キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2022年09月

新規採用職員の方は、採用から半年が経過して、そろそろ「自分の実務能力」のレベルが見えてくる頃合いかと思われます。
中には「自分は仕事ができない……」と落ち込んでいる方もいるでしょう。

あくまで僕の体感ですが、役所の仕事は慣れるしかないものです。
どれだけ高学歴だろうと、地頭が良かろうと、輝かしい経歴を持っていようと、最初は通用しないと思います。(もちろん「慣れ」のスピードは地頭次第で大きく差が開くでしょう)

今はうまくいかなくとも、ひたすら数をこなして慣れるしかありません。
めげずに続けているうちに、いずれ慣れて楽になってくるはずです。 

答えを出した「後」が重要

地方公務員の仕事(特に新人が担当する仕事)の多くは、法令や要綱などのルールを運用するものです。
何か疑問が生じた場合には、自分で考えるのではなく文書を紐解いて答えを探します。
ある意味、あらかじめ答えが用意されている仕事であり、答えに到達するだけなら、他の業界と比べても相当に楽だと思われます。

ただ、地方公務員の仕事は「答えを出す」だけではありません。
見出した答えを上司や役所外部の方々(住民など)に説明して、納得させるところまでが仕事です。
むしろこういう「答えを出した後のプロセス」のほうが、時間もエネルギーも消費します。
僕の体感では、ヒラ職員の仕事の約7割が「答えを出した後のプロセス」です。

上司にしても役所外部の方々にしても、基本的にヒラ職員のことを信用していません。
そのため、いくらヒラ職員が「法令にこう書かれています」と率直に説明しても、なかなか納得してもらえません。
「法令の読み方を間違えているのでは?」「見落としがあるのでは?」と疑られているわけです。
そこでヒラ職員は、過去事例や裁判例、法令制定時の考え方のような関連情報を収集して、説明を補強していく必要があります。

また、答えそのものがたとえ正しいとしても、感情的に受け入れ難いケースも多々あります。
この場合は、感情的に納得させるための工夫が必要です。
説明の言葉遣いを練り上げて感情的不和を緩和したり、感情的反発を押し切れるくらいにロジックを固めたり……などなど、方法はいろいろです。


こういった「答えを出した後のプロセス」には、ルールもマニュアルもありません。
他の職員から教わったり、見よう見まねで実践したりして、職員個々人が経験を積まない限り、なかなか習得できない領域です。
最初は出来なくて当然ですし、そもそもこういうプロセスの存在すらわからないかもしれません。

さらに困ったことに、先輩や上司からすると、このプロセスはとにかく教えにくいものです。
あまりに慣れきってしまっているために、なかなか言語化できないのです。
「地頭次第だから教えても無駄」だと認識しており、若手から請われても「自分で考えろ」と軽くあしらう職員も少なくありません。

教本無し、師も頼りない……となると、自分でなんとかするしかありません。
幸運にも教えてくれる人がいれば最大限利用しつつ、基本的に自分で試行錯誤するしかないのです。

知識よりも経験を補給

地方公務員の採用プロセスでは、民間企業と比べてかなり重い筆記試験を課されます。
そのため、「地方公務員は知識が重要な仕事だ」と考えている方もいるかもしれません。

しかし実際のところ、地方公務員の実務では、知識よりも経験のほうが圧倒的に重要です。
若手職員の中には「もっと知識を身につければ仕事がうまくいくはずだ」と考え、公務員本を買い漁ったりセミナーに参加しまくったりする人もいますが、それでうまくいくかは疑問です。

経験は一朝一夕で積み上げられるものではなく、それなりに時間をかけて場数を踏むことでしか得られません。
 
唯一の近道は、他者の経験を「他山の石」として活用する、たとえば
  • 周囲の職員が何をしているのか(特に上司との打合せ)を盗み聞き
  • 共有サーバーに入っている他人の資料を盗み見
こうやって他者の経験を追体験すれば、少なからず経験値の足しになると思います。


地方公務員は、「成果を上げても評価されない」「頑張っても報われない」仕事だとよく言われます。

金銭面でいえば、たとえ大きな成果を上げようとも、ボーナスが0.1ヶ月ほど増える(+2万円くらい)とか、定期昇給で2号上乗せされたり(年収ベースで+5万円くらい)程度の見返りしかありません。
仕事をたくさん引き受けて長時間残業しようとも、残業代が満額支給されるとは限りません。

