自己啓発ならとりあえず宅建がモットーの当ブログなのですが、最近は決算書の読み方も重要と思っています。

決算書をはじめ企業会計の知識は、いつの世も自己啓発の定番。
書店に溢れる「決算書が読める!」系の書籍をみれば明らかです。

企業会計の中でも入門編に位置付けられるのが簿記です。
とりあえず簿記2級をとってからステップアップ!みたいな風潮があります。

ただ、地方公務員に限っていえば、簿記を勉強せずにいきなり決算書の読み方を勉強すればいいと思います。

簿記は決算書を作るための知識です。
勿論、作り方を知っている方がより深く決算書を読めるのでしょうが、地方公務員にはそこまで高度な読込は求められません。
そのため、簿記を勉強するよりも、実際に決算書を読んで勘所を抑える方が効率的だろうと思います。

公務員を縛るのは公会計という独自ルール

役所にも経理業務はあります。
ただし、民間企業とはルール体系が異なります。

「統一的な基準による地方公会計マニュアル」p.3より抜粋
平成27年1月 総務省
http://www.soumu.go.jp/main_content/000335891.pdf

お金をどう使ったかを細かく整理している「企業会計」に対し、お金をどう使うかを細かく決めているのが「公会計」といえるでしょう。

公会計でも決算書類のようなものを作りますが、企業会計とは中身も作り方が全く違います。
そのため「企業会計の決算書を作るための知識」である簿記が活きないのです。

会計学の観点から公会計を考えたい等、真剣に公会計に向かい合いたいなら簿記知識も必要でしょうが、少なくとも実務には役立ちません。

出向という罠

ただし、役所の外へと出向すると状況は一変します。
公社や第三セクター、○○協会、○○連盟等々……出向先はいろいろありますが、いったん役所の外に出てしまうと、当然ながら企業会計のルールに縛られます。

出向先で経理担当に配属されると、民間企業並みの決算書類を作ることになります。
こうなると、簿記知識は必須です。

出向先の経理担当を経験する地方公務員は、ごくごくわずかです。
定年まで一度も担当せずに役所人生を終える職員が大多数でしょう。
そのため、事前に勉強しておく必要性は薄いと思います。

決算書を作る業務とは滅多に巡り合わない一方で、決算書を読む業務とはいろんな部署で遭遇します。 
実態は別記事にて紹介します。