キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

こんなブログ見ている暇があるなら「微熱空間」を読んでくれ(心の叫び)

このブログの読者各位は、きっと仕事熱心で向上心のある方々なのだろうと思います。
そうでなければ、わざわざ余暇の時間を割いてまで地方公務員ネタに触れようとは思わないはずです。

そのような皆様は、地方公務員(元職含む)が書いた仕事術のような書籍(以下「地方公務員本」)も読まれているかもしれません。
あくまでも僕個人の感覚ですが、地方公務員本は、読み物としては面白いものの、実務ノウハウとして役立つかは怪しいと思っています。
過去にも、地方公務員本は眉に唾をつけて読んだほうがいいという趣旨の記事を書いています。



今回取り上げるのは、地方公務員本によく登場してくる「上司の視点に立って物事を考えよ」という助言です。

ヒラ職員ならば係長、係長ならば課長補佐、課長補佐ならば課長の視点を意識して仕事することが、自身の成長につながるし、組織内でもありがたがられる……という趣旨の助言であり、指定職や部局長のような高位役職経験者が書いた本によく登場します。

この助言のうち「ヒラ職員が係長の視点を意識する」という部分は、僕は危険だと思います。
職員個人としての成長には資するかもしれませんが、行政サービスの質は低下するでしょうし、組織としても誤った意思決定の原因になりかねないと思います。

「ヒラならでは」の大切な役割

ヒラ職員の仕事は、部署や職種によって様々です。
係長以上になると「組織を回す」「部下のマネジメント」といった共通点が出てきますが、ヒラ職員の仕事は本当に多岐にわたっています。ゆえに、ヒラ職員に共通する助言をすること自体、なかなか難しいことだと思います。

あえて共通する部分を挙げるなら、行政サービスを正しく提供することと、「世間」を正確に把握することだと思います。

前者は言わずもがな、担当する業務を誤りなく滞りなく処理して、行政サービスを提供することです。
一方、後者のほうはあまり意識されていないかもしれませんが、世間すなわち一般大衆(住民の大多数)の情報を、日々の業務を通して収集・把握することも、ヒラ職員の重要な役割だと思っています。ヒラ職員が集めたこのような情報をベースとして、役所は意思決定をしているからです。

ヒラ職員は、役所組織の中で最も「世間」と近いところにいます。
まず、物理的に近いです。窓口や電話越しに住民と直接接触する機会が多く、現場(=役所の外)で何が起こっているのかを一番把握できる立場にいます。
加えて精神的にも近いです。地方公務員歴が比較的短く、役所組織特有のバイアスや思考様式にまだ染まりきっていないので、現実をあるがままに見ることができます。

係長は係長、課長は課長で、それぞれ独自に「役所の外」とのパイプがあり、情報収集ができるのですが、「世間」すなわち一般大衆の情報を最も正確かつ大量に収集できるのはヒラ職員ならではの強みだと思います。

ヒラ職員が係長みたいに「情報の取捨選択」に手を出すと……?


先にも少し触れましたが、係長には「組織を回す」という役割があります。
組織を回すためには、(僕自身は係長の仕事をしたことがないのであくまでも推測ですが)、ヒラ職員から吸い上げた「世間」の情報を、組織として評価……例えば「組織として必要か否か」といった軸で情報を評価・選別しなければいけません。

ヒラ職員が収集した情報をそのまま上司や他部署に報告してしまうと、受け手側の負担が重くなります。受け手が判断を下しやすいように、係長が情報を評価したうえで取捨選択・再構築することで、組織は円滑に回るようになるのです。

「組織にとって必要な情報を見極める」というのは、係長にとって必須のスキルだと思います。
このスキルを習得することが、地方公務員の「成長」のひとつとも言えるでしょう。

しかし、ヒラ職員が係長の視点、つまり「組織にとって必要か」という視点で情報を選別し始めると、今後は「世間」をあるがままに理解しようとする人がいなくなってしまいます。
言い方を変えると、「役所組織のバイアス」がかかった情報しか入ってこなくなるわけであり、世間を正確に把握できなくなります。
正しい世間の情報を得られなくなれば、意思決定にも悪影響が出てくるでしょう。

