キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2018年11月

「公務員=定時退社」という意識で入庁してくる新人が多いので、あえて断言します。
県庁職員には「アフター5」という概念がありません。
自分の都合に合わせて退勤時間を決められる職員は、ごく一部に限られます。

そのため、平日に何かやりたいのであれば、朝の時間を充てるほうが良いと思っています。

夜のプライベートタイムはあてにできない

多くの役所では、出勤・退勤の時刻を管理していません。
そのため、定時という概念が民間と比べて相当緩く、「定時までに仕事を終えないと」という意識が希薄です。

定時意識の低い管理職は、平気で定時直前に「明朝まで」期限の仕事を指示してきます。


加えて、役所特有の事情もあります。

役所という立場上、住民からの苦情やマスコミからの取材、議員からの問合せがあれば、原則すぐに対応しないといけません。
この場合は、たとえプライベートの予定が入っていても、仕事優先です。
対応完了するか、相手が諦めるまで、ひどい時には日付が変わっても対応し続けます。

このように、地方公務員は頻繁に夜のプライベートタイムを仕事に潰されます。
コンプライアンスがゆるゆるという改善可能な事情もあれば、地方公務員という立場上どうしようもない理由もあります。
後者のほうも過剰サービスではないかと思うこともないのですが、現状、役所の努力だけでは変えようがありません。

朝という聖域

一方、出勤前の朝の時間は、夜よりもずっと自由に、自分の裁量で使えます。

この時間を何に使うかで、人生の方向性が変わってくるのではないかと思います。
極限まで睡眠に充てるも良し、運動するも良し、勉強するも良し。
とにかく、貴重な時間であるという意識と、目的を持って使うことが大事だと思います。

ちなみに僕は、ソーシャルゲームのログインボーナス回収と読書に充てています。
特に前者が重要です。一旦出勤してしまったら、その日のうちに帰ってこられとは限りませんから。

※通勤時間でもいいのでは?という見解もありますが、僕は自家用車通勤のため、通勤時間を充てられません。

現役地方公務員のブログやSNS投稿を見ていると、役所語法に毒されているなあと感じるものを時々見つけます。

ブログの差別化、つまり地方公務員らしさを出すための戦略として、役所語法を盛り込むのは大いにアリだと思います。
しかし、役所語法は概して一文を長くしがちなので、ウェブ上で発信するための文章とは相性が悪いです。

まずはどういうものが役所語法なのかを自覚して、意図的に使い分けをしなければいけないでしょう。


よくある役所語法

〜については

主に話題の提示に使います。書き出し部分でよく見かける表現です。
主語を明示しなくても話を進められるので、ついつい安易に使ってしまいます。

〜ところ(である) 

こちらも主語をごまかす表現です。一般論っぽく見せかける機能もあります。
「〜については」と合わせることで、当たり障りのないイントロダクションが簡単に作れます。

(例)
外見に気を使わない成人済オタク男性(以下「キモオタク」とする。)、昨今より国内外から問題視する声が強まりつつあり、今後のインバウンド推進の観点からも、速やかな根絶が望まれているところである。

→キモオタク根絶を一般論っぽく見せつつ、明示はしていません。「印象操作だ!国民はむしろキモオタクを愛している!」という反論がきたら、「望んでいるのはインバウンド業界のことでして…」等、後出しで主語を出して逃げることができます。

〜において

一般論ではないことを示す表現です。誤解・曲解を防ぐために使われます。


(例)
外見に気を使わない成人済オタク男性(以下「キモオタク」とする。)については、昨今より国内外から問題視する声が強まりつつあり、今後のインバウンド推進の観点において、速やかな根絶が望まれているところである

→キモオタクを根絶したいのはインバウンド業界だけで、その他の観点では中立であることを示しています。

〜である/〜することから 

主に因果関係を示しますが、単なる順接としても使われます。
格式張った文章では重宝しますが、安易に使うと一文が長くなり文意がわかりにくくなります。
ここぞというときだけに抑えたい表現です。


(例)
外見に気を使わない成人済オタク男性(以下「キモオタク」とする。)については、昨今より国内外から問題視する声が強まりつつあることから、今後のインバウンド推進の観点において、速やかな根絶が望まれているところである