成果を上げれば出世できるというわけでもありません。
役所で出世するのは内部調整が上手いタイプです。
個人として有能だったり、役所の外に圧倒的人脈を持っていたりして、しっかり成果を残せたとしても、内部調整が今ひとつだったら出世できません。

しかし実際のところ、地方公務員の中には、待遇以上に頑張って働いている人が大勢います。
職位以上のプレッシャーを引き受けたり、サービス残業を日々続けたり……いわば「損をする」職員がいなければ役所は到底回りません。

このような現実を踏まえ、「地方公務員は頑張るほど損だ」と考える方も多いと思います。
(早々に地方公務員を辞めた方は、特にこう考えていると思います)

ただ僕は、「頑張るほど損だ」とまでは思いません。
目の前の仕事に興味があるのなら、頑張りに応じた「自己満足」というリターンが得られるからです。

自己満足はリターンたりうる

冷静に振り返ってみると、我々は自己満足を得るためだけに相当な投資をしています。
旅行なんて自己満足の典型ですし、美食やファッションなんかも自己満足要素が強いでしょう。
自己満足は、仕事以外の面においても、実際すでに強力なインセンティブになっています。

しかも自己満足は、単なる一時的快楽ではありません。
うまく構築できれば、「思い出」という形で、一生涯楽しむことが可能です。

地方公務員であれば、ことあるごとに過去の武勇伝を語ってくる高齢者と接触する機会も多いでしょう。
彼ら彼女らにとって、自分の武勇伝(=思い出)は、まさに自分のアイデンティティそのものであり、生きる支えでもあります。

電話や窓口で武勇伝プレゼンが始まるたび、僕は人生における「思い出」の重要性を痛感します。
適当に相槌を打ちながら、「もしこの人にこの武勇伝が無かったら、果たしてこんなにいきいきしていられるのだろうか?」なんてことも考えたり……

自己満足という要素を考慮せず金銭面だけで損得を考えるのは、精緻なようで現実離れしているとすら思えます。

仕事はコスパの高い自己満足手段

自己満足を得る手段は、仕事だけではありません。
いろいろな手段がありますが、地方公務員はさほど高給ではないので、なるべくコストパフォーマンスに優れた方法で得るほうが望ましいです。

地方公務員の場合、仕事で自己満足を得るのは、かなりコスパのよい方法だと思っています。

仕事は、時間というコストを投じる必要があるものの、費用はかかりません。
むしろ投下した時間に応じてお金が返ってきます。
モノやサービスを消費して得る自己満足よりも、かなりコストが小さいと言えるでしょう。

特に地方公務員の場合、副業規制という制約があり、仕事以外から収入を得られませんし、経費は全部自腹です。
何をしようとも仕事よりもコストが高くついてしまうので、得られる自己満足がよほど大きくない限り、コストパフォーマンスでいうと仕事を下回ってしまうでしょう。

「公益」という自己満足ブースター

仕事から自己満足を得られるのは、公務員に限った話でありません。民間勤務でも同様です。
しかも民間の場合、頑張れば頑張るほど、自己満足のみならず金銭的な見返りも期待できます。

ただし、地方公務員の仕事は、何であれ名目上は「公益のため」という高邁な目的を持っています。
誰かの私利私欲のためではなく、みんなのための仕事であり、「利他」とか「自己犠牲」のような高尚な理念を持った仕事です。

地方公務員の仕事は、このような世間的に高く評価される理念に直接貢献できる仕事ということで、自己満足を感じやすいと思われます。
実際のところ貢献できているかと問われると非常に微妙なところですが…… 

案外、トータルリターン(自己満足+金銭的報酬)でみれば、たとえ金銭的報酬では惨敗していようとも、公務員にも分があるかもしれません。

頑張りたいと思うなら素直に頑張ってみれば?

