ここ数年間で地方在住オタクのアニメ視聴環境は劇的に改善されました。
大体の番組がBSデジタル放送でカバーされるようになったのは、本当に革命的な進歩です。
 
Amazonプライムのような動画配信サービスも非常にありがたい。
最新作に限らず過去作も視聴可能で、オタクバレが怖くてレンタルビデオ店に行けない僕みたいな隠れオタクは相当救われています。

しかし、地方公務員という立場からすると、動画配信サービスは明らかに敵です。
動画配信サービスが伸びれば伸びるほど、田舎の地域経済にはマイナスだと僕は考えています。

暇人を引きこもらせている

現在増えているユーザーは、コンテンツに対してライトな層。
僕みたいに作品語りがしたいオタクではなく、暇つぶしとしてコンテンツを消費する層です。

彼ら彼女らは、動画配信サービスを使い始めるまでは、外出することで暇を潰していました。
友人とドライブに出たり、ウインドウショッピングしたり、飲みに行ったり……何にせよ外出して出費することで地域経済を回していました。

しかし今となっては、彼ら彼女らは外出しません。
家の中でスマートフォンの画面を見て暇を潰します。
彼ら彼女らが外に出なくなった結果、地域の小売店・飲食店にお金が落ちなくなります。

時を同じくして、駅前のファッションビルのような若者向け施設や、オクトーバーフェストやビアガーデンみたいな若者向けのイベントの客足が明らかに減ってきているとのこと。
定量的に調べたわけではありませんが、因果関係は否定できないように思います。

こう考えるようになったきっかけは、昨年夏に Amazon Primeで配信された「バチェラー2」です。
盆休み明けあたりから、1〜5年目くらいの職員がみんな「バチェラー2」の話で持ちきりなんです。

その時は「どうせ一過性のブームだろう、バチェラーとやらが終わったら使われなくなるだろう」と思っていたのですが、冬休みも皆ガキ使も紅白も見ずにAmazon Primeで昔のドラマを見ていたとのこと。
ブームではなく、すっかり彼ら彼女らの生活に根付いてしまったようです。
ここまで続くと、認識を改めざるを得ませんでした。

お金のない娯楽に流れるのは当然

僕含め若者にとって、動画配信サービスを利用して休日を過ごすのは実に合理的な行動です。
楽しいだけでなく、お金の節約になるからです。
そのため、動画配信サービスの勢いは当分伸びていくと思います。

再び若者を外出して出費するよう仕向けるには、動画配信サービスと向き合わなければいけません。
つまり、休日に外出してお金と時間を使うことに大きなメリットがあること、動画配信サービスに浸る以上の合理性があることを示していかなければいけないのです。

今のところ、動画配信サービスでは体験できない「味覚」「嗅覚」「触覚」の重要性を訴えていく作戦が手っ取り早くて効果が出そうかなと考えています。