今となっては淡々と地方公務員稼業に励んでいる僕ですが、入庁前は1年で辞めて東京都庁に転職しようと思っていました。
未練の再燃
僕が就職活動していたのは、東日本大震災の翌年で、どこの企業も採用数を減らしていた時期でした。
無い内定の人間は、就職留年するか、大学院に進学するか、僕のように公務員試験に転向するかを迫られました。
なんとか地元県庁に合格できたわけですが、民間全落ちのショックは大きく、自己肯定感はズタボロ。
その上地元に帰ることになり、「民間大手企業で働くこと」「東京で働くこと」への強烈な劣等感を抱えることになりました。
「このまま地元県庁で働いても、劣等感は一生消えないだろう」
「劣等感全開で働かれても、かえって迷惑だろう」
そう思った僕は、公務員試験の勉強を再開しました。
12月の半ば頃でした。
狙うは都庁と特別区です。
どちらかに合格すれば、「東京で働くこと」への劣等感からは解放されるし、どちらも落ちれば諦めがつくはずだと思いました。
ちなみに、県庁内定後〜勉強再開までの期間も悶々と悩み続けていたのですが、「Fate stay/night」をプレイするのに忙しく、勉強には手が回りませでした。長いんですよねあれ。
それぞれが好きなことを頑張れるなら
大学4年の12月から仮面公務員受験生?生活が始まったわけですが、結局2ヶ月で思い直しました。きっかけは「ラブライブ!」との出会い。
1月から始まったアニメ版を、当時は各話3回は見ていました。
どうしてあんなにハマったのか、今から思い返せば、舞台が神田エリアだったのが非常に大きかったと思います。
μ’sのメンバーは、東京のいいところのお嬢さんばかりです。言動の端々にお上品さが見て取れます。
こう言ったディテールが僕の東京コンプレックスを刺激したのでしょう。
毎日のようにオープニングを毎回飛ばさず見ているうちに、歌詞が暗記を通り越して、心にすっーっと染み込んできました。
それぞれが好きなことで頑張れるなら
新しい(場所が)ゴールだね
それぞれの好きなことを信じていれば
ときめきを(抱いて)進めるだろう
僕らは今の中で 作詞:畑亜貴
そして、このサビに救われました。
地元のことは嫌いではありません。むしろ大好きです。
ここしか内定もらえなかったこともあり、やる気もありました。
僕に足りていなかったのは、「新しいゴール」という視点。
これまで無意識に囚われていた「東京で働く」というゴールを捨て、新たなゴールを探す。これが今必要だと気づかされました。
僕にとっての新しいゴールは、探すまでもなく、自分の時間を何より大切に生きることでした。
これが見えた瞬間、劣等感が消えました。
「自分の時間を何より大切に生きる」ためには、東京に残る必要も、民間大手企業で働く必要もありません。
そもそも、就職ビジネスの闇に呑まれたせいで、人生における仕事のウェイトを大きく見積もりすぎていたでしょう。
そもそも僕の場合、仕事は生活の糧を得るための手段であって、自己実現の手段ではありません。
コスト(時間・メンタル)パフォーマンスが良ければ、それで十分なのです。
こういう経緯があるので、今でも「ラブライブ!」は特別な作品です。
1月4日上映のラブライブ!サンシャイン!!劇場版も勿論楽しみにしています。今回はどこに遠征しようか……
参考: 絶対オタクバレしたくない地方公務員が常時気にしている鉄則とは?
コメント
コメント一覧 (10)
実際に働くイメージを掴むために、いつもブログを拝見しています。
私も、東京での就職経験があるため、同じような思いを持っていた時期がありました。ブログを読んで、自らの価値観を知り、新しいゴールを設定する視点に大変共感いたしました。
今後も、ブログの更新を楽しみにしています!
合格おめでとうございます!
春からの新生活に、拙ブログが少しでも役立てば幸いです。
「自分は敗者」という劣等感は、公務員に限らずUターン就職者全般にありがちなようです。
この一般的感覚を払拭することも、地方行政の仕事で、地方創生なのではないかと思います。
自分は民間企業に11年間勤め、今年春から社会人採用枠で入庁します。
自分は逆に民間企業に勤めていることに、劣等感をずっと感じていたと思います。好きな仕事でしたが、不規則勤務が家庭を持った自分には厳しく丁度地元市役所で携わりたい業務もあり、運良く採用されました。
自分語りになってしまいましたが、自分もオタクですし、ラブライブの歌詞に救われました。
これからも楽しく拝見させていただきます。
採用おめでとうございます!家庭を大切にするライフスタイルならば、地方公務員はとても良い職場だと思います。
完全な主観ですが、赤座あかりちゃん(ゆるゆり)が地元市役所勤務というのが、ものすごくしっくり来ます。
ブログ主さんが全く私と同じ考えであることからコメントさせていただきました。私も1.2年働いて特別区を目指したいと考えています。
自分を奮い立たせてくれるものがあるのはとてもいいことだと思います!
私もブログ主さんを応援しつつ頑張りたいと思います!
僕はもう東京に執着ありませんが、それでも給与格差(地域手当20%の分)を見るたびに悔しくなってしまいます……
県庁から東京に出て行くパターン、僕の職場でも最近増えています。
戻るなら早い方がいいと思います。頑張ってください!
実体験を踏まえると、地方出身者が東京で公務員稼業をするのは経済的に中々厳しいものです。住居費・教育費は嵩みますし、育児では親の手も借りられませんので、結局地元にUターンする例が多いんですよね。本省キャリアでもない限り経済面では苦しいまま。社会的ステータスも相対的に低いですので、都内での婚活に苦戦する男性職員もいます。
都内自治体の各種施策は先進的ですし、待遇も悪くないのですが、都内に実家がある同僚との格差は大きい。ここら辺のことは、20代では想像しにくいんですけどね笑
当方西日本在住ですが、東京に行った同級生は一握りで、遠い世界って感じです
そこはご想像にお任せします(笑)
僕の周辺でも、関西方面に行く人も結構いましたが、なぜか就職は地元に戻ってくるケースが多いです。関東組は戻って来ずに向こうで暮らしているので、やはり就職先の数に差があるのかと思っています。