つまるところ、「頑張りたい」と思える環境に巡り会えたなら、素直に頑張ってみるのも悪くない選択だと思います。
金銭的には損かもしれませんが、それを補う自己満足というリターンを獲得できるかもしれないからです。


「頑張るだけ損だから」などと斜に構えて意図的に手を抜くと、サビ残が減って金銭的なコスパは良いかもしれませんが、かえって不完全燃焼感が残ったりして自己満足面ではマイナスが勝るかもしれません。
それならいっそのこと、コスパ度外視で思いきり頑張ってみたほうが、長期的には幸せになれるでしょう。

僕自身、観光部局にいたころ、サビ残まみれ&自腹切りまくりの日々を送る羽目になり、金銭的にはかなりしんどかったです。
しかし今となってはぼちぼち良い思い出です。
(将来「若い頃は自腹で東京出張したもんだ」みたいに武勇伝語っちゃいそう……)


自己満足をどれだけ重視するかは人それぞれですし、自己満足の感じやすさも人それぞれです。
自己満足に価値を見出せない人、自己満足を感じにくい人にとっては、まさに地方公務員は「頑張るだけ損」に違いないと思います。性格的に向いていないと言えるでしょう。

地方公務員という職業や従業者の特徴として、長年たくさんの論者が様々な性質を取り上げているところですが、弊ブログでは「他律性」を一押ししています。



他律的ということは、つまるところ自律していないわけです。
「他律的である」とはどういうことなのか、他律的な生き方のデメリットはどういうものかを調べるために、僕は何冊か「自律」に関する本を読みました。

その中で一番参考になったのが、『人を伸ばす力 内発と自律のすすめ』です。

人を伸ばす力―内発と自律のすすめ
リチャード フラスト
新曜社
1999-06-10



本書では、自律のさらに上にある「内発的動機づけ」という概念を取り上げています。
この「内発的動機づけ」が特に地方公務員には決定的に欠落していて、地方公務員の人生満足度を損なっている大きな原因の一つだと思っています。


内発的動機づけ

内発的動機づけとは、ある事柄そのものを「やってみたい」という気持ちが内面から湧き上がってきている状態です。
周囲から強制されたり命令されたためではなく、何らかの見返りや目的を実現するための手段としてでもなく、ただ単にその事柄自体に興味関心があって「やりたい」と思っている状態を指します。
(強制や命令、または報酬のために活動する場合は、「統制的に動機付けられている」と表現されています。)

内発的に動機づけられた状態で活動には、様々なメリットがあります。
本書で特に強調されているのは、内発的に動機づけられた活動そのものが幸福の源泉である点です。


私は、内発的動機づけの経験それ自体に価値があると信じている。バラの香りをかぐこと、ジグソーパズルに熱中すること、日差しが雲にきらめくのをしみじみ眺めること、ワクワクしながら山頂にたどり着くこと。これらの体験を正当化するために何かを生み出す必要はない。そのような経験のない人生は人生でないとさえ言えるかもしれない。
(エドワード・L・デシ、リチャード・フラスト著『人を伸ばす力 内発と自律のすすめ』新曜社、1999 p.61)


内発的に動機づけられた人生を歩むためには、2つの要素が必要だと論じられています。
ひとつは有能感、「自分にもできるはずだ」「自分の行動が結果を左右させられる」という認識です。


「できる」という感覚が、内発的動機づけと外発的動機づけの両方にとって重要である。行動がボーナスや昇進のような外発的結果を得るための手段であったとしても、あるいは、活動を楽しむ感覚や達成感のような内発的結果を得るためのものであったとしても、望む結果を達成するための活動を十分にこなせるという感覚を持つ必要がある。(中略)内発的動機づけがもたらす「報酬」は、楽しさと達成の感覚であり、それは、人が自由に活動をするとき自然に生じる。したがって、その仕事をこなす力があるという感覚は、内発的な満足の重要な側面である。上手くこなせるという感覚それ自体が人に満足感をもたらす。(同上p.86-87)


もうひとつは自律性、「自由で自発的に行動する」「あるがままの自己と一致した行動をする」ということです。


人は自己の世界と自分を取り巻く世界とかかわるなかで有能感を発達させると老時に、それをより自律的に行えるとき、いっそう効果的にふるまえるようになり、より大きな満足感がもたらされる。したがって、有能感を得るだけでは十分とは言えない。有能なチェスのコマにすぎないなら、つまり、活動に対して有能であるが自らの意思で自己決定できると心から感じられないならば、いくらそれがうまくできても、内発的動機づけを高めることはないし、満足感も生まれない。(同上p.94-95)

