キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2022年05月

そろそろ新規採用職員の方々から
  • 担当業務が重すぎる
  • 業務量が多すぎる
  • こんな仕事を新採に任せるのはおかしい!
という恨み節が聞こえてくる時期です。

こういう職場に対する恨みつらみを新人の頃から拗らせてしまうと、いいことはありません。
どんどん仕事に対するモチベーションが下がっていき、人生の幸福度も下がっていきます。

しかし実際のところ、「新採なのに仕事が重すぎる」という感覚は、勘違いのケースも多いです。
僕自身も採用1年目は「人事の采配が間違っている」と恨み言を呟いていたものですが、今から思い返せば新採相当の大したことのない仕事でした。

新規採用職員が自らの担当業務に不平不満を抱きがちな理由を考えていきます。

4〜5月はそこそこ繁忙期

昨年度の支払いを処理したり、決算を作ったり、6月の議会に向けて準備したり……等々、4月から5月は一年の中でもけっこう忙しい時期です。
4月採用の新規採用職員は、いきなり繁忙期に放り込まれたようなものとも言えます。
 


これまでは忙しかった方も、案外7月以降は暇になるかもしれません。
「新採なのに仕事が重すぎる」と愚痴るのは、もう少し待ったほうが賢明です。

だいたいの自治体では7月〜9月に夏季休暇を取得できます。
夏季休暇が取れないくらい繁忙状態が続くようだったら、本当に「重すぎる」ポストだと思います。

就業前イメージとのギャップ

今となっては流石に「地方公務員は毎日定時帰り」だと信じている人はいないと思いますが、それでも「民間と比べれば大して忙しくないだろう」と高をくくっている人ならば、まだいるかもしれません。
こういうタイプが実際に地方公務員として働いてみたら、予想以上に仕事が多く、「辛い」と感じることでしょう。

総務省の調査では「地方公務員の残業は10時間/月くらい」という結果になっていますが、これはまやかしです。
サービス残業分を含めればもっと残業しています。

本庁勤務であれば、ホワイトと言われる部署であっても月30時間くらいの残業は普通にあり得ます。
残念ながらこれが現実……
月50時間を超えない程度であれば、「まだマシなほう」と思ったほうが正確です。

経験の差

周囲の職員と自分とを比較して「自分は大変だ」と思うケースも多いでしょう。
  • みんなは早々と帰っているのに、自分だけ仕事が終わらず残業している
  • みんなはいかにも簡単そうに回しているのに、自分はいつも調べ物をしたり悩んだりしている
こういう周囲とのギャップを理由に、「新採なのに重い仕事をやらされている」と感じるわけです。

これは実際のところ、担当業務の軽重のせいではなく、経験の差によるものです。
他の職員にとっては「当たり前」のことであっても、新規採用職員にとっては「初めて」であるために、何事も苦労するのは仕方ないことです。
大抵の場合、自分一人だけ重い仕事を振られているわけではありません。

周囲の職員がさほど苦労しているように見えないのであれば、その職場はホワイトだといえます。
役所仕事に慣れてさえしまえば楽な環境だと証明されているからです。
不平不満を感じるなんてもってのほか、むしろ当たりポジションを引き当てています。
不貞腐れずに仕事をこなして慣れていけば、来年にはホワイト環境を享受できるはずです。

上司のせいで不必要に重くなっている

新規採用職員の仕事は、基本的に上司のチェック下で行われて、自分だけでは完結しません。
上司が細かい人であれば例年以上に大量の作業を命じられるでしょうし、適当な人なら僅かな手間で済むでしょう。
教育上手な上司であればスムーズに仕事できるでしょうし、放任系であれば何でも自分で調べて考えなければいけません。

つまるところ、新規採用職員の仕事量も業務の重さも、上司次第で一変します。
本来は新規採用職員向けに担当業務を減らしている「軽いポスト」であっても、上司が「仕事を創る」タイプであれば、無限に忙しくできるわけです。

このパターンはどうしようもありません。
公務員の宿命……というよりは組織人の宿命でしょう。
「新採なのに」という理由で嘆くのではなく、「天災に遭ってしまった」と諦観するしかありません。


もちろんガチで新人に相応しくないハードなポストもありえます。
僕の経験則では、住民からの苦情が多い部署は、新規採用職員でも忙しい傾向がある気がしています。
(苦情対応業務自体が、どちらかといえば若手が対応する仕事扱いのため、新人含め若手に負担が集中しがち)

