キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2018年08月

公務員試験の結果報告を見かけるようになりました。
合格された方、おめでとうございます。

複数の役所に合格した方は、本命以外のところの内定を早めに辞退してもらえると助かります。
引きずれば引きずるほど、補充が間に合わなくなるので……

無事合格された方は、ようやく試験勉強ともおさらばかと思います。お疲れ様でした。
試験勉強に使った書籍類は、もう2度と見たくないことでしょう。
ダンボール詰めて一括処分しようと準備中かもしれませんが、ちょっと待ってください。
中には翌春からの実務にも役立つものもあります。

今回は、公務員試験勉強の教材の中で、どんなものが実務にも役立つのかを紹介します。
試験勉強に使った教材を処分する前に一読してもらえると嬉しいです。 

※リンクで掲載している書籍は、参考までに適当に選んだものです。

専門科目の基本書は残しておいてもいいのでは?

俗にいう基本書は、もともと公務員試験対策に特化した書籍ではなく、幅広い読者層を想定しています。
試験対策だけでなく、地方公務員として働き始めてからの実務にも役立ちます。
そのため、保管するスペースがあるのなら、なるべく残しておいたほうがいいと思います。

少なくとも憲法・民法・行政法は実務で確実に使うので、ぜひとも残しておくべきです。
僕の場合、試験勉強中よりも実際に働き始めてからのほうが、頻繁に紐解いています。


憲法 第六版
芦部 信喜
岩波書店
2015-03-06


民法I 第4版: 総則・物権総論
内田 貴
東京大学出版会
2008-04-03


行政法 第5版
櫻井 敬子
弘文堂
2016-02-17

 



統計学も実務で使います
業務でアンケートを取る際、どれだけの数を集めないといけないのか、統計学の考え方をもとに算出することがあります。
今流行りの学問でもあるので、教養や話のネタとしても残しておいたほうが良いでしょう。

はじめての統計学
鳥居 泰彦
日本経済新聞社
1994-11-01



経済学
の基本書も、部署によっては頻繁に使います。
国の省庁では、制度設計にあたり、マーケットデザインやゲーム理論などの経済学(試験科目でいえばミクロ経済学寄り)の知見を利用しています。
この辺りの考え方を調べるため、基本書を紐解かなくてはいけません。

ミクロ経済学の力
神取 道宏
日本評論社
2014-09-25






あとは財政学です。
実務にあたっていると、財政の大局的なルールを見失いがちです。
時折見返して、自分は客観的にはどういう立ち位置で、どういった機能を果たしているのか、位置確認をすると良いでしょう。

財政学
持田 信樹
東京大学出版会
2009-10-22



参考書も1冊は残しておいてもいいかも?

地方公務員は、とにかく資料を作ります。何でもかんでも資料作りから始めます。

地方公務員の資料は、なるべく情報量を盛り込みつつも1枚に収めることが求められます。

公務員試験に限らず、試験の参考書はわかりやすい文章・ページ構成になっていて、資料作りの参考になります。
お気に入りのものを1冊残しておくと、後々役に立つでしょう。

その他役立つもの




詳説世界史研究
山川出版社
2017-12-03




 

詳説日本史研究
山川出版社
2017-08-31



地方公務員の教養として、地理・歴史は抑えてほいたほうがいいと思います。
(主にクレーマー対策のため。知らないとマウントを取られるかも。)

僕の場合、最初に配属された部署が防災系だったため、理系の参考書(特に物理・地学)も役に立ちました。




新 百万人の天気教室
白木正規
成山堂書店
2013-11-08



自分の手元に残しておくのではなく、友人や後輩に譲るのもアリだと思います。

科目にもよりますが、改訂版で追記された最新の内容は、公務員試験では滅多に出題されません。
試験勉強目的なら、少し古い版でも支障無いでしょう。 

2014年に文庫版が出版されベストセラーになった『ファスト&スロー』。



今回は、地方公務員の仕事という観点から『ファスト&スロー』を振り返り、日々の仕事に活かせそうな観点を考えてみたいと思います。

人間がいかに錯覚に陥りやすく不合理な選択をしがちであるのかを説明した超有名な本書。
内容を解説しているブログは既に多数あり(ライフハック系のブログならどこでもやってる?)、何番煎じになるのか数えきれないほどですが、お付き合いいただければ。


