キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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2018年08月

以前の記事でも少し触れましたが、地方公務員におけるパソコン仕事は、Microsoft Officeを使ったデータ入力と資料作成がほとんどです。
 
ほとんどの仕事がOfficeだけで完結するとはいえ、あったら滅茶苦茶便利なソフトウェアというものもやはり存在します。
かなりハードルは高いですが、有料ソフトであっても、職場で買ってもらえることもあります。

Adobe is God.

 
例えば、Adobe Acrobat。PDFを合体させたり分割するために、一旦印刷してからスキャンするという阿呆らしい手順を踏めば、目的自体は達成できますが、Acrobatを使ってパソコン上だけで完結させる方が楽だし、見栄えも良いです。

こういうソフトは、予算制約上、買えたとしても所属内で1ライセンスまでです。
そのため、誰か一人のパソコンにインストールしておいて、Acrobatを使いたくなるたびにその人のパソコンを借りに行くことになります。

防災系の部署にいたときは、僕のパソコンが唯一のAcrobatインストール機でした。
PDFデータをいじりたい時には、みんな僕のパソコンを借りにきます。
こんな時、トラックボールマウスを使っていると、ちょっと迷惑をかけてしまうんですよね……

現在の所属では、Adobe Acrobatに加え、illustratorも保有しています。
イベントのたびにチラシを作らないといけない部署なので、たった1ライセンスとは言え、大変重宝しています。全然使いこなせていませんが……

技術職の場合


もちろん、技術系職種の方々は、いろいろな専門ソフトを使っていました。
今でも覚えているのは、「autoCAD」、「QGIS」、「カシミール3D」。

QGISは行政職の仕事でも役立ちそうなので、一度チャレンジしてみたいのですが、田舎だとインプットに使えるオープンデータが皆無なんですよね。
バス路線ベースの商圏分析とか、面白そうだなーと思いつつも、インプット用のデータを作るのは独力では無理です…… 

県庁職員を名乗る以上、国家公務員や市役所には無い県庁職員だけの要素についても触れていきたいところ。

今回は県庁職員として働く醍醐味だと僕が思っている「都道府県担当者会議」(以下、担当者会議)について紹介します。

担当者会議とは?誰でも参加できる?

 
担当者会議とは、ある業務の各都道府県の実務担当者が一堂に会し、各自治体の状況や法令の改正状況といった現状を共有する会議です。

許認可業務や福祉制度のような、法令に基づいて全国一律の運用がなされている業務であれば、だいたい年一回くらいのペースで開催されているでしょう。

一方、観光や産業振興のような自治体ごとに好き放題やっている業務では、担当者会議はありません。

開催形態は、大きく分けて二通りあります。
一つは、国が主催する場合。必然的に東京開催になります。
もう一つは、各都道府県が持ち回りで開催する場合。
爆アドなのは後者です。

どちらにしても、会議の後に懇親会が開かれます。
結構な人数が集まるため、だいたいホテルを借りて開催され、20:00頃にお開きになります。

爆アドの理由


持ち回り式の担当者会議は、縁遠い地方都市に出張できる数少ない機会です。

県庁職員の出張先は、基本的に
  • 近隣自治体
  • 地域の中心都市(地方整備局や経済産業局があるところ)
  • 三大都市圏
に限られます。
そのほかの地域には、用事が無いため出張できません。出張先はかなり偏っています。
 
しかし、持ち回り式の担当者会議の場合は、地域に関係なく主催県に出張することになります。
「担当者会議でもない限り行かないよな」という言い回しが役所内に存在するくらい、レアな地域に出張できるのです。

加えて、担当者会議の日時は、なぜか金曜日の午後開催が多いです。
会議が終わっても、役所に戻る必要はありません。戻る頃には定時過ぎています。
翌日は土曜日、お休みです。
こうなったら、泊まって観光していくしかないでしょう。

つまり、担当者会議は、一部公費で見知らぬ土地を観光できるチャンスなのです。

僕が過去に出席した某担当者会議では、配布資料の中に観光マップがちゃっかり入っていました。清々しいですね。


県庁職員なら誰でも行けるの?


担当者会議に出席できるポスト(担当業務)は、県庁職員の中でも限られます
感覚的には、20ポストに1つくらいではないかと思います。
少なくとも、本庁勤務でないと巡り会えません。

さらに、面白い出張先に恵まれるかどうかも、完全に運です。
下手をすると、47年に一度の主催側を引き当ててしまうかもしれません。


それでも、当たりを引いたときの爆アドっぷりは、県庁職員を選んで良かったと心からしみじみ思えるほどです。
僕は過去に山形開催の担当者会議と巡り会えました。控えめに言っても最高でしたね。
銀山温泉、もう一回行きたいなー。 
 

担当者会議の真の目的?

