キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

こんなブログ見ている暇があるなら「微熱空間」を読んでくれ(心の叫び)

僕が住んでいる県は典型的な田舎で、いまだに「結婚したら戸建住宅を新築する」のが普通です。
特に地方公務員は、遠距離の転勤も少ないですし、一旦家庭を持ってしまうと転職することもほぼないので、ますます家を買うのが「当たり前」とされています。

僕が入庁したばかりの頃(10年ちょっと前)は、土地購入+家屋新築で2000万円台に収めるのがセオリーでした。3000万円のラインが「大台」と言われていて、ここを超えると豪邸扱いされていました。

一方、新型コロナが流行り始めた頃から、建設資材の高騰や人件費上昇の影響をモロに受けて、どんどんこのラインが引き上がっています。
今は土地購入+家屋新築で3500万円くらいが標準のようです。
というよりも4000万円を超えるとローンの返済がだいぶきついので、このくらいに収めざるを得ないとのこと。従前のように3000万円を切ろうと思うと、県庁所在地には到底住めず、鉄道が通っている地域にも住めず、自家用車で片道1時間通勤を検討しなければいけないレベルで離れた地域に住まざるをえなくなってきます。

そして最近は、新たな動きとして、4000万円以上のマンションを購入するケースがじわじわ増えてきています。
ローンを組むのも大変ですし、月々の返済負担もかなり厳しいと思われ、正直なところ身分不相応な気がするのですが……実際に購入した人から話を聞いてみると「案外ありなのかも」と思い直しました。


意外と売れてる(らしい)田舎ターミナル駅付近のマンション

ここでいう「マンション」とは、ターミナル駅近くの新築高層マンションです。
イメージはこんな感じ。






こういった物件の価格は、(東京の不動産価格と比べれば全然大したことありませんが)地元の他の物件と比べると、かなり割高に映ります。
そのため地元住民からすると「こんなの誰が買うんだよ……」と思いたくなりますが、案外すんなり売れていきます。
どうやら、都市部に本社がある大手企業の社宅用として、ニーズが一定数あるらしいです。

僕の勤務先県庁の若手職員が購入しているのは、こういうハイクラス物件のグレード低めな部屋です。
具体的には、低層階の不人気方角の部屋を、オプションはあまり付加せずに購入しています。

わずかでも資産価値をキープする目論み

こういった物件は、いくらグレード低めとはいえ、安くても4000万円を超えます。下手したら5000万円台にすら乗ります。
先述したとおり、新築する場合の目安が「3500万円」なので、2割以上も高くつくことになります。

それでもマンションを購入する理由……それは資産性と流動性です。

これから地方はどんどん人口が減っていき、土地も家屋も資産価値が激減していきます。
新築で家を建てても、ローンを払い終わるころに果たして資産価値がどれくらいなのか、全く期待できません。

実際、家を建てる職員は、土地も家も「資産」とは見ておらず、消費するものと捉えています。
一生かかって消費し尽くすようなイメージです。途中で売却したり賃貸に出したりはしないので、資産価値はそもそもどうでもいいという考えでもあります。

一方、マンションを購入する職員は、買ったマンションを将来的に手放す前提で考えています。
彼ら彼女らは、夫婦ともに実家の土地家屋を相続する見込みがあり、自分たちが更に土地や家を買ってしまうと、将来的に不動産を持て余す可能性を見ています。

田舎の不動産は、これから資産価値のみならず流動性も激減していくと思われます。
買い手がいないので売れない、売れないから価格が下がっていく……という流れになるでしょう。

つまり、今マイホームを持ってしまうと、合計3軒もの住宅を、いらないのに持たざるを得なくなり、いずれ維持管理の手間と費用で首が回らなくなる……という未来を想定しているわけです。
そこで、少なくとも自分達が購入するものについては、流動性と資産性を少しでもキープできるよう、どちらも低下しづらそうな駅近物件を選んでいるのです。

答え合わせは数十年後?

