キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2022年11月

地方公務員界隈では、国家本省への出向は出世コースだと認識されています。

僕は個人的に、出世コースそのものというよりは、出世コース候補者たちをさらに選別する二次選抜過程の一部だと思っています。
本省出向を無事乗り切っても、出世コースに乗らない人が一定数存在するからです。


 
本省へ出向する(させられる)職員は、出向前時点では間違いなく評価が高かったはず。
そのはずなのに、実際に出世コースに突入する職員は、本省出向経験者ばかりではありません。
僕の勤務先県庁の場合、むしろ出向せずに庁内で頑張っていた職員のほうが多いくらいです。

つまるところ、本省出向の前後で評価順位の逆転現象が生じている……より直接的に言ってしまうと、本省出向したせいで相対的に評価が下がってしまう職員がいるわけです。

僕の同期職員や、年次の近い先輩後輩の事例を思い返しつつ、本省出向したのに出世コースに乗らない職員の特徴を考えていきます。

「割り揉め」の鬼

まず挙げられるのが、組織内の縦割りにこだわり、些細なことでも割り揉めする職員です。
どんな些細な仕事であっても「なぜ当課/自分が応じなければいけないのか」という理由や根拠にこだわります。
しかも往々にして、相手から理由や根拠を示されても徹底的に抗弁して、仕事を引き受けたがりません。

議会答弁とかマスコミ対応みたいな対外的業務で割り揉めするのは、むしろ正確に業務遂行するために必要なプロセスなのですが、
  • 所管している法令の解釈について教えてほしい
  • 過去の資料を見せてほしい
  • 備品を貸してほしい
  • 外部から問合せが来ているので対応してほしい
この程度の単発かつ単純な依頼であっても、法令や覚書のような根拠文書を要求してきたり、必要性について資料を作ってレクしに来いと指示してきたりします。

もちろん、割り揉めが必要な場面もあります。
責任の所在を明確化するのは勿論大切ですし、むやみやたらに他部署を巻き込んで仕事を増やす迷惑職員がいるのも事実です。
「なぜその仕事を引き受けなければいけないのか」という入口部分を徹底的に詰めることで、こういうトラブルを未然防止したい……という意図なのかもしれません。

しかし、ごく些細な仕事でもいちいち割り揉めされると、業務効率が激落ちします。
本人としては最適解なのかもしれませんが、組織の全体最適という意味では悪手としか思えません。

圧倒的に出世する職員に求められるのは、自分に危害が及ばないよう徹底的に割り揉めして守りを固める姿勢ではなく、むしろ快く引き受ける度量の広さ、姉御肌や兄貴分気質のほうだと思われます。


後輩・同僚に対して塩対応

本省出向から戻ってくると、若くても20代後半。
同じ係内に後輩がいることも多いです。

本省出向経験者の中には、後輩の面倒見が悪いというか、意図的に後輩を突き放す職員がいます。
後輩から相談されない限り一切助言しなかったり、助けを請われてもそっけなかったり……
こういう職員は大概、同僚に対しても非協力的です。

あまりの塩対応を見かねて、他の職員がフォローに入ることも多いです。
僕自身、本省出向経験者と後輩との間に入り、緩衝材と化していた時期が何度かありました。
(自慢ではありませんが、僕がいなかったら退職してただろうな……と思われる後輩すらいます) 

本人に「もうちょい干渉したほうがいいんじゃないの?」と促したことも何度かあります。
すると、「これくらい自力で出来て当然」と言い切る職員もいれば、「苦労させることが本人のためになる」と自慢げに語る職員もいました。

本省では「自力解決」が鉄則であり、出向者であれ他者の助力は得られないと聞きます。
そのような環境を乗り切った、つまり何事も自力でやり切ったという経験を、出向の成果・成長の証明と認識しているのかもしれません。
そして、本省のような「自力解決」を後輩に強いることで、自分と同じように成長させたいのかもしれません。