→役所的には美文なのですが、よく読むと意味がわかりません。
一見「問題視する傾向が強まりつつある」 と「根絶が望まれている」の間に因果関係が成立するように読めますが、それぞれの主語が何なのか不明ですし、問題視→根絶希望という因果関係も飛躍しすぎています。

ちなみに、僕のブログの記事タイトルは、意図的に機関委任事務時代の質疑集・通達集っぽくしています。
許認可事務担当の方であればピンときてくれるはず。

クールジャパン戦略について、いちオタクとしての見解を置いておきます。
参照:内閣府ホームページ

コンテンツ制作・クリエイターへの支援が足りない

ルネサンス期にメディチ家が果たした役割を持ち出すまでもなく、クリエイターの育成にはパトロンが必要です。
クールジャパンの対象となるコンテンツでも、特にアニメ制作や伝統工芸分野では、現状パトロンたりうる存在が欠落しており、大成したクリエイター以外は厳しい生活を迫られています。
生活すら厳しい中で、世界的にも通用するコンテンツを製作するのは、不可能でしょう。

現状の日本のコンテンツは、バブル期の残滓とも言われているようです。
(僕がこれまでお話ししてきた伝統工芸業界の方は、口を揃えてこう言います)
現在の主力クリエイターは、バブル期に舞い込んできた潤沢な資金により、しっかりと経験を積めました。
しかし、現在は日銭を稼ぐのに精一杯で、後進の育成にまで面倒を見られません。
人材面での衰退は既に始まっています。

「市場の失敗」が生じているとも言えるでしょう。
「市場の失敗」を是正するのは、政府の役割です。

戦略を読む限りでは、クリエイターよりも、コンテンツをマネタイズする人材の育成に注力しています。
現状は多分、売り込むコンテンツには事欠かないため、マネタイズ人材育成のほうが急務なのでしょうが、かといってクリエイター支援をないがしろにすると、じきに売り込むコンテンツがなくなってしまいます。

クリエイター奨学金のようなダイレクトな支援に加え、もっとコンテンツの制作現場にお金が落ちる仕組みづくりが必要だと思います。


既存コンテンツのマネタイズも急務

一方、既存のコンテンツを使って手っ取り早くお金を稼ぐことも必須です。
先日の阿波踊り騒動のように、うまくマネタイズできていない(または特定のセクターの既得権益化している)せいで、コンテンツの存続自体が危ういという状況も、全国各地で発生しています。

マーケットインとか、分野横断的に取り組むとか、インバウンド需要を取り込むといった観点は、既存コンテンツのマネタイズの方法としては王道だと思います。
ただ、行政が絡むと、「公平性の観点」「政治的な配慮」といった事情のために、金稼ぎに最適化できません。ここが不安要素です。
(マネタイズ失敗という意味では、自治体アンテナショップが好例です。)

広報戦略も重視していますが……必要あるのでしょうか?


つまるところ、明らかに「市場の失敗」が生じているコンテンツ制作現場を救済するのが、行政の役割では?ということです。
既存のコンテンツを使って稼ぎつつ、稼いだお金を広告代理店が全部持っていくのではなくコンテンツ制作現場にも回していく、という環境ができればいいのですが……

どこの自治体でも、伝統工芸の振興は重要な課題です。
担当部署の職員だけでなく、その他の職員も、仕事道具のように人目に触れるところで伝統的工芸品を使って、存在感をアピールすべきだと思います。

ただ、地方公務員が実際に伝統的工芸品を使うとなると、「公平性」という厄介な問題が発生します。

公平性の罠

地方公務員という立場は、原則、どの伝統工芸に対しても平等でなければいけません。
特定の伝統工芸のものばかりを使っていると、伝統工芸間の対立煽りを目論む勢力により、政争の具として利用されかねません。

例えば、名刺入れ。
自治体内に有名な塗物と織物があり、どちらも名刺入れを作っているとします。

もし地方公務員が懐から織物の名刺入れを出したところを見られたら、「役所は織物は推しているが、塗物は軽視している」という批判の発端にされかねません。

詳しい背景はわかりませんが、こういった批判を展開することで少なからず収入が発生するようで、地方公務員は常に隙を伺われています。

名刺入れの記事で、「ナショナルブランドが無難」と説明したのは、こういう背景もあります。
参考:地方公務員の名刺入れ事情とは?選び方のコツ・注意点とは?  