今は大変かもしれませんが、不貞腐れずになるべく和気藹々と仕事を進めていったほうが、精神衛生上も楽になると思います。 

世間的には「人は見た目が9割」と言われておりますが、田舎役所というクローズドな環境下だと
  • コミュニケーション能力 6割
  • 見た目 3割
  • 事務処理能力 1割
くらいのバランスじゃないかと思っています。 
圧倒的に大切なのはコミュニケーション能力です。 

とはいえ見た目も重要です。
少なくとも事務処理能力よりは、はるかに重視されます。

僕は老け系のオタク顔です。
いわゆる「チー牛」のような童顔オタクではなく、もっとおっさんくさい感じです。

民間企業勤務だとマイナスにしかならない容貌なのでしょうが、地方公務員としては結構有利に働いています。
ひと目見て「いかにも融通効かなさそう」と思われるのか、住民からあまりゴネられません。
電話だと人並みにゴネられるものの、対面だと(さんざん嫌味は言われますが)早々に帰ってもらえます。

一方、童顔の地方公務員は、老け顔よりも苦労が多いと思います。

年功序列文化では下に留め置かれる

「年功序列」というといかにも役所の専売特許のように思われがちですが、実際は日本社会の至るところに染み付いています。

役所に来る住民の方々も同様です。
対応する職員が自分よりも年上か年下か次第で、態度が一変します。
より正確にいうと、年下だと認定した職員に対しては、態度が大きくなりがちです。

童顔の職員は「年下」認定されやすく、住民から攻撃的な物言いをされることもしばしばです。
特に童顔の男性職員は大変そうです。
住民に対して「男だから少々強めに当たってもいいだろ」「年下なら遠慮しないぞ」という二枚の免罪符を与えてしまい、攻撃行為の心理的ハードルを引き下げます。

たとえば、制度の詳細をわかりやすく正確に説明したとしても「本当か?常識的に考えておかしくないか?」などと食いつかれたり、些細な言葉遣いをネチネチ指摘されたり……こういう細かいトラブルに遭いがちです。

もちろん、ガチなクレーマーは性別も年齢も関係ありません。
職員の属性に合わせて臨機応変に弱点を突いてきます。
童顔が不利なのは住民対応一般の話です。


「油断させて本心を引き出す」という固有スキル

童顔の職員は、相手から大きな態度を取られがちで、そのせいで苦労が増えるといえます。
しかし、見方を変えると、「相手に大きな態度を取らせられる」というのは、武器にもなり得ます。

「大きな態度を取られる」ということは、「相手を油断させられる」ことでもあります。
年下認定した職員に対してマウントを取ろうとするのは、相手を見くびっているからです。
「反撃されるかも」という警戒を怠り、ついつい口が軽くなっている状態ともいえます。

「相手を油断させて口を滑らせる」というスキルは、地方公務員人生でかなり重宝します。
役所に限った話ではありませんが、組織外の人と協業する場合には、「相手が信用できる人物であるか」を見極める必要があります。

地方自治体は、「役所」であり「田舎」という、馬鹿にされがちな要素を兼ね備えています。
一見友好的な相手であっても、内心どう思っているかわかりません。
そのため、あえて油断させて本性を引き出すという策が大変効果的です。
童顔の職員は、相手を油断させやすいため、相手の本性に迫りやすいとも言えるでしょう。

もちろん、単に相手を油断させるのみならず、口を滑らせて本性を暴き出すためには、高度なコミュニケーション能力が欠かせません。
外見とコミュ力の両方が揃うことで、スキルとして確立するのです。


地方自治体にはいろいろな仕事があり、老け顔が活きる職場もあれば童顔が活躍する職場もあります。
どちらにしても「強み」として活かせるので、まずは自分がどちら寄りなのかを考えてみると良いでしょう。

試験当日に寝坊して不戦敗という大失態から1年を経て、基本情報技術者試験にリベンジしてきました。
結果は多分合格です(午前午後ともにスコア8割超)。
1年間の浪人生活(笑)が報われてホッとしています。

「デジタル人材」という単語が官民問わず連呼される昨今、ひょっとしたら情報処理技術者試験に関心のある地方公務員もいるかもしれません。
本来のスケジュールよりも1年間余計に勉強したというイレギュラーケースではありますが、参考までに所感を記しておきます。