しかし、本省出向させてもらえる(させられる)職員は他の職員よりも優秀であり、誰もが彼や彼女のようにタフではありません。
ご自分では「当たり前」と思っていることが、他の職員にとっては「大変なこと」かもしれません。
この事実に気づかない、あるいは意図的に無視して自分が楽しようとする姿勢は、他の職員を傷つけます。

職員は能力的にも性格的にも様々であり、塩対応で十分な人もいれば、優しく丁寧に接しなければいけない人もいます。
このような多様性を気にかけず、自分に都合の良いコミュニケーションしか取ろうとしない職員は、いくら自身が優秀であったとしても、組織運営上は害悪になりかねません。


キレ芸を使う

地方公務員であれば誰しも、怒りの感情をぶつけてくる相手と対峙したことがあるでしょう。
こういう相手には、本気で怒っている人もいれば、怒っているふりをしているだけの人もいます。
怒声や攻撃的言動をちらつかせることでプレッシャーをかけ、自分に有利なように交渉を進めようという魂胆です。

本省出向経験者の中には、こういうテクニック、つまるところ「キレ芸」を平気で使う人がちらほらいます。
他部署や後輩に対してキレる姿を見せつけて、自分の意向に従わせようとするのです。

キレ芸は、相手と対等な立場であれば交渉手段たりえますが、格下の相手に対して用いればパワハラにほかなりません。
ある程度出世した後ならまだしも、若手の時点からキレ芸に頼るようでは、「調整能力なし」とみなされて出世コース候補者から落選して当然だと思います。

本省出向のせいとは言い切れないものの……

今回挙げたような特徴は、本省出向経験者に限った話ではありません。
出向していなくても該当する職員はたくさんいます。
 
ただ実際のところ、本省出向を経てこういう性質が身についてしまう職員が少なくありません。
出向前は気の良い同僚だったのに、出向から帰ってくると別人のように面倒臭くなっている……というケースが後をたたないのです。
「〇〇課の▲▲さんってキモオタ君の同期(元同僚)だよね?あいつマジでなんなの!?」と現同僚からクレームを受けるたび、フォローしたくてもできなくて悲しくなります。


ここからは完全に推測です。
「徹底的な割り揉め」「後輩・同僚への塩対応」「キレ芸」いずれにしても、もしかしたら本省では当たり前の処世術であり、むしろ推奨されるスキルなのかもしれません。
本人としては、本省出向で習得したスキルを、職場に還元しようとしているのかもしれません。

これらのスキルは、本省のようなタフガイ集団であれば、効率的なコミュニケーション手法として有効な気もします。

しかし、本省と自治体では、職員の質が全然違います。
自治体職員は、本省職員のように皆が優秀で心身ともにタフなわけではなく、気弱な人もいれば無能な人もいます。
優秀な職員だけで組織運営できるほど人材が豊富なわけではなく、そうでない職員をうまく活用して、組織を回さなければいけません。
職員の質が違えば組織の雰囲気も異なってきますし、そうなると求められるコミュニケーションスキルも変わってきます。
 
つまるところ、本省出向で習得したコミュニケーションスキルを素直に自治体に導入しようとすると、組織の雰囲気・環境・条件の違いゆえに周囲との軋轢が避けられず、自身の評価を落としかねないのです。なんとも皮肉です。

本省出向を経て出世コースに到達するには、本省の雰囲気に感化されることなく、自治体組織運営でも使えそうな部分を「いいとこ取り」するくらいの度量が必要なのでしょう。

僕が新卒就活をしていた頃(2010年代前半)は、体育会系神話がまだまだ健在でした。
「体育会系は就活で強い」というやつです。
大学一年生の頃から就活を見据えて体育会系部活動に入る人もいましたし、人間関係トラブル等で居づらくなっても「就活のためだから」と嫌々ながら部活動を続けている人もいました。

今はどうなのでしょう?新型コロナウイルスのせいで、大学のサークル文化や、体育会系部活動自体が存亡の危機にあるという話も聞きますが……

僕の同期職員にも、何人か体育会系部活動出身者がいます。
入庁当時は皆さん見た目からしてバリバリの体育会系でしたが、30代になった今は人それぞれです。
そして、役所内でのポジションも、明暗が分かれています。

役所は体育会系組織?