観光系の部署に異動になってから、担当者会議の主催側の思惑にようやく気がつきました。
 
自治体の下っ端メインの会議とはいえ、47都道府県、人数にすれば少なくとも50人、しかも宿泊を伴う遠方からの出席者もいるとなれば、開催地としてはちょっとしたコンベンションです。

最近はどこの自治体でもコンベンション誘致に力を入れています。
ただ、誘致する以前に、宿泊業界の能力を底上げする必要があります。
キャパ以上のコンベンションを誘致してしまい、対応に失敗してしまうと、二度と使ってもらえなくなるからです。

担当者会議は、コンベンションとしては小規模で、しかも自治体職員相手なので失敗しても傷が浅くて済みます。
つまり、コンベンション対応の練習相手にピッタリなのです。


「県外出張を楽しめなくなってきたら、中年だよ。」
かつて上司が飲み会で放った一言。なぜか心に残っています。真意はよくわかりません。

僕はまだ楽しくて楽しくて仕方がありません。
楽しいあまり、出張先でつい散在してしまいます。
そして、クレジットカードの明細を見て絶望。

交通費分は出張手当で後々賄えるとはいえ、毎月限度額ギリギリの請求が続くのはなかなかスリリングです。

出張手当の性質


公務員の出張手当は、出張業務そのものへの見返りというよりは、自腹負担した交通費の事後的補填に近いです。
そのため、公用車を運転した出張では、基本的に手当はありません。
公用車利用の場合、出張費用を職員個人が負担することはないためです。

基本的には、公共交通機関を使った場合のみ、手当が発生します。

出張手当の金額


地方公務員の場合、手当額は自治体ごとに条例や規則で決められています。
今回は一例として、僕の働いている自治体のケースを紹介します。

手当額は、申請した交通機関を使った場合の最低グレードの最安値が基本です。
たとえば飛行機の場合だと、勿論エコノミークラスで、事前予約&キャンセル不可&席数に限りアリの特別割価格になります。

そのため、株主優待や交通各社のクレジットカード割引でさらに安くチケットを手配できれば、差額分だけお得になりますが……実際はそう甘くはありません。
自腹で払う分となんとか相殺できれば御の字です。

自腹負担分

使用した公共交通機関全部に対して手当がもらえるわけではありません。

例えば、東京出張。
僕の自治体では、新幹線利用の場合は、東京駅までの交通費しか支給されません。
在来線で移動した分は、全額自己負担です。

東京→横浜往復くらいになると結構きついです。支給していただけないでしょうか……

宿泊手当


宿泊が伴う場合には、別途「宿泊手当」が出ます。

1泊あたりの支給額は、出張先の都道府県によって異なります。どこの地域であっても、安めのビジネスホテルになんとか泊まれる程度の額です。

最近は安いホテルが訪日外国人客に早々に抑えられてしまっていて、周到に準備しないと宿泊手当では賄いきれません。

大都市への出張であれば、あえてベッドタウンの近隣県に泊まることで宿泊費圧縮も可能ですが、今度は宿までの交通費が発生します。
勿論、宿までの交通費は一切支給されません。

東京出張の場合でいうと、戸田公園や西川口あたりなら候補になります。
もっと離れると、時間・交通費的に厳しいです。諦めて都内でお高いホテルを探す羽目になります。

税法上の取り扱い

この記事を書くまで、出張手当・宿泊手当分も給与としてカウントされて課税対象になっているものと思い込んでいました。
公費で移動させてもらう以上、所得税くらいは出血しても仕方ないかと堪えていましたが……対象外だったんですね(国税庁HP)。

安心しました。


【ポイントについて】

僕の自治体では、移動代も宿代も職員が自分で支払います。
そのため、クレジットカードやポイントサイト経由で支払えば、ポイント分が自分の懐に転がり込んできます。

ただ、前述のとおり、交通費・宿代ともに満額支給ではなく自腹負担分が発生しています。
僕の場合、1泊東京出張であれば、3,000円前後の自腹負担です。
ポイント込みでも賄いきれていません。

自治体によってはポイント取得を禁止しているところもあるみたいですが、
それだと完全に赤字なので、 気の毒だなーと思っています。

公務員受験ブログでもオススメされている、現役職員へのインタビュー(OB訪問)。
僕自身も受験前に何人かの職員にお話を聞き、実際には定時退社できないことを強く刷り込まれました。

