キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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2018年04月

今年の新採職員と話していると、自分が随分「役所の常識」に染まってしまっていることを思い知らされます。

今回はその一つ、「事業」と「庶務」という役割分担について紹介したいと思います。

こういう役所の常識を知っていると、面接で有利かもしれません。 世間一般としては筋が通っているように聞こえても、役所の常識にどっぷり漬かった人間にとっては的外れに聞こえてしまうという、悲しいケースを避けられるでしょう。

“ライン”と“スタッフ”が机を並べてます


「事業」と「庶務」とは、担当業務の中身・性質を分類する、最も大きな分類枠です。
地方公務員の下っ端が担当する業務は、ほとんどこのどちらかに分類できます。
たいていの職員は、「事業」か「庶務」のどちらかだけを担当します。人数の少ない部署で両方担当していることもありますが、メインの業務がどちらなのかは必ず設定されています。

ここまでは公務員に限った話ではありません。そこそこの規模の組織であれば、どこでも似た環境でしょう。
経営学にも「ライン」「スタッフ」という用語がありますが、「事業」が「ライン」、「庶務」が「スタッフ」にだいたい相当します。

地方公務員特有の事情とは、ひとつの部署の中に事業・庶務の両方が在籍している点です。「営業部」のように、ラインだけの部署が無いのです。

「事業」と「庶務」の業務内容


事業と庶務の担当 同じ部屋で机を並べているとはいえ、仕事内容は全然違います。

基本的に、庶務の担当は、事業の中身に口出しをしません。 口出しすることを求められていない、というほうが正確かもしれません。
基本的には、事業担当がやることの経理をやるのが庶務担当です。どちらかというと不適切な経理処理にならないよう、ストッパーとして機能するのが庶務担当です。

事業担当とっての庶務担当は、面倒な後処理を代わりにやってくれる、とてもありがたい存在です。ただ、場合によっては、事業目的を遂行するためのハードルになることもあります。
庶務担当にとっての事業担当は、飼い慣らすべき存在です。好き放題されるほど、自分の手間が増えることになります。

ありがちなやりとり(フィクション)

例として、「地元出身女性声優によるインスタグラムを活用した観光情報の発信」という架空の事業を考えてみます。

この事業では、地元出身の若手女性声優であるSさんを起用して、四季ごとの観光情報を、ご自身のインスタグラムアカウントで投稿してもらいます。もちろん、無償ボランティアではありません。投稿の対価として、県から謝金を支払います。

謝金の金額を決める時に、事業担当と庶務担当のやりとりが発生します。

事業担当は、どれだけ支払えば事業の効果が最大化されるかという観点から、謝金額を考えます。
この事業の場合、事業担当としては、なるべく上限に近い金額を支払いたくなります。
けちけちせずにお支払いしておけば、相手方に良い印象を残せ、今後さらなるタイアップが期待できるからです。
今回は、上限である「5万円」を支払いたいと提案します。

一方、庶務担当は、謝金の金額が経理上適切かどうかという観点で考えます。
自治体には「謝金規程」があり、金額の上限が決められています。
これを確認してみると、「5万円」支払う場合とは、「著名な大学教授や人間国宝など、その人以外では遂行不可能な仕事を頼む場合に限る」と書かれていました。
「インスタグラムアカウントを持っている地元出身の著名人」は、Sさん以外にも何人かいます。そのため、庶務担当としては、「この事業は、Sさん以外でも遂行可能。5万円は高すぎる」という判断になります。

このように、事業担当と庶務担当の意見は、たびたび食い違います。

食い違った場合は、基本的に庶務担当の意見のほうが優先されます。
事業効果の最大化よりも、規則を守るほうが優先されるからです。

5万円案が一度却下されてしまったら、事業担当は諦めるか、「5万円にふさわしい」根拠を探すことになります。
Sさんのフォロワー数が他の地元有名人に比べて圧倒的に多いとか、Sさんのインスタグラム運用がものすごく上手いとか、「Sさんでなければいけない」理由を探します。
見つけた理由を庶務担当に示して、再度議論し、庶務担当が納得してくれれば、5万円の支払いをしてもよいか、正式に上司に諮れることになります。
再度却下された場合は、根拠探しを再開するか、諦めるか……たいていは諦めます。

事業がやりたいのか、庶務がやりたいのか


地方公務員として働くうちに、「事業」「庶務」という立場で考える習慣が自然と身に付いていきます。
そのため、学生さんや新人さんが「事業と庶務を一人で同時にこなしていきたい」のような発言を聞くと、どうしても違和感を覚えてしまいます。

ありがちな主張(ノンフィクション)

