キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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2022年10月

ここ数年、地方公務員試験の倍率がどんどん下がってきています。
採用数が増えているためではなく、受験者数が減少しているからです。
職種によっては定員割れするケースまで生じつつあります。

以前人事院からリリースされた「国家公務員を志望者しなかった人」に対するアンケート結果によると、「採用試験の準備が大変」という理由で国家公務員を志望しなかったという人が相当数存在しています。

 
筆記試験対策の負担が民間就職と比べてかなり重いという意味では、地方公務員も同様です。
そのため、地方公務員の場合も、国家公務員のように「試験対策が大変だから」という理由で敬遠されていると推測されるところです。

自治体の人事課も「筆記試験負担がネックになって受験者が減っている」と考えているのか、従来の筆記試験の代わりにSPIを使うなどして、筆記試験を軽減するケースが出てきています。

ただ僕には、筆記試験を軽減するだけで志望者が増えて優秀な人材が確保できる……とは思えません。


どれだけ門戸を広げたとしても待遇は変わらない

昨今の「優秀な人材」の多くは、大手民間企業に就職しています。
地方公務員はもともと眼中にありません。

この理由は明白で、職場として魅力に乏しいからです。
給料安い、福利厚生イマイチ、やりがいが乏しい、成長できない……等々、大手民間企業と比較してしまうと、地方公務員に勝ち目はありません。
「優秀な人材」にとって、地方公務員は魅力的な職業ではないのです。

そのため、いくら筆記試験を軽減して門戸を広げたところで、「優秀な人材」が地方公務員を志望者するようになるとは到底思えません。
採用プロセス云々以前に、そもそも選択肢に入り得ないのです。 

筆記試験軽減により増える層

筆記試験を軽減することで増加が見込まれる受験者層は、
  • 何でもいいからとにかく公務員になりたい層
  • 普通に就職活動していても役所以下の待遇しか勝ち得ない層
この2種類だと思います。

前者は、国家公務員が第一志望だった層が「筆記試験に時間を取られたくないから」と順位変更したり、「公務員になりたいけど筆記試験は嫌」という理由で警察や消防を志望していた層が路線変更したりするケースです。
後者は、これまでは主に地元中小企業に就職していたような層で、ワンチャン狙いで挑戦するタマの一つとして受験するケースです。
 
いずれにしても、きらびやかな経歴と実績を備えており、いろいろなところから引く手数多な、典型的な「優秀な人材」とは異なります。
こういった層のうち、面接が得意な方々が、新たに地方公務員として採用されるようになるのでしょう。

筆記特化型が消える

これまでの地方公務員採用プロセスでは、筆記試験負担が重いせいで、「筆記試験は苦手だけど面接は得意」というタイプは合格できませんでした。
面接にたどり着く前に、筆記試験で落ちてしまっていたことでしょう。
筆記試験が軽減されれば、こういうタイプの受験者が増え、かつ合格していくと思われます。

その反面、「筆記試験は得意だけど面接が苦手」というタイプは、筆記試験が軽減されると合格しづらくなるでしょう。
従来なら筆記試験で脱落していたはずの面接巧者たちと、面接という苦手なフィールドで競い合わなければいけなくなるからです。

地方公務員実務のほとんどはコミュニケーションであり、筆記試験の出来不出来はあまり関係ありません。
むしろ面接の出来不出来のほうが、実務能力に直結しているかもしれません。
そのため、「筆記試験は得意だけど面接が苦手」という層が役所から一掃されたとしても、役所運営的には差し支えないでしょう。

ただし、「筆記試験が得意」という強みを活かせなくなることで、高学歴者・高偏差値大学出身者の受験が減るのではという懸念があります。
 
これまでは、「筆記試験が得意であれば合格しやすい」という特徴に着目して、あえて民間企業ではなく地方公務員を志望する高学歴層・高偏差値大学出身層が一定数存在しました。
この層は読解力が非常に高く、法令や要項を一瞬で読解したり、論理的な文章を書いたり……などなど、文字ベースのコミュニケーションでは圧倒的な強みを有していて、ありがたい存在です。
筆記試験が軽減されれば、こういった層があえて地方公務員を志す理由が無くなってしまいます。


ガクチカ(もう死語か?)が貧弱でコミュ障だとしても、筆記試験さえできれば正規雇用してもらえるかもしれない……という地方公務員は、僕みたいな「ペーパーテストしか取り柄がない」勢にとっての一縷の望みです。
もし筆記試験が簡素化されてしまったら、コミュ障の就職活動は一層厳しくなるでしょう。
今となっては他人事とはいえ、僕と同類の人種が苦しむのは間違いなく、胸が痛みます。