実際に地方公務員として働き始め、インタビューされる側になってみると、公務員試験(特に面接)に役立つような情報を提供できているのか、むしろ偏った情報を与えているのではないかと不安に思うようになりました。

今回は、現役職員にインタビューする際の注意点を紹介したいと思います。
記事にするの、ちょっと遅かったかな…… 

※本記事での「インタビュー」は、採用試験に向けた情報収集のため現役の職員に非公式の場で会って面談することを指します。
あくまで採用試験に限った話です。

偏った個人的見解の危険性

役所内ではどんな部署でも、厳しく情報統制が敷かれています。
下っ端職員が対外的に喋ってもいいのは、すでに公表された情報だけです。

この制約は、公務員志望者相手のインタビューでも同様です。
既に記者発表されていたりホームページに掲載されている内容か、総合戦略や基本方針のような大雑把な方向性しか話せません。

そのため、インタビューでは、具体的な仕事内容の話題になると、ほとんどの職員が「自分の個人的な見解なんだけど……」という前置きを入れてから話し始めると思います。

この個人的見解が大変な曲者です。
個人的見解である以上、その職員の独りよがりなアイデアにすぎません。
いくら具体的で実現可能性があっても、自治体という組織全体にとって許容できるものか、未知数です。
耳触りは良くても、組織的には断固認められない考えかもしれないのです。

つまり、現役職員発のアイデアであっても、面接ウケするかどうかは別問題なのです

もし僕が「インターネットを活用した観光政策はこれからどうあるべきか?」と聞かれたら、「バーチャルユーチューバーみたいな感じでバーチャルゆるキャラを作るべき」と答えます。

もちろん出落ちではありません。モデル作成をどこに頼むか、中の人をどうやって選ぶか、原稿監修をどういう仕組みで運用するか……等々、ローンチからランニングまで具体的に、政治的な根回しも含めてお話しします。

飲み会の場では結構ウケが良いものの、実際に財政当局に予算要求して施策として認められるかは別問題です。

職員から聞いた話は、あくまでも一意見だと割り切らなければいけません。

総合戦略・基本方針を踏まえていないかも… 

地方公務員の面接では、総合戦略や基本方針を熟読して、これらを踏まえて喋ることがセオリーらしいです。

受験側としては、これらの抽象的な文言がどういうふうに具体的な施策に落とし込まれているのか、是非とも現役職員から聞きたいところだと思いますが……恥ずかしい話、全職員がこれらを自覚して仕事をしているわけではありません。
特に庶務系の仕事をしている職員だと、全く知らないかもしれません。

僕も現在の観光系部局に異動するまで、総合戦略も基本方針も知りませんでした。
それまでの配属部局は受け身なところばかりで、建設的な施策とは一切関係していなかったためです。

インタビューをお願いする相手は、産業振興や観光、広報のような、対外的施策を直接担当している職員を選んだほうが無難だろうと思います。

総合戦略や基本方針を作っているのは、企画調整や企画振興という部局になります。
ここの職員に直接インタビューできれば、これらの中身を詳しく聞けるでしょう。
ただ、(自治体によって状況異なると思いますが)この部局は対内的調整業務がメインで、志望動機にできそうな具体的な話を引き出すのが難しそうです。

複数人にインタビューするのがベスト

オススメなのは、複数の現役職員にインタビューすることです。
まずは一人、誰でもいいのでインタビューしてから、「○○について関心あるんですけど、お知り合いの方に会わせてもらえませんか?」とお願いして本命部署の職員を引き出すのです。

紹介されて出てくる職員は、職員の中でも相当まともな人でしょう。
まともではない人は、紹介できません。

具体的な施策の中身よりも、公務員特有の観点、ロジック、発想法がどんなものなのか、教わるというよりは見極めるくらいの気持ちで臨めばいいのかなと思います。

http://www.ibakira.tv/movies/view/101869

茨城県公式バーチャルユーチューバーの名前が正式決定。
オタクとしては、中の人がどうなるのか、ものすごく気になります。
有名どころにお願いするのか、それともオーディションで若い芽を見つけるのか……
引き続き要チェックです。

茨城県って確か、アサツーディケイと関係が深いはずなんですよね。
これのほかにも、広報系の大型業務をいくつか委托していたはず。

バーチャルユーチューバーのアイデアも、アサツー発なのかもしれません。


もし群馬県庁がcv内田彩さんのバーチャルユーチューバー事業を始めたら、経験者採用にチャレンジします。

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