キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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2023年11月

総務省が検討会を開いて、地方公務員のあり方を検討するらしいです。





検討会の名称は「社会の変革に対応した地方公務員制度のあり方に関する検討会」。
(長いので、以下「検討会」。)

報道によると結構なロングスパンで継続開催されるようで、委員数も多いですし、法改正につながるような抜本的な見直しをするんじゃないかと思われます。

まだ全然情報が出ていない今のうちに、どんな検討がなされていくのか想像していきます。

検討の前提にある「社会の変革」とは

まず、この検討会で一体どんな議題を扱うのかを考えてみます。

名称を見るに、この検討会は「社会の変革」に対応するための「地方公務員制度」を検討する場のようなので、検討の前提となる「社会の変革」をどう定義しているのかがまず重要になります。

地方公務員を取り巻く「社会の変革」を総務省がどう捉えているのか、一つヒントが存在します。

総務省では、地方公務員のあり方に関して、「ポスト・コロナ期の地方公務員のあり方に関する研究会」という別の研究会(以下「研究会」)を、最近まで開いていました。
名称も似ていますし、今回の検討会にもこの研究会からメンバーが一部引き継がれていますし、連続性があるのだと思われます。



この研究会の報告書の中には、「社会状況等の変化」という文言が出てきます。
「社会の変革」と「社会状況等の変化」、表現はやや異なりますが、ニュアンス的にはかなり近いです。

そのため、検討会における「社会の変革」が何かを窺うには、研究会の報告書内で結論づけられた「社会状況等の変化」がヒントになると思います。


研究会の報告書では、以下の3点を「社会状況等の変化」として掲げています。
  • 【社会情勢の変化による人材確保への影響 】若年人口の減少と人材の流動化に伴う人材獲得競争の激化と、困難な政策課題に対応できる多様な人材確保の必要性の高まり
  • 【行政に求められる能力の変化】 行政課題の複雑・多様化に伴い職員に求められる能力等の再整理、専門人材(特にデジタル人材)の育成・確保、定年引上げに伴う計画的な人材育成の必要性の高まり
  • 【働き手の意識変化】 職員がやりがい・成長実感を得られる取組や、多様な働き方を受け入れる職場環境の整備等の必要性の高まり

いずれの点も、違和感はありません。

災害対応のような突発的長時間労働の増加、慢性的な人手不足、離職者・休職者の増加、心身に危害が及ぶレベルのカスハラ増加……といった業務の過酷化の観点が全然無いのが若干遺憾ですが、2000年台のような「これまで甘い汁を吸ってきた連中の既得権益を引っぺがすぞ」的な懲罰的視点が無いだけでもありがたく思うべきなのでしょう。


正規職員の処遇改善は無さそう

前項では、検討の前提となる「社会の変革」がどのようなものが探ってみました。
一応のヒントは存在するものの、包括的な記述すぎて、具体的な論点は想像できません。

総務省ホームページの検討会資料によると、まず課題を洗い出してから、それぞれの課題を分科会で検討するという進め方を採るらしいので、とりあえずはどんな課題がセットされるのかを注視していきたいです。

現役職員的に一番気になるのは、正規職員の処遇改善でしょう。
時事通信社の記事には「処遇改善」という単語が出てきており、期待したくなるところなのですが…‥総務省が公表している検討会資料では、処遇改善に関しては全然触れられていません。
そのため、この検討会を経て、地方公務員の処遇改善がなされるかは定かではありません。

個人的には、正規職員の処遇改善は望み薄だが、非正規職員や外部人材の処遇改善は大いにありうると思っています。
先に触れた研究会報告書における「社会状況等の変化」の中には、「若年人口の減少」と「人材の流動化」という記述があり、この前提から「従来の正規職員中心の組織運営ではなく、シニア世代を含めた非正規職員や、外部人材をもっと登用すべき」という方向性になるのではないでしょうか?