例として、先日の採用説明会にて、実際に聞こえてきた発言を紹介します。

「会計学ゼミで学んだ知識を活かして、県の観光PRイベントがうまくいくように、特別会計のバランスシート改善を通してアプローチしたいと思います」

彼としては、会計学の知識を活かしてよりよい観光PRイベントを作ります!と言いたいのでしょう。
しかし、その通りに解してくれる役所の人間は殆どいないでしょう。
観光PRの中身を考えるのは事業担当、特別会計を触るのは庶務担当。別々の職員がやるものという前提があるためです。

役所の人間からすると、彼の発言は、本来別々の職員が担当する業務を、ひとりでこなしてみせますよ!職員数が削減できますよ!とアピールしているように聞こえてしまいます。これは残念ながら、あんまり求められていない能力です。

事業と庶務、どっちがいいのか?

事業も庶務も、どちらも大切な仕事です。優劣は無く、好みや適性によって、どちらが良いか決まってくると思います。
どちらもこなせるのが理想ですが、実際の配属履歴を見ていると、どちらかに偏る場合が多いようです。
部署が変わっても庶務の仕事は大抵共通していることから、「若いうちに一度は庶務を経験したほうがいい」とよく言われますが、若くして庶務を担当すると、ずっと庶務を続けるというパターンがとても多いです。
もしかしたら、配属される部署よりも、キャリア形成に強く寄与するいるかもしれません。

ちなみに自分は、事業しか経験していません。
一度でも庶務担当をやっていれば、もっと地方公務員あるあるネタを拾えるのでしょうが……



(追記)
庶務担当は基本的にストッパー役として機能しますが、ものすごく世話好きな方や、事業内容に個人的に興味のある場合には、話は変わってきます。庶務的に問題のない範囲で、事業の効果を最大化する方策を一緒に考えてくれます。

例に挙げた事業の場合であれば、「インスタグラムでの発信だけだったら別の人でもできるけど、せっかくSさんとタイアップするなら、彼女のインターネットラジオ番組とも連動しようよ。ラジオも活用するとなると彼女しかできないから、謝金は5万円で確定だね」という助言をくれるなど。本当に心強く、ありがたいです。
こういった方は、もれなく出世コースに進みます。

歓迎会シーズンもすっかり終わり、夜の街が静かになってきました。
自分はアルコール類を全く受け付けない体質なのですが、飲み会の雰囲気自体は嫌いではありません。
ただ、初対面の方に「自分アルコール駄目なんですよ……」と説明するのが若干大変です。
すぐ真っ赤になるのがせめてもの救いですね。

今回は公務員の宴会事情について紹介します。
部署によって状況がかなり異なるテーマなので、あくまでも僕の見聞の範囲内ということでご査収ください。
 
アンチ宴会派の公務員ブロガーが多いようですが、自分は好きでも嫌いでもありません。
できるだけ中立の観点で書いていきたいと思います。

オフィシャルな宴会は少なくとも年4回

年度始めに、部署の中から数名の幹事を選出します。
基本的に、ここで選ばれた幹事が、所属全体に声かけをする、いわゆるオフィシャルな飲み会を企画します。

どこの所属でも、歓迎会、暑気払い、忘年会、送別会の4回は少なくとも開催しているようです。
所属によっては新年会もやったり、繁忙期が決まっている部署であれば決起会もあるそうです。

飲み会の目的は、お互いをねぎらうことです。
そのため、無礼講や馬鹿騒ぎにはなりません。あくまでも職場の延長線上です。

2次会まではオフィシャル

最低年4回のオフィシャルな飲み会。それぞれだいたい2次会までを幹事がセットします。
2次会までは参加がデフォルトで、参加せず帰る人はなんらかの理由をつけるのが通例です。
「子供の習い事で明日早朝に車を出さなきゃいけない」あたりをよく聞きます。

僕のような家庭を顧みる必要のない独身若手は、早々に帰らなければいけない理由がありません。
そのため、一次会だけで帰るのは、ほぼ不可能です。

3次会以降は、各自にお任せです。飲み会好きな人が声かけをして、行きたい人はついていくような感じです。
僕はだいたい2次会で退散しています。

女性が多い職場では、2次会が無いところもあります。

かつては忘年会は泊まりがけというパターンが多かったようですが、最近は減っているようです。

30〜40代の2次会離れ

僕の入庁当時(5年前)と比べ、明らかに2次会参加者が減ってきています。
特に少ないのが、30代〜40代の職員です。
50代以上は自発的にほぼ全員参加、20代は空気を読んで参加する中、その間の層が抜け落ちます。
「子どもがいて共働きだと、遅くまで遊んでいられない」とのことですが……真意の程は不明です。

飲めなくても大丈夫

今のところ、アルコールを強要されたことはありません。
乾杯だけビールで、その後はウーロン茶や変な名前のノンアルカクテルばかり飲んでいますが、咎められたこともありません。
乾杯までソフトドリンクにすると、乾杯の挨拶が遅れてしまうので、ここは全体の流れを優先しています。

中央省庁とは大違い?

