キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

2023年02月

4月からの就職や転勤を控え、一人暮らしの準備をしている方も多いでしょう。
インターネット上ではインテリアガチ勢や節約ガチ勢による一人暮らし情報はたくさんありますが、地方公務員に特化した一人暮らし情報はあまり見かけません。

というわけで、僕が普段意識している一人暮らしの工夫を紹介していきます。

大前提:ブラック労働にも耐えられる体制づくりが必要

社畜なりたての頃の習慣は、後々まで結構残ります。
就労し始めた頃に良い習慣を身につけておくと、後々楽になります。

地方公務員の場合は、なるべく省エネかつ低コストな生活を身につけるべきだと思っています。

地方公務員の生活は基本的に土日休みの昼型生活を送っていますが、配属される部署や上司のキャラクターによっては、深夜残業や休日出勤も十分ありえます。
普段は平和な部署であっても、マスコミに目をつけられて炎上したり住民訴訟を起こされたりすれば簡単に修羅場と化し、帰れなくなります。

つまるところ、仕事が突然めちゃめちゃ忙しくなる危険性と常時隣り合わせの人生を強いられるわけで、家事に割ける時間は保障されていません。
この意味で「省エネ」である必要があります。

加えて、地方公務員はさほど高収入ではありません。
独身を貫くのであれば結構豪遊できるものの、ちゃんと家庭を持って子育てをするのであれば、なかなか厳しいです。
僕と同年代の職員になるとほぼ共働きですし、出産や育児のために片方が無給になる期間は、貯蓄を切り崩さないと家計が回らないと聞きます。
そのため、20代前半のうちからしっかり貯蓄し、来るべき育児初期の取り崩し期間に備える必要があります。
この意味で「低コスト」である必要があります。

物件:夜型生活を送れるところ

物件を選ぶときは、「夜型生活を問題なく送れるか」という観点で探すと良いでしょう。
  • 夜遅くても帰れる(公共交通機関がある or 徒歩・車通勤できる)
  • 遅くまで営業しているスーパーや飲食店がある
  • 遮音性が高く隣人に迷惑をかけない
このあたりの条件は必須だと思います。

中でも、遮音性は非常に重要です。
少なくとも、夜中に洗濯機を回せないと早々に詰みます。生活が回りません。
内見するときにしっかり確認したほうが良いでしょう。

上述のような条件を満たす物件となると、家賃はどうしても高止まりすると思います。
「低コスト」を達成するためには極力賃料を抑えたいところです。築年数や広さを犠牲にするしかないでしょう。

家具・家電:必要最小限

地方公務員の人事異動は4月1日付けに集中します。
特に転居を伴う広域異動は、大半が4月1日付けです。

地方公務員の人事異動は概して内示が遅いです。
僕の勤務先自治体の場合、転居を伴う場合であっても2週間前まで教えてもらえません。
転居判明が遅いせいで引っ越し業者が捕まらず、レンタカーに荷物を突っ込む「夜逃げスタイル」で引っ越さざるを得ない職員も少なくありません。

そのため、広域異動がありうる職場の方は、なるべく家具家電を減らし、業者に頼まずとも引っ越しできるほどに身軽な生活をしたほうがいいと思います。
具体的には、家具家電をなるべく増やさないこと、増やすにしても極力レンタルを使うことが重要です。


僕の場合、以下の家具家電はレンタルです。
  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 掃除機
  • 電子レンジ
  • 炊飯器
  • エアコン
  • 物干し台
  • 台所用ラック
電子レンジだけはハイスペックなものを自前購入しても良かったかなと思っています。
独身時短自炊では、電子レンジが欠かせないからです(後述)。

自前で持ち込んだのは、
  • パソコン関係
  • ブルーレイレコーダー
  • 椅子(腰痛持ちなので高級チェアを使用)
  • 寝具(マットレス)
  • IH調理器
くらいです。

たんすや本棚のような棚類は置いていません。
代わりに折り畳みコンテナを使っています。
役所でも大活躍の、俗にいう「折りコン」です。

TRUSCO 薄型折りたたみコンテナ スケルコン 50Lロックフタ付 TSK-C50Bコンテナ トラスコ コンテナボックス 折りたたみ 収納 収納ボックス 物流 倉庫 保管用品 流通 倉庫作業 工場用品 整理保管箱 部品管理 通い箱 通函 おしゃれ 蓋付き
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カラフルな折りコンを使えば、見た目も悪く無いはずです(多分)。