Wikipediaによると、体育会系とは「精神論や根性論、上下関係、体力の重視」を特徴としている人や組織のことを指します。
個人的にはさらに、「組織のために滅私奉公するのが当たり前」というポイントも追加したいところです。

またWikipediaによると、公務員組織は典型的な体育会系らしいです。




公務員組織においては特に顕著に見られ、国家公務員・地方公務員ともに上司の職務上の命令に忠実に従わなければならないことが公務員法で明確に規定されており、公務員には上司の適法な職務上の命令に服従する義務があることから、公務員組織は厳格な上意下達型の命令系統を重視する体育会系の組織文化である。


 
 ※2022年9月10日閲覧



この定義に照らしてみると、僕の勤務先自治体は体育会系ではありません。
上位下達なのは間違いないありません。
ただ、上下関係が厳しいとか、根性論がまかり通っているといった他の特徴は当てはまらないです。
(何事も人海戦術で解決したがる傾向はありますが、それを「体育会系だから」と理由付けするのは何か違う気がしています)

組織の小さい市町村役場だと、お偉いさん一人のキャラクターで組織文化が決まってくるので、体育会系のところもあるのかもしれません。
ただし県庁くらい組織が大きいと、構成員の属性も様々ですし、さほど体育会系にはならないのではないかと思います。

体育会系職員は少数派

個人レベルで見ると、年齢問わずバリバリ体育会系な職員もいますが、かなり少数派です。

地方公務員試験を突破するには、そこそこ長い準備期間(試験勉強期間)が必要です。
そのため、体育会系部活動と並行して公務員試験対策をするのは時間的に難しく、そもそも選択肢として入りづらいのだろうと思われます。
(部員は「部活最優先」の大学生活を強いられるので、「試験勉強に時間を割く」なんて自分勝手な判断は許容されないと思われます)

明暗が分かれる体育会系職員

僕の勤務先自治体だと、体育会系の職員は、役所組織に順応している人としていない人に、くっきり分かれています。

体育会系成分をうまくコントロールできている人は、組織にばっちり馴染めています。
こういうタイプは、いざという時にしか精神論や根性論を持ち出しません。
周囲を励ましたい場面や、もう一踏ん張り必要な場面など、限られた局面でのみ、打算的に体育会系っぽく振る舞います。

一方、精神論や根性論を全面に押し出してくる典型的体育会系タイプは明らかに浮いてしまいます。
20代前半のうちは「元気な奴」として歓迎されもするのですが、アラサーになり部下や後輩ができる頃になると、彼/彼女の体育会系気質が組織の和を乱し始めます。
上司からすれば扱いづらい奴、同僚からすれば面倒な奴、後輩からすればパワハラ予備軍です。


見体育会系経験者の視点(下級生・上級生理論)

ここからは完全に伝聞です。
同期の体育会系部活動出身者が、「どうして体育会系は役所内で浮くのか」を以前語っていました。

大学の体育会系部活動では、「下級生は家畜」「上級生は人間」「OBは神」というヒエラルキー構造があるようです。
下級生には一切の自由が認められず、上級生の指示に従うしかありません。
上級生は下級生を好き放題使えますが、とはいえさほど自由は無く、OBのわがままに振り回されます。

このヒエラルキー構造は役所とそっくりです。
下級生が大半の職員、上級生が管理職、OBが住民・議員・マスコミに相当します。

こう考えると、体育会系は役所生活に馴染めそうな気がします。
それなのに一定数が「異分子」になってしまうのは、彼ら彼女らが「勘違い」をするからです。

体育会系部活動はせいぜい4年間ですが、地方公務員人生は30年以上続きます。
しかも組織の構造上、圧倒的に「下級生」時代が長いです。
「上級生」になるには、本庁の課長クラスまで上り詰めなければいけません。
このことに気づかず、単に後輩ができた程度で自分を「上級生」だと勘違いしてしまう人が少なくないのです。