多くの自治体が思い描いている「筆記試験負担を軽減すれば受験者が増えて優秀な人材を確保できる」という展開は、民間よりも役所のほうが就職先として魅力的だという前提でないと成立しません。
この前提が成り立つかどうかは、地域ごとに異なると思います。
役所以上に魅力的な職場がたくさんある地域では、どれだけ筆記試験負担を軽減しようとも受験者はあまり増えないでしょうし、「優秀な人材」の確保はさらに難しいでしょう。

僕の出向期間も残り半年を切りました。
これから月残業100時間超え確定の繁忙期がやってきますが、昨年一度経験しているおかげなのか不安はありません。
むしろ「いっちょ稼いでやるか〜」とテンションが上がっています。

それより悩ましいのが人事異動調書です。
異動希望をどう書くか激しく悩んでいます。

「住民のために働きたい!」と思えなくなっている

異動希望に関しては、ちょうど2年前にも同じような記事を書いています。



  • 出世レースから漏れてしまった以上、本庁の係長を拝命する可能性はほぼゼロ。つまり40代以降はずっと出先勤務。
  • 入庁以来ずっと本庁勤務なので、このまま出先の係長になったら経験不足で困りそう。
  • ゆえに今のうちから出先経験を積んでおきたい。
当時はこんなふうに考えており、基本路線は今も変わりません。
早々に出先機関に異動して、できれば何らかの「色」を身にまとうのが、より良い地方公務員人生を送るための最適戦略だと思っています。
具体的には公営企業会計、税務、庶務あたりでしょうか。

しかし今は、単純に「出先勤務したい」とは思えません。
「住民のために仕事をしたい」というモチベーションが皆無だからです。
2020年度のコロナ関係苦情対応でゴリゴリ削られたモチベーションが未だ回復していないどころか、住民からの執拗な個人攻撃で元同僚が潰されるというケースが全指を使っても数えきれないくらいに発生しており、「自分達を敵視・蔑視してくる人たちのために、どうして働かなきゃいけないんだろう?」と真面目に思っています。

出先勤務であれば、住民に対し行政サービスを直接的に提供する業務が大半を占めます。
こういう業務形態が今は無理です。想像しただけで胃が痛くなってきます。

公務員にあるまじきメンタリティなのは重々承知していますが、自分ではもはやどうしようもありません。
公務員向けの自己啓発本やセミナーの類を大量摂取して再起のヒントを探してきたものの、どれも現実を払拭してくれません。
学者や首長、スーパー公務員の方々が語る名言や美談に頷きそうになりつつも、それを否定する身近なエピソードが次々と思い浮かんできて、全然心に響いてこないのです。

公務員のために働きたい

とはいえ、地方公務員の仕事自体に愛想が尽きたわけではありません。
今はとにかく「公務員のため」に働きたいと思っています。
何でもいいので、同僚や県内市町村職員の負担を減らし、働きやすい環境を作りたいです。

「働きやすい環境づくり」には、ソフト面とハード面の2種類があるでしょう。
ソフト面は人事や組織の改革であり、もろに出世ルートの仕事です。
一方でハード面は、備品調達やシステム改修あたりで、僕でもチャンスがあります。
この出向期間中に身につけたIT知識も活かせるかもしれません。

今回の異動希望、将来のことを考えるとやはり出先一択なのでしょうが、「やりたい」という刹那の感情に身を任せたいと思っています。
ただ、これまで「公務員のための仕事をしている部署」という観点で組織を眺めたことがないので、具体的にどんな部署を希望すればいいのか、考えあぐねているところです。
庁舎管理担当課とデジタル担当課、あとは市町村課あたりも「公務員のための仕事」に相当するでしょうか……

こんなに「やりたい仕事」がはっきりしているのは人生初めてです。
通常なら就職活動前に見出すべき「職業人生の軸」なるものを、30歳を過ぎたようやく見つけられたような気がしており、迷いながらも晴れ晴れとしています。

人事異動は運ゲーですし、希望通りの配属が叶うとは思っていませんが、わずかでも「公務員のための仕事」に触れられる部署に行けることを切に祈っています。

前々から「公務員or民間のどっちが向いているか」を判定するフローチャートみたいなものを作ってみたいと思っており、最近はよく就職対策本を読んでいます。

たびたび触れているとおり、僕は民間就活で惨敗して地方公務員に逃げ込んだタイプの人間です。
そのため就職対策本を見かけるたびに当時の恐怖が蘇ってきていたのですが、最近になってようやくトラウマを克服しつつあるのか、手に取ることができるようになりました。