ガチの初学ってこんなに大変なのか

インターネット上では、基本情報技術者試験はさほど難関扱いはされていません。
資格偏差値サイトでは偏差値49くらいですし、「朝ちゃんと起きて試験会場に行くのが最大のハードル」なんて揶揄もされています。

僕も正直、甘く見ていました。
しかし実際は……長くてつらい道のりでした。
少なくとも宅地建物取引士試験よりずっと大変でしたし、勉強時間も倍以上かかりました。

苦戦の理由は明白です。
これまでまともに情報関係の勉強をしたことが無かったために、基礎が全然無かったからです。

これまで僕が挑んできた宅建やマンション管理士は、なんだかんだ法律の試験です。
地方公務員試験対策で一度しっかり勉強しているうえ、日々の業務でも法律に触れているおかげで、それなりに基礎が固まっています。

一方、情報関係の知識は、これまで試験で問われたことがなく、まともに腰を据えて勉強したこともありません。
ゆえに基礎が全然できておらず、そもそも「独学するための最低限のリテラシー」すら持ち合わせていない状況だったわけです。

  • わからない単語だらけでテキストの文章が頭に入ってこない
  • テキストの図やイラストが何を表現しているのかイメージが湧かない
  • 理解できたような気がしても数日後には忘れている(記憶の定着が悪い)
最後の最後まで、こういう戦いを強いられました。
正直、今でもよくわかっていません……

それでも試験自体は合格できましたし、得るものは少なくなかったと思います。


国語力も結構問われる

僕の経験談に入る前に、基本情報技術者試験の概要に触れておきます。

午前試験と午後試験

基本情報技術者試験は、午前試験午後試験の2パートに分かれています。
今はCBT試験になり別日に受験するのですが、かつて1日で両方を受験していた名残から、このように呼ばれています。

それぞれの試験の概要は以下をどうぞ。



ざっくりいうと、午前試験では知識と計算力、午後試験ではさらに国語力も問われます。
午前試験と午後試験で、それぞれ別方向の対策が必要です。

「広く薄く」が求められる試験

基本情報技術者試験は、試験範囲がものすごく広いです。
情報工学を支える理系アカデミック要素、IT関係の経営実務、総務省や経済産業省の政策など、いろいろな分野から出題されます。

しかもIT関係の分野はリアルタイムで急速に進化しており、日々新しい単語や概念が登場します。
もともと広い試験範囲が、今もなお膨張を続けているのです。
満点を取るのは不可能だと思います。

ただし、午前試験・午後試験ともに合格ラインが「100点満点中60点」と低めです。
最大で4割間違えても合格できるわけで、完璧を目指す必要が薄い試験だといえるでしょう。

テクノロジ・マネジメント・ストラテジ

IPAが実施している情報技術者試験では、出題分野を「テクノロジ」「マネジメント」「ストラテジ」の3つに区分しています。

「テクノロジ」は文字通り技術に関する出題です。
IT関係の知識や、IT技術を下支えしている数学などを指します。
午前試験でも午後試験でも、一番ウェイトが大きいのが「テクノロジ」です。

「マネジメント」は、プログラム開発やITシステム導入・運用の実務に関する出題です。
基本的に暗記ゲーなのですが、地方公務員的には一番縁遠い分野かもしれません。

「ストラテジ」は、企業経営に関する知識を指します。
経営学の概念や経営指標、労働関係法務など、ITとはあんまり関係ない分野です。
FP試験を経験していれば余裕です。

地方公務員(IT関係未経験)の場合は「諦めない」のが一番大事

続いて、地方公務員バージョンの試験対策方法を考えていきます。
対象は僕みたいなIT素人を想定しています。

午前対策……過去問演習が全て、演習するための準備段階が一番きつい


午前試験の対策は、ひたすら過去問を解き続けるのがベストです。
これまでの試験回では、過去問の焼き直しみたいな問題が多く、問われやすい論点が決まっています。
あんまり古すぎる問題は再出題されないみたいなので、過去10年分くらいをみっちり解きまくればいいと思います。

ただし前述したとおり、いきなり過去問を解こうとすると、問題文の意味が理解できないと思います。
そのため、過去問に挑む前に、軽く(薄く広く)知識をつける必要があります。

おすすめのテキストはこちら。

キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和04年
きたみ りゅうじ
技術評論社
2021-12-09


