キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2018年03月

定時過ぎたあたりから、職場が騒然となりました。

<金沢市役所4人刺傷>33歳男を逮捕「今は話すことない」

だいたいの自治体って、手荷物検査もなく誰でも入れますし、こういった凶行を犯そうと思えば簡単にできるんですよね……改めて痛感しました。
東京都庁は確かセキュリティ窓口があって、アポイントをとらない限り執務スペースには入れなかったはずですが、田舎のほうでは全然聞いたことがありません。

僕もこれまでの県庁職員生活の中で、
空の一升瓶を持った人の対応をしたことが一度だけあります。
殴り掛かってくるわけでもなく、単なる酔っ払い(暖かいところでバスを待ちたかったらしい)だったので助かりましたが、もし相手に殺意があったらおしまいでしたね。

職員にできる自衛としては、とにかく逃げることくらいしか思いつきません。
日ごろから机の周りを片づけて、いつでも逃げられるようにしないと……

過去に記事にしたとおり、自分は民間企業全滅、無い内定の状態で、すがりつくように公務員試験を受けました。

しかし、採用後に同期職員と話していると、自分のようなパターンはレアケースで、新卒の場合は公務員専願が7割弱、あとは民間企業の内々定をもらったうえで公務員を選択した人が多く、民間全滅の話をすると「大変だったね……」と慰められることもありました。

今も民間企業を保険のため受けるという方は一定数いると思いますので、実際に地方公務員(主に県庁職員)として働いている若手職員が、実際にどんな企業から内々定を貰っていたのか、自分の見聞の範囲で紹介します。

地方の金融機関(特に地銀)

圧倒的に多いのが、地銀や信用金庫です。男性の場合は総合職だけですが、女性の場合は総合職・一般職どちらもいます。
ただ、公務員受験者だと受かりやすいわけではなく、単に地方の企業の中でも採用数が多いためと思われます。

合否は別にして、他の地場産業よりも受験しやすいのは間違いありません。「金融という地域を支えるインフラ~」のような観点であれば、公務員の志望理由と内容をかぶせられるので、一から業界研究や企業研究をする手間も省けます。


ただ、採用側も、公務員志願者が一定数内定者に紛れ込んでいることを勿論承知しているので、公務員試験を妨害してくることが多いです。
試験直前期に半強制参加の懇親会や勉強会を開いたり(「頭取も来る」等の触れ込みで休みづらく仕向ける)、フェイスブックやLINEの内定者グループを作って「同期の仲間関係」が早々に固まっていくよう促したり……露骨なところでは、一次試験の日に参加必須のイベントを入れるところもあります。

「強制参加」「参加必須」とはいえ、法事と被ったといえば休ませてもらえます。ただ、法事の詳細を詰めて聞かれるので、入念に嘘を考えておかないといけないようです。


ハウスメーカー

次いで多いのが、ハウスメーカーです。
理由は全く分かりません。なぜか多いです。僕の周囲だけの特例かもしれませんが、多いです。
「内々定者の飲み会で公務員受験仲間を見つけて意気投合、公務員採用後も仲良し」なんて話もたびたび聞きます。


大手サービス業(飲食・小売)

あとは、全国展開している大手の小売・飲食企業です。
採用数が多く、面接回数が少ないため、ローコストで内々定までたどり着けるからだと思われます。



こうやって書き起こしてみると、併願先として一番手堅いのは地銀なのかなと思います。
僕は第一地銀も第二地銀も落ちましたが……

現状、地方で生きて行くには自動車が欠かせません。
これは私生活だけでなく、仕事でも同様です。

地方公務員の場合、仕事で外出する際には、役所で保有する車(公用車)を使います。
「公用車」といわれると運転手付の高級車のイメージがあるかもしれませんが、実際は黒塗りセダンから軽自動車まで、様々な車種が用意されています。

管内に山岳地帯がある自治体なら、ランドクルーザーのような悪路に強い車も用意されているでしょうし、砂浜が広がっている自治体なら、ホイールローダーのような特殊車両も持っているでしょう。

かつては、正規の職員として運転手さんを採用していたらしいのですが、行財政改革の流れの中で、現在はほとんどいなくなっています。そのため、車を使いたい職員が自分で運転するしかありません。

MT車もけっこうある(特に市町村)