食事…スケールメリットを意識して自炊

食事は自炊中心にすることを強く勧めます。
自炊のほうが安上がりだからという理由ももちろんありますが、それ以上に30代以降の健康のためです。

先日の記事でも少し触れましたが、30代になっても外食や中食(コンビニ飯など)中心で暮らしている独身男性は、外見や体調に異変を来しています。
明らかに太ってきたり、肌に脂が浮いていたり、健康診断で異常値を叩き出したり……

さらに何より、30代になると外食やコンビニ飯の「油っこさ」がしんどくなってきます。
たまに食べる分には美味しいのですが、毎日続くと本当にきついんですよね。
一切自炊しない場合は、「しんどいなあ」と思いながら割高で健康に悪い食事をするわけです。
精神衛生上、非常によろしくありません。

社畜の自炊では、凝ったものを作る必要は全く無いと思っています。
重要なのは、安価でヘルシーな食事を手早く作ることであり、ブラック労働環境下でも持続可能な自炊スタイルを身につけることです。

自炊のコツには先人の知恵がたくさんあり、書籍や動画ですぐに調べられます。
以下、僕の個人的な工夫を紹介します。

給食みたいに「献立表」を作る

個人的に、自炊生活最大のハードルは「献立づくり」だと思っています。
調理自体そのものよりも「何を作るか」を考えるのに時間がかかり面倒なのです。
特に平日夜はさっさと寝たいので、毎回考えている余裕がありません。

そこで、毎週土曜日に「翌週の各食のメニュー」を決めることにしています。
これに基づいて日曜日にスーパーで買い物して、日曜日のうちにできる限り下準備を済ませ、平日は簡単作業で整うようにしてあります。

メニューを考えるときは、とにかくたんぱく質と野菜を摂取するようにしています。
炭水化物や脂質は外食やコンビニでも安価で大量摂取できますが、たんぱく質と野菜は割高だからです。

スケールメリットを意識する

「時間的にも金銭的にも、自炊はコスパが悪い」という主張をする方も結構いますが、スケールメリットが効くようにメニューを決めていけば、たとえ一人暮らしであっても省エネ低コストを実現できると思っています。例えば、
  • 保存の効く料理をまとめて作り、数日に分けて食べる
  • 同じ食材を使い回す(例:キャベツを1玉買って、複数のキャベツ料理を作る)
  • 冷凍を活用する(例:余った野菜を冷凍して味噌汁の具にする)
あたりの工夫は、簡単に取り組めます。

作り置きとレンチンメニューを組み合わせれば、10分くらいで1汁2菜までは準備できます。
同じようなメニューが何日も続くので異常独身男性っぽさが滲み出てしまいますが、コスパは優れています。

「毎日調理して、毎日違うものを食べなきゃ」という制約を外してしまえば、自炊のハードルは一気に下がるのです。

Youtubeに感謝

Youtubeには、一人暮らし生活のコツを紹介する動画がたくさんアップされています。
中でも「ブラック企業社畜」「薄給社畜」を掲げている方々の動画が特に役立つでしょう。
彼ら彼女らが披露してくれる、お金をかけずに家事を効率化していくテクニックは、まさに「省エネ」かつ「低コスト」な生活を実現する手がかりになります。

食事に関しては、筋トレ系の動画が役立ちます。
トレーニーの方々の筋肉食を真似してたんぱく質を確保しつつ、あとは野菜をたくさん食べれば良いでしょう。


年初の記事で「今年こそ『コロナ訴訟』と『採用抑制』で盛り上がる」と予想したところなのですが……
これらが霞んでしまうビッグニュースが早速飛び込んできました。
会計年度任用職員への勤勉手当支給です。



公務員のボーナスは「期末手当」と「勤勉手当」に分かれており、割合はほぼ半々です。
会計年度任用職員は、このうち「期末手当」しか支払われていませんでした。
一般職員のだいたい半分の月数分しか支給されていなかったわけです。

現在提出されている改正法案では、会計年度任用職員に「勤勉手当」も支給できるようになります。
詳しくは後述しますが、ボーナスの支給月数がざっくり倍増すると思われます。

個人的には大賛成なのですが(特に保育士や司書のような専門職)、これから国会での法案審議が本格化していくと、「公務員の待遇」に対する世間のイメージが生々しく表れてきそうで恐ろしいです。

「非正規」という追い風 vs 「公務員」という向かい風 

マスコミ報道では通常、会計年度任用職員は「非正規公務員」と表現をされることが多いです。
今回の「会計年度任用職員への勤勉手当支給」も、すでに一部のマスコミ報道では「非正規公務員の処遇改善」という表現に変換されています。

「非正規公務員の処遇改善」という表現の中には、世間一般の方々にとって、好印象/悪印象どちらの要素も含まれています。
 
「処遇改善」の一言であれば、誰もが賛同するでしょう。
「非正規の処遇改善」であれば、賛同の声はさらに強くなるはずです。
しかし、さらにここに「公務員」という単語が加わり「非正規公務員の処遇改善」になると、途端に印象が悪化します。
 