市販されているテキストの中では、一番わかりやすく咀嚼されていて、初学者向けだと思います。
これを読みつつ、読み終えたパートの過去問を少しずつ解いていきます。

序盤は本当にきついです。
とにかく頭に入ってこないし残りません。
「賽の河原で石を積むのってこんな感じなのかな」と本気で思いました。

それでも続けているうちに問題は解けるようになります。
理解は後回しにして、「こういうものだ」と割り切って問題演習を続けるほうが効率も良いし、精神衛生上も好ましいと思います。

基本情報は「6割正解」で合格する試験です。
最初から完璧を目指す必要どころか、最終的に完璧でなくとも合格は可能です。
キリキリせずにとにかく進めていくことが重要だと思います。


余裕があれば、網羅性の高いテキストも手元に置いて随時参照すれば、より良いと思います。


僕はこれを使いました。
最初から応用情報も受けるつもりでいたので、「大は小を兼ねる」感覚で応用情報の参考書を選びましたが、最初の2ヶ月くらいは意味不明で全然参照しませんでした……

地方公務員の場合、最大の難所は離散数学(二進数など)でしょう。
たいていのテキストでは、離散数学が最初の章で説明されていると思いますが、もし理解できないようだったら、一旦飛ばしてしまっても構わないでしょう。

ただ、離散数学を完全に捨ててしまうと、合格は一気に難しくなると思います。
出題数が結構多いですし、何より情報技術を支える基礎そのものだからです。

過去問演習はこちらのサイトのお世話になりました。
凄すぎるサービスです。



午後問題……アルゴリズムさえなんとかなれば大丈夫

午後問題は、そこそこ長い問題文を読んでから正解の選択肢を選ぶという形式で、公務員試験の「判断推理」「資料解釈」みたいなものです。
「セキュリティ」や「ネットワーク」など、情報処理技術者試験で問われる分野ごとに設問があり、必須問題と選択問題があります。

午後試験対策も過去問を解くのがベストだと思います。
午前試験とは異なり同じ問題は出題されませんが、「問題文の読み方」や「解き方」はおおよそ同じだからです。いわゆる「慣れ」が大事です。

最大の敵は必須問題の「アルゴリズム」です。
架空のプログラムを読んで、その挙動を理解することが求められます。
問題自体は国語なのですが、問題文の一部が日本語ではなくプログラム言語というイメージです。

この問題は地味に配点が大きく、100点中の25点を占めます。捨てるのは厳しいです。
しかし、プログラミングに触れたことのない人にとっては、謎の英数字が並んでいる暗号にしか見えません。
地方公務員的には、離散数学と並ぶ難所だと思います。

試験対策としては、読み方自体を勉強するしかありません。
特に「よく使われる処理」に慣れてくると、徐々に読解できるようになってきます。



僕はこのテキストで勉強しました。(イラストを描かれているIxy先生のファンなので本書一択)
これを読んで「問題文の読み方」の基礎を学んだ後、過去問にチャレンジしていくうちに、半分くらいは解けるようになりました。

試験当日までに過去5年分(10回分)を解きましたが、本番でも結局半分くらいしか正答できませんでした。
それでも他の問題でちゃんと得点して合格できたので、諦めずに部分点を狙っていく方向で頑張るしかありません。

選択問題は文系問題と表計算

午後試験には選択問題が2ヶ所あります。

ひとつは問2〜問5で、いずれか2問を選択して解答します。
午前試験の延長線上のような問題で、問題文さえちゃんと読み解ければ、午前試験と同じ感覚で解けます。

出題される分野はだいたい決まっています。(テクノロジ系から3題、マネジメント・ストラテジ系から1題)
地方公務員の場合、国語試験要素の強いマネジメント・ストラテジ系問題は確実に選択するとして、テクノロジ系からどれを選択するのかが悩ましいところです。
過去問を一通り解いてみて、解きやすい分野を選び、それを集中的に対策すればよいでしょう。

テクノロジ系の中では、僕は「ソフトウェア・ハードウェア」「ネットワーク」だけ対策しました。
というか他が解けませんでした……


もうひとつは問7〜問11で、いずれか1問を選択して解答します。
こちらは午前試験とは全然関係がなく、プログラム言語について問われます。

プログラミング未経験者の場合は「表計算」一択だと思います。
これはエクセルっぽい架空のソフトについて問われるもので、vlookup関数の使い方を知っていれば手堅く5割正答できます。
残りの5割は「アルゴリズム」対策をしていけば自然と解けるようになります。

