キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2019年03月

平成30年度の勤務も昨日で終わり。お疲れ様でした。
一年間を簡単に振り返ってみます。

まあまあホワイトな一年だった

まずは定量的なところから。

有給取得日数

5.5日でした。
休日出勤の代休を含めると15日くらいになります。
代休が多いせいで、なかなか有給まで取れないんですよね。

残業時間

年度トータルで620時間でした。
過去2番目に少ないです。

一番多かったのが5月の82時間。
僕のいる観光系部署では、年度序盤に一年分のイベントの仕込み業務があり、業務が集中します。
そのせいで残業も増えてしまいました。

一番少なかったのが2月の25時間。
来年度向けのまとめ資料作りくらいしか仕事してません。

ちなみに残業手当支給は、660時間のうち305時間です。
50%を切ってしまいましたが、まあまあ貰えた方です。

県外出張回数

合計8回。過去最多です。
単独出張が多く、良い気晴らしになりました。
ただし旅費が満額支給されないので、お財布的には厳しかったです。


役所全体で見ると結構ブラックな一年だった

僕自身はホワイトな思いをさせていただきましたが、役所全体でみると異例なケースがちらほらありました。

新規採用職員の離職相次ぐ

今年度採用の職員が3人辞めています。
僕の入庁以来、こんなに辞めたのは初めてです。
さらに意外なのが、離職者が出たのがホワイトな部署ばかりという点。

公務員という働き方がそもそも合わなかったのか、より高待遇な職場を見つけたのか……
いずれにせよ悪い兆候です。人事課は本気で頭を抱えていることでしょう。


オリンピック・パラリンピック関係が大変そう

2020年に向けて本格的にやばそうな空気が漂ってきました。
担当部署からは話し声がすっかり消えて、生気を感じさせません。
忙しそうというよりも、八方塞がりで身動きが取れないように見えます。

中央から無茶振り食らっているのでしょうか……

同期職員間で明暗はっきりと分かれてきた

今回の人事異動で、エリートコースの同期職員が人事課に抜擢されました。
異動元は産業振興部門。エリートコースはやはり存在します。

参考:出世ポスト(財政・人事)にはどのような部局から異動していくのか?


僕も異動になりました。
引き続き本庁勤務とはいえ相当な閑職らしく、ワクワクしています。

同期職員の中には、同一担当業務6年目という強者も登場しました。
着実にキャリアを積ませて幹部へと養成していく枠と、そうでない被使用者枠との間で、どんどん差が広がっていきますね。

悔しがっている人もいるのでしょうが、僕は安心しています。

就職した直後って、ものすごいストレスに晒されています。

やりたくないことを毎日8時間弱やらされる。
しかもこれから30年以上脱出できない。
 
控えめに言っても地獄です。

自覚は無いかもしれません。
現実を直視するとつぶれてしまうため、脳内麻薬がドバドバ出ているのでしょう。


夜更かししない

疲れているので、とにかく休息が必要です。
休息の基本は睡眠です。寝ましょう。

地方公務員として働く以上、新人とはいえ「急に仕事を振られて帰れなくなる」なんて出来事は日常茶飯事です。
帰れないということは、眠れません。
極端にいうと、睡眠時間を上司にコントロールされているのです。

不眠不休生活が突然始まるかもしれないという可能性を忘れず、なるべくベストコンディションを保てるように務めましょう。

「自分はショートスリーパーだから大丈夫」と思っている方も要注意です。
役所で働くというストレスがあなたを過去に無い勢いで蝕んで、疲弊させるかもしれません。
とにかく最初は様子見のつもりで、しっかり寝てください。

僕もかつては深夜アニメ実況民だったのですが、就職を機にすっぱり止めました。
23:30開始の番組ですら録画で見ています。

固定費が発生するサービスを契約しない

英会話やスポーツジムのような自己啓発系、生命保険、新聞、読み放題サービスなどなど……
固定費が発生するサービスの契約は、先送りにしましょう。

前述のとおり、皆さんは疲れていて正常な精神状態ではありません。
怖いお兄さんに囲まれて契約を迫られているのと大差ない状況だと思ってください。
こんな状態では、冷静に判断できるわけがありません。