田舎在住の若者はこれから不動産とどう付き合っていくのがよいのか、まだ定石は出来上がっていないと思っています。

僕個人的には、田舎の不動産に資産性を求めること自体がナンセンスで、「自分が求める使用価値を、なるべく安く獲得する」という一点だけ考えればいいと思っています。

いくらターミナル駅至近の好立地だとしても、「人口減少に伴い田舎の資産価値が落ちていく」というトレンドには抗えず、これから相当に下落していくのではないかと。
何より、田舎の不動産は今でも流動性が低く、任意のタイミングで手放すことが困難なので、「資産」として捉えること自体に難があるとも思っています。

ターミナル駅付近に住みたい、リッチな共用部分を使いたい……等々、高級マンションの「使用価値」に魅力を感じているのであれば、背伸びして購入するのも大いにアリだと思いますが、資産性目当てに買うのは、リターンの小さい投資のように感じます。

もちろん、これから何が起こるかわかりません。今の判断の成否は、数十年後までわからないのでしょう。問題意識だけは常に持っていたいと思います。

そもそも僕の場合、他人の心配をする前に自分の心配をした方がいいんですよね……
僕はいずれ実家の土地建物を相続できる見込みです。結構古いので現時点で既に資産価値はありませんし、辺鄙な場所なので手放したくても買い手がつきません。

このまま独身であれば、この実家をリフォームして住めばいいかなと思っています。
問題なのは結婚できてしまった場合です。「自分が求める使用価値を、なるべく安く獲得する」という一点だけ考えればいいなどと先ほど軽々しく書きましたが、相方がいると合意到達するのがすごく大変そうです。

4月から地方公務員として新たな一歩を踏み出した皆さん、おめでとうございます。
SNSを見ていると、この10日間で早くも絶望している方もいるようですが……人生は長いので、役所に順応するにしろ離脱を試みるにしろ、焦らなくてもいいと思います。
 
このブログを見ているということは、きっと何らかの困りごとや迷いごとがあって、ヒントを探しているのだろうと思います。

弊ブログ内の新人向け記事は、以下にまとめています。参考になれば幸いです。


「新人向け」タグで絞ってみても、役立つ記事が出てくるかもしれません。

 
 
例年この時期になると「新人地方公務員の役に立つ記事を書きたい!」という意欲が湧いてくるのですが、30代半ばになってくると、新人地方公務員のニーズがわからなくなってきます。
今の20代前半の価値観や考え方が全然わからなくて、一体何に困っているのか、どういうことが知りたいのか、想像できないのです。
 
そのため今回は、反対に、僕が新人地方公務員(大卒ストレートの20代前半を想定)に対して質問してみたい事柄を挙げてみようと思います。
この記事で例示する事柄は、きっと僕のみならず、僕世代の職員が共通して疑問に思っている(あるいは誤解している)と思います。
職場でのコミュニケーションの参考になれば幸いです。

超絶売り手市場の今、どうして地方公務員を選んだのか

まず真っ先に気になるのが、地方公務員になった理由です。
今や地方公務員よりも楽で高給で安定しててやりがいのある仕事がいくらでもあるのに、あえて地方公務員を選んだ理由が知りたいです。
 
僕が就職活動をしていた頃は、地方公務員はそこそこコスパ良くホワイトな職業と評されていました。
当時から「残業も休日出勤も当たり前」「残業代は出ない」「住民から罵声を浴びまくる」等々のネガティブな評価もありましたが、それでも民間企業よりはマシだと言われていました。
それくらい民間企業の待遇が酷かったのです。
 
そのため、僕世代の地方公務員には「待遇」目当てで入庁した人が多いです。
給料はそれほど高くないにしても、「リストラされない」「心身壊しても辞めなくていい」「失敗しても減給されない」あたりの条件を備えているだけでも十分魅力的に映りました。

なお、仕事内容には興味は無く、やりたい仕事なんて最初からありませんし、仕事にやりがいを求めていません。
(入庁当初は意欲ゼロだったものの、「働き始めてみたら意外と面白くてやりがいも感じている」という人もそこそこいます)
 
一方で今は、民間企業が全体的にホワイト化したために、地方公務員の待遇は相対的に落ちています。
そのため僕世代の価値観では、今の地方公務員という職業には、特に魅力を感じないんですよね……
少なくとも第一志望にはなりません。民間大企業がダメだった場合の「滑り止め」としてはアリですが、あえて第一志望にする理由が浮かびません。
 