「ヒラ職員は係長の視点に立って仕事せよ」という助言は、このような事態を助長しかねない、リスクの高い助言だと思われるのです。

(昔と違って)今のヒラ職員は忙しい

この助言も、平成中期くらいまでは有益だったのだろうと思います。
当時は今よりも職員数が多くて1人あたりの担当業務も少なく、かつヒラ職員の仕事は単純作業が中心でした。この時代なら、ヒラ職員には「世間」をちゃんと把握したうえで背伸びして、係長のように組織目線で情報を取捨選択してみるだけの余裕があったと思います。

しかし当時と比べ、今のヒラ職員はとても忙しいです。
役所の業務量は増える一方で、職員数は減っており、1人あたりの担当業務が増えています。
加えて、単純作業は非正規の方(会計年度任用職員)や外注で回すようになり、ヒラ職員でも管理者的な仕事をすることが多くなり、業務の質的にも負担が増しています。

しかも今は、デジタル化の急進展をはじめ、社会の変化が加速しています。
役所としても、激動する世間を正確に捉えることのほうが重要ではないでしょうか?
うかうかしているとすぐに「時代遅れ」になってしまう現代において、情報収集の重要性は一層増していると思います。


毎年2月恒例、人事異動の噂話に花を咲かせつつ、夜な夜な予算業務の後始末と議会対応に明け暮れる日々を過ごしています。こういう時間を「無駄だ」と一蹴する人は地方公務員向いてないんだろうなと思います。僕は好きです。


敗北を認めることがスタート

高知県 “賢い縮小”人口減見越した社会目指す 当初予算案提出



県レベルの戦略で「いかに縮小させるか」を考えていること、より正確に言えば縮小を前提にした施策が許容されることに感動を覚えました。

これまでの役所界隈では、地域社会の縮小を是認するのはタブーだったと思います。
ゆえに、無駄金だと誰もが思いつつも、移住促進や子育て支援、よくわからない複合施設の整備、目新しさだけが売りの集客イベントのような、実らない施策に取り組まざるをえない、暗黙の強制力のようなものがありました。
ヒトモノカネ全てのリソースが減っていくのに「今後ますます発展していきます」という虚勢を張らざるをえないという空気が、本当に気持ち悪かったです。

「地方創生」なんかよりも「賢い縮小」こそ、今の地方自治体に必要な発想だと思います。

相次ぐ賃下げ(理由は色々)

八街市、財政難で職員の給与削減方針 次年度に若手除き半数が対象、特別職も



新庁舎整備のため職員らの給与を5年間減額…市長は30~20%、年間約5500万円の財源確保




来年度予算で給与カットをキメる自治体がちらほら出てきました。
やはり昨年の人事院勧告のプラス改定が強烈すぎたのでしょうか……

昨年の人事院勧告には、「若手の賃上げ」という目的がありました。
この目的を具体化するためには、低い号給ほど賃上げ幅を大きくすることになります。地方公務員の給料は年功序列で決まっており、若手ほど号給は低いからです。
そのため、「低い号給ほど賃上げ幅を大きくする」という対応で、「若手の賃上げ」という目的はきちんと達成されます。

このような措置は、別の見方をすると、若手職員に限らず「低い号給の職員」は誰でも手厚く賃上げがなされたともいえます。
例えば再任用職員や会計年度任用職員の方々です。これらの方々は、年齢に関係なく低い号給が適用されており、若手職員と同じく大幅な賃上げを享受しています。
例えば僕の勤務先県庁では、僕(30代半ば)よりも、会計年度任用職員や再任用職員の方々のほうが、金額では3倍、率では5倍ほど大きいです。

全国の自治体ではこれまで、正規職員を非正規職員(会計年度任用職員)に置き換えることで、人件費を削減してきました。
しかし今回の人事院勧告では、低い号給ほど賃上げ幅が大きくなったために、会計年度任用職員の人件費が大幅に増えることになりました。
特に、都道府県よりも会計年度任用職員の比率が大きい市町村ほど、給料プラス改定による財政負担増加が著しいのだと思われます。

給与のプラス改定がいつまで続くのかはわかりませんが、給与カットする自治体はこれからも増えていくのではないかと思います。

正直なところ、僕はある程度の給与カットは仕方ないと思っています。
ただし、「行政サービスの質も量も縮減してもなお財政が厳しいから、給与カットせざるを得ない」という前提がある場合に限ります。
島根県太田市のように、新しい施策を行うための財源として給与カットするのは論外です。

