キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2019年06月

資格関係の記事はどれも安定してPV数が稼げるので需要があるものと思っています。
だから記事に困ったら、ついつい資格ネタを書いちゃうんですよね。
 
ただ、地方公務員が資格取得に励むのは、良し悪しあると思っています。

メリット1:不足しがちな知識を効率よく補える

役所と民間企業では、必要とされる知識が全く異なります。
そのため公務員は、普通の社会人なら知っている知識(会計とか)に疎くなりがちです。

こういう知識を補うための手段として、資格取得は有効です。
資格試験のテキストには標準的な知識がパッケージ化されており、効率よく学習できます。

メリット2:資格勉強という手段に優位性あり

資格取得は、知識を得る方法の一つです。
実験したり、フィールドワークしたり、調べ物したり……他にもいろいろな方法があります。

数ある知識入手方法の中でも、資格取得は地方公務員に向いています。
公務員試験を突破したという事実が、その証拠です。

公務員試験は、そこそこ難易度の高い資格勉強です。
資格試験が得意な人でないと、公務員試験を突破できません。

つまり、公務員と資格勉強は相性が良く、資格試験というフィールドでは一般的社会人よりも優位に立てるのです。

デメリット1:本業(地方公務員稼業)に寄与しない

資格を取ったところで、本業には役立つとは限りません。

地方公務員には定期人事異動があります。
業務に役立てようと資格を取ったとしても、異動した途端に活かせなくなります。

防災部局にいた頃、2年かけて気象予報士に合格した先輩がいました。
本人は防災分野に興味があり、気象予報士の資格取得も仕事に役立てるためだったのですが、合格から1年経たずに異動して、それからずっと税関係の仕事をしています。

気象予報士が活きたのは半年未満の短い期間だけでした。

頑張って難関資格を取得しても、こういうケースが多発します。
職員の個人スキルより、シークレットルールによる人事ローテーションのほうが優先なのです。

デメリット2:スーパー公務員にはなれない

「公務員は資格試験が得意」というメリットは、デメリットでもあります。
それなりの資格を取るだけなら、公務員なら誰でもできます。
資格を取るだけでは、ユニークな公務員、俗にいう「スーパー公務員」になれないのです。

僕の場合、FP2級(合格発表待ちだけど多分受かってる)と宅地建物取引士を保有しています。
これくらいなら全然珍しくなく、宴会のネタにすらなりません。

中小企業診断士や気象予報士、通訳案内士のような比較的難しい資格のホルダーも結構います。
TOEIC950点超えもゴロゴロいます。

公務員が自己ブランディングするには、とにかくニッチな要素を付加して唯一無二の存在と化す必要ありなんだろうなと日々思っています。
そのため、保有資格名でブランディングするのは、なかなか難しいでしょう。

資格で独自性を出すなら、税理士や公認会計士のようなガチ難関資格に挑むしかありません。
公務員試験に通過している時点で相当ペーパーテストが得意だと立証されているわけなので、難関資格でも諦めず努力すれば合格できるんじゃないかと思います。応援しています。 

財政や人事のような管理部門が役所の出世ルートであることは、これまで再三書いてきた通りです。

これらの部署では「体力が必要」とよく言われます。
体力という言葉は多義的です。
筋力、持久力、瞬発力などなど……色々な意味に解釈できます。

役所での出世に必要な「体力」とは、夜寝なくても仕事が継続できるという意味だと思っています。


繁忙期は寝ている暇がない

財政も人事も、特定の一時期に業務が集中します。
財政なら当初予算の編成期、人事なら人事異動までの数か月間ですね。

連日の深夜残業はもちろん、2徹くらいは毎年発生するとのこと。
文字通り「寝ている暇が無い」状況が続きます。
この時期を乗りきれなかったら、出世ルートはこなせません。


昼よりも夜が本番

この時期は単純に業務量が多いだけでなく、日中は各部署からのヒアリング業務が詰まっています。
財政や人事の本領である「各部署からのヒアリング結果を踏まえて考える」仕事は、ヒアリングの終了後、夜しかできません

業務内容的には夜の方が大変です。
昼間のヒアリングで集めた情報をいかに使って結論を導き出すか、頭を捻らせるのが夜の仕事。
知識と経験をフル稼働させなければいけません。