そのため、今地方公務員になる若手の真意が純粋に疑問です。
仕事の中身に興味がある、「転勤が少ない」等の労働条件に魅力を感じた、民間企業が弱い地域なので役所が一番の高給取り……等々、「地方公務員になりたい」と思って就職したのか。
あるいは、民間就活に失敗した、学生時代に心身を壊してバリバリ働けない等、「地方公務員にしかなれなかった/ならざるを得なかった」のか。
 
事情は人それぞれでしょうが、どういう傾向があるのか、非常に気になります。
 

ボロカスに叩かれてる職業にどうして就こうと思えたのか

今の世の中、普通に暮らしていたら、地方公務員という職業に対して良い印象を持ちえないと常々思っています。
 
地方公務員という仕事は、とにかく叩かれて批判されます。
マスコミのような権威ある機関から堂々と批判されていますし、ちょっとSNSを覗けば住民からの生々しい批判がいくらでも見られます。
何より、現役or元地方公務員が、自らの職場や同僚をディスりまくっています。
 
それでも僕が就職したころは、「まともに仕事してないくせに高給を貰っている」という「妬み」が主訴でした。
見方を変えれば、嫉妬されるほどの「高い給料」がもらえるという意味で、魅力的に映る余地がありました。
 
しかし、民間企業の待遇が改善されていくにつれ、地方公務員を高給取り扱いする人は激減しました。
今の地方公務員叩きは、「地方公務員どもは無能で使えない」という能力批判・人格批判が中心です。
 
もちろん僕は、世間で言われるほど地方公務員は無能だとは思いません。
しかしこの認識は、僕自身がそこそこ長く役所で働いていて、地方公務員の実像を知っているからこそ持てるのであって、一般的に入手できる情報だけだと「地方公務員は馬鹿で無能」という認識を刷り込まれるのが自然ではないかと思うのです。
 
地方公務員に対するネガティブ情報が氾濫する中、どうしてそんなディスられる仕事に就こうと思ったのか。この点も非常に気になります。
 

公務員試験対策は大変なのか

僕が採用された年度の公務員試験は、最終倍率が10倍くらいありました。
うち筆記試験が8倍、面接が1.2倍くらいで、筆記試験を通過した時点でかなり安堵した記憶があります。
 
一方で、今は倍率がだいぶ下がっています。
最大手の東京都庁だと2倍を切っていますし、小規模自治体では定員割れするところも出てきています。
これだけ倍率が変わってくると、いくら試験科目が同じとはいえ、試験としては別物だと思います。
 
そこで僕は、今の地方公務員試験の常識が知りたいです。
特に、一般的な勉強期間と、捨て科目の有無が気になります。
 
僕の受験した自治体に限らず、当時の地方上級試験は「筆記試験でがっつり落とす」「面接はネガチェックでほぼ落ちない」というのが定説でした。
そのため、地方公務員になるにはとにかく筆記試験対策が重要で、地方上級試験の場合だと、大学3年生の4月から予備校に通い始めて、1年かけてじっくり試験勉強するのが王道でした。
 
また、捨て科目を作るという発想はありませんでした。
憲法や民法、ミクロ・マクロ経済学、数的処理あたりの問題数が多い科目は受験生全員ががっつり勉強して仕上げてくるので得点差が出ず、刑法や経営学あたりの2~3問しか出題されない科目で合否が分かれる……とよく言われたものです。
捨てるとしても教養試験の物理と化学くらいが限度でしたね。
 
一方で、今の低倍率なら、昔ほど勉強しなくても合格できるのでは?という気がしています。
 
こんなことが気になるのは、僕が資格試験全般が好きというのもありますが、退職していく若手職員の内心を探りたいという意図もあります。

僕世代の感覚だと、地方公務員を辞めることには相当なサンクコストが伴うと感じます。
地方公務員になるには、「大学3年生~4年生前半の貴重な自由時間」を、公務員試験合格のための勉強期間として費消しなければいけない……つまり地方公務員への就職には「1年間の自由」という対価を支払っているという感覚だからです。
 
そのため、退職していく若手職員は、大学生活1年分という膨大なサンクコストを回収できるくらいに良い転職先を見つけたのだと、直感的に思ってしまいます。
(あるいは、サンクコストなんてどうてもよくなるくらい地方公務員という仕事が嫌なのか)
いずれにしても、「地方公務員を辞める」という選択肢は、かなり大きな決断だと感じます。
 
