キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2019年04月

地方公務員のツイッターを見ていると、人間関係への愚痴がとめどなく流れてきます。

僕はブログでもSNSでも、人間関係の愚痴は一切書きません。
個人特定されたくないのもありますが、何より人間関係に不満が無いからです。
むしろ不快に思われている側なんだろうと思います。

オタク趣味を除けばマジョリティに属しています

僕の勤める役所は田舎なので、大学閥がありません。
地元国公立大学出身者が圧倒的多数を占めるものの、結束はゆるいです。
高卒の幹部もたくさんいるので、大学名を主張しづらいからと思われます。

派閥の中でもメジャーなのは、出身地域出身高校です。
僕はその両方で、最大会派に属しています。

そのおかげで役所内ではかなり顔が広いです。
部局・職種問わず、軽口を叩き合える相手がいます。

不快の元凶にならないように

一方で僕はオタクです。これまで人目を恐れながら暮らしてきました。
マジョリティへの恐怖と嫌悪も知っています。

マイノリティから見ると、マジョリティな連中が安心感に浸っている様子がそもそも不快です。
でかい顔するんじゃねえと言いたくなります。

ただ、役所内でマジョリティになってみて、彼らには何の意図もないと知りました。
安心感ゆえに、無意識に堂々たる態度になってしまうのです。

これから年次が上がるにつれて、マジョリティ流の堂々とした態度がパワハラだと感じられてしまうこともありうると思っています。
とにかく腰の低い態度を心がけます。

自己啓発ならとりあえず宅建がモットーの当ブログなのですが、最近は決算書の読み方も重要と思っています。

決算書をはじめ企業会計の知識は、いつの世も自己啓発の定番。
書店に溢れる「決算書が読める!」系の書籍をみれば明らかです。

企業会計の中でも入門編に位置付けられるのが簿記です。
とりあえず簿記2級をとってからステップアップ!みたいな風潮があります。

ただ、地方公務員に限っていえば、簿記を勉強せずにいきなり決算書の読み方を勉強すればいいと思います。

簿記は決算書を作るための知識です。
勿論、作り方を知っている方がより深く決算書を読めるのでしょうが、地方公務員にはそこまで高度な読込は求められません。
そのため、簿記を勉強するよりも、実際に決算書を読んで勘所を抑える方が効率的だろうと思います。

公務員を縛るのは公会計という独自ルール

役所にも経理業務はあります。
ただし、民間企業とはルール体系が異なります。

「統一的な基準による地方公会計マニュアル」p.3より抜粋
平成27年1月 総務省
http://www.soumu.go.jp/main_content/000335891.pdf

お金をどう使ったかを細かく整理している「企業会計」に対し、お金をどう使うかを細かく決めているのが「公会計」といえるでしょう。

公会計でも決算書類のようなものを作りますが、企業会計とは中身も作り方が全く違います。
そのため「企業会計の決算書を作るための知識」である簿記が活きないのです。

会計学の観点から公会計を考えたい等、真剣に公会計に向かい合いたいなら簿記知識も必要でしょうが、少なくとも実務には役立ちません。

出向という罠

ただし、役所の外へと出向すると状況は一変します。
公社や第三セクター、○○協会、○○連盟等々……出向先はいろいろありますが、いったん役所の外に出てしまうと、当然ながら企業会計のルールに縛られます。

出向先で経理担当に配属されると、民間企業並みの決算書類を作ることになります。
こうなると、簿記知識は必須です。

出向先の経理担当を経験する地方公務員は、ごくごくわずかです。
定年まで一度も担当せずに役所人生を終える職員が大多数でしょう。
そのため、事前に勉強しておく必要性は薄いと思います。

決算書を作る業務とは滅多に巡り合わない一方で、決算書を読む業務とはいろんな部署で遭遇します。 
実態は別記事にて紹介します。

(注意)
筆者は就活時にサイレントお祈りされたせいで、地銀に対して私怨があります。
そのため本記事は公平性に欠けるかもしれません。


地方銀行の地銀の経営が厳しいようです。

苦しい地銀、次の手は? 「手数料ビジネス」目立つ拡大(朝日新聞デジタル)


従来の法人向け融資だけでは厳しいので、証券業務での手数料収入拡大など新たな収入源を模索しているとのこと。
個人向けの資産運用コンサルなんかも始まっているようです。

ということは、地方公務員をカモろうとしているということです。

うちの役所では、去年から職員向けの資産運用セミナーが突然開催されるようになりました。
定時後に地銀の行員さんが役所まで来てくれて、NISAや iDeCo、住宅ローンあたりの若者向けサービスをわかりやすく説明してくれています。