今回紹介するのも広義の就職対策本で、公務員試験にチャレンジする本人「以外」を対象にした公務員試験対策本というユニークな位置付けの一冊です。

「公務員になる」と決断した後のプロセスではとても有益

現役の予備校講師の方が著者であり、公務員試験対策の部分はおおむね当たっていると思います。
特に第5章の人物試験対策のパートは、エントリーシートに書くネタの調達方法から面接本番対策まで、幅広く基本事項が紹介されていて、ものすごく参考になります。
僕が就職活動をしていた頃は、こういう基本的事柄を知らないままに面接に臨んで玉砕していたんですよね……

タイトルに「親の本」と冠している本書ではありますが、公務員試験対策に伴走する役割を担う人であれば、教師であれ先輩であれリクルーターであれ、どんな立場の人にも役立つでしょう。


一方、「公務員をすすめる」という観点、つまり「役所は良い就職先だ」という前提に立っているからなのか、公務員の魅力を誇張しすぎに思われます。

例えば、地方公務員の平均給与月額や平均年収の例として、東京都庁のデータを用いている点。
東京都庁は、全国で最も高い20%の地域手当が支給され、給料(基本給)や期末勤勉手当(ボーナス)、時間外勤務手当(残業代)などが田舎自治体よりも20%高いです。

この圧倒的地域手当のために、東京都庁の平均給与月額や平均年収は、全国平均よりもかなり高いです。
しかし本書では、地域手当加算に一切言及することなく、東京都庁のデータを用いています。
現役地方公務員(特に田舎民)がこの部分を読んだら、僕でなくとも違和感を抱くでしょう。
「アニメ映画の標準的興行収入」として「鬼滅の刃 無限列車編」のデータを提示されてるかのような……

また、「承認された残業代はすべて支払われます」と断言している部分にも違和感があります。
この表現、裏を返せば「残業したところで『承認』されなければ残業代は支払われない」ということにほかならず、これは間違いありません。
ただ、一旦承認された残業であったとしても、予算制約のために支給されないケースがままあるのが現実であり、この記述は誇大に思えてしまいます。

「親からすすめられて」公務員になることの危うさ

本書のコンセプトとは逆行してしまいますが、僕は個人的に、親から勧められて地方公務員を選択するのは悪手だと思っています。
地方公務員という職業は、「どうしてなりたいのか」を徹底的に自分で考えて、自分なりに納得できる理由を見出した上で選択肢すべき職業であり、「親から勧められてなんとなく良さそうだから」という軽い理由で選択してしまうと、後々苦しむと思うからです。

地方公務員として働いていると、いずれ必ず「民間のほうがよかったかも……」という迷いが生じるものです。
民間勤務の友人知人と自分を比較したり、役所叩き・公務員叩きを食らいすぎて気分が萎えたり、民主主義の都合で理不尽な仕事をやらされたりすると、かつての決断を呪いたくなってきます。

こうなったとき、自分が地方公務員を選択した理由、つまりは職業選択にあたっての価値観がはっきりしていれば、冷静に状況を考察して判断を下せます。
続けるにしろ辞めるにしろ、判断基準が明確なわけです。


一方、「親に勧められたから」みたいな理由で深く考えずに地方公務員になってしまうと、職業選択の価値観がうまく確立できません。
そのため、苦境に陥ったときに依るべき判断基準がなく、ゼロから悩む必要があるでしょう。
もちろん、親から勧められた後にしっかり自分で考え抜けば問題ないのですが…… 

外部団体に出向中の今なら人事課にバレないだろう……という目論見のもと、ここ1年半ほど細々と転職活動をしています。
※今のところ地方公務員を辞めるつもりは一切ありません。単なる社会勉強です。

ここまで、転職サイトに登録してオファーを待ってみたり、転職フェアに参加してみたりしてきたところですが、今回は転職シリーズの総仕上げとして、キャリアアドバイザーと面談してみました。

市場価値の低さに定評のある地方公務員、しかも僕は30歳を超えています。
果たしてどれだけ酷評されてしまうのでしょうか……?
これまで獲得してきた資格たちは、僕を助けてくれるのでしょうか……?