しかし、もしさほど勉強せずに合格できるのであれば、今やサンクコストなんて存在しないわけであり、この感覚は時代遅れになります。
20代であれば、地方公務員並みの待遇を得られる仕事は他にもたくさんありますし、アルバイトを辞める程度の感覚で地方公務員を辞めていっているという可能性すら考えられます。

今の若手職員と、30代半ばの職員では、仕事に対するスタンスが全然違うと日々感じていますが、その根本原因のひとつが「試験難易度」のような気がしているのです。


もし暇な方がいたら、コメントで教えてもらえると嬉しいです。

<前回までのあらすじ>
 
婚活のセオリーに従い、仮交際中の3人それぞれとクリスマス&初詣をこなしたキモオタク。
食事代やプレゼント費用で7万円が飛び、胃も懐も大ダメージを負うものの、大きな失敗は犯さずに乗り切ります。
そんな中、外見的には一番好みのヒフミさんとの交際が終了。
「共通点がなさすぎる」というハードルは高く、彼女の魅力に引き寄せられ自分を変えようと努力したが、関係を続けるには至らず。
傷心の暇もなく、残る2人との交際を本格化――と意気込むも、まさかの風邪でダウン。
幸いにも2月早々に復活し、合法的二股関係に挑むのでした。
 

ヒフミさん感想戦

今から思い返してみると、ヒフミさんがどうして結婚相談所を利用していたのか心底不思議です。
容姿も人当たりも良くて、結婚相談所を利用せずとも普通に恋人を作れそうなタイプですし、実際何度かお会いしても「男性との交際に慣れている」と感じました。

初対面の頃から緊張している様子は全く見せませんでしたし、会話の流れもスムーズでこちらの話を引き出すのが上手く、心地よい時間を過ごせました。
さらに、適度にボディタッチをくれるんですよね。親しげに肩を叩かれたり、笑いながら軽く腕に触れられたりすることもありました。
職場の同僚との距離感とは明らかに異なり、恋人同士のような自然な親密さを感じさせる振る舞いでした。

(根拠は全くありませんが、そこそこ長く交際してきた相手がいたものの何らかの理由で最近別れたのかな……と推測しています)
 
異性との交際経験が年齢に伴っていない僕にとって、ボディタッチをしてくる異性というのはヒフミさんが初でした。

ボディタッチされるのって本当に心地よいですね。
身体的な接触としてはごく軽いものであっても、自ら手を伸ばして触りに行くという行為は、それなりに好感を抱いている相手にしかできないわけで、向こうからボディタッチしてくるということは、相手が僕を受け入れてくれているという外ならぬ証拠になります。
つまるところ、ボディタッチは身体的接触であると同時に、プライベートかつディープな精神的接触であり、言葉を重ねるよりも軽くつつく程度の軽微な触れ合いのほうが心に響いてくるんですよね。

……などという一般人なら中学生くらいで学ぶ常識を今更ながら理解しました。
 

似た者2択

一方、残るお二人は、まさに「結婚相談所ユーザー」というタイプです。
僕も全く人のことを言えないのですが……異性と親密な関係に至った経験が乏しいゆえに、どう振る舞うのがいいのか迷っているのが伝わってきます。

たとえば待ち合わせ時、僕を見つけると手を振ってくれるのですが、表情は硬く動きもぎこちなく、緊張がありありと滲み出ています。
一緒に初詣に行った際も、隣を歩こうとせず半歩後ろに下がろうとしたり、逆に僕よりも先にずんずん進んでいってしまったり……

そんなやり取りの端々に、僕は不思議と居心地の良さを覚えていました。自分との共通点を見出していたのだと思います。
 
 

ありのままの自分でいられるウイさん(仮称)

特に似たもの同士なのがウイさん(仮称)。
※「ブルーアーカイブ」古関ウイより名前を拝借(猫背気味、意外と背が高い、たまにテンパる)




県内町役場の正規事務職員で、年齢は僕と同い年。
県内3番手の進学校を卒業後、関西の中堅国公立大学に進学の後、Uターンして町役場に就職したとのこと。
しかもウイさん、もともと地方公務員を志望していたわけではなく、新卒時に民間就活をしたもののどこにも受からず、就職留年して地方公務員になったという経歴です。
「不本意ながら地方公務員になったけど、転職するほどのエネルギーも無く淡々と続けている」という仕事へのスタンスでも、僕と似ています。
 