僕もついうっかり口車に乗せられてしまい、WiMAXに加入してしまいました。
外でもタブレット端末を使いたくて加入したのですが、そもそも引きこもりなので外にタブレットを持ち出しませんし、冷静に考えてテザリングすれば十分でした
端末代割引の2年縛りで契約してしまったため、解約まで結局8万円近く支払うことに……
無駄な出費でした。 

勧誘側は「今を逃すと高くなる」と言って即決を迫ってくるでしょうが、単なる定型文だと思ってスルーしましょう。

ただ、財形貯蓄だけは検討に値すると思っています。 
勧誘されたらとりあえず説明だけは聞いてみてください。

高額品を買わない

上に同じ。心身ともに弱っているときに重大な決断をすべきではありません。
自分へのご褒美がしたいのであれば、贅沢なスイーツかランチくらいに止めておきましょう。
モノを買うのは、できれば冬のボーナスまで待ったほうが無難です。

学生の頃からずっと買いたいと憧れているモノがあるとしても、ボーナスまで待つことをお勧めします。

就職を機に生活環境がガラリと変わるのは周知の通りです。
さらに環境の変化は、あなた自身をも変えていきます。

学生の頃にどれだけ欲しかったとしても、社畜となって変わってしまったあなたには既に不要かもしれません。
自分の変化を冷静に感じ取ってから、改めて欲しいかどうかを問いかけてみた方が良いと思います。

組合加入は自分で考えて

「組合に加入したら駄目」という意見がネット上では主流ですが、自治体ごとに状況が異なるので一概に断言できないと思います。

配属先の先輩職員に聞いてみるのが一番です。
できれば複数人に。



職場側としては、新人がいきなり潰れてしまうのが一番困ります。
張り切って業務後に自分磨きしたり、遅くまで職場に残って勉強するのもいいですが、毎日元気に出勤してくるだけで職場に貢献しているんだと思って、何より休息を優先して下さい。 

地方公務員6年目にしてようやく『公務員1年目の教科書』を読みました。
そろそろ僕にも新人教育担当が回ってくるのでは?という予感がしたので、指導内容の参考にしようと思った次第です。

公務員1年目の教科書
堤 直規
学陽書房
2016-04-14

 

感想をざっくりまとめると、以下の通り。 
  • 内容には全面的に賛同しますが、一年目職員にはハードルが高い
  • もっと優先して教えるべきことがあると思う

正論だけど一年目には難しすぎる?

著者は民間企業に就職後に市役所へ転職、企画財政畑を歩んでいます。
正統派エリートコースです。

そのせいか、節々に生存者バイアスを感じました。
普通の新卒採用職員には、高度すぎるのでは?

例えば、業務マニュアル作り。
本書では、最初の一ヶ月目から業務マニュアルを作ろうと提案しています。
こんなこと、普通の人間には無理では?

僕の理解では、マニュアル作成とは、個々のケースから帰納的に一般的ルールを見出していく作業で、ある程度担当業務に慣れるまでは不可能な作業です。

一方、着任当初からマニュアルを作るのは、「こういうルールだときっとうまく回るぞ」という普遍的原理を目の前の現実に当てはめて微調整を繰り返して行く作業であり、演繹的な行為です。
公共政策大学院を出ていて行政手法に詳しいとか、民間企業のメソッドが体に染み付いているとかして、ある程度の知識・経験が備わっていないと不可能では?

