キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2022年03月

公務員への内定を獲得された皆様、おめでとうございます。
長く不毛な試験勉強に耐えきり、今は自由を満喫していることと思います。
しっかりエンジョイしてください(羨望)

とはいえ、4月からの労働生活に不安を覚えている方もいるでしょう。
不安解消に役立ちそうな記事をまとめてみたので、気になるものがあれば読んでみてください。

時間の使い方

お金の勉強だけは本気でおすすめします。
1月試験でFP3級受験して、参考書はメルカリで売りましょう。


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就職すると生活習慣が変わります。
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入庁前の予備知識

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即戦力として重宝される(そして出世コース一次選抜に勝利する)新人地方公務員の特徴とは?

標準的知識を手軽かつ安価に学習する手段として、資格試験は有用です。
このブログでも事あるごとに推奨しています。

ただし、地方公務員には縦横無尽な人事異動という宿命があります。
せっかく頑張って知識を仕入れたところで、人事異動により無用と化すケースが後を絶ちません。
そのため、「どうせすぐに無駄になるから地方公務員に資格は不要」と考えている方もかなりいます。

実際のところ、資格そのものも、試験勉強によって得た知識も、役立つ期間はごく僅かかもしれません。
しかしそれでも、資格試験へのチャレンジは、地方公務員にとって有用だと思います。
 
資格試験勉強の過程で「参考書を読み込む」ことが、「小難しいことを噛み砕いて説明する」という地方公務員稼業に必須のスキル向上に資するからです。

「十分咀嚼する」という難行

地方公務員の仕事には「説明」がつきものです。
 
説明会を開いたり、住民やマスコミからの問合せに回答したり、議員などの有力者に施策内容をレクチャーしたり……といった説明相手と直々に対面するものに加え、広報物やホームページに掲載する文章・図表を作成するような広義の「説明」も含めれば、業務のうちの相当部分が「説明」関係だと言えるでしょう。

本庁勤務の場合は、庁内向けの説明業務もたくさんあります。
自分が担当する法令や制度について別部署に解説するのが典型ですが、財政課に対して予算要求するのも一種の説明業務でしょう。

地方公務員の説明は、概して小難しくてややこしくなりがちです。
これはどうしようもありません。
説明対象が法令や制度のような抽象的存在であることが多く、説明する側にとってもされる側にとってもリアリティを感じにくいからです。

とはいえ、「どうしようもない」と諦めるわけにもいきません。
相手に理解してもらうには、説明者はなるべくわかりやすくなるよう工夫を凝らすしかありません。

高い理解力がかえって「わかりにくい説明」を生む

多くの地方公務員、特に若手は、「わかりやすく説明する」のがあまり上手くありません。

地方公務員はそれなりの難関試験である公務員試験を突破しており、世間一般よりも高い理解力を備えています。
そのため、世間一般にとっては「難しい」と感じられる内容であっても、それなりに理解できてしまいます。

この理解力が、説明業務においては仇になります。
世間一般の理解力がどの程度なのか、わからないのです。
 
世間一般の水準を知らないゆえに、自分基準で「わかりやすい」説明で満足しがちです。

自分基準では十分に咀嚼されていて「わかりやすい」と感じられる説明でも、世間一般にとってはまだまだ不十分でわかりにくいのに……「もっとわかりやすく説明しろ!」というお叱りを受けるまでは気がつかないものです。

特に若手は、「世間一般」との交流経験が圧倒的に不足しています。
地方公務員に合格できるような層(特に大学新卒)は、これまでずっと平均以上の知的レベルの層に囲まれて生活してきており、「誰もが自分程度の理解力を備えている」ことを疑いすらしてこなかったかもしれません。


「噛み砕き」のお手本

小難しいことをうまく噛み砕いてわかりやすく説明するお手本となるのが、資格試験の参考書です。
特に、法令や制度をふんだんに扱っており、かつ受験者の裾野が広いファイナンシャルプランナー(3級と2級、1級はさすがに細かい)や宅建士の参考書は、特に有用だと思います。