そうした共通点があるからか、ウイさんと一緒にいると妙に気楽でした。
婚活の場でありながら、彼女との面会は「結婚相手を探す」というよりも、気の合う同僚と仕事帰りに飲みに行くような感覚に近かったのです。

特に仕事の話題には事欠かず、役場の業務のこと、町の課題や職場の人間関係、制度の改正についてなど、共通する話題はいくらでもありました。
 
しかし、その盤石すぎる仕事の話題が、逆に問題でもありました。
何度会っても会話の大半が仕事に終始し、ウイさんのプライベートな一面がなかなか見えてきません。

休日の過ごし方や趣味、家族との関係など、もう少し個人的な話ができたらと思っても、なかなかそこへ踏み込むきっかけがありませんし、ウイさんからも仕事の話題しか振ってきません。
つまるところ、ものすごく奥手な人なのです。
 
とはいえ、少しずつ距離が縮まっている実感はありました。
お互いに明確に好意を伝え合うわけではないにしても、会うたびに相手に対する親しみが増していくのは確かでした。

初対面の頃は、お互い探り探りの会話だったのが、次第に冗談も交えたやり取りができるようになり、会話のテンポも心地よくなっていきました。
言葉を選びながら丁寧に話す姿勢には、人柄の良さがにじみ出ていて、決して押しつけがましくない距離感が心地よかったのです。
話すときにはじっくりと相手の言葉を受け止め、軽々しく相槌を打つのではなく、しっかりと考えた上で返答する姿勢に、真面目さと誠実さを感じました。
 
僕は、ウイさんとのやり取りを通じて、婚活における「安心感」というものの大切さに気づきました。
情熱的に惹かれるというよりも、一緒にいて自然体でいられること。
その安心感こそが、関係を築いていく上での大きな要素になるのではないかと思うようになったのです。

ウイさんと過ごす時間は、決して刺激的ではないかもしれませんが、確かな信頼感がありました。
 
そして……本当にゲスな観点で申し訳ないのですが……とても立派な果実をお持ちです。
コートの上からはずんぐりした体系に見えるのですが、コートを脱いでセーター姿になるとむしろ細身で、とある一部がつっかえるせいで全身膨張して見えていたのでした。
 

自分を高みに引き上げてくれるナギサさん(仮称)

もう一人のナギサさん(仮)も、根っこは僕と同じ陰キャです。
※「ブルーアーカイブ」桐藤ナギサより名前を拝借(ノブレスオブリュージュを感じさせる佇まい)




これまでマッチングしたお相手の中では初となる県外出身で、うちの県に来てからまだ日が浅いナギサさん。
 
東京都世田谷区に実家があり、高校入学までは親の転勤に付き添って全国を転々。
高校からは東京に根を下ろし、都内超有名進学校から都内最高峰私立大学に進学します。
大学在学中に某難関資格に合格して、いったん東京で就職しましたが、約1年前に母親の実家がある本県へIターン転職を決めて今に至ります。
 
これまでの転勤族生活で本県含め計7つの都道府県を転々としてきて、色々な土地での生活を経験した中で、本県が一番の気に入りで、移住を決めたとのことです。
ナギサさんいわく「これまで住んできた都市の中で、本県はちょうどいい規模感」らしく、都会すぎず田舎すぎず、自然と都市機能のバランスが絶妙だと感じるのだといいます。
 
家柄も学歴(入学偏差値的な意味)も格上、資格職ゆえに本県でも高収入をキープできており、僕よりも2歳年下ながら年収は200万円ほど上回っています。
カタログスペック的には、僕みたいな田舎地方公務員とは到底釣り合わず、もし僕が結婚するとなったらまさに「逆玉」です。
 
僕とは生い立ちもステータスも全然違う別世界の人のはず……なのですが、初対面の頃から不思議と通じるものがあります。
興味関心や着眼点、嗜好傾向が似ていて、どんな話題でも話が弾んで、会話が深まっていくんですよね。
 
ウイさんの場合、仕事ネタ・役所ネタであれば延々と深掘りができるのですが、仕事以外の話題は少ないです。
そのため、地方公務員としてのウイさんがどんな人なのかはよく理解しましたが、プライベートの部分がなかなか見えてきません。
これまで出会った方々も同様で、話題が限定的だったり、会話が広がらなかったりすることが多かったです。
 