勉強時間は150時間くらい欲しい

元々の僕の計画では、
  • 2021年1月に情報処理技術者試験の勉強スタート
  • 2021年5月に基本情報受験
  • 2021年10月に応用情報受験、ダメなら2022年4月も受験
というスケジュールでしたが、いろいろな不幸が重なって2021年中は受験できず、2022年4月〜5月にかけて立て続けに受験してきました。

情報処理技術者試験の勉強に要した時間を単純に足し上げると、15ヶ月で240時間になりました。
基本情報対策に相当する時間だけに絞ると、だいたい160時間です。
一番時間を要したのが基本情報午前対策の1周目(キタミ式を読みながら過去問8年分を1週)で、ここまでで60時間近くを要しています。

インターネット上には「2週間で受かる」みたいな記事もありますが、初学者が安定して合格するためには、どうしても150時間程度はかかってしまうと思います。
とにかく過去問を回し続ければ合格できる試験だとは思いますが、初学者はまず最低限の知識をつけないと、そもそも問題文を読解できず過去問を回せないからです。

試験当日:顔写真付き身分証明証だけはお忘れなく

2021年度の試験以降、基本情報技術者試験はCBT方式で実施されています。
大学入試みたいに大部屋で一斉に受験するわけではなく、ひとりひとり個別ブースに入ってパソコンを使って回答します。

他の受験生を見ていると、とにかくみなさんお若い
明らかに20代前半の人が過半数を占めています。学生も多そうです。
当日はかなりアウェー感がありました。

この試験には受験票が存在せず、代わりに、受験当日は顔写真付きの身分証明証(運転免許証やマイナンバーカードなど)を持参する必要があります。忘れてきたら受験できません。
「受験票を紛失する」というリスクを回避できる一方で、「身分証を忘れてくる」という新たなリスクを抱えるわけです。

僕が受験した会場では、午前試験・午後試験ともに、身分証を忘れて受験できず敗走していった方がいました。本当に辛そうな、悲しそうな顔をして帰っていっていました……

細かい試験内容は規約上対外厳秘なので、書けるのはここまでです。
いろいろコメントしたいことはあるのですが……

地方公務員が確実に合格するなら2022秋試験がラストチャンス?

先月下旬、来年春(2023年4月)から基本情報技術者試験を見直すというプレスリリースが出されました。
現行の方式は今年の秋まで、つまり残り1回のようです。



ざっと内容を見たところ、午前試験はこれまでと大差ない一方で、午後試験の形式が大きく変わり
  • 僕がさっき「最大の敵」と表現した「アルゴリズム」の配点が増える
  • 得点源になる「マネジメント・ストラテジ」や「表計算」がなくなる
という、地方公務員的には相当不利な方向に変更されてしまうようです。

サンプル問題に挑戦してみたところ、日本語を読み解くタイプの問題が消滅した代わりに、プログラム言語の読解問題が増えている感じでした。
太刀打ちできないほど難しいわけではない(これまでの「アルゴリズム」試験並み)とはいえ、読解に時間がかかり、試験時間内に解き切れる気がしません。

IT未経験の地方公務員がどうしても基本情報技術者試験に合格したいのであれば、今年の秋試験に挑戦するほうが無難だと思います。

ひょっとしたら今後、「地方公務員なら国語要素の強い応用情報のほうが受かりやすい」という時代が来るのかもしれません……

地方公務員志望者の中には、「プライベートを充実させたいから」というモチベーションの方も少なからずいらっしゃるでしょう。

実際、現役地方公務員にもこういう意識の方は大勢います。
歳をとるにつれて「(個人的な)プライベート充実」から「家庭生活充実」へと変質していくとはいえ、「オフを充実させたい」という基本的路線には変わりありません。
主権者たる国民からはお叱りを受けそうですが……

ただし、このブログでも散々書いているとおり、地方公務員のプライペートには色々制約が課せられます。
せっかく趣味を楽しむために地方公務員になったとしても、趣味によっては、この制約のために諦めざるを得ないかもしれません。 

