最近エゴサーチしてますか?
僕は四半期に一回くらいのペースでエゴサーチしています。

自意識過剰と思われるかもしれませんが、公務員(内定者含む)であれば、誰もが一度はしっかりエゴサーチして、インターネット上に転がっているオープンアクセスな情報だけでどの程度まで自分の身辺を洗えるのか、把握しておいたほうがいいと思います。

多くの地方自治体では、何らかの形で、職員の氏名を公表しています。
最もオープンな自治体ではインターネット上で人事録を公開していて、平職員のフルネームまで容易に調べられます。
紙媒体の人事録であれば、情報公開窓口に行けば、ほとんどの自治体で閲覧できるでしょう。

人事録を作っていない小さな自治体でも、部署ごとの座席表であれば庁舎内に掲示されているでしょう。それを見れば氏名がわかります。

つまり、地方公務員であれば、誰もが氏名を検索窓に打ち込まれ、個人情報を漁られる可能性があるのです。
そして実際、役所外部の人間にガンガン検索されています。

地方公務員の個人情報は(いろんな意味で)おもしろい

自治体職員とのコネクションを求める団体や個人は案外います。
 
営利目的で営業を仕掛けるため、許認可や補助関係で便宜を図ってもらうため、内部情報を入手するため、職員首長や議員へのパイプ作りのため、民間どうしの係争で役所を味方につけるため……等々、目的は様々です。

目的は何にせよ、いきなり見ず知らずの相手にアプローチを仕掛けるより、何らかのバックグラウンドを共有している相手から攻め崩していったほうが勝率は高まります。
役所側から民間に仕掛けるときにも頻繁に使う手法です。

特に便利で汎用性があるのが、以下の情報です。
  • 出身地
  • 学歴
  • 職歴
  • プライベートで所属している団体(地域のスポーツクラブなど)

氏名でググってみてこのあたりの情報がヒットすれば儲け物。
「共通の知人」くらいの間柄の人なら簡単に探し出せるでしょう。
せっかく公表されているのですから、検索しなければもったいないです。
何もヒットしなくても損失はありません。ゼロコストローリターンです。


役所を叩きたい方々にとっても、公務員の個人情報は重要です。
プライベートでの不祥事を発見できれば即席の批判ネタとして使えますし、職員個々人の詳細なプロフィールがわかれば、新たな火種を見つけられるかもしれません。

新規採用職員は特に狙い目です。
公務員が置かれている立場をよく理解していないためにガードが甘く、氏名でググるだけで色々な情報がまさに芋づる式に掘り起こせます。



良い意味でも悪い意味でも、公務員の個人情報は注目されています。
面倒ごとを引き起こさないためには公開情報のコントロールが必須です。
コントロールの第一歩となるのが現状把握であり、すなわちエゴサーチなのです。

ディフェンシブが基本

最近は「セルフブランディングが重要」と叫ばれていて、プライベートの一部をインターネット上に公表するメリットも説かれているところですが、地方公務員の場合はあまりにリスクが高すぎると思います。
(実名で活動している公務員の方々は想像を絶する苦労をされているところを思います。本当に尊敬します。)

特段の目的が無いのであれば、プライベートの情報は極力公開しないほうが無難です。

SNSは鍵かけて意味不明なアカウント名にする

今の時代、何が原因で炎上するかわかりません。
本来燃えるはずがないものすら悪意をもって燃やされる時代といったほうが正確かもしれません。

特にSNSのアカウントは原則非公開にして、リアルな友人知人との交流目的だけに止めたほうが安全でしょう。
かつ、アカウント名は、本名とはかけ離れたものにすることを勧めます。
アカウントを非公開設定にしたところで、アカウント自体が見つかってしまえば、そこからプライベートを掘られてしまうからです。

僕の本名が「久川颯」で「hayate_hisakawa」というツイッターアカウントを持っていると仮定します。
炎上が怖いのでアカウントに鍵をかけています
(俗にいう「非公開設定」であり、僕が許可したユーザーしかツイート内容を読めません)。
 
そこそこ珍しい氏名なので、ググれば簡単にツイッターアカウント自体は特定できます。
ただし鍵がかかっているのでツイート内容は一切読めませんし、フォロー/フォロワー関係もわかりません。

しかし、ツイッター内の検索機能を使って、hayate_hisakawaあてのリプライを検索してみれば、他者から僕に宛てられたリプライを探せます。
僕がいくら鍵アカウントであっても、リプライ発言者(発信元)が鍵をかけていなければ、僕あてのリプライ内容が読めてしまうのです。

リプライの内容次第では、僕とリプライ発信者の関係性を推測できます。
「同窓会行くの?」だったら同窓生ですし、「明日昼飯一緒に行こうぜ」だったら職場の同僚、「尊い…」だったらオタク趣味仲間の可能性が高い、とか。
関係性が見えてくれば、あとはリプライ発信者のプロフィールを特定できれば、僕のことも芋づる式にわかります。

一人のリプライ発信者からわかる情報は限定的かもしれません。
しかし何人分も同じ作業を続けていけば、恐ろしいことにそれなりに見えてきます。

リプライ内容自体が問題になるケースもありえます。
「また大麻売ってくれよ」みたいな反社会的内容はもちろんのこと、「最近儲かってんだろ?ゴチになるわ」みたいな些細な会話から副業を疑われるケースも考えられます。
 


とにかくアカウント自体を発見されないようにしたほうが安全です。

もし不特定多数の人と交流したいのであれば、絶対に氏名と結びつかないよう(氏名を検索しても絶対にヒットしないよう)注意するか、特定されても一切問題がないよう聖人君子のように振る舞う必要があるでしょう。

「勝手にアップされている個人情報」を把握する

インターネット上には、自分がアップしたわけではない個人情報も転がっています。
  • 大学時代の研究室やゼミのホームページ
  • バイト先・サークルのブログ
  • 予備校の合格体験記
  • スポーツの大会記録

ざっと思いつくのがこのあたりでしょうか。

こういった情報は自分では消せません。放置しておくしかありません。
とはいえ、どういう情報がインターネット上に掲載されているのか、リスクとして把握しておく必要があります。

まずはエゴサーチしてみよう

よほど珍しい名前でない限り、同姓同名の人間が存在します。
そのため氏名だけでエゴサーチしてみても、同姓同名の方々の中に埋もれてしまい、自分の情報が見つからないかもしれません。

エゴサーチするときは、単に自分の氏名を検索するだけでなく、自分がヒットしやすくなるよう絞り込めるような要素を付け加えて検索してみてください。
 
具体的には
  • 居住している都道府県名・市区町村名
  • 勤務先自治体
  • 在籍した学校(小学校〜大学まで全部)

あたりの要素は必須級で、ほかにも自分と関係のある要素を試してみればよいでしょう。

苗字だけとフルネームの両方を検索することも重要です。
フルネームの表記は無くても、苗字だけ記載されているドキュメントも多数あります。
フルネームだけ検索していては、こういう情報を見落としてしまいがちです。