遅ればせながら『FACTFULNESS』を読みました。
データをしっかり見ることの重要性を説いた本書。面白かったです。
僕もデータに基づいた推論をやってみたくなりました。
最近役所内でまことしやかに囁かれている噂を検証してみます。
僕の勤める県庁では、ここ数年、新規採用職員に占める地元国立大学卒の割合が漸減している説で盛り上がっています。
飲み会でも一番ホットな話題です。データをしっかり見ることの重要性を説いた本書。面白かったです。
僕もデータに基づいた推論をやってみたくなりました。
最近役所内でまことしやかに囁かれている噂を検証してみます。
地元国公立大学の県庁離れ?
僕の勤める県庁では、ここ数年、新規採用職員に占める地元国立大学卒の割合が漸減している説で盛り上がっています。これを公表資料の範囲で定量的に調べてみました。
※実際の数字を書いてしまうと勤務先がバレるので隠します。
今回使った資料は以下のとおり。
地元大学(近隣県含む)の進路実績
ホームページに掲載されている進路実績データと、各校で開講している公務員講座の募集要項に載っていた合格実績を使いました。
地元資格予備校(近隣県含む)の進路実績
各校で配っていた公務員講座の募集要項を使いました。
各種SNS
新規採用職員の名前をググってSNSアカウントを探しました。
フェイスブックとEightが特に使えました。
県庁離れの傾向顕著、市町村と国に二極化
地元国立大学の県庁離れは、ホームページを見たらすぐわかりました。
県庁への就職人数が年々減少しています。
県庁への就職人数が年々減少しています。
ただ、公務員試験の合格者総数は減っていません。
ここ3年くらい全体採用数が減少傾向であるにもかかわらず、です。
つまり、地元国立大学では、「公務員離れ」ではなく「県庁離れ」が進んでいるようです。
一方、市町村職員と国家公務員の合格者数は増えていました。
特に国家の増加幅が大きく、総合職・一般職ともに増加。
僕の学生時代の感覚では、地元国立大学からの国家総合職はあり得ないと思っていたのですが、どうやら時代が変わったようです。
その他(国税、裁判所など)は横ばいでした。
地元私立大学の躍進
県庁合格者の減少分を補っているのは、一体どこなのか。
可能性として考えれらるのは以下3つ。
- 地元国立大学以外の地元大学
- Uターン者
- 新卒者以外
①に関しては事例を見つけました。地元の私立大学です。
ホームページの進路実績を見ると、県庁が大幅増加しています。
偏差値的には地元国立よりも大幅に劣る(併願先にすらならない)にもかかわらず、大学側がしっかりサポートすることで合格実績を伸ばしているようです。
大学主催の公務員講座募集要項によると、現役職員(もちろん同大学OBOG)との交流会なんかも開催していました。
合理的に複数人にOB訪問できる良い取組だと思います。
②③はよくわかりません。
地元資格予備校の資料だと、合格者数に大きな変化はありません。
Uターン者が激増しているのであれば、合格者数が落ち込むはずなので、②はあまり関係ないと思われます。
地元の雄である国立大学からの就業者数減少。
僕の勤める勤務先だけなのか、地方県庁全般に当てはまる傾向なのか。
僕の勤める勤務先だけなのか、地方県庁全般に当てはまる傾向なのか。
気になるところです。
コメント
コメント一覧 (11)
高卒入庁者はむしろ優秀と評価されるので、この差は何なのかと笑
高卒入庁者と言ってもその出身高校は地元の公立進学校が多いですからね。偏差値が高くない私立大学出身者の出身高校より偏差値が高いでしょう。
地元国立にいけるくらいは優秀なんだけど家庭の事情や早く社会に出たいという理由で高卒公務員を志望されるらしいです。
個人的には、高卒入庁の方は初任上司の影響を(良くも悪くも)色濃く受けてしまうように思います。良い上司のもとで学べた人は伸びますし、面倒な人の下についてしまうと面倒な人になってしまうという……
立派な人も多いのですが、コンプレックスを変に拗らせてしまって面倒な気質の人に育つこともあるような
本当は高卒新採同士の横のつながりなんかがあれば違うのにな、と思ったりします
進学率が上がった昨今、同年代は大学生やってたりすると、どうしても複雑な思いになってしまうのは当然だと思いますし。人事当局によるケアができないかな、と
完全に同意です。僕の勤務先県庁では、高卒新採職員は(簡単な業務を割り当てようという配慮なのか)出先機関配属になりがちで、そのせいで横のつながりが作りづらいようです。しっかり教育するという意味でも、本庁の大きめな部署に配置したほうがいいのでは?と思います。
他の職業としっかり比較検討したうえで「県庁で働きたい」と思ってくれているのであれば、賢い選択かつ採用側としてもありがたいです。大学で学ぶことは実務には全然生きないので、吸収力の高い10代のうちから実務経験積むのは良いことだと思います。
ただ実際の高卒採用の方々を見ていると、十中八九、「高校の頃にちゃんと進路を考えるべきだった」等と、公務員になったことを悔いている人が多いので、18歳時点での職業選択はなかなか難しいのかとも思います。