体育会系部活動出身者としては、「上級生」としてしっかりと成果を出してきたことが自身のアイデンティティであり、早く「下級生」を脱して「上級生」になりたく思うのでしょう。
しかし、役所組織における「下級生」期間は、部活動よりもずっと長いのです。

下級生期間(奴隷生活)に耐えられたのなら役所生活も耐えられる

役所はいわゆる体育会系組織ではなく、バリバリの体育会系人材にとって過ごしやすい環境とは言えませんし、体育会系部活動経験がそのまま活かせるとも思えません。

ただし、ひたすら周囲からの指示に耐え忍ぶ生活が長年続く、つまり他律性が強いという意味では、体育会系部活動における「下級生」と酷似しています。



「上級生」として部活動を引っ張っていった経験は活かせなくとも、「下級生」として辛酸を舐めた経験は、きっと自分の助けになるでしょう。
役所生活にはいろいろ理不尽がつきものですが、体育会系部活動の「下級生」に対する仕打ちに比べれば随分マシなのだろうだと思います。

つい先日、同期の職員から刺激的な話を聞きました。
大学時代のゼミの恩師から、「地方公務員になったゼミOB達が近年離職しまくっている、何故なんだ?」と相談されたというのです。

そのゼミは地元大学法学部にあり、国家公務員・地方公務員を毎年大量輩出しています。
より正確にいうと、これまで蓄積された試験対策ノウハウやOBとの接点を求めて、公務員志望の学生が続々入門してきます。田舎国公立大学あるあるです。
そのゼミ生達……つまり公務員になりたくて仕方なかったはずの方々が、せっかく公務員になれても結局辞めているというのです。

若手離職の話は過去記事でも取り上げていますが、正直これまであんまり現実味を感じていませんでした。
ただ今回の話を聞いて、急に切迫感を覚えました。


離職防止策を考えていたところ、ちょうど最近リリースされた「新人地方公務員の組織適応」というテーマの論文を見つけました。



論文PDFはこちら
ぜひ本文を読んでいただければと思いますが、かいつまんで紹介します。

論文のあらすじ:適応成功職員を分析

この論文は、2020年10月〜 11月にかけて、福岡県内の自治体に勤務する勤続年数1〜3年目の職員14名を対象として実施したインタビューをもとにしています。
コロナ感染拡大後の情報に基づいているので、現時点でも十二分に通用すると思われます。

また、インタビュイーうち「これまで一度でも離職や転職を考えたことがある」と回答した人が14人中わずか2名に止まることが付言されています。
著者はこの点をもって、インタビュイーの属性を「組織にそれなりにうまく適応できている人々」と評価しています。

この見方には僕も完全同意です。
1〜3年目といえば、民間勤務の同世代との待遇格差(給料安い、研修無い、残業代不支給など)を痛感して辛酸を舐める時期であり、具体的な不満が無かったとしても辞めたくなってくるものです。

分析結果 ー4つの課題と4つの対処方策ー

インタビュー結果を分析した結果、新人職員が主に直面する組織適応上の課題として、
  • OJTの機能不全
  • やりがいの希薄化
  • 仕事や職場への戸惑い
  • 住民に対する葛藤
という4つのカテゴリを抽出しています。

さらに、これらの課題への対処法策として、
  • 受け入れ・割り切り
  • 主体的な学習
  • 現状の変革
  • 人間関係の構築
という4点を提示しています。