速い思考(システム1)と遅い思考(システム2)

公務員ネタに入る前に、本書の内容を軽く紹介します。

◆人間の思考には2つのパターンがあります。
◆ひとつが、様々な要素を考慮しながらじっくりと、批評的に考える「遅い思考(システム2)」です。
◆こちらを使うと疲れるし時間がかかるので、普段は「速い思考(システム1)」が優勢です。
◆システム1には色々な特徴があり、システム1にばかり頼っていると、不合理な決断をしてしまいかねません。

〇システム1の特徴(僕のメモより)

・印象、感覚、傾向を形成する。システム2に承認されれば、これらは確信、態度、意志となる。
・自動的かつ高速に機能する。努力はほとんど伴わない。主体的にコントロールする感覚はない。
・特定のパターンが感知(探索)されたときに注意するよう、システム2によってプログラム可能である。
・適切な訓練を積めば、専門技能を磨き、それに基づく反応や直感を形成できる。
・連想記憶で活性化された観念の整合的なパターンを形成する。
・認知が容易なとき、真実だと錯覚し、心地よく感じ、警戒を解く。
・因果関係や意思の存在を推定したり発明したりする。
・両義性を無視したり疑いを排除したりする。
・信じたことを裏付けようとするバイアスがある(確証バイアス)
・感情的な印象ですべてを評価しようとする(ハロー効果)
・手元の情報だけを重視し、手元にないものを無視する(「自分の見たものがすべて」WYSIATI)
・いくつかの項目について日常モニタリングを行う
・セットとプロトタイプでカテゴリーを代表する。平均はできるが合計はできない
・異なる単位のレベル合わせができる
・意図する以上の情報処理を自動的に行う(メンタル・ショットガン)
・難しい質問を簡単な質問に置き換えることがある(ヒューリスティック質問)
・状態よりも変化に敏感である。(プロスペクト理論)
・低い確率に過大な重みをつける
・感応度の逓減を示す(心理物理学)
・利得より損失に強く反応する(損失回避)
・関連する意思決定問題を狭くフレームし、個別に扱う

この「システム1とシステム2」に加え、「エコンとヒューマン」「経験する自己と記憶する自己」という、3種類の人間観の対比・対立構造が、本書の趣旨です。

「いかにシステム2を働かせ続けるか」が地方公務員業務のカギ

地方公務員として働くにあたり重要なのは、システム1を押さえつけるとともに、システム2をサボらせずに稼働させ続けることです。

地方公務員の仕事は、拙速より巧遅を求められます。

当初の締切を若干過ぎてしまっても、手落ちがあるよりは確実にマシという判断が下されます。

さらに、仕事の進め方でも、準備の初期段階から抜け目なくチェックを重ねていく方法が好まれます。一方、少しずつ進めながら徐々に軌道修正していくという方法は忌避されます。

「手落ちを予防する」「抜け目なくチェックする」といった知的作業は、システム2の役割です。

前述のとおり、システム2を使うには余計なエネルギーを要します。
そのため、こういった作業に取り掛かろうとすると、真っ先にシステム1による拙速な判断が頭をよぎります。

ここでシステム1を抑え、システム2をしっかり働かせ続けなければいけません。

まずはシステム1で対処しようとする判断は、生物として大変合理的です。
わざわざシステム2を働かせるのは、エネルギーの浪費にほかなりません。
地方公務員の仕事を遂行するには、意志の力をもって、本能に逆らわければいけません。

僕の場合、どうしてももれなくチェックが必要なときは、あえて物事を進めるペースを落とすようにしています。
焦っているときにシステム2を機能させるのは、至極困難です。まずは落ち着くことが不可欠だと思います。

他者のシステム2を呼び起こす

自分だけでなく、仕事の相手方に対しても、システム2を働かせてもらう必要があります。

相手がシステム1でなんとなく理解した気になっているだけでは、時間が経てば気が変わることも十分あり得ます。
そのため、重要な情報共有の場面では、相手のシステム2を呼び起こし、システム2の批判的・複合的思考機能を経たうえで合意をとりつけなければいけません。

セールストークの極意を説いている本では、「システム2を機能させる前に決済させましょう!」と説かれています。正反対の発想ですね。

行政の非効率性がよくわかる?