このあたりのレベルの資格試験は、受験者のばらつきが大きいです。
中には学力的にかなり劣る人もいます。
そういう人でも努力すれば合格ラインに乗るよう、工夫に工夫を重ねて、参考書は作られています。

この辺りのレベルの試験参考書は、地方公務員にとっては冗長に感じられるでしょう。
特に、民法のような公務員試験対策で勉強したことのある科目だと、「わかりやすい」を通り越して「まどろっこしい」とすら感じるかもしれません。

しかし、この「冗長さ」「まどろっこしさ」こそ、世間一般が希求している「わかりやすさ」であり、法令や制度のような抽象的概念を世間一般に理解してもらうには、このくらいまで噛み砕く必要があるのです。

資格試験の参考書は、知識のみならず「噛み砕き方」を授けてくれます。
試験に合格するだけであれば、参考書で知識をインプットするよりも過去問演習に重点を置くほうが効率的ですが、説明力向上という観点では、参考書をしっかり読み込むのも重要だと思います。

前回記事のとおり、10〜12月にかけて月100時間残業という貴重な経験をさせていただきました。
この期間、忙しいのは僕だけではなく、職場のメンバー全員が深夜まで残業していました。

残業時間中といえば、僕はこれまで和気藹々としたイメージを持っていました。
各自の仕事をしつつも、互いの苦労と不幸を慰め労いあう時間です。

しかし、民間団体の残業時間は全然違いました。
とにかく殺伐としているのです。

民間と役所の、残業に対する意識の違いを思い知りました。

「罪悪感の有無」という差

プロパー職員の方々は、残業中は定時中よりも明らかに焦っています。
残業することへの自責の念「早く終わらさなければいけない」というプレッシャーを感じさせます。

残業時間に突入すると、自発的にこのようなピリピリモードへ突入していきます。
表情や口調が明らかに変わるので、部外者の僕でもすぐにわかるくらいです。
上司から急かされているわけではありません。自発的に切り替わるのです。


一方、僕は「だるいけど仕方ない」程度の感覚です。
もちろん「さっさと終わらせて早く帰りたい」とは思っていますが、「一分一秒でも早く完成させなければいけない」というほどのプレッシャーを帯びるほどではなく、ましてや罪悪感なんて寸分も感じていません。

このような残業観の違いは、残業の精神的負担に直結すると思います。
単に「かったるいなー」と思いながら作業している僕よりも、罪悪感を抱えながらあくせく作業するプロパー職員のほうが、圧倒的にきつかったはずです。

残業時間の多寡だけでは測れない負担感

今回紹介したのはあくまでも僕の個人的経験ですが、「民間サラリーマンのほうが残業の精神的負担が大きい」という傾向は、ある程度一般化できるんじゃないかと思っています。

民間企業であれ役所であれ、残業代は明らかにコストです。
利益を最重視する民間企業であれば、残業代が増えるほど利益が減るわけで、組織として残業を敵視し、社員一人一人に「残業は悪だ、罪だ」と指導するのが当然でしょう。

一方で役所の場合、もちろん「コストを減らさねば」「残業を減らさねば」という意識はあるのですが、民間ほどのギラつきはありません。

  • 経費に占める残業代の割合が小さく、残業減らしても対してコストに影響しないから、本腰を入れていない
  • そもそも残業代を満額支給していないので残業はコストじゃない
  • 残業の原因である「業務そのもの」が外からどんどん降ってくるから減らせない
など、理由はいろいろあるのでしょうが、役所組織として残業をそれほど忌避しないために、職員一人一人も残業に対して寛容で、ストレスの感じ方も比較的軽いのではないかと思います。

別の言い方をすれば、
  • 民間にとっての残業は、組織にとっても個人にとっても悪しきもの
  • 役所にとっての残業は、個人にとっては厭わしいものだが、組織にとってはどうしようもないもの
こういう認識が定着しているような気がします。