それぞれの項目の具体的な内容は、論文本体を読んでみてください。
インタビュー中の実際の発言も多数引用されていて、生々しくて面白いです。

日々の業務に展開するには

正直なところ、「4つ課題」にも「4つの対処方策」にも、目新しい項目はひとつもありません。
誰もが薄々感じている事柄が改めて立証されたというのが率直な感想です。

とはいえ、このように整理されることの意義は大きいです。
具体的な対策を考えやすくなります。

当事者(新人地方公務員):肩の荷を下ろせるか

「4つの課題」として挙げられた項目は、新人であれば誰もが直面する課題と言えるでしょう。
この辺りの課題に実際に悩まされている方がいたら、「自分が悪い」と背負いこむ必要はありません。
「役所あるある」なのです。
こう捉えれば、いくらか気が楽になるはずです。

上司・先輩:サポートの視点

ある程度経験を積んだ職員にとって、「4つの課題」はいずれも「仕方ないこと」として受容されています。
あまりに当たり前すぎて「新人にとっては躓きポイントである」ことを忘れがちなので、改めて意識し直したほうが良いでしょう。

加えて、新人職員が「4つの対処方策」を実践するサポートもできればいいでしょう。
特に、新人職員が「現状の変革」に乗り出そうとしている兆候があれば、しっかり監視したほうがいいと思います。
3年目くらいの職員が思いつく改革案には、だいたい致命的な見落としがあります。
そこをうまく指摘して補強させたり、時には諦めさせるのも重要でしょう。


ここからは完全に個人的感想です。
インタビュイー各位の発言を読むに、皆さん「自助だけでなんとか乗り切った」という認識のようで、「周囲の職員に助けられた」というコメントが皆無なのが大変印象的でした。

引用箇所があくまでインタビューの一部だけで、引用されていない部分にはこういう趣旨の発言もあったのかもしれませんが、もし本気で「自分一人で新人期の危機を乗り切った」と信じているなら、それは危険な誤解だと思います。
誰かしらサポートしてくれているはずなのに、視野が狭くて気づいていないだけなのでは……?

周囲の厚意に気づかず、悲劇のヒーロー/ヒロインぶる若手は、役所でなくとも煙たがられます。

さらに、こういうマッチョ思考は、後輩への塩対応(自分は独力でなんとかできたから、お前もできるだろ?)につながりかねません。

勤続年数3年目までの時点では「組織にうまく適応している」かもしれませんが、数年後は危ういなと正直思いました。

「地方公務員はAIに仕事を奪われて路頭に迷う」と警鐘が鳴らされ始めてから結構な時間が経過しました。
AIの進歩は凄まじく、誰でも手軽に使えるサービスが続々登場していますが、残念ながら役所には今のところチャットボットくらいしか導入されていません。
「仕事を奪われる」どころか、むしろチャットボットに関する苦情対応という新しい仕事が増えているくらいです。

地方公務員と同じくブロガー(ライター)も、「AIに代替される」と脅されています。
インターネット上に存在する膨大な文章をAIに学習させることで、条件さえ指定すれば「それっぽい」文章を量産できるので、わざわざ人間が時間と労力をかけて執筆する必要が無くなるのだとか。

ただ、学習材料となる文章量が少ないであろう地方公務員ネタの場合でも、AIはちゃんと対応できるのでしょうか?
実際に文章作成サービスを試してみました。

PlayAi

まずは「PlayAi」というサービスを使ってみます。
ボックス内に文章を放り込むだけで続きを書いてくれる、非常に使いやすいサービスです。
このサービスに、このブログの過去記事の冒頭部分を読み込ませて、続きを書いてもらいます。

使うのはこの記事。
(いくつかの記事で試してみたのですが、一番出来が良かったものを紹介します。)



<読み込ませた文章>

自分が出世コース入りしているのかどうか、30歳を過ぎる頃になれば自然と分かってきます。
同期職員の間でも業務内容の差が広がり、忙しい職員と暇な職員にはっきり分かれるからです。

過去にも紹介したとおり、出世コースに入るか否かは20代のうちに確定すると僕は考えています。

役所の出世コースは明確で、「誰が出世コースに乗っているのか」は人事録を数年分見ればおおよそわかります。

出世競争最大の謎であり役所人事の神秘は、その前段階である出世コース入りを賭けた2次選抜過程です。
誰が参戦しているのか傍目にはわかりませんし、戦っている当人すら自覚が無いかもしれません。