つまり、単なるショートスリーパーではなく、夜こそバリバリ働ける夜型人間である必要もあるのです。

夜型の洗礼

日中普通に仕事した後、深夜まで難しい仕事をしなければいけない。
しかもそういう時期が数ヶ月続く。
これが地方自治体の出世コースにありがちな姿です。

夜型生活に順応できなかった職員は、結果的に仕事がこなせません。
低評価を受けて、出世ルートから振り落とされていくのだと思います。

出世したいと思うなら、いずれ来る「夜型の洗礼」に備えて、短眠と夜更かしの練習をしておいたらいいかもしれません。

観光部局に異動して一番初めにやった仕事が、パンフレットの校正でした。
正直、お年寄りでもインターネットを使うようになりつつある時代なのに、紙媒体にがっつり予算と時間を割く必要はあるのか疑問でしたが、半年も経たないうちに考えを改めました。

知名度が非常に低いものを告知するときには、インターネットよりも紙媒体の方が安上がりかつ効果的です。

インターネット上の情報を探すときは、ユーザーが見たいものが自然と集まってきます。
見たくないもの、そもそも存在を知らないものは、なかなか表示されません。

検索すらされないワードを告知するには?

ファーノー・ジョーダンという人物をご存知でしょうか。
C.G.ユングの著書『タイプ論』の中にちょろっと出てくる方で、『身体と血統に見られる性格』という本を書いたらしいです。

「らしいです」という無責任な表現になっているのは、この人物についてこれ以上の情報が見つからなかったためです。
少なくとも日本では、かなりマイナーな人物といえるでしょう。

図書館でこの人物の特集を組むことになったと仮定します。

この特集企画の場合、インターネットでの告知には期待できません。
豪華な告知サイトを作ったとしても、アクセス数は少ないでしょう。
そもそも誰も「ファーノー・ジョーダン」を知らないからです。

「ファーノー・ジョーダン」で検索すれば最上位にサイトが表示されるでしょうが、そもそも誰も検索しません。
「タイプ論」であればまだ検索数は多いでしょうが、関連性が非常に薄いので、優先順位は相当劣ります。

知名度皆無な情報をインターネットで広めたければ、ポータルサイトの力を借りるか、バズる必要があります。
前者にはものすごくお金がかかります。後者は狙ってできるものではありません。
どちらも現実的ではありません。

一方、紙媒体(例えばチラシ)であれば、「ファーノー・ジョーダン」を知らない人にも簡単にアプローチできます。
人通りの多いところに設置するだけでいいのです。
手に取ってもらえるかは別としても、とりあえず視界には入ります。

遠方に旅行に行くと、インターネットで事前調査したときには全然ヒットしなかった観光地やイベントのチラシと遭遇することが多々あります。
「〇〇市 観光地」で検索しても全く見つからず、名称を直接入力しない限りヒットしないのです。

地方自治体が告知したい情報って、こういうものばかりです。
そもそも知名度が低すぎて、ネット上だと誰の目にも触れません。
そのため、紙媒体の併用が不可欠なのです。

もともと知名度の高い情報ばかりが優先して表示されるのは、最近のインターネット(検索システム)の宿命でもあります。
自治体が自前で強力なポータルサイトを持つ等、弱い情報を披露する場所をインターネット上にも設ける必要があるのかもしれませn。 

役所へのUIJターン推奨ブログとして、田舎役所に就職するデメリットは極力秘匿しておきたいところなのですが、今回は正直に書きます。

田舎役所で働く金銭的デメリットの一つに、通勤手当の不完全さがあります。
公共交通機関ならほぼ満額支給されますが、問題は自家用車通勤
自動車通勤すると、確実に大赤字になります。

駐車場代が支給されない

大抵の役所には、職員用の駐車場がありません。
自家用車で通勤したければ、自分で駐車場を借りなければいけません。

駐車場代は通勤手当の対象外、つまり自腹負担です。
これが地味に痛手なのです。

日本のどこかには駐車場代も支給してくれる自治体もあるのかもしれませんが、僕は聞いたことがありません。

役所周辺は相場が高い

田舎の駐車場なんて大してかからないだろうと、入庁前は軽く見ていました。
しかし現実は甘くなかった。役所周辺の駐車場はやたら高いです。
職員からの安定需要を見込んで高めに設定しているのでしょう。
需給のバランスで価格が決める、まさに市場経済です。

僕の勤める県庁の場合、ターミナル駅付近や中心商業エリアとほぼ同額です。
はっきりとした金額を書くと特定されそうなので伏せますが、年間10万円は駐車場代のために自腹を切っています。

それでも車通勤する理由

僕は一年半くらい考え抜いた結果、車通勤を選びました。

公共交通機関の場合、片道70分かかります。
(最寄り駅まで徒歩30分なので、トータルでこれくらいかかります)
一方、車通勤だと片道20分です。
車通勤に必要な駐車場代は約10,000円/月で、日割りすると約500円です。