<これまでの転職シリーズ>







準備〜作戦編

僕が今回利用したのは、某大手転職エージェントの無料面談サービスです。
エージェントへの登録自体はだいぶ前に済ませており(求人情報を見るため)、そこで提供されているサービスを利用しました。

このエージェントからは、電話やメールで「面談しませんか?」というお誘いを何度も受けており、「転職するかどうか検討中段階でも是非面談しましょう」とプッシュ営業を仕掛けられています。
向こうから誘ってくるくらいなので、生煮え段階の僕が面談しても怒られはしないだろう……と思い、面談を申し込んでみました。

僕がキャリアアドバイザーから引き出したい情報は、転職市場における地方公務員の位置付けです。
一般論を聞き出すのはもちろんのこと、他の転職事例も聞いてみたいところ。
僕が喋る時間は最小限に抑え、キャリアアドバイザーになるべく話させたいです。

そこで、「これから自分のキャリアやスキルを棚卸しする手がかりにすべく、民間企業は元地方公務員をどう見ているのか把握したい」というスタンスを取ることにしました。
こういう理由であれば、「相談する」というよりは「教えを乞う」感じで進めても自然なはず……。

面談本番

面談はオンライン会議アプリ経由で、30分ほど行いました。
アドバイザーの方は僕と同年代くらいの女性で、新人らしさは全然無く、この道でそれなりに経験を積んでいるオーラが出ています。期待大です。

まずは簡単に自己紹介をした後、履歴書の中身についていくつか先方から質問されました。
具体的には、転職先の条件の優先順位、興味のある業界、転職する場合の就業見込み時期あたりです。

あとは地方公務員としての業務経歴についても色々聞かれました。
特に観光部局での経験を深掘りして尋ねられ、
  • 課内でどういうポジションを務めたのか
  • 特に印象に残っているエピソード
  • 役所外部との折衝経験
このあたりを結構詳しく話しました。
今から思い返してみれば、こちら側の喋りやすい話題を振ることでアイスブレイクする目的だったのかもしれません。

「転職するとしたら来年4月以降」と伝えたところ、先方から「半年以上先となると、現時点で具体的な求人をお示しするのは困難です。志望企業を固められない以上、履歴書の添削もできませんし……今回の面談は、お客様の疑問にお答えして自己分析を深める機会にしたいのですが、よろしいですか?」と提案されました。

こちらとしては願ったり叶ったりの展開です。早速用意しておいた質問を投げかけていきます。
(以下、アドバイザーさんからの回答は 斜字体 で表記します)


地方公務員から民間企業へ転職する場合、どういう業界が人気なのか?

コンサルティングファームシンクタンクを志望する方が多いですし、実際に多くの方が転職に成功しています。
公務員の業務と比較的似ていること、確実に収入アップが見込めることが人気の理由です。

また、こういった企業では、パブリックセクターから業務を受注するケースが近年増えており、「行政組織の内部事情を知っている元公務員を雇用したい」という人材ニーズがあることから、公務員から転職しやすい業界ともいえます。

ここ数年は、うまく需要・供給のマッチングが成立している状況です。


1問目から興味深い回答をいただけました。
コンサル転職といえばキャリア官僚の独壇場かと思っていましたが、地方公務員からでも転職できるんですね……。

「政策立案したくて役所に入ったのに、調整業務や住民対応、肉体労働ばかりやらされて、頭を使わせてもらえない」という不満を抱える若手職員は少なくありません。
こういう不満を解消したくて、バリバリ頭脳労働のコンサルやシンクタンクに光明を見出すのかもしれません。

地方公務員の人材面での強みは何か?

強みとしては、「地頭の良さ」「組織内調整スキル」「セルフマネジメントスキル」が挙げられます。

まず、公務員には地頭の良い方が多く、物事の理解力や論理的思考力に長けています。
たとえ未経験分野であっても、学習が速く早々に戦力化できるという意味で、ポテンシャルが高い人材として認識されています。

また、公務員は日常的に、様々な利害関係者間の調整業務を担っていることから、同年代の民間人材と比べても組織内調整の経験が豊富です。
大規模市役所や県庁クラスであれば、大手民間企業に引けを取らないスケールの組織であり、調整能力に関しては即戦力として期待する企業様もいます。

このほか、公務員は一人あたりの業務量が多く……大変失礼な言い方になりますが上司によるマネジメントが機能していないので、若手であってもしっかり自立している方が多いです。
業務の目的やスケジュールを自力で設定して、自分で進捗管理するというセルフマネジメントの技術は、民間企業ではなかなか身につかない、公務員独特のスキルともいえます。


「ありません」と即断されるかと思いきや、丁寧かつ具体的に教えてくれました。
いずれのポイントも、地方公務員ならではというよりは、国家公務員ともかなり共通します。
転職市場では、地方公務員はキャリア官僚の代用品みたいな扱いなのかもしれません。

若手地方公務員を悩ませる「不毛な調整業務」や「放置系上司」が、まさか人材力向上に資しているとは……


地方公務員の人材面での弱みは何か?