公用車の中には、マニュアル車(MT車)も少なからずあります。

古い車ほどマニュアル車が多くなります。かつてはAT限定免許の人間が少なかったので、調達時にAT・MTの区別を気にしなかったのでしょう。
公用車は壊れるまで乗るのが基本のため、とんでもなく古い車が現役で使われていることもあります。

特に市町村では、どんな業務にも役立つことから、軽トラックを多数保有しています。軽トラックは特にMT車が多く、職員としてもMT車を運転する機会は県庁よりも多くなると思われます。

「運転免許がAT限定だから」という理由で不採用になる自治体はさすがに無いとは思いますが、実際に働いてみると、AT限定だと困る場面がたびたびあるかもしれません。
勿論、AT限定免許人口が増えてきているので、今後新たにMT車を買うことは無いと思われます。そのため、AT限定だと困る場面も減っていくとは思います。

余程の車好きでない限り、教習所を卒業したらMT車には乗らないのではと思うのですが……MT車の運転ってブランクがあってもできるものなのでしょうか?

僕としては、慣れないMT車を運転してヒヤヒヤするよりも、「AT限定なんです…ごめんなさい」と謝るほうが、ずっと気が楽です。

ATでも難しい車もある

AT車であっても、自家用車とは違う車を運転すると、楽しい反面怖いものです。

地方公務員の仕事では、僻地に突撃したり、
大人数を運ばなければいけない場面が多々発生します。
公用車には、こういったやや特殊な用途向けの車(ランドクルーザーやデリカ、ハイエースなど)も用意されていて、スペック的に無茶を強いられることはあまりないでしょう。

ただ、普段コンパクトカーしか運転したことがない人間が、いきなりこういった車を運転すると、とても怖いです。
防災部署にいたとき、ランドクルーザーで自然災害の現場を見に行くことが何度かありました。初めて運転したときは、自家用車よりも座席の位置が高く、視界が全然違っていて、生きた心地がしませんでした。
慣れるとすごく楽しいんですけどね……

ちなみに僕もAT限定、マイカーはコンパクトカーです。
日々びびりながら公用車を運転しています。

民間企業と同じく、新規採用された地方公務員は、まずは初任者研修を受けることになります。

ただ、民間企業よりも量質ともにあっさりしている自治体が多いようです。


僕のときは、3日間の研修で、基本的なビジネスマナー講座と、県庁各部署の主要施策の講義があっただけで、「実務的なスキルは部署によって全然違うので、各配属先で先輩から教わってくれ」という説明がされていました。

研修として有益だったとは正直言い難いです。同期職員との顔合わせの機会だと思えばそんなものですが……


部署によって必要となるスキルが全然違ってくるのは事実です。
かと言って、どこの部署でも必要となる普遍的なスキルが存在しないかといえば、そんなことはありません。
実際に僕が5年間の勤務で3つの部署を回ってみて、どの部署でも必要となるスキルで、かつ勉強して早々に身につけるべきなものも、確かに存在すると思いました。


あくまで5年間の経験に基づくイキッた見解です。将来見返したら恥ずかしくなること覚悟の上で書いてみます。

※3/10 「天気予報の読み方」を追加しました。


法令の読み方

幸い、名著があります。こちらをまず通読して、なんとなく感覚を掴んでから、実務中に疑問に思うたびに参照すればよいでしょう。



新版もあります。



以下2冊も大変有用ですが、鵜呑みにはできないところもある(安易に反対解釈を適用できなかったり)ので、半年くらい経って慣れてきたら読むと良いでしょう。




公用文の書き方

公用文には、通常の文章とは異なる作文のルールがあります。

知らなくても業務自体はできるんですが、少しでも法的拘束力のある文書を作るときには、知っておいたほうが無難です。


こちらもガイドラインがあります。

まずは軽く目を通して、実務中に随意参照して身につけていけばいいでしょう。

文化庁ー公用文の書き方資料集
文化庁―国語施策情報

デジタルカメラの使い方

これだけちょっと毛色が違い、キモオタクっぽくなりますが、上二つと同じく必要です。

業務からインターネットを使った情報発信が欠かせなくなった今、どんなものにも写真素材が必要とされています。

いきなり一眼レフを渡されて「広報用の首長の写真をとれ」と言われることもあるでしょう。そのときに露出の仕組みを知らずにぶれまくった写真しか撮れずに大目玉を食らったケースを何度も見てきました。