「役所の都合で残業させる」のはイラつかれて当然

役所は「待機」という手法を多用します。
典型的なのが議会待機や予算待機でしょう。
具体的な仕事がなくても、「もしかしたら何かあるかもしれない、人手が必要になるかもしれない」という漠然とした予想ベースで、職員を職場に拘束するやつです。

地方公務員はあまりに待機に慣れ親しみすぎているために、民間企業に対しても待機を依頼することが度々あります。
僕自身、観光部局で勤務していた頃、「チラシデザインの幹部決裁が終わるまで待っていてほしい」と印刷会社に待機をお願いしたことが何度かありました。
万一修正指示が入った場合、すぐに校正をしなければいけないからです。

民間の残業認識だと、「待機」なんて選択肢はあり得ないでしょう。
利益をドブに捨てることになる、マネジメント放棄・思考停止の手法にほかなりません。
いくら顧客からのお願いであったとしても、ストレスを感じて当然です。
民間企業に対して待機指示するのは極力避けるべしだと改めて思いました。


たまにインターネット上で「民間よりも公務員のほうが残業時間が長い」とマウントをとっている方がいますが、残業の負担感は、残業時間だけでは測れないのかもしれません。
だらだら100時間残業するよりも、精神的に追い詰められた状態での50時間残業のほうが堪えそうです。

昨年4月から外郭団体に派遣されてからそれなりに残業しているのですが、10月〜12月にかけては月残業時間が100時間を超えました。
令和3年度トータルでは800時間ちょっとで落ち着きそうです。
 
総務省の資料(PDFへのリンク)によると、令和2年度に月100時間以上の残業をした地方公務員は全体の0.4%とのこと。
年度は違いますが、それでも上位層に食い込んでいるはずです。

統計資料によると月100時間超えの残業生活は「貴重な経験」に相当するようなので、実際どういう感じなのかを紹介していきたいと思います。

正直なところ、月100時間以上残業している職員なんてもっと大勢いると思うのですが……
(実残業時間ではなく「オフィシャルに認められた残業時間」、つまり「100時間分の残業手当が支給された職員が全体の0.4%」であれば納得です。)

月80時間残業までの体験談はこちらをどうぞ






安定して5時間残業

  • 平日はだいたい23:00まで残業(遅くとも日付が変わる前に退勤)
  • 週1日は21時代に退勤
  • 休日出勤なし
  • 有休取得なし
こういうペースで勤務した結果、月残業時間が100時間を超えました。
休日出勤なしでも、毎日平均5時間残業すれば、100時間を超えます。

夕飯は基本的にコンビニで調達し職場で済ませます。
19時〜20時の間に、弁当類やレンチン麺類を、休憩がてら食べていました。

睡眠時間は、ぎりぎり毎日6時間をキープできました。
遅くとも25時には布団に入り、7:30には起床するようなペースです。

土日はこれまでと大差ありません。
元からあまり朝寝はしないタイプなので、だいたい9時までには起きて、これまで通りブログを書いたり読書したりオタクしたり……という引きこもり生活をしていました。


各種考察

思っていたほど辛くはなかった

月100時間残業=生き地獄 だと思っていたのですが、正直それほど辛くは感じませんでした。
業務のほとんどが単純作業であり労働密度が低かったおかげでしょう。
かつ、僕自身がこういう作業ゲーが好きという、向き不向きも影響していると思います。

あとは何より「残業代が支給される」という確信を持てたおかげです。
業務自体には何の達成感もやりがいもないので、無賃だと精神が持たなかったかもしれません。


膝に違和感

睡眠時間が普段より短くなったり、食生活が乱れたりはしたものの、体調には目立って異変はありませんでした。
典型的な社畜生活として「残業がきつすぎて土日は寝てるだけ」というケースが挙げられますが、僕の場合はなんとかなりました。