弱みとしては、「利益感覚の欠如」「マネジメント経験の欠如」が挙げられます。

民間企業では、どんな業種であれ「売上を確保する」「利益率を高める」といった観点が不可欠ですが、公務員でこういった感覚をお持ちの方はごく稀です。
また、民間企業と比べて公務員は出世のペースが遅く、部下を持ったりチームを率いたりといったマネジメント経験が不足している傾向にあります。



こちらは予想通りの回答です。納得。

民間転職したい地方公務員が準備すべきポイントは?

企業様が地方公務員に期待しているのは、先にも述べたとおり「地頭の良さ」「組織内調整スキル」「セルフマネジメントスキル」です。
これらのポイントをわかりやすく企業様にアピールできるよう、まずはこれまでの業務経験を棚卸しして、使えそうなエピソードを探してみてはいかがでしょうか。

特におすすめなのが、新規事業の立上げに携わった経験です。
自然と調整能力をアピールでき、かつ企業様としてもイメージしやすく、面接でも高評価を得られています。

また、弱みである「利益感覚の欠如」を補うため、簿記資格の取得を推奨します。
(FPはどうでしょう?という僕の更問いに対し)FPよりも簿記ですね。FPはあくまでも個人資産の運用に関する資格なので、転職ではさほど重視されません。

あとは
MOSITパスポート資格を取得していれば、社会人としての基礎能力を証明できるので、時間があれば取り組んでもよろしいかと思います。
そのほかの資格は……キモオタクさんのようにITストラテジストを取得している地方公務員の方は結構いらっしゃいますね。あとは中小企業診断士も多いかと。
これらの資格、地頭の良さを証明する材料にはなりますが、合否を左右するほど重要というわけでもありません。


ITストラテジスト地方公務員、転職市場では希少価値無いんですね……ショックです。
中小企業診断士も若干興味あったのですが、すでに地方公務員のホルダーがたくさんいると知らされて萎えてしまいました。


「優秀な若手」は民間でも通用しそう

もっとボロクソにこき下ろされるのかと思いきや、地方公務員をそれなりに高く評価しているように思われました。
お世辞も混じっていたのかもしれませんが、ここは全部真実だとして話を進めていきます。

とりあえず簿記

わずかでも転職に関心があるのなら、まずは簿記の勉強をしてみるのが良さそうです。
「簿記は大事」という話は、今回のアドバイザーさんのみならず、以前転職フェアに参加した際にも複数の企業から聞きました。
複数の情報源から推されるということは、かなり重要度が高いと言えるでしょう。


「優秀さ」の物差しは官民でさほど変わらない

地方公務員の強みとして挙げられていた「地頭の良さ」「組織内調整スキル」「セルフマネジメントスキル」は、地方公務員なら誰しもが備えているわけではありません。
この3点を備えた地方公務員は、職員の中でも相当の上位層です。

つまり、役所内で「優秀だ」と高く評価されている職員と、民間企業が求める元地方公務員人材は、かなり共通していると言えるでしょう。
僕はこれまで「公務員らしくない人ほど民間企業では活躍できる」と思っていましたが、どうやらそうとも限らないようです。

逆にいえば、役所内でパッとしない人は、民間企業からも需要が無い……とも言えます。
厳しい現実です。

固有技能よりもポテンシャル

インターネットで地方公務員の転職情報を調べると、「地方公務員は転職市場では無価値」という前置きからの
  • 地方公務員が転職するならプログラミングスキルが必須!
  • ブログを書いて文章力を磨こう!
みたいな、何らかの殊技能を身につけるべきという主張がたくさんヒットします。
しかし今回の面談では、こういう個別具体的なスキルに関しては一切言及されませんでした。

語学に関しても全然触れられませんでした。
(こちらから更問いしようと思っていたのに、すっかり忘れていました……)


アドバイザーさんの回答を余すところなく文章化しようとした結果、弊ブログ最長の約4,400字に到達してしまいました。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。

もし転職を考えている方がいたら、僕みたいにとりあえず無料相談サービスを使ってみればいいと思います。
地方公務員は、引く手数多な「転職強者」ではありませんが、ゴミ扱いもされるわけでもありません。
怯える必要は無いでしょう。 

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