公共交通機関で通勤すれば、100分/日を費やすことで500円節約できます。
この100分間は基本的に立ちっぱなしで、何かするとしたら、音楽やポッドキャストを聞くくらいでしょうか。 
こういう時間は、週末の河川敷散歩タイム(1時間/日)で十分足りているので、これ以上は不要です。

そのため、500円程度では時間を売れないと判断し、車通勤を選びました。

今後オーディオブックに嵌ったり、立ちっぱなしでもできる趣味が見つかったりして、100分間を有効活用できるようになったら、車通勤をやめるかもしれません。


アパートを借りるつもりなら、公共交通機関で通勤できる場所を選んだほうが無難でしょう。
新採時の手取り(14万円くらい)だと、駐車場代を負担しきれない可能性大です。

だいたい20,000PV/月前後を彷徨っている本ブログ。
広告を貼ったらアニメブルーレイ1枚分くらいは貰えるらしいのですが、公務員という立場上貼らずに我慢しています。

インターネット上だと「そろそろ公務員も副業解禁されるぞ」みたいに鼻息荒い方も多いですが、僕は解禁はありえないと思っています。

世論は地方公務員に甘くない

正規職員の副業解禁は原則あり得ない、というのが僕の持論です。
代わりに、副業自由の任期付職員(非正規の職員)が増えると予想します。
詳細は過去記事をご覧ください。
公務員の副業は国家公務員法や地方公務員法で制限されています。
制限する理由は大きく3点です。
信用失墜行為の禁止(国家公務員法第99条)
副業のせいで本人、勤務する役所、さらには行政・公務員全体の信用を貶めることがないようにする
守秘義務(同法第100条)
本業の秘密が副業のせいで外部に漏れないようにするため
職務専念の義務(同法第101条)
副業のせいで本業に支障が出ないようにするため

法令では、公務員の副業はリスク要因と考えています。
副業を許してしまうと、健全な行政運営に支障が出るかもしれないので、原則禁止しているのです。

例示するまでもなく、行政に向ける世論の視線は厳しいです。
公務員はもっと頑張るべし、清廉潔白であるべしと圧力を加えて続けています。
 
このような厳しい環境下で、公務員の副業というリスクをあえて解禁するのは、世論に真っ向から反抗します。
ネット上で見かける「職員の待遇が低下する代わりに」とか、「職員のスキル向上のために」とかいう理由では、国民は納得しないでしょう。

副業解禁されたところで影響は限定的

たとえ副業が解禁されようとも、大半の公務員は無関心だと思います。
公務員(特に地方公務員)は、ひと財産築こうとか、仕事を通じて自己実現しようとか、こういった野望を持っていません。
家族と仲良く平穏に暮らすことを最優先します。

そのため、個人事業主として仕事を受託したり、法人を立ち上げたり等の本格的な副業をする人は、ほとんど現れないでしょう。
週末に単発肉体労働バイトを時々入れて家計の足しにするくらいでは?


人材業界へのインパクトは大きい?

ただ、公務員という週末アルバイターが大量出現することの社会的インパクトは大きいでしょう。

公務員アルバイト専門のマッチングサイトみたいな新サービスが登場したり、公務員の自己啓発が今以上にブームになったり……人材絡みのビジネスが盛り上がりそうです。

役所を踏み台にする起業家が増える?

副業人口は増えませんが、公務員出身の起業家は増えると思います。

公務員業務を通して発見したビジネスを副業で試してみて、うまくいったら公務員を辞めてそちらに専念する。
こういうスタイルの起業が増えるのではと思います。

観光や産業振興の最前線でバリバリ成果を出している職員が、意に沿わない異動命令を出されたから辞めて独立……みたいなパターンも出てきそうです。

もちろん、成功するかどうかは別問題です。
ただ、起業のハードルは確実に下がってきています。
起業支援の補助金や公的支援機関は着実に整備されてきていますし、民間金融機関でもどんどんサービスが増えてきます。

制度をフル活用してローリスクで起業、成功すればそのまま続けて、失敗したら……任期付の非正規公務員として役所に出戻りでしょうか?

どうせやるなら役所経験が活かせる副業を

某大手アルコールメーカーの方と先日お会いしました。
その方の会社は副業が盛んで、つい興味本位でどんな副業が流行っているのか聞いたところ、アルコール飲料の販促ノウハウを活かした特産品のおつまみ化コンサルとのこと。

副業先進企業では、本業を活かした副業がメインです。
地方公務員の副業といえばWebマーケティングとプログラミング!みたいな風潮がありますが、あえてレッドオーシャンに突撃するのは正直疑問です。
何らかの形で役所経験を活かせるようにしたいですね。 

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