キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2021年01月


新年一発目の記事から陰謀論をお届けしていきます。

広報担当者にとって、今年は地味に大変な一年になりそうだと思っています。
カネとネタに飢えたマスコミ(テレビ局・新聞社)が役所に群がってきそうです。

役所から広告費を絞りたい

マスコミの経営状況は思わしくありません。
特に広告収入の落ち込みがひどいようです。

株式を上場しているテレビ局の決算短信では、真っ先に「広告収入の減少」を訴えています。
新聞社は非上場なので詳細はわかりませんが、「広告収入が減って厳しい」と報道されています。


『鬼滅の刃』最終23巻の発売に合わせ、2020年12月4日の全国紙5紙(朝日、読売、毎日、産経、日経)の朝刊に、作中キャラクターの登場する広告が掲載されました。

漫画や映画の宣伝のため大々的に新聞広告を打つという宣伝方法自体は珍しくはありません。
ただ、『鬼滅の刃』でやるとは想像だにしていませんでした。

原作コミックスを最後まで読んだ方ならわかると思いますが、本作の終盤には新聞社的に絶対認められないであろう(「こんな展開を子供たちに読ませてはいけない」とか言って叩くほうが自然な)シーンがあります。
 
新聞社としての思想を捻じ曲げてまで広告収入が欲しかったのだろうと思わざるを得ません。
 


テレビ局の決算資料によると、広告収入減少の原因は、新型コロナウイルス感染症(以下「新コロ」)による経済活動の停滞です。
これまで広告を打ってくれていた民間企業が、新コロのせいで経費節減に走ったり、広告したいモノ・サービスをうまく生産できていないせいで、広告を打たなくなっています。
つまり、広告への需要が縮小しています。
 

この状況は日本全国どこの地域も変わりませんし、全国メディア・地方メディアともに直面している苦境だと思います。

羽振りの良い唯一のセクター=行政

経費節減ムードが蔓延する中、行政だけは例年になく金遣いが荒いです。
国では「持続化給付金」「Go toキャンペーン」のような超大型事業を立て続けに展開していますし、自治体でも独自の給付金やクーポン券事業などを行なっています。

あまり報道されませんが、自治体には「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」というお金が国から交付されています。
使用用途は幅広く、自治体の判断でかなり自由に使えます。
もちろん広報にも使えます。


役所攻めがローリスクハイリターン

  • とにかく広告収入が欲しい
  • 民間企業よりも行政のほうが資金的余裕がある
となれば、行政から広告収入を得ようとするのが自然かつ成功率の高い戦略です。
しかも超簡単です。広告が無くて空いている時間や紙面を使って、「住民に伝わってない、もっと広報しろ」とひたすら殴ればいいだけです。

実際、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」のうち相当な額が、既にマスコミに流れているんじゃないかと思っています。

もちろん、広報は重要です。
しかし、「テレビのスポットCM」や「新聞広告」のようなマスコミ経由の広報のほかにも、手段はいろいろあります。
マスコミに言われるがまま広告を打っていたら、それこそ無駄遣い極まりないです。

役所からネタを絞りたい

去年の年末に、総務省から「令和2年地方公務員給与実態調査結果等の概要」という資料がリリースされました。

自治体ごとの職員給与月額のラスパイレス指数などが掲載されている資料で、一部の層を除いて面白いものではありません。
しかし、僕の住む地域の地方紙では、この資料の中身を膨大な紙面を割いて解説していました。

思うに、記事のネタが枯渇しているのでしょう。

経済活動が停滞すると、マスコミが報道で取り上げる「ネタ」も減ります。
ニュースのネタになるには何であれ「動き」が必要です。動きが無ければネタは生まれません。

一方、役所は、むしろ平時よりも活発に動いていて、安定してネタを生産しています。
しかも最近は新コロのせいでいつになく行政の動きに関心が集まっており、どんなネタであれ反響を期待できます。
つまり、役所の動きに注目していれば、「それなりに受けるネタ」が安定的に見つかるのです。