今回はこの「2次選抜」の真相に迫ってみます。


<ここからAI>

この記事では、私がどのようにして彼らと仕事をするようになったのか、そして彼らがどのようにしてそこにたどり着いたのかをご紹介します。
長い記事になりそうなので、2つのパートに分けます。これらのパートは、以下のように書かれました。
 
パート1: 資格、面接、事前承認
第2部:二次選考のプロセス
この記事では、様々な情報源(無料、有料)を使用しましたが、なぜその情報源を選択したかを説明します。また、二次選考の流れや、どうすれば参加できるかを説明します。

資格について
行政職に就くための一番の資格は、困難な状況下でも働ける能力です。
近年では、ストレスの多い状況下でも働きやすいと言われています。
しかし、役所も年々変わってきており、それは条件も変わってきていることを意味します。
そのため、昔よりも資格を取ることが大切になっています。

最も重要な資格は、正しい姿勢を持っていること、そして正しい姿勢だけを持っていることです。
働くべき時に働けるだけではダメなのです。働かなくてもいいときに働けることも必要です。
常にスポットライトを浴びたいタイプの人は、自分のステータスを落とすようなことはしたくないでしょう。

しかし、それだけではありません。
行政の仕事にはレベルがあり、それぞれのレベルに見合った能力が必要なのです。
例えば、内務省で働きたいのであれば、家を空けるときに自分を養える能力が必要です。
内務省で働きたいのであれば、家にいるときに食事を提供できるようにしなければなりません。
内務省で働きたいなら、家を空けるときに家族を養うこともできなければならない。
これらの条件を満たせるかどうかが重要なのです。

応募する部署の条件を満たすにはいくつかの方法があり、それらの方法を「資格」と呼びます。
最も一般的な資格は、そのポジションの最低条件です。
各役職の要件は異なる場合があります。
例えば、公共サービス委員会の委員というポジションに応募するのであれば、以下の最低条件を満たす必要があります。
 

翻訳調?

出世の話ではなく採用試験の話になってしまいました。「選抜」という単語がまずかったのでしょうか?
とはいえ、前半部分は結構いいこと書いてませんか?

>行政職に就くための一番の資格は、困難な状況下でも働ける能力です。
>最も重要な資格は、正しい姿勢を持っていること、そして正しい姿勢だけを持っていることです。
>働くべき時に働けるだけではダメなのです。働かなくてもいいときに働けることも必要です。

このあたりは特に考えさせられます。

全体的に翻訳ソフト感があるので、海外サイトの文面を使ってAIに学習させたのかもしれません。


AIのべりすと

次に使うのは「AIのべりすと」というサービスです。
名前のとおり小説を書くことに主眼が置かれたサービスですが、小説以外の文体も書けます。
無料で使えますが、ユーザー登録が必要です。

こちらのサービスにも、このブログの過去記事の冒頭部分を読み込ませて、続きを書いてもらいます。
使うのはこの記事。
(こちらもいくつかの記事で試しており、一番出来が良かったものを紹介します。)




<読み込ませた文章>

何気に出世関係の記事が常時人気の弊ブログ。
地方公務員ブログを読むような現役職員って、「人生のコスパが悪いから出世したくない」とか「出世よりも『やりたい仕事』を優先したい」という考えの方のほうが多い印象ですが……なんだかんだで出世にも関心があるのでしょうか?

