どれだけ優秀な大学を卒業しようと、Uターン就職者は、地元大学出身者に比べ、採用時点では大きなハンデを負っていると考えています。

大学時代の生活は、高校時代までとは一変し、時間の使い方は自由になるし、自家用車を入手することで行動範囲は広がるし、金銭的裁量も大きくなります。
こういった自由な生活を通して蓄積される地元知識は意外と多く、実務にも欠かせないものばかりです。

Uターン就職者は道を知らない

まず、Uターン就職者は道路交通網に弱いです。
どこに何があるか?という大まかな土地勘は持っていたとしても、出発地と目的地までのルートが思いつきません。

さらに、地図を見ても、どのルートが正解なのかわかりません。
道路の特徴(通学路だから朝夕混む、有名ラーメン店に入りたい車で渋滞する等)を知らないため、悪手を選んでしまうことも多いです。
道路自体の知識は、実際に車を運転して道路を使ってみないと、なかなか身につかないものです。

地元大学の出身者は、4年間かけて試行錯誤を繰り返し、道路知識を身につけています。

田舎では、業務上の移動のために公共交通機関を使うことはほとんどありません。車での移動がメインになります。道路知識は必須です。
上司と一緒に車で出張した際に、変な道に入って余計な時間を食ってしまったら、本気で怒られます。

Uターン者は飲食店を知らない

飲食店(特に飲み屋)に関する知識も欠落しています。

高校時代までは、飲み屋は勿論のこと、そもそも飲食店をあんまり利用しません。
一方、大学時代は飲食店を食べ歩き飲み歩くため、自然と知識が蓄積されていきます。

さらに、大学時代には、利用者目線での情報だけでなく、業界側の情報にもアクセスできます。
自分や友人がアルバイトとして飲食店に勤務しているからです。
 
「厨房がボロくて火力が出せないから中華メニューは全部外れ」とか、「店主がものすごく魚に詳しいから刺身はいつも外さない」のような、利用者は知りようのない裏情報がどんどん入ってきます。
アルバイト経験を通して築いた飲食店業界との人脈も、貴重な財産になります。

地方公務員の若手には、職場の飲み会をセットする役割もあります。
店を知っているかどうかで、手間が随分違ってきます。

ハンデを克服するために

ハンデを克服するためには、とにかく外出するしかないでしょう。
出費が嵩みますが、勉強代と思って気前よく払いましょう。

地元大学出身者のグループに溶け込んでいくことも有効です。
旨い店を「教わる」スタンスで、一緒に出かけてみては?

かくいう僕は非社交的そのもの、ぼっち行動大好き人間なので、飲み屋情報はいまだに全然わかりません。
道とラーメン店には詳しくなったんですが……