現状、役所の非正規職員の待遇はよろしくない(専門職は除く)ですし、外部人材に支払う報酬や謝金も、民間水準に比べれば随分安いようです。
特にデジタル関係の人材に関して「求めるスキルに対して報酬が低すぎる」とよく炎上していますし、このあたりの実態を改善するような策が提言されるのでは……と思っています。


良い影響は無さそう

検討会の結論が出るのは2025年度末(令和7年度末)。
実際に制度が変わるのはもっと後になるでしょうし、制度変更が実際に役所現場に影響を及ぼすまでには、さらに年月を要します。

その頃には僕はもうアラフォーで、きっと出先機関で庶務係長あたりのポジションを拝命しているでしょう。
そのため、制度改正の影響は、僕自身の給与とか身分よりも、僕の部下たちに影響してきそうです。
これまで通り、部下は若手正規職員なのか、非正規の高齢者だらけになるのか……ひょっとしたらデジタル化が進んで部下がいない可能性すらあります


地方公務員の働き方は、外部環境に大きく影響されます。
地方公務員制度をいかに変えようとも、正直あまり関係ないと思います。
時間外勤務手当が満額支給されないように、運用上うやむやにされるのが制度の宿命。
明らかな待遇劣化が生じないかという観点で、引き続き注視していきたいです。

10月に入ってから今年も、本省出向関係の記事のアクセス数が急増し始めました。
やはりこの時期に出向を言い渡す自治体が多いのでしょうか……?

この夏のパートナー

この夏は暑すぎて(かつガソリンが高すぎて)ずっと引きこもっていました。
7月から8月にかけて、市外には一度しか出ていません。
読書したりゲームしたり、資格試験(後述)の勉強したりしていたら、いつの間にか夏が終わっていました。

仕事も忙しく、夏期休暇は結局2日しか取れませんでしたし、土日もそこそこ出勤しました。
そんな味気ない夏に彩りを添えてくれたのが、トップバリュのアイスクリームです。


ファミリーサイズアイスの中でもそこそこ高価格なのですが、区分は「アイスクリーム」。
しっかりとコクがあって美味しいんですよね。
しかも味が複数種あって、選ぶ楽しみもあります。

この夏に覚えてしまった「温かいコーヒーと一緒にアイスを食べる」という贅沢、これからも止められなさそうです。


金沢に行ってきた

石川県金沢市に遠征してきました。
目的は「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」の聖地巡礼。
本当はスタンプラリーイベントの開催中に行くつもりだったのですが、9月補正予算業務のせいで土日すら休めず、泣く泣く諦めました……





金沢市といえば「外国人観光客の中でもヨーロッパ系が多くて、1人あたり観光消費額が高い」という定評がありましたが、今も変わらず欧米系の方が多かったです。

飲食店もお土産物もなかなか強気な観光地価格を打ち出していたのですが、それでもお客さんで賑わっていました。
高めの値付けでもお客さんがいるというのは、とても良いことだと思います。

日本人観光客(特に首都圏の方々)は、地方への旅行に「安さ」を求めている人が多く、値段に対して辛口な人が多いです。
googleマップの低評価コメントが特に露骨で、「地方都市なのに東京並みの値段を取るなんてあり得ない」みたいな、「地方なんだから安くして当然」という難癖がたくさん見つかります。

そんな中、しっかり観光地価格を維持できているのは、ブランド戦略の賜物と言えるでしょう。

一方、駅前商業ビルが閑散としているのが気になりました。
土曜日の午後という一番賑わっていそうな時間帯なのにスタバ以外全然人がいませんし、空き区画も複数ありました。

石川県内は郊外型イオンモールがたくさんあるので、そちらに流れているのでしょうか……?

情報処理技術者試験を受けるなら高度区分がデフォ?

10月8日にプロジェクトマネージャ試験を受けてきました。
プロジェクトマネージャ試験は、IPAが実施している高度情報処理技術者試験の一つで、ITパスポートや基本情報技術者の上位に位置づけられる試験です。

去年、同じ高度情報処理技術者試験のうちITストラテジストに合格できたので、味をしめてまたチャレンジしてきました。

プロジェクトマネージャは、名前のとおりシステム開発プロジェクトをマネジメントするポジションで、役所でいえば課長補佐くらいの位置づけです(最終的な決裁権者では無いけど、実務上の意思決定や指示出しをする立場)。
部下をうまくマネジメントする方法や、ステークホルダの管理など、役所実務にも役立つ知見を得られます。

そのためなのか、受験者の中には、僕と同じ県職員を複数名見かけました。

去年あたりから、職員にITパスポートの受験を推奨する自治体が増えていて、僕がいる職場でも昼休みに勉強している職員がちらほらいます。
その一方で、ITパスポートでは飽き足らず、高度情報処理技術者試験まで手を伸ばす職員も(僕みたいな独身暇人資格趣味のみならず)存在するんだなと驚きました。

去年、転職エージェントからも「ITストラテジスト資格を持っている地方公務員は珍しくありませんよ」と聞きました。
転職やキャリアアップを目指す地方公務員にとって、IT関係の自己啓発では、高度情報処理試験レベルがもはや標準なのかもしれません。


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