入庁からそれなりに月日が経過して、同期入庁職員からは財政課も人事課も輩出されてしまいました。
とりあえず、僕たちの出世レースはひと段落したところだと思われます。

「鉄は熱いうちに打て」ということで、ここで一旦、筆者が見た20代の出世レースを振り返ってみようと思います。

<ここからAI>

※筆者は公務員試験未経験者のため、行政職(I種)と一般職(II種)の区別や採用区分の違いなどについては割愛させていただきます。
 
■1年目・新卒配属時(財政課)
まずは財政課の新入職員時代についてお話しします。
財政課では主に地方債の管理業務を行っていました。
地方債というのは簡単に言うと借金のことですね。
この借金には大きく分けて二種類あります。
一つ目が起債と言われるもので、地方自治体が民間企業などにお金を借りることを言います。
もう一つが借換債と言いまして、借り換えのための資金のことです。
どちらも国の補助金が入るため、財政課の職員の主な役割はその補助額を調整すること。
具体的には、地方債の発行額を決めたり、償還計画を立てたりすることです。
このあたりの事務作業はかなり煩雑なのですが、この部署に配属されることは地方公務員としてはかなり恵まれた環境と言えるでしょう。

■2年目・異動時(財政課)
2年目の秋に異動となりました。
異動先は財務部財政課というところでした。
財政課とはうってかわった地味な職場です。
主な業務内容は国債管理および地方債の審査。
いわゆる財務官僚がするような仕事をしていたわけですね。
ちなみに、国税庁でも同じようなことをしているらしいです。
財務部財政課では、国債を格付け会社に委託して格付けしてもらうのですが、その際には財務省から出向してきた方々にアドバイスを受けながら作業をしています。
また、年度末になると、財務省の方々と意見交換会を行います。
そこで出た話をもとに、年度予算案を作成するというのが主なお仕事でした。

■3年目・異動時(税務課)
3年目の春に異動しました。
異動先は再び財政課に戻り、今度は税務課へ。
主に法人課税関係の事務を担当していました。
こちらはいわゆる霞ヶ関の仕事で、法人課税の法律改正があった際には国会対応をしたり、企業への説明に出向いたりすることもありました。
あとは決算書の内容を確認したり、税金を納める法人さんを訪問して話を聞いたりすることもありましたね。
 
■4年目・異動時(財政課)
4年目はまたまた財政課に戻りました。
今度こそは異動なしでずっと財政課勤務になると思ってたので嬉しい限りです。
 
そんなこんなで新入職員時代は終わり、いよいよ本格的に公務員として働き始めます。
これからは、各自治体ごとに異なる制度の中で、どのように仕事を進めていけばいいのかを模索していくことになるでしょう。
 
さて、新入職員時代の思い出を振り返ると言っておきながら、いきなり財政課編になってしまったんですが……まあ、それはそれでいいでしょう! ここからは各自治体ごとの事情も踏まえつつ、新入職員時代の話を続けていきたいと思います。
※次回更新は5/16(木)予定です。

まじでAIに職を奪われるかもしれない

ちゃんとした日本語文章として成立しています。AIすげえ!
1文1文の繋ぎ方がすごく自然で、句読点の打ち方も過不足なく、僕が書く記事よりも明らかに読みやすくて敗北感を覚えています……
体裁的にもブログ記事らしく仕上がっています。

内容的にはツッコミどころ満載ですが、ちゃんと自治体(ちょっと地方財務局も混じってるっぽいですが)を舞台に作文してくれているのは普通にすごいと思います。
文章の流れが自然すぎるために、公務員以外の人が読んだら、どこが間違っているのか気づかないかもしれません。

人間とAIの役割分担

「AIのべりすと」本当にすごいです。
文章の読みやすさだけでいえば、それなりに練習したWEBライター並みだと思います。

「仕事のやりがい」や「経験談」みたいな、あくまで主観的意見であり、間違いの存在しない話題であれば、「AIのべりすと」でも十分読み応えのある記事が書けそうです。

反対に、
  • データや学説を根拠にして推論する
  • 固有名詞を多用する
  • テーマがマイナーすぎてAIがついてこれない
こういった文章は苦手なようで、まだまだ人間のほうが有利だと思われます。
根拠となるファクトや、最も伝えたい結論部分は人間が書いて、その中間の「つなぎ」部分をAIに書いてもらう……という役割分担がうまくできれば、現時点の無料サービスでも十分に活用できそうです。

