キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2019年09月

公務員への内定をゲットした皆様、おめでとうございます。
この時期、ツイッターなんかで大学4年生の様子を見ていると本当に羨ましくなります。
特段不安のない自由な時間。字面だけでも素敵です。

僕の場合、訳あって卒業単位数が足りていなかったので、大学4年下半期も毎日大学に通って必死に講義を受けていました。
そのため、自由の歓びを知らないまま、労働に囚われてしまいました。

就職してからというもの、この時期になると「ああしたかった」「こうしたかった」という後悔が次々浮かんできます。

休めるようで休めない若手地方公務員

本題に入る前に、若手公務員の余暇形態の特徴を整理します。
「人生の夏休み」とも言われる大学時代と比べると、地方公務員の生活は制約だらけです。

長期の休み(4日以上)が取りづらくなる

ゴールデンウィークと年末年始以外だと、長い休みはなかなか取得できません。
そのため、長期間にわたる娯楽や、数日間の休養が必要なハードワークは、就職してしまうとなかなか実行できなくなります。

休暇予定は易々と潰される

前々から休暇を申請していたとしても、突発的な仕事が発生したら出勤を命じられます。
「友人の結婚式」くらいの重要イベントでも仕事優先です。
どこの部署でもよくあるのは議員関係とマスコミ対応。あとは部署ごとに色々あります。

身分上の縛りができる

たとえ休日であっても、地方公務員という身分から解放されるわけではありません。
「副業禁止」などの規則は常につきまといますし、ボランティア団体やNPOによっては公務員を排除しているところも結構あります。
とにかく自由な大学生の頃と比べると、かなり行動が制約されます。


僕がやりたかったこと(陽キャ編)

遠方への旅行

定番中の定番ですが、一番後悔しているのはこれ。
3日以上の休みが取りづらくなるので、旅行するとしても1泊2日がメインになります。
そのため、移動だけで半日以上かかるような場所へはなかなか行けません。
道央〜道東を旅したかった……

怪しい単発バイト

ブログでおおっぴらに公表するのが憚られる怪しいバイトを、もっとやっておくべきたったと後悔しています。
怪しいバイトをこなした数だけ、会話のネタが増えます。

未経験のスポーツや楽器

新しく始める楽器やスポーツは、最初にがっつり基礎を身につけられるかどうかで、後々の上達具合が変わってくると思います。
一旦就職してしまうと、がっつり練習できるのは土日の二日間のみ、次の練習まで5日間も空いてしまいます。

特に初心者のうちは、5日間ブランクがあると未経験者並みに腕が衰えてしまうもの。
自由に時間が使えるうちにがっつり練習してある程度上達しておかないと、習得効率がガクッと落ちてしまいます。

陰キャ編も書きました。こちらからどうぞ。

その他(同期職員から聞いたこと) 

自治体主催ではないボランティア・勉強会

有志でやっている活動に地方公務員が参加すると、主催側に「役所お墨付きだ」という誤解(あるいは意図的にそう解釈)を与えてしまい、トラブルになるケースがよくあります。

そのため、興味があっても近寄らないのが基本です。
参加するなら学生のうちしかできません。

博物館・美術館巡り

公務員は基本的に土日休みなので、どこに行くにしても混雑を避けられません。
学生のうちは学割が効く上、平日に行けます。

奇抜なファッション

公務員は無難な格好を求められます。
特に男性の場合、髪染めNG、長髪NG、装飾具一切NGという役所も少なくないようです。
ファッションで自己表現したいのであれば、学生のうちに心ゆくまでやっておいたほうがいいでしょう。

老後資金2,000万円不足に続き、興味深いレポートが国から発表されました。


厚生労働省若手による緊急提言という形で、
  • 業務改善
  • 人事制度
  • オフィス環境
上記3点にフォーカスして、厚生労働省の労働環境がいかにひどいかの具体的指摘と、改善に向けての具体的提言をまとめています。

