日経ビジネス2018年12月3日号に、「やってはいけない宣伝 「こだわりの」 は危険 商品を沈めるキャッチコピー」という特集記事が乗っていました。

詳細はこちら。 

記事の中では、「何も言っていないに等しい」ダメな宣伝文句を「空気コピー」と名付け、その典型例として

「伝統」
「こだわり」
「厳選」

など、9つの表現を挙げています。

どれもこれも、自治体広報に欠かせない必須表現です。

クレーム防止のために丸める

自治体の広報は、何よりも「クレームがこないこと」「クレームがきても弁明できること」を重視します。
そのため、後から言い訳がしやすくなる曖昧な表現、つまり空気コピーを多用します。

若干言い訳がましいですが、クレームを恐れるあまり「刺さらない広報」に逃げている、ということです。

参考:「PR」という言葉は極力使わないほうがいい?

空気コピーに逃げない姿勢

空気コピーには、クレーム回避のほかにもメリットがあります。

空気コピーを使うと、文章が簡単に仕上がります。
対象の具体的な特徴や魅力が何なのか、調べたり考える必要が無いからです。
お金も時間も手間もかかりません。

空気コピーを使えば、クレームも回避でき、予算も節約できる。
しかし、日経ビジネスの記事にあるとおり、成果が出ないんですよね。


広報戦略の巧拙は、自治体によってかなりの差があると日々感じています。
ちゃんと読み手を考えて作っているところもあれば、議会答弁をそのまま使っているとしか思えないところも結構あります。

新たなジレンマが増えてしまいました。