これが典型的な彼らのです。
強大なライバルである「ネット証券」という存在にターゲット(=若手地方公務員)が気づく前に、人的つながりを作っておいて、囲い込みを図ろうとしているのです。

こんな手段に出るのはもちろん、サービスレベルや経費といった「利用者側のメリット」では、ネット証券に敵わないからです。

優良サービスだからこそ気をつけるべき

元銀行員いわく、「NISAや iDeCoは利用者に優しい分、金融機関にとっては厄介者」とのこと。
直接の儲けには繋がらないのです。

そのため、地銀としては、少しでも銀行の取り分(手数料が高いもの)を売ろうとします。
NISAや iDeCoの商品は、金融機関ごとに自由に決められます。
地銀はこの裁量をフル活用します。
利用者側にとって有利(=手数料が少ない)商品はそもそもラインナップしないのです。

地銀の商品一覧を見ると露骨です。聞いたことのない割高な投資信託がずらり並んでいます。
「eMaxis slim」や「楽天バンガード」のような、ネット上で人気の銘柄が全然見当たりません。

少しの手間が大きなリターンになる

地銀主催セミナーの中身自体は否定しません。
僕が参加した範囲内では、まっとうなことを話しています。
ただ彼らは、あくまでも自行の利益のためにセミナーを開いているのであって、我々のためではありません。

NISAや iDeCoに興味があるなら、ネット証券を使いましょう。
「楽天証券」や「SBI証券」のような大手ネット証券では、NISAもiDeCoも優良な商品が揃っています。
口座開設がちょっと面倒ではありますが、手間をかける価値は絶対にあります。

地銀は、給与の振込口座として使うだけで許してもらいましょう。
僕らより給料もらってるんですし……  

表紙買いしてしまった本書を読了。
残業にまつわる諸説をデータで裏付けしつつ、対処法を考えていくという内容です。

同書で分析されているのは民間企業の残業事情で、役所については触れていません。
そこで勝手ながら、同書の分析を役所に当てはめてみました。


残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書) [ 中原淳 ]
残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書) [ 中原淳 ]
超高齢化社会を迎え、あらゆる仕組みをアップデートする必要に迫られている日本。女性やシニア、外国人をはじめとした多様な人々の力が鍵となる中、それを拒む最大の障壁が、日本独特の働き方「残業」です。
政府も企業も「働き方改革」を叫ぶ今、本当に必要なのはそれぞれの「持論」ではなく、客観的なデータを基にした「ガチ」な対話。
一体なぜ、日本人は長時間労働をしているのか? 歴史、習慣、システム、働く人の思い――2万人を超える調査データを分析し、あらゆる角度から徹底的に残業の実態を解明。仕事と人生の「希望」は、ここから始まります。パーソル総合研究所×立教大学・中原淳の共同研究「希望の残業学」プロジェクトを書籍化!
 
光文社 書籍紹介ページ
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334043865  


残業の「集中」と「感染」

長時間残業が蔓延している職場では、以下2つの現象が起こっていると分析します。
(『残業学』p.167〜168より)
  • 集中:優秀な人材にばかり仕事が振られ、その人に残業が集中する
  • 感染:職場内の無言のプレッシャーや同調圧力によって残業してしまう
続いて、それぞれの現象が発生しやすい業務の特性を深掘りしていきます。

「集中」を招きやすい特性

 1 高い専門性・スキルが必要とされる
 2 業務量の繁閑差が大きい

「感染」
を招きやすい特性

 3 仕事の成果が数値で測りやすい

両方ともを招きやすい特性
 4 突発的な業務が頻繁に発生する

反対に、「集中」「感染」を招きにくい特性として、以下2つが挙げられています。

 5 自分が責任を負う仕事の範囲が明確
 6 仕事の範囲ややり方は、自分で決めることができる

1〜4に当てはまるほど長時間残業が蔓延しやすく、5と6が当てはまる職場では残業が少ない傾向があります。

役所はだいたい当てはまる

役所においてはどうなのか?
1〜6の各要素について、ひとつひとつ考えてみます。

高い専門性・スキルが必要とされる

明らかに該当します。
役所仕事における専門性やスキルとは「調整能力」です。
調整能力とはそもそも何なのかという疑問はありますが、調整能力が無いと仕事が進まなかったり、調整に長ける職員に業務が集中しているのは、実態通りです。