ここまでつらつらと書いてきましたが、地方公務員の飲み会は、総じてゆるいと思われます。
一方、中央省庁の飲み会は本当に凄まじいらしいですね。採用試験で飲みっぷりを見ているのではと疑うくらい、酒豪揃いらしいです。怖すぎる……

省庁の中でも、農林水産省文部科学省が特に激しいらしいです。
農林水産省は食を司る官庁だから飲み好きでもまだわかりますが、文科省はどうしてなんでしょうね……
 

Uターンしてきてから常々、田舎は都会よりもずっと下戸に優しいような気がしています。
田舎だと、ハンドルキーパーという役割が持てることが大きいでしょう。
オートマ車ならどれだけでも運転するので、飲酒強要はマジで勘弁。死んじゃう。

地方公務員におけるパソコン仕事は、Microsoft Officeを使ったデータ入力と資料作成がほとんどです。
 
あえて定義してみると、自分の意図や思考、記憶を、キーボードとマウスを使って電子データに置き換える作業、といったところでしょう。
統計ソフトを使った解析とか、グラフィックソフトを使ったデザイン作成とか……やったほうがいいのでしょうが、スキルもソフトもありません。

データ入力や資料作成では、キーボードやマウスの性能が業務効率に直結します。
キーボードについては既に記事にしてありますので、今回はマウスについて紹介したいと思います。

公費で買ってもらえるけど……

職場のノートパソコンには、大抵トラックパッドが付いています。
極論を言えば、マウスが無くても作業は可能です。
ただ、Macbookのように使いやすいトラックパッドならまだしも、windows機をトラックパッドだけで操作するのは至難の技です。
 
そのためか、マウスは公費で支給されています。

しかし……ものすごく安価なものをまとめ買いしているようで、正直に申し上げて、使い勝手は最悪です。
クリック成功率は大体50%です。とにかく反応しません。
それに、すぐに壊れます。半年持てばよい方でしょうか……
型番は書いてありません。ノーブランドの大量生産品なのでしょうか?

というわけで、マウスは自腹購入している方が多いです。

人気のマウスは無線小型

キーボードの記事で紹介したとおり、地方公務員のデスクは狭苦しくなりがちです。
個人で努力しても、どうしようもありません。
そのため、マウスも小型のもの、しかも無線タイプが人気です。

価格帯は、1000円台がメインの様子。
ガジェット好きそうな職員からは、こちらが人気です。
MX Masterだと大きいので、サイズが小さいこっちの方が人気の様子。


 
あとは、トラックボール派も一定数存在します。
机が狭いと、マウスを動かすという動作が取りづらく、書類の山を肘で突きくずしたりしかねません。
指しか使わないトラックボールマウスであれば、こういった事態は起こりえません。

トラックボールだと、この辺りが人気ですね。
ちなみに僕も、ケンジントンのKT-2352を使っています。親指操作タイプがどうしても受け入れられなくて……


 
最初はこっちを使おうと思っていたのですが、大きすぎて断念しました。



 

バンドリ!ガールズバンドパーティ!

配信直後から細々と遊んでいます。

今のところ無課金ですが、ストーリーを全部読むくらいなら余裕で可能です。

 

本作のテキストは読む麻薬とか言われてますが、言外の部分というか、裏設定もきっちり作ってある印象を受けます。

今のところは明らかにされていませんが、もしかしたら闇深設定があるかもしれないものについて、メモです。

 

二つある女子校の関係

花咲川女子学園と羽丘女子学園。設定上、どうやら結構近くに立地している様子。

同じような学校が近接しているというのも違和感があるうえ、 公式もこんな美味しい題材を放っておくようなことはしないだろうと推測されます。

 

2校の関係は、氷川姉妹の関係を暗に示すものにもなりえます。

例えば、受験偏差値に差があるとすれば、その差はそのまま氷川姉妹の学力差になります。

努力家の姉と天才の妹。どっちの方が偏差値高いのでしょうか……

 

白鷺と松原の関係

白鷺にとって、松原は特別な存在です。

仕事とは無縁のオフの世界を体現し、最も素の自分をさらけ出せる相手と思われます。

パスパレのドラム役に松原を誘わなかったことからも、仕事の世界と関わらせたくなかった白鷺の気持ちが見て取れます。

オフの世界の住人という意味で、オンリーワンの存在です。

 

