先日、久々にクレーム電話を取ってしまいました。
1時間はお話を聞いていたでしょうか。おかげで昼休みが消滅しました。
内容には少なからず共感できましたし、クレーム主より「社会全体を巻き込んで議論すべき」と言われたので、心置きなくブログネタにさせてもらいます。
ボランティア精神のせいでビジネスチャンスが潰されている!!
クレームの主旨は以下のとおり。
無償でやることの美徳が強調されすぎていて、本来なら対価が発生してしかるべき仕事が、どんどん無償のボランティアで担うものに格下げされている。一度タダになってしまったものをは、再度有料化できない。本当はその道で食っていけたはずの人が食えなくなる。ボランティアを推し進めているのは紛れもなく行政。行政が街から仕事を奪っている。たとえば、観光地の案内ボランティア。お金を取ってより良いサービスを提供する道もあったのに、いつの間にかボランティアが手弁当で担うのが全国で当たり前になってしまった。「現地でちょっとしたうんちくを聞きたい」ような、ちょっとした不満の声を議員が拾って行政にクレームした結果がこれだ。行政はなるべくケチ臭く、税金を使わずに不満を解消したいから、自助だのと煽ってボランティアで解決する。結果、新たなサービス業が勃興する前に、ボランティアが定着してしまう。
行政はやたらにボランティアを推進するのをやめて、無償でのサービス提供がまかり通っていないかを逐一監視すべき。
確かに、タダで利用できる観光案内が定着してしまうと、有料の観光案内を後から立ち上げるのはほぼ不可能でしょう。
有料の方がコンテンツ的に優れていたとしても、後出しで有料サービスを開始するという行為自体がボランティア精神の冒涜であり、社会的に許されません。
ボランティアの精神自体は素晴らしいものだと思いますが、ボランティアが担っているせいでちょっとした不満が大きなトラブルに発展していってしまった事例をいくつも聞いています。
事例として挙げられていた観光案内ボランティアでも、ボランティアによる案内、つまりタダの案内だと、どんどん利用者の質が悪くなっていくようです。
「安かろう悪かろう」という前提があるため、利用者がボランティアを見下すようになる(見下すような人ばかり来るようになる)とか。
ボランティアの方も、もともと善意でやっていたのに見下されてばかりでは、どんどんモチベーションが落ちていきます。結果、サービスの質が悪化し、本当に「安かろう悪かろう」に陥ってしまうのです。
最終的にボランティアへの苦情が増えて、ガイド自体が無くなってしまった事例も聞きます。
規制行政よりも……
僕としては、規制行政の出る幕ではなく、ボランティアが出て来る前にマネタイズの仕組みを作ってしまえる人材育成のほうが重要ではないかと思います。
クレーム主の口調からも、「逃がした魚は大きかった」という負け惜しみを感じました。
ポテンシャルのある地域や観光地を常に監視して、ちょっとした不満を敏感に察知、お金に変える仕組みを考えていくことが必要でしょう。
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