役所側としては、自分たちの一挙手一投足がネタにされかねないという実情と、マスコミの監視の目を意識する必要があると思います。

これまで一度もマスコミに取り上げられたことのないようなマイナー事業こそ注意が必要です。
もし取材されたらどういうふうに紹介するのか、念入りに吟味しておいたほうが無難でしょう。
今の不安定な情勢下では、不用意な発言は命取りです。

マスコミは営利企業

カネとネタを求めるマスコミの猛攻は、2020年から既に始まっている流れなのでしょうが、今年はより一層過激になると思います。
対立路線で挑んでくるところもあれば、協調路線を敷いてくるところもあるかもしれません。
いずれにせよ真剣です。

マスコミは営利企業です。利益最優先で動きます。
よく「民意」「道徳」「倫理」のような高尚な概念を持ち出してきますが、これらを武器として使えば利益が出るからやっているだけです。これらの概念に遵奉したいわけではありません。

自治体の広報担当者は、例年になく強烈なマスコミからの外圧と対峙することになるでしょう。
まずは何より「相手は営利企業、利益のため打算的に動いている」「結局は広告収入とネタを欲している」ことを念頭に置き、冷静に対応したほうがいいと思います。

 

公務員志望者向けの記事は「公務員になるまで」カテゴリにまとめているところですが、だいぶ記事数が増えてきて過去記事を参照しづらくなってきているので、本ページで整理しておきます。

公務員志望者(主に大学生)が抱きそうな疑問別に、僕の考えと関連記事を載せていきます。

筆記試験の勉強法は?

とにかく過去問演習が重要です。
公務員試験では「問題本文」という不親切な日本語を大量に読み解かなければいけません。
問題文を読解する力は、知識のストックとは別物です。
講義を受けたり、基本書を読み込んでも身につきません。問題演習という訓練が必要です。

予備校の必要性は、これまでの試験遍歴次第です。
これまで独学で受験や資格試験を突破してきた実績がある方なら、独学でも対応できるでしょう。
迷うなら予備校に通ったほうが無難です。

勉強法そのものは、弊ブログよりも参考になるブログや動画が多数あるので、そっちを参照してください。

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面接対策は?

志望動機に地雷を盛り込まないよう、受験する自治体が置かれている環境を調べておく必要があります。
加えて現役公務員と直接コミュニケーションをとって、「公務員っぽさ」を身につけるのが有効だと思います。
 
志望自治体の職員にOB訪問すれば、この二つを同時に達成できます。
あとは志望自治体でなくとも説明会に参加して、公務員との接触回数を増やせばいいと思います。

くれぐれもインターネット上の情報だけに頼ってはいけません。
自分が言うのもアレですが、偏っています。
生身の現役公務員に接触してください。

面接本番のテクニックは他のブログや動画を参照してください。

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待遇は?

大卒1年目の年収は、だいたい250万円くらいです。
(基本給+ボーナス(期末手当・勤勉手当)、残業手当・地域手当などその他手当除き)
 
これが30歳(勤続8年、休職なし)になると、だいたい年収400万円くらいになります。

大卒正規職員であれば、休職せず、不祥事を起こさずに淡々と仕事をしていれば、最低でもこれくらいは貰えると思ってください。
手取りだと、この金額の75%くらいです。

若いうちからバリバリ稼ぎたいなら、民間企業のほうが確実に適しています。
例えば地銀と比べると、だいたい営業成績が悪くてインセンティブが全然もらえていない行員×0.9くらいの水準だと思ってください。

よほど豪勢な暮らしをしない限り、独り身であれば黒字で生活できる給与水準ですが、結婚して子供が誕生すると厳しくなります。
黒字化するには共働き必須で、奥さんの産休中は赤字にならざるを得ません。


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公務員に向いている/向いていないのはどんなタイプ?