一方でナギサさんの場合は、いろんな話題で深い会話ができるので、人となりがどんどん見えてきます。
同時に僕自身のことも自然に開示することができ、お互いの関係が深まっていくのを実感できました。
ナギサさんの会話運びが上手いのはもちろん、たぶん人としての根っこの部分が似ていて、だからこんなにスムーズにコミュニケーションが進むのだろうと思います。
 
何と言っても、ナギサさんと過ごす時間は知的な刺激に満ちていました。
ナギサさんは明らかに僕よりも頭の回転が早く、さらに教養の幅と深さが段違いで、会話の中で新鮮な気付きや発見を与えてくれます。
しかも僕と着眼点が似ているから、僕の興味のある方向へ先回りして会話を進めてくれます。
 
例えば一緒に喫茶店に入ったら、メニュー表を見ながら珈琲豆の種類や焙煎方法についてさらっと語ってくれて、僕の好みに合うメニューを紹介してくれたり。
街を歩いていて見かけた古い建築物に対して、「この建物、なんとなくヨーロッパ風ですよね」と僕が言うと、「これ○○様式で、当時の日本では珍しくて、これを含めて全国で5か所くらいしかないんですよ」とナギサさんが補足してくれたり。

もちろんナギサさんが一方的に語り続けるわけではなく、僕が話しやすいように質問を振ってくれます。それがまた絶妙で「○○ってどう思います?」と僕の考えを引き出し、「なるほど、それって△△とも似てますね」と話を広げてくれる。話し上手かつ聞き上手なだけではなく、話の流れを作るのが上手いのです。
 
ナギサさんにとっても、僕と過ごす時間は充実しているようです。
ナギサさんとの面会は、「この地域のことをもっと知りたい」という先方からの希望を受け、県内の有名観光スポットを巡るプチ旅行を僕のほうでセットする形にしています。
しかも僕はかつて観光部局に在籍していたこともあり、県内の観光地は一通り案内できます。

ナギサさんからの求めに応じて、観光地の豆知識などを披露していたら、文字通り目を輝かせて喜んでくれて、「地元愛と知識の深さに驚きです」「こんなに地域のことを詳しく教えてくれる人に出会えて幸運です」とストレートに褒めて感謝してくれます。
 
こんな感じで、ナギサさんと一緒にいると、世界に彩りが添えられるというか、何気ない日常の新たな一面を垣間見れるというか……とにかく一緒にいると知的刺激を受けて楽しいんですよね。
しかも決して高圧的になることなく、相手の意見や感じ方を尊重してくれる謙虚さを持っています。

僕には無い視点と知識を持っていて、一緒にいると自分の世界がどんどん広がっていきます。このようなコミュニケーションを取れる人とは、大学時代以来久しくお目にかかれていませんでした。
県庁組織には皆無ですし、そもそも田舎社会には普通存在しないタイプだと思います。
 
ナギサさんからも、はっきりと言葉にして、僕のことを大切に思ってくれていることを伝えてくれています。
 

究極の2択

僕が利用している結婚相談所では、仮交際期間中の面会は5回までというルールがあります。
5回目を終えるまでに、本交際に進むかどうか決断しなければいけません。
 
仮交際とは違い、本交際には1人としか進めません。
つまり僕の場合、どちらかと本交際に進むためには、もう一方と別れることになります。
 
5回の仮交際の間に、どちらを取るか決断しなければいけないのですが……本当に甲乙つけがたいんですよね……
いっそのこと、どちらかから振られてしまえば、残ったほうに決められるのですが、両者ともそんな素振りは全く無く、順調に仲が深まっていきます。
 
そしてそのまま、どちらを選ぶか決めかねるまま、5回の仮交際面会を終えてしまいました。
さらに決断を保留したまま3日ほど経過すると、結婚相談所のコンシェルジュさんから「ウイさんからもナギサさんからも本交際に進みたいと連絡ありました。どっちにするか決めてください」と連絡が入りました。
どちらかに振られるという消極的選択もありえなくなってしまいます。
 
 
だいぶ長くなってしまったのでここで切ります。
実はこの記事を書いている時点(3/29)で、どちらにするか決断して返答済です。
決断に至るまでの懊悩を次回お送りしたいと思います

このページのトップヘ