出方法

今回も「賃金構造基本統計調査」を使っていきます。

この統計調査から、都道府県別・年代別の民間企業従業員の平均年収を算出し、同年代の地方公務員年収と比較していきます。

この統計調査であれば、従業員規模10人以上という中小企業も含めた給与額が使えます。
公務員給与の高さに怒っている方々は、「地方公務員給与が高いのは、人事院勧告の調査対象が50人以上の大きくて裕福な企業だけだから」という叩き方をしてきます。
民間企業の中でも「上澄み」だけを比較対象にしていて、大多数のサラリーマンからはひどく乖離しているという主張です。

総務省の資料(リンク先エクセルファイルの「7−4」)によると、従業員10人規模以上の企業だけで、全雇用者の7割強を補足できるようです。
これなら「上澄み」のみならず民間企業従業者全体と比較できるはずです。


民間企業従業員の年収は、「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で算出しました。

地方公務員の年収は、賃金構造基本統計調査の対象と合わせ、給料(基本給)、時間外勤務手当、期末勤勉手当、地域手当を合算しています。

給料は、大卒ストレート(22歳)で入庁した職員が一般的ペースで昇給したと仮定し、民間統計の年齢帯の中間である27歳(5年目)で1級40号、32歳(10年目)で3級8号と設定しました。

10年目にもなると自治体間の差も広がりますし、同じ自治体の同期入庁職員どうしでも差が開いてくるので、まだ2級という方も少なくないでしょう。
ただ、あまり低く設定すると地方公務員側に有利な分析になってしまうので、あえて高めに設定しました。

残業時間は、総務省の「地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果」中の都道府県職員の平均残業時間である12.5時間≒13時間、毎月残業すると想定し、13×12=156時間分の時間外勤務手当を盛り込んでいます。
時間外勤務手当単価は、所定内給与時給換算額×1.25で算出しました。

地域手当は、各都道府県の都道府県庁所在地の率を反映させています。
 
ボーナス(期末勤勉手当)は4.4か月分を計上しました。

男性……30歳以降はそこそこ

まずは男性から見ていきます。

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25〜29歳区分では、ほとんどの都道府県において、地方公務員より民間企業のほうが高水準です。
きちんと「従業員規模10人以上」まで集計対象を広げた結果がこれです。
「中小企業も含めた国民全体水準から見ると、地方公務員は不当に高給」という定番の批判は、少なくとも20代後半の男性職員に関しては、当てはまらないと言えるでしょう。

一方、30〜34歳区分では、半分強の地域で、地方公務員のほうが高水準になります。
地方公務員のほうが昇給ペースが早いので、徐々に差が縮まり、ついには逆転するのでしょう。
僕の体感的に「20代のうちは中小企業含めて民間より安いけど、30歳を過ぎると民間に引けをとらなくなる」という感覚だったのですが、どうやら間違っていなかったようです。安定昇給に平伏感謝。

地域別に見ると、やはり田舎ほど地方公務員のほうが優位に見えます。
意外なのが千葉県と埼玉県です。
千葉県民とか埼玉県民という括りだと決して公務員は高給取りではなさそうなのですが、「千葉・埼玉県内で働く人」という括りだと、相対的に公務員が優位に立てるようです。
地域手当がガッツリ支給されるのも大きそうです。

【閲覧注意】1,000人規模以上だと惨敗

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企業規模1,000人以上の大企業だけとの比較版も作ってみました。
こちらだと、沖縄県を除き地方公務員の惨敗です。 

しかも企業規模10人以上の場合とは異なり、25〜29歳区分から30〜34歳区分にかけて、官民乖離が縮まりません。
元々の給与水準も、昇給ペースでも、地方公務員は大企業に遠く及ばないのです。

女性……超強い地方公務員

続いて女性のデータを見ていきます。

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地方公務員の圧勝です。

民間のデータは産休・育休を挟んだせいで昇給が遅れた方の影響が反映されているはずなので、やや低めに出る(地方公務員のほうが高くなる)かもしれませんが、それでも地方公務員優位という結論は揺るがないでしょう。

1,000人以上でも引き続き優位

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従業員1,000人以上の企業とだけ比較しても、地方公務員の優位性は揺らぎません。
25〜29歳区分では負けている地域も半分弱ありますが、30〜34歳区分では完勝です。

やはり男性20代地方公務員の給与水準は低い

分析結果をまとめると、以下のようになります。
  • 男性の場合、25〜29歳区分では、中小企業を含めて比較しても、民間よりも地方公務員のほうが給与水準が低い。ただし30〜34歳区分では地方公務員のほうが高い地域が増える。
  • 男性の場合、従業員1,000人以上規模の大企業の給与水準には、年齢区分問わず遠く及ばない。
  • 女性の場合、中小企業を含めると、地方公務員のほうが高水準。従業員1,000人以上規模の大企業に限って比較しても、半分以上の地域で地方公務員のほうが高水準。

データ集計のため、ひたすらエクセルコピペ作業を約3時間ほど繰り返しました。
苦労した分、未知の新事実との邂逅を期待していたのですが……得られた結論はそんなに目新しくありません。
多くの地方公務員が抱いている「感覚」の正しさが定量的に証明された、とも言えるでしょう。

数字で見ると、女性の公務員志望者が増えているという報道が一気に現実味を帯びてきます。
給与水準が高く、産休・育休も充実、休暇後も復帰可……となると、少なくとも「金稼ぎの手段」としては、役所はかなり魅力的な職場に映るのでは?

一方で、バリバリ働ける男性にとっては、かなり損な職場とも言えそうです。
僕みたいに民間就活に失敗して公務員になったパターンならまだしも、民間就活やっていない若手職員にとっては、 同世代の民間サラリーマンはまさに「青い芝」に見えることでしょう。

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