今年の4月1日付けで、2年間勤務した観光部局から全くの別部門に異動しました。
異動希望は出していません。残留を希望しました。
しかし、結果は異動。

僕の勤める県庁は、3〜4年ペースの異動が通例です。
2年で異動するのは、引き抜かれたか追放されたかのいずれか。
考えるほどに高確率で後者です。

オタクなので「大衆感覚」が無い

僕の住む田舎では、まともな人なら25歳くらいで結婚します。
僕は完全に行き遅れ、マイノリティです。
しかも偏屈なオタクです。

観光絡みでいえば、旅行のたびに赤線青線を巡り、人気(ひとけ)のない集落を練り歩きます。

「ダークツーリズム」という言葉が登場する前からダークな場所ばかり回っていました。
あとは地場高級スーパー。地域性がもろに現れるので見ていて楽しいです。

うちの県の観光施策は、とにかく観光客数の増加を掲げています。
マニア受けよりも大衆受けを狙う方向性です。

大衆から零れ落ちたマイノリティである僕に、大衆の気持ちはわかりません。
そのため、大衆受けする施策やイベントが作れませんでした。

何をやらせても基本方針からズレたことばかりやっているので、勤務評価も低かったでしょうね……

忖度スキルが身につかなかった

観光振興は、自治体の裁量が効かせられる仕事です。
法令に縛られることもなければ、国からの指導もありません。
自治体が好き勝手できます。

もちろん、自治体の裁量と担当職員の裁量は全くの別物です。
自治体の裁量とは首長の裁量であり、有権者の裁量であり、有権者を束ねる大票田の裁量です。

つまり、観光振興のような裁量の効く業務では、首長が好む=有権者が好む=大票田が好むような結末を想像し、これに沿うように事業を組み立てます。

担当者に求められる能力は、観光振興の知識やノウハウではなく、大票田の意向を敏感に察する情報網と想像力、いわゆる忖度です。

僕はこれが苦手なまま、全然成長しませんでした。
非社交的なので人脈もできませんし、相手の意向をこっそり探るようなトークスキルも身につきません。

2年経っても成長する気配が無いので、成長性なしと判断されたのでしょう。

体力が無い

イベント会場でテントを組んだり、チラシが詰まったダンボール箱を運んだり、駅や観光地でチラシを配り続けたり、ゆるキャラの中に入って飛び跳ねたり…
県庁の中でも観光部局は立ち仕事や肉体労働が多く、体力が要ります。

僕は運動習慣皆無のオタクなので体力がありません。
数日間連続開催のイベントに動員されたりしたら、明らかに2日目以降のパフォーマンスが落ちます。
ゆるキャラの中に入って軽い熱中症になるようでは論外です。

参考:地方公務員の熱中症経験談。イベント業務(ゆるキャラ中の人)で倒れた際の教訓とは?

不適切な顔面

メディア出演機会が多いせいか、観光部門は男女ともに綺麗どころが多数います。
一方僕はキモメンです。メディア向きではありません。

一度だけウェブメディアの取材に出演して、その時の記事が今でも閲覧できるんですが、我ながらひどい顔をしています。
必死にPhotoshopで加工した跡がありますが、もともとの造形が駄目なのでどうしようもありません。


観光施策はかなり興味のある分野だったので、もう少し携わっていたかったのですが……
向いていなかったのは事実。
しっかり受け止めて、今の部署で頑張ります。