おまけ:採用パンフレットを書いてもらう

役所がリリースする文章の中でも、ひときわ抽象的で主観的なのが採用パンフレット中の「職員の声」です。
AIの傾向を見るに、「志望動機」「やりがい」みたいな主観的意見は十分対応できそうなので、試しに「AIのべりすと」に書いてもらいました。
ついでにイラストもAIに描いてもらって、体裁を整えると……

先輩職員AI.001
AIだけでそれっぽいものが作れてしまいます。本当に末恐ろしいです。


ここ数年、地方公務員が書いた本(以下「公務員本」)が増えてきている気がします。
読み手をかなり選ぶ(同業者しか買わなさそう)ジャンルだと思うのですが、継続的に出版されているところを見るに、案外売れているのでしょうか?

公務員本には現役地方公務員にとって興味深いテーマの著作が多く、お値段も手頃で、文章も柔らかく、長すぎず短すぎず、一見とっつきやすいジャンルに見えます。

ただ僕は、公務員本は上級者向けの読み物だと思っています。
鵜呑みにするのは危険ですし、勿体無いです。

公務員本≒伝記・回顧録

公務員本には、著者の個人的経験(サクセスストーリー)に基づく主観論に終始したものが多いです。
ジャンル的には政治家や経営者の自伝・回顧録に近いと思います。

あくまでも材料は特定の自治体の一定期間のエピソードであり、定量的な分析や学術的な裏付けがあるわけではありません。

本を出版できるような地方公務員は、言うまでもなく成功者です。
成功者の意見である以上、多少根拠が弱かったところで、参考になるのは間違いありません。

とはいえあくまでも経験ベースの主観論である以上、普遍的な真理ではありません。
著作中で紹介される手法やノウハウは、著者が勤務した自治体では成功を収めたかもしれません。
しかし、読者が置かれた状況下でも同様にうまくいくという保証はどこにもありません。

タイトルと中身のミスマッチ

公務員本のタイトルには、あたかも普遍的真理を説くかのような文言が使われがちです。
「〜の教科書」とか「〜の基本」みたいな。こういうタイトルのほうが売れるのでしょうか?

反対に、経験談であることを前面に打ち出した著作はあまりありません。

つまるところ公務員本では、中身は経験論&主観論なのにタイトルは普遍的真理っぽい……というミスマッチが生じがちといえます。

批評的読書が必要

公務員本を読むなら、似たようなタイトルの本を複数冊読むことを勧めます。
「同じようなタイトルの本を何冊読んでも、内容が重複していてお金も時間も無駄なのでは?」と思うかもしれませんが、心配無用です。
似たタイトルであったとしても、著者が異なれば、中身はかなり違ってきます。
ここが公務員本の面白いところです。

もし重複する内容が見つかれば、それこそ大きな収穫です。
それぞれ異なる境遇に置かれた成功者達が、共通して「重要だ」と考えたということは、それは普遍的真理に近い内容なのです。


また、著者の主張の中でも、特に納得できない点に注目するのも有益だと思います。
公務員本で語られるサクセスストーリーの中には、直感的に「おかしくない?」と反論したくなる展開もたくさんあります。
  • 地域住民が最初から好意的
  • 周囲の職員のモチベーションがなぜかやたら高い
  • 人員も予算も増えるのに、人事課も財政課も反対してこない
具体的にはこのあたりでしょうか。

たとえ読者が納得できなかったとしても、著作中のサクセスストーリーは紛れもない事実です。
著者が勤務する自治体では、それで成功しているわけです。
見方を変えれば、読者が納得できなかった箇所は、読者の自治体固有の課題ともいえます。
こういう性質の課題を表面化させるだけでも、公務員本を読む価値があると思います。

単に文面を追いかけるだけでなく、「納得できない」という直感を働かせながら読む、つまり一種の批評的読書をすることで、公務員本はより一層役に立つはずです。

このページのトップヘ