キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

こんなブログ見ている暇があるなら「微熱空間」を読んでくれ(心の叫び)

今日からゴールデンウィーク後半戦。
全国的に天気はあまり良くないようですが、お休みというだけでテンション爆上げですね。
僕の場合、先の三連休は連日出勤してしまったので、今日からがゴールデンウィークです。

僕に限らず、地方公務員は、ゴールデンウィークに休日出勤していることが多いです。

前年度の清算リミット


地方自治法の規定上、前年度予算の支払いは、5月末日までに全て終えなければいけません。
出納整理期間というやつです。 

支払いにあたっては、各担当で書類を整えてから、出納部署のチェックを経ることになります。
そのため、出納部署としては、チェックのための猶予を設けたいので、各担当に対して、5月末日よりもかなり前倒しする形で、書類提出の期限を設けます。

この期限が、だいたいゴールデンウィーク明けに設定されるため、各担当にとっては、ゴールデンウィークが最後の追い込み期間になります。


書類が揃わない


支払いに必要な書類には、役所側で用意するもののほかに、支払先から提出されるもの(請求書、見積書など)もあります。
この「支払先からの書類提出」が、ゴールデンウィーク直前まで遅れることが多々あり、公務員のゴールデンウィークを蝕んでいます。

支払先にとってみれば、4月は年度の切り替わりに伴い自社内の仕事で忙しく、役所に提出するだけの書類は後回しになってしまうのでしょう。
その結果、ゴールデンウィークが始まる直前まで書類が提出されず、公務員側はやむなくゴールデンウィークに出勤し、書類を整える羽目になってしまいます。

東京都内だけは別?


ゴールデンウィークの休日出勤事情は、どこの自治体も同じだと思われます。
出勤の原因(5月末日が支払期限であること、書類提出が遅れがちであること)は、全国共通だからです。

ただ、東京都庁・特別区だけは事情が違うようです。
地方出身者が多く、地元に帰省する職員が多いので、ゴールデンウィークは休むものだという空気ができているようです。


こんなわけで、東京都内を除き、地方公務員のゴールデンウィークは仕事に潰されがちです。
暦通りに連休を謳歌できるとは期待しないほうが無難です。

新人職員には、初任給を使ってゴールデンウィーク中に旅行に行こうと考えている方もいるかもしれません。
行くなら近場で、1泊2日程度の小旅行プランを勧めます。 
例年キャンセルを強いられて泣きを見る若手を見ているので……

公務員稼業において一番重要な能力は「文章力」だと、僕は常々思っています。

文章力といっても、文学的な名文やユーモアのあるエッセイを書く能力ではありません。
簡潔かつ一義的な文章を作る能力です。

今回は、いつも手元に置いて参考にしている『悪文』から、特に何度も読み返している2章「文の切りつなぎ」「文の途中での切り方」から、実践的な部分を紹介します。

悪文 第3版
岩淵 悦太郎
日本評論社
1979-11-01



文章術を説いた書籍は数ありますが、僕が中でも本書を重用しているのは、長すぎる文章は代表的な悪文の一つであり、明晰さを損なうと断じているからです。
僕が目指す文章の方向性に、ぴったり合っているのです。

長すぎる文は区切る


本書では、文章の長さの目安として、論説文であれば17〜18文節、小説であれば14文節が目安であると説いています。
これ以上に長くなりそうなら、文章を区切るべきです。
文章が長くなるほど、構造が見えにくくなり、読み手に負担がかかってしまうからです。

続く章にて、文章が長くなってしまう原因についても説明しています。

文章が長くなりがちな原因

中止法

「終止形で文を切ってしまう代わりに、連用形などで文を続けていくこと」を中止法として定義しています。

この中止法は、時系列的に物事が連続・推移していく様を示すのが最も基本的な用法ですが、他にも事柄の並列、原因・理由、手段、逆説の用法があります。

【例文】
(連続・推移)
オタクは1,000円札を渡し、薄い本を受け取った。
(並列)
可愛くて、グロい。
(原因・理由)
カップリング論争に敗れ、オタクサークルを辞めた。
(手段)
薄い本を書き、家計を支えた。
(逆説)
彼女が本当は姉だと知っていて、恋に落ちた。

書き手としては、中止法はとっても便利です。同じ表現で色々な意味合いを示せるため、いちいち表現を考える必要がありません。

しかし、読み手にとっては不親切になりえます。

多くの場合は文脈でどの用法なのか読み取れますが、文脈づくりが下手だったら、どの用法なのか、読み手が考えないといけなくなります。

読み手のストレスになるうえ、誤読のリスクも発生します。

例文の中では、「可愛くて、グロい。」が一番危険です。
僕はオタクなので、可愛さとグロさ両方を兼ね備えた世界観をいくつも見てきています。特に目新しくもありません。
そのため並列の例文として挙げましたが、普通の感覚であれば、おそらく逆説として捉えるでしょう。