公務員の給与の大元は税収であり、公務員の賃上げは税負担増加(または公共サービスの縮小)に直結しかねません。
公務員が潤う代わりに、公務員以外は損をするわけです。
単なる「公務員の処遇改善」であれば、マスコミも世間も猛反発するでしょう。

ただし今回は、単なる「公務員の処遇改善」ではなく「非正規公務員の処遇改善」です。
非正規労働者を安く使う慣行が色々な社会問題の元凶として認識されている以上、無碍にはできないと思います。
特にマスコミは叩きづらいでしょう。

このように、「非正規公務員の処遇改善」には、国民感情にとって
・「非正規労働者の処遇改善」というプラス要素
・「公務員の処遇改善」というマイナス要素
いずれもが織り混ざっています。
ゆえに、容易には判断を下せないように思われます。

結果的に世論が賛成/反対どちらに傾くか次第で、どちらの要素が強いかわかります。
ここでもし反対に傾けば、「非正規だろうが何だろうが公務員の処遇改善は断じて許されない」という判断を世間が下したわけで、公務員に対する悪感情が今後も末永く持続することが確定します。

財源捻出が結構大変なのかもしれない

完全に皮算用ですが、会計年度任用職員に勤勉手当を支給することでどれくらいの財政的インパクトがあるのか推計してみます。

地方財政状況調査(決算統計)によると、会計年度任用職員分のボーナス支給額は、令和3年度で約1,872億円。これは期末手当分だけです。
 
期末手当は勤務期間に応じて支給されるもので、ここでは2ヶ月分と仮定します。
支給月数は自治体によってバラバラですが、おおよそ任用1年目であれば1.7ヶ月分、2年目であれば2.2ヶ月分くらいのはず。任用期間の割合はわからないので、ざっくり2ヶ月分ということにします。

一方、新たに支給される見込みの勤勉手当は、勤務実績に応じて支給されます。
とはいえ実際そんなに差はつかないので、こちらも2ヶ月分と仮定します。

要するに、勤勉手当が支給されるようになると、ボーナス支給額が倍になります。
つまり、全国ベースで1,872億円≒約1,900億円、人件費が増えると見込まれます。

全国総額で約1,900億円……と言われても全然ピンとこないので、同じく地方財政状況調査の中から、近しい数字を探してみました。
  • 住居手当総額 約1,600億円
  • 管理職手当 約1,700億円
  • 時間外勤務手当 約5,600億円 →1/3すると約1,900億円
人件費関係だと、このあたりが近しいです。

つまるところ、会計年度任用職員への勤勉手当支給は、
  • 住居手当や管理職手当を倍増する
  • 時間外勤務手当が3割上乗せされる
くらいの財政的インパクトがあるといえます。
こう考えると相当大きな影響です。 

ただし、令和3年度の地方公務員の人件費総額は約23兆円で、会計年度任用職員の勤勉手当相当分は約1%にすぎません。
率ベースで見ると、大した影響ではないのかもしれません。

一般職員の待遇に波及してくる可能性もゼロではない?

個々の自治体レベルでは、会計年度任用職員への勤勉手当支給に必要な財源をどう確保するか、そして財源確保方法を議員や住民にどう納得してもらうかが課題になるでしょう。
 
いくら法改正が原因とはいえ、「人件費が増える」のは非常にウケが悪いものです。
「法改正が原因だから仕方ない」と押し切るか、別のところで人件費をカットして総額は増えないように調整するか……議員や住民の顔色を伺いながら各自治体で判断することになりそうです。
 
人件費をカットして財源捻出する場合、採用を減らしたりがっつり勧奨退職したりして職員数を減らす方法が一番手っ取り早いでしょう。

一般職員の待遇を落とすという方法もあり得ます。
その場合は、 先述した「住居手当や管理職手当がゼロになる」「時間外勤務手当3割カット」並のドラスティックな改革が必要になってきます。やばいですね……

法改正に伴う人件費増ということで、交付税で措置されることを切に望みます。 

会計年度任用職員への勤勉手当支給は、「早くても令和6年度」からとのこと。
個々の自治体で議論になるのは、令和6年度予算審議が本格化する今年度後半になるでしょうか。
ちょうど12月のボーナス支給時期と重なりますし、「公務員の12月ボーナスは〇〇万円、来年度はさらに増える模様」みたいな感じでセンセーショナルに報道されるんでしょうね……
 
とりあえずは目下の国会審議の動向を眺めつつ、マスコミの反応をウォッチしていきたいです。

 

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