一方、ハロハピを始めてからの松原は、乙女ゲーの主人公のように、メンバーに振り回されています。今回のイベントでは氷川姉との接点まで発生し、さらに混迷を極めています。

松原にとって白鷺は、親友ポジションでしょう。かけがえのない存在であることは間違いありませんが、乙女ゲーの渦中にいる松原にとっては、優先順位の劣後する相手です。

 

要するに、好意の熱量が均衡していないんですよね。

この不安定なところに、丸山と瀬田が絡んできて、ものすごく混沌としています。

 

白鷺と松原の関係は、今のところはあんまり掘り下げられていません。

公式もまだどういう風に展開していくか決めあぐねているものと推測します。

闇のポテンシャルがうまく爆発することを期待しています。

先日の記事にも書きましたが、今年度の定期人事異動で、同期入庁職員がついに出世ポストである「財政部局の予算編成担当」に配置されました。
このことは同期入庁職員の間でも話題になっています。
同期入庁職員からは専ら肯定的です。入庁当時から人望厚かったこともあり、予定調和とも言われています。

一方、「自分でなくてよかった、出世ルートには乗りたくない」という声も、同じくらいよく耳にします。
僕らの世代、いわゆるゆとり世代の若者は、上昇志向が無く、責任ある立場に就きたくない、安定志向が多いと言われています。
出世ポストはもれなく激務です。「出世ルートに乗りたくない」という発言は、激務を避けたいという意味合いであることは間違いありません。

ただ、僕の勤める県庁の場合は、別のニュアンスも含まれます。
今回は、「出世したくない」という若手職員の真意について、自分含め周囲の職員のケースを紹介します。

出世ルート=調整業務

出世ポストに一度就いてしまうと、余程のことがない限り、30代の初めから40代半ばまでを管理部門で過ごすことになります。
40代半ばを過ぎる頃に、事業部門に管理職として出て行くパターンが多いです。

管理部門での仕事は、組織内の調整業務です。
組織内のいろいろな人の意見を取りまとめ、幹部の意向に沿う形に磨き上げていきます。
扱う話題は様々なのでしょうが、やることは変わりません。
いろいろな部署から話を聞いて、まとめて、幹部に報告。幹部の指示を聞いて、各部署に伝達。
これを10年強続けることになります。

一方、出世ルートから外れた職員の場合、30代〜40代前半という年代は、各部局のメインプレイヤーにあたります。

30代の地方公務員=夢がようやく叶う世代

以前の記事で、地方公務員という職の志望動機について書きました。
その中で「純粋に地方公務員の仕事をしたい」という層がいることを紹介しましたが、この層にとってのやりたい仕事とは、管理部門の仕事ではなく事業です。少なくとも、若手のうちは。

30代になると、熱意に経験が加わり、自分の意思をより政策に溶け込ませられるようになっていくと聞きます。
管理職ではないので、立場を機にする必要も薄いです。一番「やりたいこと」を追求できます。
この意味で、入庁前の志望動機を叶えやすいのは、30代と言っても間違いではないでしょう。

しかし、出世ルートに乗って管理部門に回ってしまうと、この時期を事業ではなく、管理業務に費やすことになります。
管理業務では、自分の意見は主張できません。幹部の意向が全てです。

事業部門に戻る頃には管理職になっていて、立場を重んじ、色々な制約のもと、物事を進めなければいけません。
端的に言うと、「やりたい」ではなく「すべき」の発想で動かざるをえません。

つまり、出世ルートに進むことで、地方公務員としての夢を諦めることになりかねないのです。

上昇志向≠出世意欲

はっきりとやりたいことを持っている職員は、やはり上昇志向が強いです。
やりたいことを実現に近づけるために、自己研鑽に励んでいます。

上昇志向とは言っても、組織内での出世意欲とは結びついていません。人間としての資質向上、または行政マンとしての能力向上です。
こういう職員にとって、管理部門で10年超を過ごすことは、苦痛以外の何物でもありません。
管理部門に勤めることで、組織内における調整のスキルは身に付くでしょうが、それが人間としての普遍的なスキルかどうかと言われると……かなり怪しいです。


結局のところ、管理部門のやりがいは、実際にやってみないとわからないのだと思います。
見ているだけでは、やりがいがあるようには見えません。そのため、仕事へのモチベーションが高い若手ほど、管理部門=出世ルートを敬遠します

ちなみに僕も、出世ルートには乗りたくありません。
忙しいのも勿論勘弁なのですが、何より口下手コミュ障なので調整業務が務まりません……

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