地方公務員の研修は適当です。
体系立てて熱心に教育している役所もあるのでしょうが、それでも民間企業に比べたら質量ともに貧弱です。
業務内容に専門性が無い、大したことしてない裏返しなのかもしれませんが……
この時期になると毎年、ブログやツイッターで「新採だけど放置されてる」「何も教えてくれない」という愚痴をよく見かけます。
ファーストインプレッションは重要です。
新人教育が適当なせいで役所組織に失望してしまうと、そのまま役所に対し不満を溜め込み続けてしまいかねません。
新人教育が適当なせいで役所組織に失望してしまうと、そのまま役所に対し不満を溜め込み続けてしまいかねません。
実際に働いている側にも自覚はありますし、申し訳なく思っています。
教育するのが面倒とか、やりたくないわけではありません。
4月〜6月は新規採用職員を教育する余裕がありません。
内情は以下の通り。これを読んで寛大な心で許してください。
少なくとも3分の1は新入り
新規採用職員にとって、職場にいる人は全員先輩に見えるでしょう。
ただ実際は、少なくとも3分の1くらいは、人事異動で初めて来たばかりの職員です。
地方公務員の仕事は、部署によって全然違います。
これまでの業務経験が全く役に立たないこともままあります。
そのため異動してきたばかり職員には、「自分は先輩」という意識は希薄です。
むしろ「自分も初めてだから何もわからない」という思っています。
つまり、たとえ先輩であっても自分のことで精一杯で、新規採用職員を気にかける余裕はありません。
僕の場合、3月までの担当業務はあたりで、頭を使わない肉体労働がメインでした。異動を経て、4月からは県内企業の財務諸表を読んでビジュアル資料にまとめて上司に説明しています。採用区分をまたいだのではないかと思うくらいに、業務内容が激変しました。
- 陳列棚の整理
- 掃き掃除
- ダンボール箱にパンフレットを詰めて発送する
僕は個別株投資をやっていて以前から財務諸表を読んでいるので、新しい作業内容も初日から取りかかれます。
しかし、財務諸表の読み方がわからない職員だったら、ものすごいストレスになるのでしょう。
眼前の仕事で精一杯で、 周りを見る余裕なんてありえません。
教育する余裕があるとすれば、昨年度からの残留者です。
ただ彼らも、新規採用職員だけを特別待遇していられません。
教育の対象は新規採用職員だけでなく、課員の3分の1なのです。
年度始めは繁忙期
そもそも、大半の役所は4月〜6月が繁忙期で、新人教育に注力できる状況ではありません。
4月は、昨年度事業の結果をまとめて新幹部に説明します。
大抵、結果報告だけでは済みません。どうしてそんな事業をやっているのか等の根本事情から調べて説明していると、あっという間に一ヶ月が過ぎてしまいます。
支払い業務や決算数値作成のような事務作業も立て込みます。
5月下旬から6月にかけて、ほとんどの自治体で議会が開かれます。
人事異動後の新体制で臨む最初の議会です。
最初なので皆さんやたらと警戒して、膨大な調査と資料作成が発生します。
ひたすら作業量が多く、時間との戦いが続く3ヶ月間です。
周囲を気にかけている余裕はなかなかありません。よほど面倒見の良い人か暇人がいない限り、受け身で待っているだけだと放置されてしまうでしょう。
わからないことがあったら、「何がわからないのか」を頭の中でまとめてから、まわりの職員に質問してみてください。
わからないまま仕事を抱え込まれて、時間切れになったり大事件に発展するのが一番困ります。