前掲の新聞記事を読んで「やべー!!」と思ったのは、「新庁舎整備のために給与カット」という判断よりも、市長のコメントです。


楫野市長は「財政が厳しい中、職員らに協力を呼び掛けて理解を得た。給与カットと併せて、様々な補助事業や有利な起債も活用していく」と話した。
【読売新聞】新庁舎整備のため職員らの給与を5年間減額…市長は30~20%、年間約5500万円の財源確保
https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20250219-OYO1T50025/

この言いぶりだと、主な財源調達手段は「給与カット」で、従たる手段が「補助事業や有利な起債」という趣旨になります。
普通、逆ではないでしょうか?
補助や起債を駆使したうえで財源が不足するのなら、その事業は背伸びしすぎなのであって、見直して縮小するべきです。
それでもどうしてもやらざるを得ない場合に限り、給与カットで財源捻出するという流れではないでしょうか……

地方公務員界隈のみならず、世間一般の関心も高いようです。
僕の課で来年度から始まる新規事業があり、つい先日新聞報道されたところ、さっそくご意見の電話(大半が苦情、無駄だから止めろという趣旨)が何件か入っているのですが、電話主たちが「この事業のためにどれだけ給与カットするのか」と問いただしてくるんですよね。
「新規事業の財源を給与カットで捻出」という発想が早くも浸透してるのではないかと不安になります。

地方公務員が「ブログで稼ぐ」のは違法っぽい

北海道の31歳女性職員「人気が出てしまい報酬を…」ネットショッピングの商品評価をSNS投稿し34万円報酬得る 匿名通報で発覚 減給の懲戒処分




地方公務員の副業に関してルールが整備されてくるにつれて、長らくグレーゾーンだった部分が徐々に白黒はっきりしてきています。
今回報道されたのはアフィリエイト収入です。
商品のレビューを投稿して収入を得るケースは違反だと判断され、減給の懲戒処分が下りました。

しかも、許可を得ていないからアウト(得ていればセーフ)というわけではなく、「申請があっても認められない事案」とのこと。
つまり、「地方公務員はアフィリエイト収入NG」という前例ができたわけです。

副業として認めるか否かは、各自治体の判断です。北海道庁では「アフィリエイト収入NG」という判断になりましたが、他の自治体では認められる可能性はあります。
とはいえ役所は先例を重んじる組織なので、この事例が参照され、「アフィはダメ」と判断する自治体が多数派になるのではと思います。

スエゾー

来庁者からつば、市職員がビンタ 加賀市、和解に10万円



顔に向かって唾を吐くのって結構難しくて、勢いよく吐き出したつもりでも重力に負けて相手まで届かないことが多いんですよね(経験談、もちろん吐かれた側です)。
息巻いて唾を吐き飛ばしたのに、床や机に墜落してしまった後のなんともいえない微妙な空気。地方公務員ならではの貴重な経験だと思うので、一度は体験してみてほしいです。

この来庁者の方はきっと慣れてるんだと思います。


本ブログのアクセス数には明確に周期があり、毎年3月にピークを迎えます。
Googleアナリティクスによると、1月~4月にかけて20代前半のアクセス数が激増しており、4月から働き始める新規採用職員予備軍の方々が本ブログを読んでくれているのだろうと思われます。

就業を控えたこの時期は、多くの人が不安を感じるものです。
僕自身も俗にいう「内定ブルー」みたいな状態になっていて、ひたすらアニメを見て気を紛らわせていました。

数か月後に生活が激変するのは確実なのに、準備しようがないというもどかしさ。
できることといえば、情報収集くらいでしょうか。
もどかしさのあまり、本ブログみたいな信憑性の疑わしい情報すら目を通してしまうんですよね……

勤務開始目前の方々にとっての最大の関心事は、自分の配属先だと思います。
地方公務員界隈で「配属ガチャ」という言葉が罷り通っているとおり、どこに配属されるか発表まで全然わかりませんし、当たり外れの差も大きいです。

地方公務員人生には人事異動がつきもので、初任の配属先に骨を埋めるわけではありません。どうせ数年で別の仕事をすることになります。
全然興味が無い分野に配属されたとしても、数年我慢すればいいだけです。
逆に、希望する部署に行けたとしても、その幸運は数年限りです。

しかしそれでも、地方公務員人生における最初の配属先の影響は非常に大きいと思います。
業務内容はさておき、地方公務員という職業や、役所という職場に対する好き嫌いは、最初の職場での経験でかなり決まってくるからです。

