キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2019年01月

月初に宣言したとおり、今月は観点を変えながらネガキャン記事を書いてみました。
普遍性を持たせようとするあまり、わかりにくかったかもしれません。
文章力が至らず申し訳ない。

結局のところ、
  • 地方公務員は公益のために働く存在ではなく、首長という治家が自らの再選のために使う道具
  • この立場(首長の道具)は、出世しても変わらないどころか、出世するほどひどくなる
  • 花形部署(に配属される優秀な職員)ほど首長の道具として忖度生活を迫られる
ということです。 

逆にいえば、こういう要素を不快思わないのであれば、地方公務員に向いているでしょう。

僕は今のところ、あんまり気になりません。
仕事にそこまで打ち込んでないですし……

ネガキャン記事がアクセスを稼いでる

ネガティブなネタばかり書いていたら読者が離れるのでは?と懸念していたものの、今月は史上初の20,000PVを達成。

一番人気の記事がこれ。皆さんやっぱり残業嫌いなんですね。
なぜ地方公務員の管理職は「残業を減らそう」という意識が希薄なのか?

一番主張したいのはこっちです。
地方公務員は部局間異動を繰り返したところで「ジェネラリスト」には成り得ない?


ネガティブネタ需要の存在はしっかり理解したので、これから時々織り交ぜていこうと思います。

冬アニメ ファーストインプレッション

今期は視聴本数が多くて忙しいです。
中でも「えんどろ~!」と「私に天使が舞い降りた」が今のところ飛び抜けています。

あとは「ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow」も良かった。
上映しているうちにもう1回見に行きたいです。


たばこ株

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、アルトリア・グループに続き、フィリップ・モリス(PM)も買い付けてしまいました。
あとは日本たばこ産業を買えば、大手たばこ株コンプリートです。

分散投資の観点からは絶対買わないほうがいいんでしょうが、オタクの宿命である蒐集癖には逆らいがたく……急落したら買ってしまいそうです。

地方公務員の研修は、OJTがメインです。
こう言うとかっこいいですが、実際は「揉まれて覚えろ」ということです。

この研修体制自体、かなり不親切だとずっと思っていますが、最近はこの体制すら維持できなくなりつつあります。
早急に手当てしない限り、地方公務員の平均的な能力はどんどん落ちていくでしょう。

職員の年齢分布がいびつなせいで、新人へのOJTが激減

「効率化」「スリム化」の名の下に、どこの自治体もここ数十年で人員を削減してきました。
自治体の場合、雇用整理するわけにはいかないので、人員削減の手法は採用抑制しかありません。
今の30台中盤〜40台前半が、ちょうど採用抑制真っ盛りの時期にあたり、極端に職員数が少ない年代になります。役職としては係長くらいですね。

一方、ここ数年は採用数がものすごく多いです。僕が受験した年の倍くらいいます。
つまり、指導される側の新人がたくさんいるのに、指導側の中堅職員が少ないのです。

指導者が少なければ、自然と1人あたりに割かれるOJTの時間も減ります。
OJTの不足を補うために、座学研修を増やすなどの対策をとる動きは、今のところ全然見えません。
OJTの不足が、新人の教育不足に直結しています。

OJT不足の結果、仕事の中身がスカスカに

霞ヶ関用語に「ロジ」「サブ」という言葉があります。
「ロジ」はlogistics、段取り仕事全般のことです。
「サブ」はsubstance、事業や政策の具体的な中身を指します。 

例:地元出身声優のトークイベントを開催する場合
会場の手配、予約受付から本番までのスケジューリング、スタッフの確保、当日の会場セッティング、声優さんが飲む水の準備など、トークイベント開催に必要な準備全般が「ロジ」に当たります。
一方、告知フライヤーのデザイン、当日のプログラム作成など、具体的な中身を作る仕事が「サブ」です。