エリートコースに乗って出世したいのであれば、本書の通り一年目から頑張ればよいでしょう。
しかし、平均的な地方公務員には、本書の内容を1年目でこなすのは困難です。高度すぎます。
目の前の仕事を確実にこなしたほうが自分のためになるし、周りのためにもなると思います。

本書にある内容は、初任配属先で勤務する最初の2〜3年の間に習得するのが現実的かと思います。

もっと重要なことがあるのでは

本書で紹介されている内容は全面的に賛同できるのですが、「一年目の教科書」というくくりで見ると、もっと優先して教えるべき内容があるだろうと思えてしまいます。

例えば、
  • つまらないと思うことでもきちんと上司に報告しよう、つまらないか重要かを判断できるのは上司です
  • 役所の常識は世間の非常識、上司だけでなく住民もきちんと納得できる仕事をしよう

とか。

著者は市役所勤務、僕は県庁勤務ということで、自治体規模の違いが、優先順位の差として現れているのかもしれません。


新人公務員が本書を読むなら、配属から半年くらい経って一通り実務を経験した後の方が、頭に入ってくると思います。
それよりまずは目の前の作業を覚えるのが先決です。
あとはお金の勉強して、私財を守りましょう。

模範的エリート公務員の価値とは

ここからは僕の独り言です。

本書のスタンスがわかりやすく現れている部分を引用します。
「役所はぬるま湯」「普通の職員は腐っている」という危機感が本書の根底にあるようです。

実際、公務員にとって最も怖い風土病は「出ない杭は腐る」です。最初はとても意欲的だった新人が、半年も経てば目の輝きが失せ、1年後には「普通の職員」になってしまったというのは、多くの人事・人材育成担当者の悩みです。
「腐る」理由にはいろいろありますが、結局、「ぬるま湯」な職場風土にどっぷり浸かってしまったということです。
 
堤直規『公務員1年目の教科書』2016年 学陽書房 p.164~165

本書は模範的エリート公務員の養成を志向しています。 

筆者は管理職であり、模範的エリート公務員を育成したいと思うのは当然でしょう。扱いやすいし。

ただ僕は、ある程度大きな役所の場合、職員にも多様性が必要だと思っています
アウトローだけど特異な技能を持った奴。
組織全体の総合力を考えると、こういう存在も必要だと思います。

正統派エリート公務員にしろ、アウトロースペシャリストにしろ、堕落せず自己研鑽を積まなきゃいけないのは一緒です。
自己研鑽の重要性を熱く説いているのが、スマイルズの『自助論』。

スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫
サミュエル スマイルズ
三笠書房
2002-03-21

 
腐りたくないなあと思うなら、ぜひこちらを読んでみてください。 

名著には、大きく分けて2種類あると思っています。
一つは何度も繰り返し読んで人生の糧とする本。
もう一つは誰もが一度読むべき本です。

今回紹介する『悩まず書ける!伝わる!公務員のSNS・文章術』は、後者の名著です。

悩まず書ける!伝わる!公務員のSNS・文章術 [ 小田 順子 ]
悩まず書ける!伝わる!公務員のSNS・文章術 [ 小田 順子 ]
 

公務員以外の大半の人間にとって、公務員の書く文章は読みにくいです。
原因はいろいろありますが、中でも大きいのが過度な一犠牲追求。

誤解やクレームを警戒するあまり、文章の解釈の幅を狭めようとする結果、修飾語てんこ盛りの長文&複文構造が生まれてしまいます。

受け手の誤解予防のための配慮の結果、かえって読み手に不親切な文章になってしまうのです。

本書はこういう役所特有の読みづらい文章をなんとかしたい方向けの指南本です。

【第2章 正確な理解がお互いの手間を省く 手続きの説明文の書き方】
・対象者で条件分岐する
・なくても意味が通じる言葉は削る
・専門用語は置き換える
・二重否定は使わない
・「未満」は避ける
・使える! 基本フォーマット-記事作成シート 

学陽書房ホームページ http://www.gakuyo.co.jp/book/b245527.html より


公式サイトから目次を引用しました。
こういった具体的なノウハウが満載の1冊です。

ガチガチの役所文を一通り身につけた後、入庁3年目くらいの職員は全員必読だと思います。
 

冷静に計算すればするほど、地方公務員程度の給与収入で個別株に投資するのはリスクが不当に高いと思ってしまいます。
十分な投資資金が無いために、分散したポートフォリオが作れないのです。