虚しさの原因

公平性に囚われて身動きが取れなくなるという事情は、伝統工芸に限った話ではありません。
観光や産業振興のような外向きの仕事をしていると、常についてまわります。
地方公務員の仕事に虚しさを覚える一因でもあるでしょう。

僕はオタクですが、グッズに興味がなく、イベントにも行きません。
それでもオタク趣味には結構お金がかかります。
ただアニメを見て感想をネットに書くだけならローコストなんですが、どうしても原作が気になってしまうんですよね……
最近は特に、電子書籍サービス充実のおかげで保管場所を気にすることなく簡単に買えてしまうので、ついついポチってしまいます。

オタク趣味の原資を捻出するには、生活費を節約するしかありません。
僕は毎月3万円以内に生活費を抑えるよう、心がけています。

今回は、僕の節約テクを紹介します。
こんなこと言ってるから非モテキモオタクなんだよ……と思っていただければ本望です。
 

時間つぶしにお金を使わない

「次の用事まで1時間くらい空くから、喫茶店でも入るか」

こういう時間をつぶすこと自体が目的の出費は、絶対にしません

時間をつぶすという行為自体が時間の浪費なのに、そのためにさらにお金を支払うなんて、時間もお金も有り余っている天上人の贅沢です。 
低級地方公務員が真似するなんて、おこがましいにもほどがあります。

単に時間をつぶすだけなら、スマートフォンを眺めていればいいのです。
僕は時間つぶしのために通信料を払うのすら嫌なので、Kindleで本を読みます。片手でも操作できるので、立ったままでも読めます。


間食しない

小腹が空いたときは、空かせたまま放置します。
この記事を書いている現在(16:30)も、体がおやつを求めていますが、水を飲んで抑えています。

どうしても我慢できないときは、大袋の安売りお菓子を一つ頂く程度に、極力安価に済ませます。
コンビニに買いに行くのは絶対禁止です。

スイーツを一切食べないわけではありません。
スイーツを食べるときは、間食ではなく、3食の一つとして本気で頂きます。

時短のために出費するときはよく考える

普通列車ではなく特急を利用する場合のように、追加料金を払って所用時間を短縮するとき、「時間を金で買う」と言い回しをよく使います。
僕の場合は少し異なり、「金で時間のグレードを上げる」と考えます。

例えば、普通列車だと4時間かかる旅程が、特急だと2時間に短縮される場合。
「時間を金で買う」というと、短縮された2時間が無から創造されたかのように思われます。
 
しかし実際には、「普通列車に揺られている2時間」が、「自由な2時間」という、より使い勝手が良く価値ある時間に変化しているだけです。2時間という時間自体は、もともと持っています。

このように、追加料金を払うことで時間の使い勝手が良くなることから、僕は「グレードアップ」だと考えています。

どういう場合はグレードアップするのか

追加料金を払うか否かの判断は、「グレードアップによる価値上昇分」と「追加料金」を比較して決めます。
比較の結果、価値上昇分の方が大きければ、追加料金を払って時短します。

再び、普通列車だと4時間かかる旅程が、特急だと2時間に短縮される場合を考えます。
(追加条件)
・普通列車の運賃は1,000円
・特急の運賃は2,000円
・普通列車でも特急でも、全区間座っていられる
・移動中はずっと一人

この条件下だと、「乗車タイム」はさほど苦痛ではありません。
座っていられるうえに一人なので、かなり自由に過ごせます。
読書してもいいし、ブログの下書きを作ってもいいし、寝ていてもいいのです。
そのため、「乗車タイム」の価値は、自由時間の50%と想定します。

続いて、時間の価値を金額に置き換えて、運賃と比較します。
乗車タイムの金銭価値をVとすると、自由時間の価値はその2倍、つまり2Vです。

普通列車の場合→V×4時間=4V
特急列車の場合→V×2時間+2V×2時間=6V

計算の結果、特急列車を使うと、4時間の価値が1.5倍になることがわかりました。
一方の運賃は、特急を使うことで1,000円から2,000円へと倍増します。

50%の価値上昇のために、100%のコスト増は、割に合いません。
そのため、特急は使わず、普通列車を使います。


地方公務員という立場上、地域にお金を落としてナンボのような気もするのですが……オタクと地方公務員というペルソナどうしの相克というやつですね。

このページのトップヘ