地方自治体のOJTでは、「ロジ」優先で教えます。
「ロジ」抜きでは仕事が進まないからです。
「サブ」を教えるのは、ある程度ロジが身についた後になります。
僕が新人の時は、こんな感じでした。

しかし、現在は、「サブ」を教えている暇がありません。
新人に対して中堅が少なすぎて、「ロジ」を教えるだけで精一杯です。
「サブ」は、業務時間外に自発的に学ぶものになりつつあります。

結果、休日に自発的に勉強するような熱心な新人を除き、どんどん「サブ」のレベルが落ちていきます。
つまり、仕事は滞りなく進められても、肝心の仕事のクオリティが低い職員が量産されつつあるのです。

ロジ教育偏重の先に待つ事態

自治体を取り巻く環境は、悪くなっていく一方です。
少子高齢化や過疎化、財政赤字などなど……一筋縄ではどうしようもない課題が山積しています。
こういった課題への対応策を考えるには、「サブ」の能力が不可欠です。
いくら「ロジ」が上手くても、根本的な解決には至りません。

これからずっと、「サブ」がわかる職員、つまり自発的に勉強するような熱心な職員に業務負担が集中する傾向が、ますますひどくなっていくんだろうなと思っています。

こうなると、その人は「替えのきく存在」ではなくなります。
職位にかかわらず発言力も増していくでしょうし、内外から感謝されると思います。
もちろん、待遇はあんまり変わりません。せいぜい残業手当が堂々と貰える程度です。 

これを「やりがい」とみるか、「不公平」とみるか。
前者だと断言できる人は、公務員に向いていると思います。
「頑張っているのに報われないのは間違っている!」と目くじらを立ててしまう方は、こんな先細りの世界には近寄らないほうがいいでしょう。


そもそもの話、地方自治体にしっかりと「サブ」を考えられる人材は、現時点でもあんまりいません。
これまでの記事で書いてきた通り、首長をはじめとした有力者の意図を汲んでばかりで、一職員がゼロから「サブ」を組み立てることがほとんどないためです。
有力者の意図を、必要なステップを踏んで実現させる仕事は、まさに「ロジ」です。

「サブ」ができる公務員は、もしかしたら官僚しかいないのかもしれません。

地方公務員のツイッターを見ていると
「前回同じことをやった時にはすんなりOKだったのに、今回は怒られた」
「一度OKもらった資料なのに、いきなりダメ出しされた」
等々、上司の指示がコロコロ変わることへの不満を頻繁に見かけます。

確かにうんざりさせられる瞬間ではありますが、僕の場合、上司に対しては不満は感じません。
上司個人の問題ではなく、組織の病理みたいなものだと考えているからです。

管理職自身の考えではない

管理職の指示の大元には、首長か議員がいます。
管理職は、自らの発案で部下に指示を出しているのではなく、さらに上からの指示を解釈して作業レベルに落とし込んだものを、部下に発していることが多いです。

他人の発言の解釈は、考えれば考えるほど移ろっていくもの。
時間が経ってから、より正解っぽい解釈に至ることも多々あります。

お偉いさんの発言を正確に解釈し、作業を細分化して部下に指示するという一連の行為は、相当難易度の高い仕事でしょう。
そのため、部下サイドとしては、ある程度途中で指示が変わるのは仕方ないと思っています。

定例業務なのに朝令暮改ばかりなのは……

首長や議員が関心を持つわけがない定例業務の場合は、話が別です。
指示の大元は管理職自身でしょう。

業務簡素化に繋がるのであれば、ちょっと手間をかけるくらい、僕は厭いません。
ただ、管理職の好みに合わせるだけなのは勘弁願いたいです。
「しっくりこない」という理由だけで通知文の余白をいじるよう指示する人とか、実際にいるんですよね…… 