このことは別記事で詳しく書きたいと思います。


天気予報の読み方(2018/3/10追加)

意外かもしれませんが、どんな部局の業務であっても、天気予報が結構な割合で絡んできます。
だれでも手軽に確認できる天気予報ですが、実はかなり独特の用語法が使われていて、性格に意味を理解できている人は少ないと思われます。
「降水量0ミリ」は「雨が降らない」ではなく「0.5ミリ未満の雨が降る」という意味だったり。

気象庁のホームページに用語法が載っているので、必要に応じて見ていけばよいと思います。
気象庁―予報用語

あとは、自分の勤める自治体の注意報・警報の基準を押さえておけば、ばっちりでしょう。
気象庁―警報・注意報発表基準一覧表



パソコンの使い方も入れようかなと迷いましたが、これは体系的に勉強するものというよりは、必要になったときに少しずつ身につけていけばいいのかなと思い、入れませんでした。

「どの部署でも役立つ『普遍的な』スキル」と言いつつも、回答者の異動歴によって全然答えが違うんだろうなとも思います。
僕は一度も庶務・経理を経験したことがないので、こういう回答になりましたが、一度でも担当していたら「何よりも簿記だよ簿記!」って言ってそうな気がしたり。
冒頭にも書きましたが、「あくまでも採用5年目の意見」ということでお願いします。


前回の記事で昇給ペースについて書いてみましたが、今回は実際にどれくらい貰えていて、どれくらい貯蓄ができているのか、自分の事例を紹介します。

【前提】僕の生活状況
・実家暮らし
・自動車(普通車)保有
・独身(妻子なし)、恋人なし
・ほとんど酒飲まない
・煙草吸わない
・ギャンブルしない
・オタクだけどイベントには行かない、グッズは買わない(ソフトは買う)
・旅行しない(家庭の事情で行けない)

1年目:140万円(手取り総額230万円)

1年目・2年目は防災系の部署にいたため、職場待機(宿直)による残業手当がガッツリ入りました。新人なので宿直中も大した仕事は無く、正直美味しかったです。
宿直分を除けば、手取り200万円に届きませんね……

この年は長編のパソコンゲームに興じていて、土日ほとんど引きこもっていました。
そのため、出費も少なかったです。結果、手取りの半分以上を貯蓄することに。

2年目:140万円(手取り総額250万円)

昨年に引き続きがっぽり宿直手当を貰ったうえ、通常業務も忙しくなって、さらに残業が増えました。

世間に少し遅れてラブライブ!に嵌ってしまい、土日はひたすらことうみSSを書いていました時期です。
ブルーレイを買ったり、スクフェス用にiPadを買ったりしたので、前年よりは出費が増えています。


3年目:20万円(手取り総額240万円)

総務系の部署に異動して宿直手当が無くなったうえ、仕事が暇で残業も減りました。
結果、昇給しているはずなのに手取額が少ないという悲しい状況に。

支出面では友人の結婚式が続き、交通費や宿泊費、ご祝儀が積みあがってとんでもない額になりました。クレジットカードの限度額超えも何度かありましたね。
結婚式用のスーツや、プチ旅行用の鞄など、買い物も多い年でした。

4年目:170万円(手取り総額280万円)

前年とは一転して仕事が忙しくなり、がっつり残業しました。
休日出勤しまくった結果、お金を使う気力も体力もなく、知らぬ間に貯蓄されていました。


5年目:20万円(手取り総額290万円)

観光系の部署に異動になり、県外出張が増えました。
県外に出ると、つい遊んじゃうんですよね……前泊・後泊をつけて観光したり、リッチな食事を取っちゃったり。
前年と同じくらいの手取りなのですが、豪遊した結果、全然貯蓄できていません。


5年間の県庁生活で、トータル490万円の貯蓄ができたことになります。
結婚式を挙げて新婚旅行に行けば、簡単に全額飛びますね……

ものすごく可処分所得の多い生活をしているはずの僕ですら、この程度の貯蓄に止まっているので、ちゃんと家庭を持っている同期職員は本当に自転車操業なんだろうなと思います。
この記事を書きながら深く反省しました。出張先で自分だけ豪遊してないで、せめておみやげを買ってこようと思います……

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