参考:アラサー独身地方公務員の2018年末時点の収入・資産状況&2019年投資計画

しっかり考えるべきはアセットクラスの割合だけで、投資先はそれぞれのアセットクラスのうちしっかり分散されて運用コストが低いもの、つまり定番を思考停止で選ぶだけでいいのではと思います。

ただそれでも僕は個別株投資を末長く続けていきたいと思っています。

購買欲求を抑える

僕は自他共に認めるお買い物ジャンキーです。
常日頃から購買欲求と死闘を繰り広げています。

本ブログ「公務員の仕事道具」カテゴリの記事も、この悪癖の産物です。

モノを買うまでの比較検討過程、購入する瞬間の高揚感、「所有している」という満足感……
買い物という行為にまつわる全てが強烈な快楽です。

ここ数年、僕の購買欲求は主に株式をはじめとしたリスク資産に向いています。
つまり僕は、資産運用について勉強して、日々マーケットを見て割安なタイミングを探して、注文を出して現物を購入して、評価額の推移を見守ることで、強烈な快楽を得ているのです。

個別株投資を辞めたら、購買欲求の行き場がなくなって暴走するでしょう。
多分、家電製品を買いまくるのではないかと思います。

しかも今はブログという免罪符があります。
「買って記事にすることで誰かの役に立てる!」という大義名分の下、浪費しまくること間違いありません。

購買欲求の奴隷になるとしても、モノよりは個別株の方がマシだと思っています。
株式は資産です。自ら価値を生み出していきます。
他の資産と比べてリスクは高いかもしれませんが、浪費ではありません。

対してモノは減価していく一方です。

将来のことを考えると、個別株に軍配があがるでしょう。

民間企業へのコンプレックス解消

これまでも度々記事にしている通り、僕は民間企業への就職活動に失敗した果てに、地方公務員になりました。
参考:(自分語り)公務員試験・就職活動の足跡

言い方を変えると、行政以上に携わりたい業界がいくつもありました。

例えば洋上風力発電。
日本が自給でき、しかもクリーンなエネルギー源として、絶対に開拓が必要な分野だと今でも思っています。

今から転職するほどの気合はありませんが、それでも何らかの応援がしたい。
こんな時の個別株投資です。
応援したい業界に投資することで、一体感を得るのです。
業績に一喜一憂したり、新プロジェクト開始の情報をリリースした瞬間に株価が暴落して涙を飲んだり……スポーツ観戦に近いかもしれません。
洋上風力の場合、行政でも関われないことはないのですが、地方自治体の場合はどちらかというと洋上風力反対の立場です。
地元住民の声、特に漁業への悪影響を、住民に代わって訴えていくことになるでしょう。

若かりし恋を忘れない

最後は非常にキモい理由です。

僕は長らく二次元オタクを続けていますが、人並みにリアルな人間にも恋をしてきました。
結果は全敗。恋人いない歴=年齢のピュアオタクです。

好きになった気持ち、駄目だったときの爽やかな悔しさ、不随意的に流れてきた涙と鼻水の味……
そういう青春の酸い甘いを忘れないための秘策が個別株投資。
恋煩いの相手が勤務している会社の株を購入し、資本的につながるのです。

一回やってみてください。変な気分になりますよ。

投資は自己責任

個別株に手を出すことでリターンは損なわれるかもしれません。
しかしそれでも、僕の場合は金銭以外のところでメリットを得ていると考えています。

メリットとは、浪費防止自己満足
どちらも今のところ、個別株投資以外では得られない効果です。

というわけで僕はこれからも個別株投資を続けていきます。

※個別株への投資にはリスクを伴います。僕の考えに共感できる/できないにかかわらず、個別株への投資は自己責任でお願いします。 

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