可愛さとグロさを並列したいのであれば、文脈をつくっておく必要があります。
書き手にとって「可愛さ」と「グロさ」は普通に共存するものであると、文脈の中でもアナウンスしないといけません。
これを怠ると、並列なのか逆説なのか、読み手によって解釈が分かれてしまうでしょう。
これでは、書き手の意図が正しく伝わったとは言えません。


本書では対策として、うまく句読点を打つこと、できれば中止法を使わずに文を区切ることを提案しています。
文を区切って接続詞でつなげば、誤読のおそれは格段に下がりますが、冗長になってしまいます。
このあたりは全体のバランスを見ながら調整が必要ですね。

「可愛くて、グロい。」の場合は、読点を取るほうが、並列感が出そうです。

接続助詞「が」の乱用

長文の原因としてついで紹介されているのが、接続助詞の「が」です。

最も多いのが逆説ですが、他にも共存、前置き、補充といった用法があり、中止法と同じく、書き手にとっては便利な表現です。

【例文】
(逆説)深夜から並んだが、買えなかった。
(共存・時間的推移)彼はイラストを描き始めたが、次第に動画に傾倒していった。
(前置き・題目の提示)オタクは業の深い生き物だが、それを許す社会にも問題がある。
(補充・補足説明)イケメンのオタクという存在は、やはりキモいのだが、顔面により社会的評価が相当カバーされている。

ブログを書いていると、中でも前置き・題目の提示の用法で使いたくなってしまいます。

「が」の特徴として、他の接続詞と比べて耳当たりがよく、「が」前後の関係があまり頭に残らないと説明されています。
多義的であるがために、意味が伝わりにくいのです。

僕が思うに、「が」は、話し言葉向けの表現です。
書き言葉ではなるべく「が」以外の接続詞を使い、語数を変えずに一義性を持たせる方がいいのかなと考えています。

曖昧な文章

中止法や「が」がうまく機能していない文章は、あいまいな文章であり、読者にとって負担をかける上、心に残らない文章であると断じています。

読者があいまいさを追求していくと、結局のところ負担を感じてしまうことになります。直訳調の翻訳を読む時のような、不自然な日本語をなんとか噛み砕こうとする負担です。

一方、読者が追及しなければ、意味は伝わりません。せっかくの文章は理解されず、心にも残らないのです。


ブログ稼業においても、文章力は非常に重要です。
ただ、公務員と同じく「簡潔かつ一義的」な文章が良いかと言われると、そうとは言い切れません。
文体に表れる書き手のキャラクターも、ブログの魅力だと思われるからです。

それでも、伝わりにくい文章だと、書いていて勿体無いです。
頑張って書くなら、多くの人の目に触れて、多くの人に内容を正しく理解してもらえたほうが、やりがいがあります。

ブログ作文にあたっては、簡潔かつ一義的な骨子を書いた上で、味付け・飾り付けを施していけばいいのかなと思います。

僕は地方公務員という立場でブログを書いているので、特に意図があるとき以外は、簡潔かつ一義的を意識して作文していきたいと思っています。

今年の新採職員と話していると、自分が随分「役所の常識」に染まってしまっていることを思い知らされます。

今回はその一つ、「事業」と「庶務」という役割分担について紹介したいと思います。

こういう役所の常識を知っていると、面接で有利かもしれません。 世間一般としては筋が通っているように聞こえても、役所の常識にどっぷり漬かった人間にとっては的外れに聞こえてしまうという、悲しいケースを避けられるでしょう。

“ライン”と“スタッフ”が机を並べてます


「事業」と「庶務」とは、担当業務の中身・性質を分類する、最も大きな分類枠です。
地方公務員の下っ端が担当する業務は、ほとんどこのどちらかに分類できます。
たいていの職員は、「事業」か「庶務」のどちらかだけを担当します。人数の少ない部署で両方担当していることもありますが、メインの業務がどちらなのかは必ず設定されています。

ここまでは公務員に限った話ではありません。そこそこの規模の組織であれば、どこでも似た環境でしょう。
経営学にも「ライン」「スタッフ」という用語がありますが、「事業」が「ライン」、「庶務」が「スタッフ」にだいたい相当します。

地方公務員特有の事情とは、ひとつの部署の中に事業・庶務の両方が在籍している点です。「営業部」のように、ラインだけの部署が無いのです。

「事業」と「庶務」の業務内容


事業と庶務の担当 同じ部屋で机を並べているとはいえ、仕事内容は全然違います。

基本的に、庶務の担当は、事業の中身に口出しをしません。 口出しすることを求められていない、というほうが正確かもしれません。
基本的には、事業担当がやることの経理をやるのが庶務担当です。どちらかというと不適切な経理処理にならないよう、ストッパーとして機能するのが庶務担当です。

事業担当とっての庶務担当は、面倒な後処理を代わりにやってくれる、とてもありがたい存在です。ただ、場合によっては、事業目的を遂行するためのハードルになることもあります。
庶務担当にとっての事業担当は、飼い慣らすべき存在です。好き放題されるほど、自分の手間が増えることになります。