ただ、膝に違和感を感じています。
多分座りすぎなのでしょう。
日常生活には今のところ支障ないものの、いずれ爆発するのかもしれません。

人間関係が全て

長時間残業の辛さを左右するのは、何よりも職場の人間関係だと思いました。

残業が増えるほど職場滞在時間が長くなり、上司や同僚と過ごす時間が長くなります。
職場の人間関係が良好であれば楽しいでしょうし、悪ければひたすらストレスになります。

長時間残業という心身に負担が加わる環境下だと、誰でもイライラしがちです。
(あくまでも想像ですが、心身に負担がかかる結果、防衛本能が強まって、排外的・攻撃的になるのだと思います。)

もともと良好な人間関係を築けている間柄であれば、多少の刺々しいやりとりがあっても「仕方ないな」と許容できますが、気心の知れない相手から攻められるとなかなか穏便には処理できません。
反射的にイラついてしまったり、恐怖を感じてしまいます。

僕は派遣職員という立場であり、職場でも浮いた存在です。
そのため、職場の人間関係からも一歩距離を置けており、いい意味でも悪い意味でも影響を免れました。

眠すぎて車に乗れない

残業が増えるにつれて、日中に抗いがたい眠気に襲われることが増えました。
パソコン作業の最中なんかに突然瞼が重くなり、数分間意識が途切れるのです。
もしこれが車の運転中だったら……事故ります。考えたくもありません。

都会であれば公共交通機関が夜遅くまで使えるので、徒歩圏内でなくとも長時間残業できるのでしょうが、いかんせん田舎なので車と徒歩しか選択肢がありません。

徒歩通勤圏内での一人暮らしを始めて正解でした。
月100時間残業生活で車通勤は危険です。

独身だからなんとかなった

平日はだいたい8:30に家を出て24:00に帰宅する生活であり、家事はほとんどできません。
この3ヶ月間、「週末にまとめて家事を済ませる」スタイルが許される異常独身男性でなければ、まともに生活が回らなかったでしょう。

もし僕が家庭を持っていたら、パートナーに家事負担を押し付ける形にならざるを得ません。
フルタイム共働きの大変さを思い知りました。

出費が嵩む

夕食をコンビニで調達するようになったせいで、出費がかなり増えました。
毎月10,000円ほどをコンビニ飯につぎ込んでおり、これはだいたい5時間分の残業代に相当します。
仕方ないとはいえ、「残業するために出費している」ように感じられて敗北感がありました。

終わった後のほうがしんどい(2023.2.19追記)

2022年11月〜翌1月にかけても、再び100時間超/月ペースで残業してきました。
残業期間中はさほど辛くはなかったのですが、2月に入り残業が減ってからは明らかに体調が悪いです。
平日起きるのもだいぶしんどいですし、土日もほぼ寝て過ごしています。何よりやる気が起きません。

3週目に入ってようやく体調が戻り、意欲も戻ってきました。
長時間残業をしている間は脳内物質が出て感覚が麻痺しているだけで、実際はかなりダメージを受けていたのかもしれません。


たまにならアリか?

30歳前後にもなるとそこそこ残業代単価も上がってきて、月100時間分だと残業代だけで20万円を超えます。
3ヶ月分だと約60万円、ボーナスが1回増えたようなものです。正直かなり美味しいです。

もっと歳をとれば残業代単価が上がって行きますが、反対に体力が落ちてきて、たとえ気楽な単純作業であってもキツくなってくると思います。
30代前半という今こそ、長時間残業のコスパが一番美味しい時期なのかもしれません。

今年の10〜12月もどうせ長時間労働せざるを得ないので、その時期をいかに安らかに乗り切るか、今のうちから対策を考えていきたいと思います。

 