初任配属先の業務内容や雰囲気、人間関係が合わなかったために、採用1年目にして仕事への意欲を失う職員は少なくありません。
意欲を失う程度ならまだマシなほうで、心身を壊して休職したり退職してしまう人もいるくらいです。

反対に、採用直後は全然やる気が無かったのに、周囲に感化されてモチベーションが上がったり、能力を開花させる人もいます。
僕自身、そこそこ楽しく地方公務員稼業を続けられているのは、初任の配属先がいいところだったからだったと思います。

また、役所を見限って転職するにしても、最初の配属先での経験を「自分の強み」としてPRしていかなければいけません。
転職活動の成否すらも、最初の配属先にかかっていると言えるでしょう。

では、実際に新規採用職員にとって働きやすく、キャリアにとっても有益な「当たり部署」とはどのようなものか。僕の経験をもとに、独断と偏見で考察してみます。

人数が多い

僕が最も重要だと思う要素は、配属先部署の正規職員数です。
初任の配属先は、正規職員が多ければ多いほうが良いと思います。

より正確にいうと、正規職員が少ない職場は心身の健康を損なうリスクが比較的大きく、最初の職場としてはなかなか厳しいと思います。

職員数の少ない職場は、人間関係も狭くなりがちで、一人でもやばい職員(パワハラ野郎など)がいると、その人の雰囲気に吞み込まれます。
分母が少ない分、全員に占めるやばい職員の影響力がどうしても強くなってしまうんですよね。

人数が多い職場であれば、善良な職員たちで集まって別コミュニティを作ってお互いを守りあうことが可能ですが、少人数職場ではこういう対処が難しいです。


加えて、何らかの事情で急に職場全体の仕事量が増えた場合や、職員が減ってしまった場合に、職員数が少ないと負担の分散ができません。

年度途中で急に業務が増えるケースは多々あります。
  • 首長や議員の発案で新規事業を立ち上げることになった
  • クレーマーに目をつけられて連日大量の公文書開示請求が舞い込んできた
  • 制度改正があった
  • 訴訟を起こされた
などなど、現役地方公務員の方であればどれか一つは経験があると思います。

このような事態が生じた際に、人数の多い職場であれば複数人で分担できますが、少人数の職場だと一人で対応する羽目になりがちです。
もっとシンプルに、分母となる職員数が少ないので1人あたりの負担増が大きいともいえるでしょう。

年度途中で職員が減ってしまった場合も同様です。
同僚が心身を病んで休職してしまったものの補充されず、欠員状態のまま年度末まで仕事を回すという事態はもとから常態化していますし、最近では若手職員がいきなり退職するケースも出てきました。
こうした場合、いなくなった職員の分の仕事を他の職員が引き継ぐことになります。
職員数が少ないほど、1人あたりの引継分が多くなり、負担が増えることになります。


役所内ルールを執行する仕事

業務内容では、庶務や部局内調整のような、役所内ルールを執行する仕事が「当たり」だと思います。

役所にはいろんなルールや作法があります。
代表的なものとして、会計経理や議会答弁の作成、契約手続き、補助金の交付手続きなどが挙げられます。
こういった業務にはマニュアルが用意されており、ある程度の年次になると『知っていて当然』とされますが、実際に担当しなければ細かな手続きを理解することは難しいものです。
早い段階でこれらの知識を身につけておくことは、公務員としてのキャリアを築く上で大きな助けとなるでしょう。

また、こうした行政の内部ルールを知っていることは、民間企業への転職においても強みになりえます。
近年、行政の業務を外部に委託するケースが増えており、役所内部の実務に精通した人材は、民間企業にとっても貴重な存在です。
例えば、役所相手のコンサルティング業務や、公共事業のプロポーザル参加など、行政経験を活かせる分野は少なくありません。

さらに、内部ルールの執行は、単なる事務作業ではなく組織運営の一環とも言えます。
転職活動の際には「マネジメント経験」としてアピールできるでしょう。
実際に、僕が過去に転職活動を試行した際も、エージェントからは「組織の管理に関わる経験があるか」と問われました。営業や経理のような実務スキルを持っていない地方公務員をあえて採用する場合、企業側はきっと「組織を動かす能力」を期待するのだろうと思います。

結局は人間関係

ここまで色々書いてきましたが、結局は人間関係が全てだと思います。
正直どこの部署であれ、新人の担当する仕事は大差ありません。




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