業務量の繁閑差が大きい

部署次第です。
役所の場合、この要素はあまり関係ないような気がしています。
出納部署のような季節労働部署の方が、帰れるときはサクッと帰り、忙しいときはがっつり残業と、メリハリをつけられていると思います。

仕事の成果が数値で測りやすい

徴税部署のような一部を除いて当てはまりません。
役所の場合、数値で測れる部署の方が早く帰っている気がします。
数値で測れないせいで終わりが見えないと言いますか……

突発的な業務が頻繁に発生する

明らかに当てはまります。
突発的な業務の方が多いのではと思えるくらいです。

自分が責任を負う仕事の範囲が明確

当てはまりません。
そもそも全然関係ないのに責任を押し付けられるのが役所の立場です。

仕事の範囲ややり方は、自分で決めることができる

全く当てはまりません。だいたいルール化されています。
一考の余地があるとしても、決めるのは上司か、議員か、住民です。
民主主義によって決められた中身を遂行するのが公務員の役目なので。

役所の長時間残業改善は民間企業よりも難しいと思わざるを得ない

以上のとおり、長時間残業蔓延につながる要素のうち、「仕事の成果が数値で測りやすい」以外だいたい当てはまると思います。

中でも「突発的な業務が頻繁に発生する」自分が責任を負う仕事の範囲が明確でない」「仕事の範囲ややり方を、自分で決められない」というマイナス要因は、役所だけでは改善できません。
役所がこういう皺寄せを受けることで、現代社会の秩序・均衡が維持されているからです。

本書を読んで、役所の残業問題解決は民間企業以上に相当難しいなと思わざるを得ませんでした。
抜本的解決が困難な以上、当面は残業に潰されないよう自衛するしかないのでしょう。

ただ、役所の長時間残業の原因を、これらだけに帰するのは誤りだとも思います。
便利なツールが全然導入されないとか、謎の因習に囚われているとか……
もっと初歩的な原因も転がっています。

本記事では、同書の中でも2ページ分の内容しか取り上げていません。
この部分の他にも、日頃から内心感じている残業あるあるをデータで裏付けてくれます。
興味があったら是非実際に同書を読んでみてください。

以前の記事にて
  • 民間生命保険に入るのは公的保険の仕組みと中身をしっかり勉強してから
  • 守るべきもの(子供など)ができてから考えればいい
という内容をお送りしました。

ただ、僕自身は月2万円を民間生命保険につぎ込んでいます。
独身なのに。

今となっては若干後悔していますが、勧誘当時は確固たる理由がありました。

保険料の内訳
・掛け捨ての終身保険 1万円/月
・年金保険(確定給付型) 1万円/月


遺伝的持病のリスクがある

掛け捨て終身保険の方から説明します。
 
こちらは特約のせいで保険料が跳ね上がっています。

僕の家系は代々とある臓器が弱く(個人特定を避けるためにぼかします)、この特約にお世話になる可能性が結構高いのです。
保険勧誘員に自ら申告して特約をつけてもらいました。


浪費遺伝子のリスク

年金保険(確定給付型)の方は、とにかく現役時代の所得を老後に先送りしたかったので加入しました。

僕の一族は揃って浪費家です。
父は車道楽、母は服道楽。
祖父に至っては、2ヶ月で退職金を使い切ったらしいです。

僕自身も、お年玉を三が日で使い切るタイプでした。

「金銭感覚ガバガバな自分なんだから、給料も絶対すぐに使い切ってしまう」
「借金まではしないにしても、老後資金は絶対に貯められない」

恐怖のあまり、そもそもの手取りを減らすことにしました。
 
そこで目をつけたのが低解約返戻金型の年金保険です。
浪費家だけど損するのは嫌なので、これなら解約できないだろうと踏みました。

さらに言えば、僕の就職当時はNISAもiDeCo も無く、投資信託の積立も一般的ではなく、資金を拘束するなら年金保険が一番手っ取り早かったです。
(財形貯蓄程度の弱い拘束だと、解約して使ってしまいます)

年金保険は正直余計だった?

どちらの保険も就職1年目に加入したまま放置してある状態です。
 
今のところは浪費癖をうまく抑えられており、年金保険の分は無駄だったかなと思っています。
参考:(自分語り)公務員程度の種銭だとETFや投資信託で十分すぎるのに敢えて個別株投資を続ける理由とは?

僕の就職当時、今と同じく優良投資信託の積立サービスがあれば、年金保険ではなくそちらを使いました。

僕みたいな血脈の呪縛に囚われていないのであれば、保険もリスク資産投資も焦らずじっくり考えれば良いでしょう。

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