とても読みやすい「概要版」もあるので、公務員であろうとなかろうと、万人にぜひとも読んでほしいです。
むしろ本体よりも概要版を読んでほしい。役所が作るレポートとしては近年稀に見る怪作です。

あくまで僕の推測ですが、このレポートは社会に広く読まれることを目的として作られています。

類を見ない気合の入り具合

僕がこう考えるのは、体裁があまりに役所っぽくないからです。
 
役所がまとめるレポートの類は、普通もっと無機質です。
ワードで手作りした感が満載のシンプルなつくりで、お世辞にも読みやすいとは言えません。
そもそも役所関係者以外には読ませるつもりがないので、読みやすくする労力を節約しているのです。

一方、今回の緊急提言(概要版)は、役所っぽくありません。
ビジュアルにとことんこだわり、読みやすく感情を揺さぶります。巧いです。

ここまで作りこむのはものすごく大変です。しっかりお金をかけて外注しているでしょう。

官僚が作成した原文をプロのライターが改稿し、デザイナーがオリジナルのイラストやピクトグラムを作り、InDesignあたりの専用グラフィックソフトを使って紙面レイアウトを作り……という複雑かつ豪華な工程が眼前に浮かびます。

「お金と手間と時間をかけてでも役所以外の人間にも広く読んでもらいたい」という強い意図を感じます。

役所はマジで職場環境にお金を使わない

大手優良企業にお勤めの方がこの報告書を見たら、厚生労働省の職場環境があまりに時代遅れなことに驚くでしょう。
冷房が効かなくて夏場32度あるとか、ブレーン担当の官僚が会場設営と荷物運びに忙殺されているとか、スケジュールが共有されていないとか……

実際のところ、これらは厚生労働省に限った話ではありません。
ほとんどの役所も似たような状況です。

役所ごとに理由はいろいろあるのでしょうが、どこでも共通して最大のネックなのが、職場環境改善のための予算が全然認められないこと。

地方自治体の場合、職場環境改善のために予算を使おうとすると、ほとんどの場合、議会や住民から反発を受けます。

彼ら彼女らへの恩恵が無いからです。

「職員の勤務環境改善」なんて言い出したら、次回の選挙で落ちてしまいます。
そのため、トップダウンでは絶対出てこないし、ボトムアップでも途中で圧殺されるのです。

国の状況はよくわかりませんが、似たような状況なのかもしれません。

「役所はやる気がないからいつまでも旧態依然としているのだ」と思っている方もいるかもしれませんが、それ以前に予算が全然無いから改善できないという事情も知ってほしいです。

報告書の目的

このレポートは単なる現状暴露ではなく、厚生労働省が堂々と職場環境改善のための予算要求をするための布石なのだと思っています。

ただ「職場環境改善の予算をくれ」と要求しても却下されてしまうので、世論を味方にするために、このような緊急提言を出したのでしょう。

「職場環境がダメだから役所はダメなんだ!しっかり改革しろ!」
こんな感じの国民の怒声を財務省にぶつけることで、予算要求を通そうとしているのです。

もしかしたら、老後資金2,000万円不足の報告書がバズった様子を見て、二匹目のどじょうを狙ったのかもしれません。

この予算が通過すれば、自治体も追従する流れが生まれるかもしれません。
僕の勤める自治体も例に漏れず超絶ローテク環境です。
職場で使っているパソコンはWindows Vista時代の年代物で、エクセルファイルを3つ以上開くとフリーズします。 10MB以上のPDFはメモリ不足なのか開けません。

みんな読もう!そして声を荒げましょう!


個人的に一番僕が紹介したいページがこちら。
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会議参加者用のお茶を発注したり、会議室の冷暖房や照明をオンオフしたり、会議室のマイク電池残量を確かめたり……
いずれも国家公務員(総合職)若手の重要な仕事です。

答弁準備とかで疲弊している中、こういう単純作業もしっかりこなせるかどうかが、若手官僚の評価基準だともっぱらの噂。
どう考えても非効率というか、頭脳の無駄ですよね……

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