観光部局を経験したオタクとして、自治体のアニメタイアップネタは絶対書かなきゃと思ってはいるものの、難航しています。
ここ半年くらい書いては消してを繰り返してきました。

とうとう観光部局から異動になってしまったので、ここで一回切り上げて投稿します。
現時点でのまとめです。もっといい展開が思いついたら加筆修正していきます。


アニメタイアップは難しい

ここ最近、アニメとタイアップした地域振興や観光誘客が下火になってきているような気がしています。
一見簡単なようで実際は非常に難しいことが知れ渡ってきたのでしょうか?

短期的にオタクを呼び寄せるだけなら簡単です。
声優さんを呼んだイベントを開催したり、駅近物件でコラボカフェを期間限定で開いて限定グッズを配布すれば、大抵集まります。

ただ、これだけだと地域は潤いません。
アニメの版権側の取り分が大きく、地元業者はほとんど稼げないでしょうし、何より一時的な盛り上がりで終わります。持続性がありません。

アニメをきっかけに来訪した新規観光客に対しては、本地域の魅力を最大限PRすることを通して、アニメ効果抜きでもリピートしてもらえるよう、努めてまいりたい」

あえて議会答弁風に書いてみました。
こういうふうに考えている自治体も多いでしょうが、実際は難しいです。

オタクは浮気性な存在です。
新しいアニメが始まったら、そちらに気を取られてしまいます。
舞台となった土地に足を運んで一泊2日で観光したくらいでは、よほど印象に残らない限り、忘れてしまいます。

オタクの心を掴むには?

どうやったらオタクにリピートしてもらえるのか?
僕もずっと考えているところです。

僕自身、そこそこ聖地巡礼(アニメの舞台となった地域を実際に訪問すること)しているほうですが、また行きたいところもあれば、もういいやと思うところもあります。
その違いは何なのか?自分にもよくわかりません。

インフルエンサーオタクは必ず取り込む


イラストレーターや評論家(空想家)のようなインフルエンサーのオタクを早々に取り込んでおくことが重要なのは、断言できます。
こういう人たちに好かれる作品は、寿命が伸びます。

通常のアニメ作品は、テレビオンエアが終わると、一気に話題に上らなくなります。
話題にならなくなると、どんどん忘れられていきます。

しかし、インフルエンサーのオタクがイラストや評論を投稿しているうちは、作品がオタクの目に触れます。定期的にリマインドされることで、オタクの記憶に残ります。

しかも、俗にいう単純接触効果も働きます。
「放送当時は興味が無かったけど、頻繁にイラストが流れてくるこの作品、今になって気になってきたな……」という経験。オタクならわかってもらえると思います。

インフルエンサーのオタクを取り込むにはどうすればいいのか?
これは作品次第です。地域サイドで取り組める対策は、今のところ思いつきません。
「我々もこの作品好きだぜ!」とアピールするくらいでしょうか?


アニメツーリズム関係の記事には、「ファン同士の交流の場として定着する段階までいけば成功」というゴール設定が多いように思います。
これは僕も全面的に同意です。

難しいのは、そこに至るまでの過程。
「地域が自主的に、アニメファン向け集客策(イベントなど)を地道に続けることが肝要」という分析が主流のようですが、これには正直物足りなさを感じます。