公務員試験の結果報告を見かけるようになりました。
合格された方、おめでとうございます。

複数の役所に合格した方は、本命以外のところの内定を早めに辞退してもらえると助かります。
引きずれば引きずるほど、補充が間に合わなくなるので……

無事合格された方は、ようやく試験勉強ともおさらばかと思います。お疲れ様でした。
試験勉強に使った書籍類は、もう2度と見たくないことでしょう。
ダンボール詰めて一括処分しようと準備中かもしれませんが、ちょっと待ってください。
中には翌春からの実務にも役立つものもあります。

今回は、公務員試験勉強の教材の中で、どんなものが実務にも役立つのかを紹介します。
試験勉強に使った教材を処分する前に一読してもらえると嬉しいです。 

※リンクで掲載している書籍は、参考までに適当に選んだものです。

専門科目の基本書は残しておいてもいいのでは?

俗にいう基本書は、もともと公務員試験対策に特化した書籍ではなく、幅広い読者層を想定しています。
試験対策だけでなく、地方公務員として働き始めてからの実務にも役立ちます。
そのため、保管するスペースがあるのなら、なるべく残しておいたほうがいいと思います。

少なくとも憲法・民法・行政法は実務で確実に使うので、ぜひとも残しておくべきです。
僕の場合、試験勉強中よりも実際に働き始めてからのほうが、頻繁に紐解いています。


憲法 第六版
芦部 信喜
岩波書店
2015-03-06


民法I 第4版: 総則・物権総論
内田 貴
東京大学出版会
2008-04-03


行政法 第5版
櫻井 敬子
弘文堂
2016-02-17

 



統計学も実務で使います
業務でアンケートを取る際、どれだけの数を集めないといけないのか、統計学の考え方をもとに算出することがあります。
今流行りの学問でもあるので、教養や話のネタとしても残しておいたほうが良いでしょう。

はじめての統計学
鳥居 泰彦
日本経済新聞社
1994-11-01



経済学
の基本書も、部署によっては頻繁に使います。
国の省庁では、制度設計にあたり、マーケットデザインやゲーム理論などの経済学(試験科目でいえばミクロ経済学寄り)の知見を利用しています。
この辺りの考え方を調べるため、基本書を紐解かなくてはいけません。

ミクロ経済学の力
神取 道宏
日本評論社
2014-09-25






あとは財政学です。
実務にあたっていると、財政の大局的なルールを見失いがちです。
時折見返して、自分は客観的にはどういう立ち位置で、どういった機能を果たしているのか、位置確認をすると良いでしょう。

財政学
持田 信樹
東京大学出版会
2009-10-22



参考書も1冊は残しておいてもいいかも?

地方公務員は、とにかく資料を作ります。何でもかんでも資料作りから始めます。

地方公務員の資料は、なるべく情報量を盛り込みつつも1枚に収めることが求められます。

公務員試験に限らず、試験の参考書はわかりやすい文章・ページ構成になっていて、資料作りの参考になります。
お気に入りのものを1冊残しておくと、後々役に立つでしょう。

その他役立つもの




詳説世界史研究
山川出版社
2017-12-03




 

詳説日本史研究
山川出版社
2017-08-31



地方公務員の教養として、地理・歴史は抑えてほいたほうがいいと思います。
(主にクレーマー対策のため。知らないとマウントを取られるかも。)

僕の場合、最初に配属された部署が防災系だったため、理系の参考書(特に物理・地学)も役に立ちました。




新 百万人の天気教室
白木正規
成山堂書店
2013-11-08



自分の手元に残しておくのではなく、友人や後輩に譲るのもアリだと思います。

科目にもよりますが、改訂版で追記された最新の内容は、公務員試験では滅多に出題されません。
試験勉強目的なら、少し古い版でも支障無いでしょう。