とにかく「無難」を強いられるファッション

地方公務員だから楽しめない趣味の最たるものがファッションだと思います。 

職員の身なりに関する住民からの苦情は本当に多いです。
派手な格好をしていると当然怒られますが、かといって地味すぎても怒られます。
僕がかつて観光関係の仕事をしていた頃、「人前に出る仕事なんだから整髪料くらいつけろ」と怒られたことがあります。

服装のせいでお叱りを受けて仕事が止まってしまうのは、明らかに時間の無駄です。
住民の「お気持ち」は如何ともし難いので、苦情防止のためには職員側が自衛する、つまり派手すぎすダサすぎない「無難な格好」をするしかありません。

もちろん休日は好きな服を着ていいのですが、自分の身体は平日であれ休日であれ急には変えられません。
そのため、ファッションにおいて重要である「髪型」が厳しく制限されます。

女性であれば、ヘアカラーは黒か、染めるにしてもダークブラウンくらいです。
明るい色にはできませんし、メッシュ入れたりも不可です。
男性は黒一択、かつ長髪は確実に駄目です。 あとはツーブロックもNGな自治体が結構あるようです。
ちなみに僕は「もみあげが長すぎる」と叱られたことがあります。ブラック校則よりも細かいのでは?

女性の場合、手指のネイルも楽しめないでしょう。
ネイルアート自体は休日だけ(平日は落とす)にしても、土台となる爪そのものが長い時点でNGです。 
 
僕はキモオタク独身異常男性なので、ファッションは全く詳しくありません。
外見的にすぐわかる事例しか挙げられないのですが、ほかにも色々と制約があるのだろうと思われます。
ビジネスカジュアルマニアでもない限り、思い通りファッションを楽しむのは難しそうです。


長期休暇が取れないので近場しか旅行できない

細かい休みは取得しやすいものの、長期休暇は取りづらいのが地方公務員です。

地方公務員(特に本庁)の仕事はチームではなく個人技が基本です。
職員ごとに細かく担当業務が分かれており、一人でも欠けるとフォローしきれません。

そのため、「平日に連続して休暇をとる」ことへの強い抵抗感が染み付いています。
もし休んでいる間に担当業務で突発案件が舞い込んできたら、組織全体に迷惑がかかるからです。

僕の勤務先県庁だと、よほどの事情が無い限り、年休取得は週あたり2日が限度です。
お盆や年末年始を除けば、最長でも土日含めて4連休が限界でしょう。
ちなみに、ゴールデンウィークには期待しないほうがいいです。
暦通り休めたらラッキーなほうで、休日出勤せざるを得ないケースも少なくありません。
(ちなみに僕の場合、本庁勤務していた8年間、毎年1〜2日は休日出勤していました)



長期休暇を取れないとなると、長期の旅行、特に海外旅行ができません。
せいぜい3泊4日が限界でしょう。
台湾のような近場なら問題ないでしょうが、移動だけで時間を要するヨーロッパや南半球への旅行は、かなり難しくなります。

職務専念義務のために何であっても売れない

地方公務員には職務専念義務があり、営利活動は禁止されています。
地方公務員は地方公務員法38条により営利活動を制限されています。 
「営利活動」にはいろいろな解釈があるようですが、基本的に「売上が生じる活動は全部駄目」です。
つまり、売上以上に経費がかかっていて利益的にはマイナスであったとしても駄目です。

このため地方公務員は、フリーマーケットで手作り雑貨を売ったり、同人誌を頒布することができません。
 
最近は何でもかんでも「副業」に括られて収益面ばかりが注目されがちですが、こういった活動はそもそも「作ることが楽しい」ものです。
僕もクリエイターとしては傍流の端くれですが、この気持ちはよくわかります。

モノを作るとなると、どうしても経費がかかります。
そこで「対価をとって経費を回収したい」と思うのであり、儲けのためにやっているわけではありません。
しかし地方公務員は、この「経費回収のための売上」が許されていません。

こっそりやっていればバレなさそうなのですが、実際のところ結構バレています。
僕の勤務先県庁でも定期的に発覚しています。
実例を挙げるのは避けますが、恐ろしいくらいにあっさり特定されてしまうようです。
 
僕も実は既に特定されていて、無収益だから放置されているだけなのかもしれません……


地方公務員人生と相性が良いのは、細々と続けていくタイプの趣味でしょう。
高確率で土日は休めますし、平日もそれほど夜遅くなるわけではないので、「毎日20分」とか「週1回」みたいな、細切れの時間は確保できます。

このページのトップヘ