内発的動機つぶしに定評のある役所組織

つまるところ、有能感と自律性を涵養し、内発的に動機づけられた活動を増やしていけば、幸せになれるということです。非常にシンプルな図式です。

しかし、地方公務員はこれを全然実現できていません。
有能感も自律性もボロボロであり、内発的に動機づけられる前提条件が満たされていません。

役所の仕事は基本的に減点方式で評価されます。
何をしても必ず誰かが不平不満を述べて、その一声のために減点され、「失策」の烙印を押されます。
地方公務員は常に「失敗しやがって」と叩かれる運命にあり、とうてい有能感を持てる状況にはありません。

民主主義体制の下では、地方公務員は「決められたことを粛々と実行する」だけの存在で、まさに先ほど引用した箇所でいう「有能なチェスのコマ」であることを求められます。
自律性が育まれるわけがありません。

僕の勤務する役所では、毎年9月議会の頃になると、「今年も順調に新人の目が死んできたな」という会話が繰り広げられます。
これはまさに、役所で働く過程で有能感と自律性を失い、内発的動機づけが消失した結果なのではないかと思っています。

まずは自分のコントロールから

書名のとおり、本書は「いかに他者の内発的動機づけを活性化させるか」という観点で書かれており、具体的な方策にも触れられています。
自分一人でできる対策としては、感情と行動を自ら調整することが挙げられています。

感情の調整とは、出来事をどう解釈するかを熟考することです。


 
脅威であると解釈しなければ、すなわち自分の自我をそれによって脅かすことをしなければ、何者も自我に影響を与えない。もちろん、苦痛を引き起こすようなものは存在するし、意図的な侮辱を脅威と解釈しないのはむずかしいが、しかし、それにもかかわらず、もっとうまく刺激を脅威的であると解釈しないでいられるのである。たとえば、侮辱されたとしても、拒否される、捨てられる、解雇されるなどの現実的な結果が何も起こっていないのならば、それが多少いたむものであっても、侮辱を話し手の攻撃性として理解するし、それほど脅威を受けなくてすむ。刺激を異なって解釈することを学ぶことで、自分の感情をより効果的にマネージすることができるのである。(同上p.259)



行動の調整とは、ある感情を感じたときに衝動的に動くのではなく、柔軟に動くことです。


感情には、ある行動傾向が組み込まれており、進化の歴史における最初の時点からの遺物であることは疑いない。(中略)しかし、人は衝動を抑制し、どのように行動するかを決定する能力ももっている。自律的になるには、感情が喚起されたときに行動を調整するための、自己に統合された調整過程を形成する必要がある。そうすることで、起こったとき、いやな気持ちになったとき、喜んだときにどう行動するかを、ほんとうに選択することができるだろう。(同上p.260)


要するに、
  • 何事もあまり悲観的な受け止め方をしないようにしつつ
  • 衝動的な言動を慎み一呼吸置いてから発言・行動する

というプロセスを踏むことが、対策になるのです。

地方公務員の仕事には、感情を乱してくる出来事がつきものです。
こういった機会に感情と行動を調整する訓練を積むことが、内発的動機づけの蘇生につながるとも言えるでしょう。

内発的に動機づけられた状態で仕事ができれば、きっと人生は豊かになるでしょう。
ただ先述したとおり、地方公務員という仕事は、有能感と自律性がどうしても損なわれます。
個人の努力である程度は緩和できたとしても、根本的解決には至りません。

そのため僕は、仕事面で内発的動機づけを追求するのと同じく、仕事以外で内発的動機ベースで打ち込めるもの……つまり趣味をしっかり持つことも重要だと思っています。

「やりたい」と思えることなら何でもいいです。
「やりたい」という気持ちが何より重要なのです。

地方公務員の副業はなぜかバレます。
定期的にニュースになりますし、僕の勤務先でも時々発見されています。
バレるルートは様々なのですが、僕の勤務先の場合は住民からの告発がほとんどです。

