これまで数多くの学園ラブコメ作品で「主人公とヒロインが一緒に試験勉強」というシーンが描かれてきました。
実際に経験したことのある
二人っきりの試験勉強、非常に微笑ましいシーンではありますが、僕は根暗コミュ障なので、試験勉強といえば一人で黙々と進めるものだと今でも思っています。
そもそも複数人で勉強すると、全く頭に入りません。
誰かに話しかけられたら集中が途切れますし、そもそもほかの人の仕草が気になって集中モードに入れません。
大学受験のときは「一緒に勉強しようぜ」と誘われないよう放課後すぐに帰宅していましたし、公務員試験のときも、学内の公務員志望クラスタとは距離を置いて、主に自室で勉強していました。
僕のように「一人でないと集中できない」「作業するときは一人で没頭したい」というタイプの人間が地方公務員になると、けっこう苦労すると思います。
こういうタイプにとって、役所は非常に集中しづらい環境です。
あまりに気が散るために、苛立ちを募らせてしまうかもしれません。
集中しようのない職場環境
そもそも役所は、誰にとっても集中しづらい環境です。まず、役所は設備が大変貧弱です。
机椅子はボロいしサイズも合わない、夏は暑くて冬は寒い、薄暗い、人口密度が高いせいで息苦しい……などなど、挙げ出すときりがありません。
加えてうるさいです。
定時内はひっきりなしに電話がかかってきますし、会議や打合せも多いです。
基本的に定時内はだれか喋っていて、話し声が聞こえてきます。
さらに人の出入りも激しく慌ただしいです。
窓口機能のある部署は当然ながら利用者が訪れますし、そうでない部署でも頻繁に他部署の職員がやってきます。
特に意味もなく巡回に来られる住民の方々もいらっしゃいます。
つまるところ、もともと集中しづらい環境(設備面、騒音面)である上に、集中が途切れやすい環境(電話・来客など外的刺激が豊富)でもあるのです。
コミュニケーション最優先
役所は組織であり、だれか一人だけで完結する仕事はほとんどありません。仕事を進めるには、職員間のコミュニケーションが不可欠です。
定時内はコミュニケーションが何より優先されます。
いくら目先の作業に集中したくとも、
- 話しかけられたら即座に顔を上げる
- 電話がかかってくれば応じる
- メールが届けば即開封
目先の作業を優先してコミュニケーションを後回しにするのは、限られた状況下でしか許されない特例措置です。
「どうしても今作業しないと期限に間に合わないから」なら認められますが、「今は集中したいから」という個人的な理由だったら総スカンを食らうでしょう。
少なくとも定時内は、自分の世界に没入していられないのです。
僕の知り合いには、集中するために1〜2時間の有休を取って自家用車に籠る職員が複数います。
職場にいるとコミュニケーションに気を取られるので、こうやって一人の時間を捻出し、集中力を要する仕事をこなしているとのこと。
一人で集中する時間が欲しければ、役所内から避難せざるをえないのです。
僕は集中を放棄した
公務員試験に限らず、試験勉強には集中力が重要であるとよく説かれます。実際僕もその通りだと思います。勉強時間(勉強量)も重要ですが、だらだらやっていては効果が薄いものです。
公務員として採用されるには公務員試験をクリアする必要があり、公務員試験のクリアのためには試験勉強をうまくこなす必要があります。そして試験勉強には集中力が重要です。
したがって、公務員として採用された人は、集中力が求められる公務員試験を突破しているわけで、それなりに高度な集中力を備えているものと思われます。
公務員試験を突破された方々は、試験勉強の過程において、集中することのメリットを経験しているでしょう。
そのため公務員実務でも、これまでに培った集中力を発揮して効果的に仕事を進めたいと思うはずです。
ところが実際には、集中したくでもなかなかできません。
特に「一人でないと集中できない」というタイプには厳しい環境です。
僕はもう職場で集中することを諦めています。
集中しようとしてもどうせできないし、できないせいでフラストレーションが溜まるだけですし。
幸いにも閑職なので集中を要する仕事はそれほど多くありません。
制度改正の中身を読み込んだり、気を遣う相手へのメール文面を練るときくらいでしょうか。
出世したいのであれば、どんな環境下でも集中力を発揮しなければいけないでしょう。
横槍を食らってもすぐに集中モードに復帰できる「切り替えの早さ」も求められます。