入庁前から「やりたい仕事」がはっきりしている方は、逆説的ですが公務員に向いていないと思います。
人事異動の仕組み上、どれだけ熱心に希望しようとも、「やりたい仕事」を担当できる保証が無いからです。

用地交渉や滞納整理のような担当職員が複数いる業務なら、実際に担当できるかもしれませんが、人事異動の仕組み上、その仕事にずっと携われるわけではありません。
長い公務員人生のうち、せいぜい数年間だけです。

さらに、「やりたい仕事」を担当できたとしても、自分の意向どおりに進められるとは限りません。
公務員(行政)は、そもそも意思決定を行う立場ではなく、国民(議会)が決めたことを粛々と執行するための存在です。
つまり、たとえ担当職員自身の意向とは正反対の内容であっても、国民が決めたことを覆せません。担当職員の意見なんて風前の灯です。

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成長できるのか?

インターネット上では「公務員としていくら働いても成長できない」というのが定説になりつつありますが、僕は違うと思います。
 
公務員経験も、成長に寄与します。
ただしその成長は、お金稼ぎには役立ちません。
転職市場では評価されませんし、独立して稼げる能力も身につきません。

「公務員の成長」の内実は、職員それぞれの異動遍歴によって決まると思います。
つまり人それぞれです。
自分がどういうふうに成長してきたのか、自分で考えてみるしかないでしょう。

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地方公務員に「稼ぐ力」が欠落しているのは事実だけど、それはそれでいいと思う

圧倒的成長を成し遂げるのは予備校利用者よりも独学合格者のほうなのかもしれない

公務員にもいろいろ種類があるが、どれがいいのか?

消去法で決めるのが一番無難だと思います。

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都会で就職するか、田舎で就職(Uターン含む)するか?

仕事よりもプライベート優先で考えたほうがいいと思います。

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民間企業への就職活動と両立できるのか?

公務員試験対策と民間就活は両立可能ですし、たとえ公務員が第一志望であっても民間就活を経験しておいたほうがいいと思います。
エントリーシートの書き方や面接本番の受け答えの練習になりますし、もしかしたらワンチャン公務員より高待遇の職に就けるかもしれません。

何より、民間就活の成果(内定を得られるかどうか)という客観的事実をもって、労働市場における自分の価値がなんとなくわかります。
内定を得られた方は「民間でも通用するけど『公務員を選んだ』」人間です。
一方、僕のように無い内定であれば「民間では使えない『公務員しか務まらない』」人間です。

公務員生活に嫌気がさして離職を考えるとき、この差は非常に大きいです。
前者のタイプはうまく転職できる可能性がありますが、後者は厳しいでしょう。

新卒時点で民間就活を経験しなかったら、自分がどちら側の人間なのかわかりません。
その結果、全然民間向きではないのに「自分は民間でも通用するはずだ」という見当外れの期待を抱いて意気揚々と離職するも、転職に失敗……という悲劇に陥りかねません。

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仕事のやりがいは?

やりがいは人それぞれです。
離職率の低い職業なので、なんだかんだで各自やりがいを見出しているのではないかと思います。

僕の場合、日常に潜む闇を垣間見れるのがやりがいです。
個々人の心理だったり、古の慣習であったり、組織間の縄張り争いだったり……
「事実は小説より奇なり」という言葉を日々噛み締めています。

蓋されている「臭いもの」を暴いて、ひとつでも改善できればいいなと思っています。

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【自分語り】地方公務員稼業のやりがいとは?

忙しいのか?

配属される部署次第上司次第です。
ほぼ毎日定時勤務できる部署もあれば、安定しててっぺん超えて休日も出勤している部署もあります。

多忙を避けたいなら県庁か政令市がおすすめです。
大きい自治体のほうが人員に余裕があり、閑職ポストも多いと思われます。

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小さい(職員数の少ない)自治体に勤務する構造的なリスクとは?

モテるのか?(男性の場合)

「出会いの機会を確保できる」という意味では、地方公務員という肩書きがプラスに働きます。
公務員対象の出会いの場(合コンなど)も数多くありますし、マッチングアプリでも有効らしいです。

ただし出会いを果たした後、そこから親密な関係に発展していけるかは別問題です。
あくまでも足切りライン突破までは有効ですが、そこから先は知りません。




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