チーム一丸となって一つの目標に向かった邁進し、何かを成し遂げたいと思っている方。
その夢、地方公務員では叶わないでしょう。

チームを組めるほど人がいない

そもそも、チームプレイという仕事の進め方自体、ほとんどありません。
一つの仕事に複数人を充てられるほど、人員に余裕が無いためです。

担当職員(下っ端)が一人で全部やって、上司のチェックを受ける。
これが通常のやり方です。

担当以外の職員に手伝ってもらうことも不可能ではありませんが、あくまでも自発的な協力の域を出ません。
正式な業務では無いので、勤務時間中に堂々と手伝うことは勿論できませんし、このために残業したとしても残業代は貰えません。
あくまでも課外活動、自発的な協力だからです。

突発的なトラブルシューティングなら……


とはいえ、チームプレイが全く無いわけではありません。
例えば、災害対応。
はっきりと役割分担を決めている時間的余裕が無く、手の空いている人間が目の前の仕事をこなしていくという流動的スタイルで仕事を進めざるをえないため、ある意味チームプレイ状態になります。

あとは訴訟案件でしょうか。
土木施設の管理瑕疵が原因で訴訟を起こされた場合には、技術論担当の土木職と、法令担当の事務職員がタッグで対応しています。
訴訟資料を作るのに、どちらの知識も必要だからです。
 

俺TUEEEしたくない? 

ネット上にある「スーパー地方公務員」の特集記事を見ても、単独ですべてを成し遂げたソロプレイヤーばっかりじゃないですか?
「職員一丸となって頑張りました!」よりもむしろ、「反対する同僚をなだめるのが大変でした…」というコメントの方が目立ちますし。

逆に考えると、ソロプレイで俺TUEEEしたい方には、ぴったりかもしれません。
周りはNPC村人と敵しかいないので、自分の好きなように全て企画立案できます。 

「ジェネラリスト育成」という題目の下、地方公務員は数年ごとに部局をまたいで異動していきます。
しかし実際のところ、役所内にジェネラリストはほとんどいません。

業務を通して得られる知識なんて大したことない

本来の「ジェネラリスト」とは、いろいろな部局を経験することで幅広い見識を身につけているという意味合いなのでしょう。
しかし、地方公務員業務を通して得られる知識は、目の前の課題に対処するためだけの付け焼き刃にすぎません。
その業務の背景にあるアカデミックな知識や統計的情報のような基礎情報は、余暇時間を使って自発的に学習しない限り、身につきません。

単なる付け焼き刃は、すぐに陳腐化します。
次の部署に異動してアップデートする機会が無くなってしまえば、すぐに使えなくなります。
そのため、ジェネラリストに期待される「過去の部署で得た知識との相乗効果」なんて、期待のしようがないのです。

業務を通して得られる知識のうち異動後も役に立つのは、地名くらいではないかと思います。
参考:若手地方公務員(特に県庁職員)は「大字(おおあざ)」をたくさん覚えてほしい

役所の人事異動で育つ人材とは

役所の部局横断人事ローテーションによって出来上がる人材とは、「ジェネラリスト」ではなく「役所内調整のスペシャリスト」です。

役所内調整とは、端的にいうと、役所内の人間関係をうまく回すことです。

役所内のいろいろな部局を回るなかで、命令する側・命令される側・規制する側・規制される側などなど……色々な立場から人間関係を整えることになります。
この経験が、役所内調整能力を育んでいきます。

役所内調整能力の価値

鍛え上げられた「役所内調整のスペシャリスト」も、役所から出てしまえばただの人です。
地方公務員をやめた方のブログを見ていると、「役所内でしか通用しない人材は嫌だ」という理由で退職という方も結構いるようですね。

以前にも記事にしましたが、「役所内調整スキル」の有無が出世速度を決めます。
 
いつか超難関資格を取って、司波達也お兄様みたいに「庁内では評価されない項目ですからね」(CV中村悠一)って言い放ってみたいですね。
お兄様
 
調整能力を磨き上げた果てにプロネゴシエーターの域に達する方も、ごく一部存在します。
こういうプロフェッショナルを目指すのであれば、役所生活にどっぷり浸かるのもアリなのかもしれません。

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