『ファスト&スロー』を読んだ方であれば、「構成員全員が常にシステム2を働かせ続けるよう要求される組織」がどれだけ非効率か、よくわかってもらえると思います。

行政(少なくとも県庁レベルまで)は、こんな発想の組織です。
さらに言えば、出世する方は例外なくシステム2を常時光らせていられる人間です。

よく「行政は無駄が多い」と言われて非難されていますが、どうして無駄が多くなるのか、『ファスト&スロー』を読めば実感をもってお分かりいただけるでしょう。

文庫版で上下巻に分かれていて、それぞれ分厚く見えますが、とても読みやすいです。
夏休みに一気に読んでしまうのもおすすめです。

前回の記事で、リスク資産の運用について早めに考え始めるべきと書きました。
できることなら採用1年目にすぐ証券口座を開設して、まずは積立系のリスク資産運用をスタートさせてほしいと思っています。

今回は地方公務員の貯蓄資金について、先輩や同僚から見聞きした実情を紹介します。

端的にいうと、地方公務員の場合、結婚を視野に入れる前にリスク資産運用を始めておかないと、子どもが大きくなるまで始められなくなってしまうパターンが多発しているようです。

※本記事での「リスク資産の運用」という表現は、日本円での貯蓄以外の資産運用を指します。僕は日本円貯蓄オンリーも立派な資産運用だと思っているので。

財源的な問題

若手地方公務員の収入は大したことありません。
僕の場合(過去記事参照)は、防災部局勤務だったため宿直手当が発生しているので、同年代の地方公務員よりもだいぶ高額になっています。
 
地域手当が大幅に加算される都心部勤務だったり、残業代が100%支給される超裕福自治体でガッツリ残業しない限り、この金額を超えることは無いでしょう。

貯蓄に回せる金額は最大月5万円くらい、つみたてNISAとiDecoの上限額をなんとか満たせるくらいでしょう。

しかし、結婚を視野に入れ始めると、この分(月5万円)の多くを結婚費用に回さざるを得なくなります。
さらにお子さんが誕生すると、養育費用が発生するうえ、両親いずれかが産休・育休に入ってしまうと世帯収入が減り、さらに金銭的余裕がなくなります。


つまり、結婚前でないとろくに貯蓄資金を用意できないのです。
こうなる前に、若干でも「お金がお金を稼いでくれる」状況を作っておきたいところ。そのためには、早めにリスク資産運用を始めるのが効果的です。

モチベーションの問題

リスク資産運用を始めるには、エネルギーが必要です。
 
積立であれば、スタート時点に少し手間が発生するだけですが(手続諸々、投資先の勉強など)、人間、未知のものにチャレンジするのは、なかなか気が進まないもの。
結婚を視野に入れてしまうと、結婚式という直近の目標のほうばかり見てしまい、さらに先の生活(運用)へのモチベーションがますます減退してしまいます。

つまり、人生のビッグイベントが迫ってくると、リスク資産運用の第一歩を踏み出す気力が無くなってしまうのです。
暇なうちに一歩を踏み出しておかないと、どんどん足取りが重くなってしまうのです。


そもそもリスク資産の運用をすべきかどうか、僕は断言できません。
僕もつい先日、デイトレで回そうとした新興株が後場で暴落して、40万円損切りしました。ボーナス1回分ですね。

無知なままではカモられます。自衛のためにも、少しでも齧っておいたほうがいいのでは?

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