ありがちなやりとり(フィクション)

例として、「地元出身女性声優によるインスタグラムを活用した観光情報の発信」という架空の事業を考えてみます。

この事業では、地元出身の若手女性声優であるSさんを起用して、四季ごとの観光情報を、ご自身のインスタグラムアカウントで投稿してもらいます。もちろん、無償ボランティアではありません。投稿の対価として、県から謝金を支払います。

謝金の金額を決める時に、事業担当と庶務担当のやりとりが発生します。

事業担当は、どれだけ支払えば事業の効果が最大化されるかという観点から、謝金額を考えます。
この事業の場合、事業担当としては、なるべく上限に近い金額を支払いたくなります。
けちけちせずにお支払いしておけば、相手方に良い印象を残せ、今後さらなるタイアップが期待できるからです。
今回は、上限である「5万円」を支払いたいと提案します。

一方、庶務担当は、謝金の金額が経理上適切かどうかという観点で考えます。
自治体には「謝金規程」があり、金額の上限が決められています。
これを確認してみると、「5万円」支払う場合とは、「著名な大学教授や人間国宝など、その人以外では遂行不可能な仕事を頼む場合に限る」と書かれていました。
「インスタグラムアカウントを持っている地元出身の著名人」は、Sさん以外にも何人かいます。そのため、庶務担当としては、「この事業は、Sさん以外でも遂行可能。5万円は高すぎる」という判断になります。

このように、事業担当と庶務担当の意見は、たびたび食い違います。

食い違った場合は、基本的に庶務担当の意見のほうが優先されます。
事業効果の最大化よりも、規則を守るほうが優先されるからです。

5万円案が一度却下されてしまったら、事業担当は諦めるか、「5万円にふさわしい」根拠を探すことになります。
Sさんのフォロワー数が他の地元有名人に比べて圧倒的に多いとか、Sさんのインスタグラム運用がものすごく上手いとか、「Sさんでなければいけない」理由を探します。
見つけた理由を庶務担当に示して、再度議論し、庶務担当が納得してくれれば、5万円の支払いをしてもよいか、正式に上司に諮れることになります。
再度却下された場合は、根拠探しを再開するか、諦めるか……たいていは諦めます。

事業がやりたいのか、庶務がやりたいのか


地方公務員として働くうちに、「事業」「庶務」という立場で考える習慣が自然と身に付いていきます。
そのため、学生さんや新人さんが「事業と庶務を一人で同時にこなしていきたい」のような発言を聞くと、どうしても違和感を覚えてしまいます。

ありがちな主張(ノンフィクション)

例として、先日の採用説明会にて、実際に聞こえてきた発言を紹介します。

「会計学ゼミで学んだ知識を活かして、県の観光PRイベントがうまくいくように、特別会計のバランスシート改善を通してアプローチしたいと思います」

彼としては、会計学の知識を活かしてよりよい観光PRイベントを作ります!と言いたいのでしょう。
しかし、その通りに解してくれる役所の人間は殆どいないでしょう。
観光PRの中身を考えるのは事業担当、特別会計を触るのは庶務担当。別々の職員がやるものという前提があるためです。

役所の人間からすると、彼の発言は、本来別々の職員が担当する業務を、ひとりでこなしてみせますよ!職員数が削減できますよ!とアピールしているように聞こえてしまいます。これは残念ながら、あんまり求められていない能力です。

事業と庶務、どっちがいいのか?

事業も庶務も、どちらも大切な仕事です。優劣は無く、好みや適性によって、どちらが良いか決まってくると思います。
どちらもこなせるのが理想ですが、実際の配属履歴を見ていると、どちらかに偏る場合が多いようです。
部署が変わっても庶務の仕事は大抵共通していることから、「若いうちに一度は庶務を経験したほうがいい」とよく言われますが、若くして庶務を担当すると、ずっと庶務を続けるというパターンがとても多いです。
もしかしたら、配属される部署よりも、キャリア形成に強く寄与するいるかもしれません。

ちなみに自分は、事業しか経験していません。
一度でも庶務担当をやっていれば、もっと地方公務員あるあるネタを拾えるのでしょうが……



(追記)
庶務担当は基本的にストッパー役として機能しますが、ものすごく世話好きな方や、事業内容に個人的に興味のある場合には、話は変わってきます。庶務的に問題のない範囲で、事業の効果を最大化する方策を一緒に考えてくれます。

例に挙げた事業の場合であれば、「インスタグラムでの発信だけだったら別の人でもできるけど、せっかくSさんとタイアップするなら、彼女のインターネットラジオ番組とも連動しようよ。ラジオも活用するとなると彼女しかできないから、謝金は5万円で確定だね」という助言をくれるなど。本当に心強く、ありがたいです。
こういった方は、もれなく出世コースに進みます。

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