告発するにしても、住民の皆様がどうやって公務員副業情報を収集しているのか不思議だったのですが、 ひとつ有力なルートに行き当たりました。

フリマアプリの怪

僕の友人が某政令市職員から聞いた話です。いわゆる又聞きです。

やはり市役所は住民との距離が近いために、職員に対する苦情が絶えないようです。
苦情内容はバリエーションに富んでいて、明らかに職員側が悪いものもあれば、難癖や被害妄想の類まで取り揃っています。
職員は誰しも「平穏に暮らしたい」と思っており、業務時間中も私生活も、つつましく生活するよう心がけていました。

それでも住民の皆様は非常に鋭く、あの手この手を使って職員の言動を監視してきます。
彼も運悪く、その監視網に引っかかってしまったのです。


ある日突然、彼は人事課に呼び出されました。

「○○さん、あなたが無断で副業をしていると住民から通報がありました」
「このアカウントはあなたのもので間違いありませんか?」
「氏名と住所からして、ほぼ間違いないと思いますが……」

人事課職員の手には1枚の紙。メールをプリントアウトしたものでした。
「おたくの職員がフリマアプリで収益行為を行なっている、これは法令違反ではないか。然るべき処罰を下すとともに市民に謝罪せよ」との告発文面に、いくつかの画像が添付されていました。

その画像は、彼が何らかの商品を購入した際の取引画面と、彼のアカウントのホーム画面のキャプチャーでした。

取引画面には、彼のアカウント名と、本名と住所がばっちり載っています。
アカウントのホーム画面には、彼がこれまで出品した商品が一覧掲載されています。
この2枚の画像で、彼がフリマアプリで販売を行い、売上を得ていたことが証明できます。


アカウントのホーム画面は、誰でも閲覧できるものです。

一方で取引画面は、商品の売買が成立した後〜購入者が商品を受け取るまでの限られた期間に、出品者と購入者だけが閲覧できる画面です。
この期間、出品者側は商品を発送するため、購入者の氏名や住所を閲覧できます。


彼は職員住宅に住んでおり、フリマアプリにも正直に職員住宅の住所を登録していました。
そのせいで市役所職員であることがバレてしまい、人事課へ告発されてしまったのです。


彼自身は依願退職まで覚悟したのですが、人事課にとっては「よくあること」だったらしく、「単に不用品を出品しているだけで転売屋やっているわけではないですよね?」と念押し確認されただけで、すぐに解放されました。

その後、人事課から告発者に対して「副業には該当しないので処分不要だが、職員本人には自覚ある行動をするよう口頭指導」と返信し、それで対応は終了しました。

勤務先自治体候補さえ絞れればだいぶ特定できる

今回紹介した事例では、職員住宅に住んでいたせいで公務員バレてしまいました。
ただ、「職員住宅に住んでいる」という直接的なヒントがなくとも、「住所」「氏名」さえ分かれば、単にGoogle検索するだけでも、地方公務員かどうかを結構な精度で調べられます。

地方公務員の氏名は、インターネット上に結構転がっています。
まず、自治体公式ホームページ上に掲載される報道発表資料には、たいてい担当者氏名が掲載されています。
他にも、広報誌のウェブ版に載っていたり、メディアに取材された際のウェブ記事に氏名も書かれていたり……

つまるところ、「勤務先自治体名+氏名」で検索すると、その人が地方公務員であれば、これまで手がけた業務の情報がヒットするのです。
入庁以来ずっと庶務一筋で役所外部に名前を晒したことが無い職員であれば、何もヒットしないかもしれませんが、自分でも覚えていないうちに案外晒しているものです。

勤務先自治体名を絞り込む際に、住所はかなりヒントになります。
都市部は難しいかもしれませんが、田舎であればほぼ住所=勤務先自治体なので、住所さえ分かれば、勤務先自治体をあらかた特定できるのです。

ちなみに「僕の居住県+僕の氏名」で検索してみたら、観光部局にいた頃の報道発表資料がヒットしました。普通に職員バレしますね……


地方公務員の副業が、 彼のようにフリマアプリ経由で判明するというルートも、案外多いのかもしれません。
特に、公務員しか買わなさそうな商品(昇進試験参考書とか公務員本あたり) を購入する際は、身バレする覚悟をもって臨んだほうが良さそうです。

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