つい先週、唐突にラブライブ!プロジェクトの新シリーズが発表されました。




PVに出てきた風景は、どうやら石川県金沢市らしいです。
新シリーズの初お披露目で、キャラクターを一切出さずに風景だけ見せる……という手法は今回が初めてのはず。
これまではキャラクター主体のコンテンツだったところ、新シリーズでは今まで以上に地域性を推す展開を構想しているのかもしれません。
もしそうだとしたら、舞台のチョイスはとても重要ですし、ここで金沢市を選出した理由もちゃんとあるのだと思われます。

かつて「花咲くいろは」の聖地巡礼をした際の記憶を呼び起こしつつ、金沢市を舞台にする意義を考えてみました。

一通りなんでもある(娯楽施設以外)

フィクションの舞台としてみた金沢市の強みは、ハード・ソフト両面でそれなりになんでも揃っていることだと多います。
フィクションの素材には事欠かないでしょう。

自然環境でいえば、山も川も海もあります。
市街地もあれば田園地域もありますし、古都らしい街並みもあります。

ソフト面では、伝統芸能工芸が高水準なのが強いです。
これまでのシリーズではほとんど取り上げられていない題材でもあり、いかようにも描けそうです。
(オタクとの相性は悪そうですが……)

食べ物がどれも高水準なのも高ポイントです。
トップクラスと呼べるほど著名なものは無い(和菓子くらい?)かもしれませんが、何でも推そうと思えば推せるくらいにハイレベルなのは、フィクションの素材としては好都合でしょう。


オタク的にはアクセス不便

オタク界隈では、俗に「聖地巡礼」と呼ばれる作品の舞台現地を巡る行為が定番と化しており、作品の舞台選定にあたっては、オタクにとってのアクセスしやすさも重要な要素です。

同シリーズのサンシャイン!!の舞台である静岡県沼津市であれば、オタクの一大生息地である東京からアクセス良好(近いし安い)ですし、大阪名古屋からも比較的行きやすいです。

観光政策の文脈では、金沢市の強みとして「三大都市圏いずれからもアクセスしやすい」ことがよく挙げられます。
ただこれは一般的観光客の場合の話であって、オタクの場合は当てはまりません。

オタクは基本的にお金がありません。
そもそも学生が多いですし、社会人であってもコンテンツにお金をつっこみがちで常時金欠です。
そのため、移動に要するコストは最小限に抑えたがります。
遠出するときは基本的に高速バスで、大学生以上であればマイカー派も多いです。

金沢市の「三大都市圏からのアクセスしやすさ」は、新幹線や特急を利用した場合の話です。
高速バス路線もありますが、6時間くらいかかります。

つまるところ、オタクにとって金沢市は相当行きにくい場所です。
立地的にはディスアドバンテージを背負うにもかかわらず金沢市をチョイスしたのは、これを打ち消せるほどの魅力が金沢市に備わっていると、熟慮の末に判断したのでしょう。
判断の鍵となった要素のひとつが、先に触れた「題材の豊富さ」なのではないかと思っています。
いちファンとしてはただ期待するのみです。

女子高生が主役というコンセプトとの相性は……

ラブライブ!シリーズは、女子高生が部活としてアイドル活動をするというコンセプトで展開しています。
そのため、主要登場人物は基本的に女子高生です。
作中で地域性を描写するにしても、女子高生目線での描写になります。

こう考えると、金沢市を舞台にするのは微妙な気がしてきます。
金沢市が持つ諸要素は、大人にとっては魅力的かもしれませんが、女子高生にとってはどうでもよさそうに感じられるからです。

女子高生が兼六園とか加賀友禅とかノドグロとか五郎島金時なんかに関心を示すシーンがどうしてもピンと来ず、もしそんなシーンが展開されたら「ご都合主義」を感じてしまうでしょう。
茶屋街のおしゃれパンケーキとかならしっくりきますが、これなら別に金沢市である必要はありません。
(もしOLが主役の作品であれば超ぴったりな街だと思います。お酒も飲めますし。 )

いちオタクとしては、もちろん期待しています。素直に楽しみです。
ただ、観光関連の実務経験が、この期待に水を差してきます。
きっと単なる杞憂です。

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